美しく光るもの

神無月 花

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第一集

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 第一集     出会い
ある日。話会に参加するため本家に来ていた光留は、話会が終わり本家の庭を散策していた。



光留(相変わらず、本家の庭は広くて綺麗だ。)




安倍晴明の直系の末裔の家系である光留の家は、いわゆる”旧家”と呼ばれる家系だ。つまり、一般的に見て、光留の家は裕福な、ようするにお金持ちな家である。
が、光留の家は、あくまで〝分家〟。普通の家庭の家より広いとはいえ、その広さは本家よりは狭いのだ。
また、同じ一族の家でもその家々によって微妙に部屋の造りが違ったり、庭の花の植え方が違ったりする。



と、光留が庭の桔梗の花を眺める1人の人間の人影を見つけた。その人物は、見た感じ光留と同年代....15~16歳くらいの女性のようである。
相手も光留に気が付いたのか、その視線が光留に向けられた。





「こんにちは。」



その女性は、美しい顔をしていた。そして、にっこりとほほ笑んで光留にそう挨拶をした。だが、光留は、すぐにそれに反応する事が出来なかった。




ーー光留は、その女性の笑顔に見とれ、反応が遅れてしまったのだ。




「あの、大丈夫ですか?何処か具合でも....」




一向に自分に言葉を返さない光留に不審感と心配の念を抱いた女性は、そう尋ねた。



光留「大丈夫です。前日あまり眠れなかったから、少しぼーっとしただけ。もう治りましたよ。」



光留はあたりさわりの無い言葉を選び、そう答えた。もちろん、嘘である。光留は前日にしっかりと休養をとっていた。



「本当に大丈夫ですか?」


光留「大丈夫ですよ。すいません。心配かけまして。」


女性が尚も心配そうに聞いてくるので、光留は軽く罪悪感を感じたが、それを態度に表さず、そう答えた。



「良かった。とゆうか、見た感じ同じくらいの歳だし、親戚同士なんだから、敬語はやめない?なんだか、堅苦しくて。」



光留「そうだね。君がそう言うなら、その方がありがたい。」



「じゃあ、決まりね。私は安倍 美生(あべ みお)。一応、 本家の人間よ。」



光留「僕は安倍 光留(あべ ひかる)。よろしくね。」



美生「ええ。よろしくね、光留。」







これが、後に一族最強の姫と呼ばれる紫苑の両親の出会いであった。










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