陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第四集 弐ノ巻

東京分家初代当主

　　佳月は懐から札を取り出すと、清秋,正明,そして、安倍町分家当主である紫苑の父に攻撃を仕掛けた。だが、三人はそれをいとも簡単に防ぐ。それを見た佳月は、水で龍を創り...



　佳月｢水龍。あの三人を攻撃しろ。｣ 



　　水龍に命令した。 しかし、これも三人には当たらない。なぜなら、すぐに結界を張って防御されてしまうからだ。



　清秋･正明･紫苑の父｢｢｢陰陽五行の理に基づきて、水行の龍を土行にて討ち取らん...土剋水。｣｣｣



　しかも、三人の出した土気によって、水龍は消されてしまった。が、佳月はすぐに次の攻撃を仕掛けてきた。

　

佳月｢風牙(ふうが)。｣




　　佳月がそう呟くと、かまいたちが起こった。しかし、その攻撃も簡単に防がれた。すると、佳月は悔しさに顔を歪めながら叫んだ。


　　佳月｢直系の三当主達がこんなにも強いとは!ああ!口惜しい！これでは、私の望みが叶わぬではないか!｣


　清秋(何だ？あの喋り方、まるで何百年も前の時代の人間みたいだ...見た目は確かに佳月なのに...すごい違和感だな。)
(だいたい、佳月の霊力は弱い。それで龍を造れるはずがない。誰かに操らているのか？)




　　正明｢貴方はいったい誰なんですか。｣



　佳月｢我が名は、安倍　佳月(あべ　かづき)。現東京分家初代当主にして、江戸分家の創始者だ。｣