陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

神無月 花

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第四集

“姫“

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   ある日。本家の話室に、安倍・土御門の一族全員が集まっていた。そしてその中心には、紫苑と両親がいた。


 岐阜分家当主「姫、どなたを伴侶にするか決まりましたか?」 


 紫苑「また、その話ですか。決まっているわけないでしょう。私、まだ学生ですよ。」 


 

  安倍・土御門の一族には、直系家系と傍系家系がある。本家,東京分家,安倍町分家(紫苑の家),土御門家の4家が直系で、大阪分家,奈良分家,茨城分家、鎌倉分家,岐阜分家,愛知の岡崎分家,名古屋分家,愛知県の蟹江分家,和歌山分家,香川分家,九州分家の10家が傍系家系である。
 直系は、直接安倍晴明の血を継ぐ家系だ。






 茨城分家当主「しかし姫、そろそろ真剣に考えていただきませんと。」


紫苑「私が真剣に考えていないとでも?」


 茨城分家当主「そうは言ってませんよ。」


 岡崎分家当主「ですか姫、あなたの動きが一族にとって大きな動きとなることを自覚してください。」



紫苑「わかってますよ。」



 奈良分家当主「まあ、そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。ゆっくり考えてください。」


 鎌倉分家当主「あなたは何故そんなに呑気なんです?!」



紫苑(はあ。だから出たくないのよ。この話会は。)



清秋「静まれ。」



  「宗家....」


清秋「奈良分家の当主の言う通りだ。別に、決めるのは紫苑が18になってからでも遅くない。なんなら、卒業してからでも良いくらいだ。」


  鎌倉分家当主「ですが宗家!」


清秋「この話は終わりだ。次。」

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