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第一集 参ノ巻

4.東京分家の密談

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 佳陽(さすが、本家の誇る結界だ。強い力を感じる。これを破るのはかなり大変そうだな。なら、正面から行くしかないか。)



  そう思った佳陽は、堂々と玄関から本家内に入って行く。普通に親戚の家に遊びに来たかのようだ。とてもこれから闘いを仕掛けにいく者とは思えない。





 佳陽(ふうん、中もいつも以上に強い結界が張ってあるな。僕の土蜘蛛の件で警戒してるのか。)





「佳陽?何をしている?何故、本家に....」


   佳陽は周りに話を聞かれないように結界を張る。


「何故、結界を張る必要がある?」
 

 佳陽「父さん。父さんなら、僕のやる事に賛同してくれるよね?」



 東京分家当主「...何をするつもりだ?土蜘蛛の件もお前の仕業か?」


 佳陽「土蜘蛛の封印を解いたのは、僕だよ。僕は、これから直系三家の当主と闘う。」


  東京分家当主「何を馬鹿なことを?!"直系三家"という事はまさか、本家の当主とも闘うつもりか?!」


佳陽「そうだよ。」



  東京分家当主「お前の力では、三家の当主には勝てない。無謀だ!止めておけ!」



  佳陽「 父さん!僕ら東京分家の人間が本家の人間に勝ったら、僕等が"本家"と名乗れるんだよ?!父さん言ってたじゃないか、"政治の中心も人口の多さもとっくに東京に移っているのに、何故、いつまでも京都の家が本家を名乗ってるんだ!"って!東京分家だって本家と同じく晴明公の血を直接継ぐ直系家系なのにって!」





 東京分家当主「っ、、、!わかった。これからお前のする事を許す。」



  佳陽「ねえ、僕が勝ったら、兄さんじゃなく、僕を当主にしてくれる?あの魔術師にあっさり負けた兄さんより、僕のほうが当主に向いてると思うけど。」



 東京分家当主「いいだろう。ただし、負けそうになったら、すぐ引き上げろ。無事に帰ってこいよ。」



佳陽「うん。」
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