陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第四集 弐ノ巻

禁術

清秋(さて。四家の次期当主を探ってみるか。)


　ある日。この日は話会の日で、安倍･土御門全家の人間が本家の話室に集まっていた。 




　清秋(岐阜分家、岡崎分家、茨城分家、奈良分家、...四家とも特に変わった様子は無さそうだな。)

｢何か変わった事は有るか。｣


　　全家当主｢特にないのです。｣


清秋｢では、話会はここまでにしよう。｣ 


＊

　話会が終わると清秋は、部屋の外に出て、隠形(おんぎょう)の術を使い気配を消す。隠形術とは、文字通り姿を隠す術である。


清秋(四家の次期当主が来たか。)


　　　　清秋はそのまま後をつける。
･････････････････････


　　着いたのは、休憩する為に用意された部屋だった。


岡崎分家次期当主｢話会って疲れるなー。｣


　茨城分家次期当主｢ほんとほんと。俺たちはいつ参加しても大して話すことないしなー。｣


　奈良分家次期｢そもそも俺ら出る意味あんの？｣


岐阜分家次期当主｢一応、だろ。一族の義務として出てるだけじゃん。｣


　　岡崎分家次期当主｢でも、紫苑さんに会える!｣


　岐阜分家当主当主･茨城分家次期当主･奈良分家次期当主｢｢｢それは、たしかにうれしい!｣｣｣


　　清秋は、四人に近づき順番に顔を見る。


　清秋(何か...可笑しくないか？顔つきが変だ。まるで...呪詛にかけられている人間の顔のような....)



　
　岡崎分家次期当主｢てか、いくら冷房きいてても、あれだけの人数いて狩衣だと熱っ苦しいよなー。｣


　　　岐阜分家、茨城分家、奈良分家次期当主｢｢｢それわかる!｣｣｣



　　茨城分家次期当主｢話会終わったし、もう脱いじまおうぜ。で、浴衣でも着れば良いじゃん。｣