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*弐ー②
第四集:野望
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九尾に抱きつかれた当主や次期当主達が九尾に霊力と精気を吸われた事により、 何十人もいた陰陽師達は皆、倒れてしまった。未だ立っているのは、紫苑,清秋,癒良,正明,康名,光留の6人だけだった。
九尾「ほう。流石あの者達は霊力が強いだけある。妾の気に当てられた様子が全く無いのう。」
九尾「じゃが、折角精気を吸うならばやはり若く美しい男の精気を吸いたいものじゃ。そう。例えば、本家の現当主や土御門の現当主のような者が妾の好みかの。」
九尾はそう言うと、口元に広げた扇をあて、優雅にほほ笑む。その様は、まさに平安の貴婦人そのものだ。
正明「 貴方が普通に人間の美しい女性ならばそのお誘いに乗ってもいいんですがね。いくら美しい女性でも、陰陽師の末裔として妖狐の誘いに乗る訳にはいきません。だから....その誘いはお断りします。」
正明は九尾に向かって優雅にほほ笑み返すと、刀印を組み直し、九尾を攻撃する。
正明「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前。」
が、九尾はその攻撃を扇を使い防ぐ。
九尾「 妾がただ、千年間封印されていただけじゃと思うなよ?千年もの間、暗い封印場所の中でひたすらに主らに対する怨みと憎しみを燃やし、力を溜めていたのじゃ!その恨みと憎しみを力に変えてな!」
正明「 我々...陰陽師,特に安倍の直系に対する怨みと憎しみですか。随分と筋違いな思いですね。貴女が僕達の先祖に封印されたのは、貴女が散々好き勝手やった報いでしょう。」
正明は冷たい表情でそう言い放つと、再び刀印を組んだ。
九尾「黙れ。煩いガキが。」
九尾は恐ろしいほど美しい顔を怒りで醜く歪ませながら、手から巨大な焔を出現させた。焔は正明を飲み込むかのように襲い掛かる。が、正明は青龍の絵が描かれた水行符の力でそれをすぐに消し去ってしまった。
九尾「なっ....」
正明「いくら大妖怪とはいえ、神の水に妖の焔が効くはずないでしょう?」
九尾「 な、何故だ!お前は人間!しかも伝説通りに先祖が白狐の血を引いているわけでもあるまいに!何故、何故人間が言霊も唱えずに青龍の力を使うことができるのじゃ!」
正明「 何故?貴女は自分で言ったじゃないですか。僕達の霊力が強いのだと。ある程度霊力が強ければ言霊を使わなくても神の御力を使うことだって出来るんですよ。」
正明は刀印を再び組み直すと、袖の中から以前紫苑を拘束した札を取り出した。
正明「御敵の名、金毛白面九尾,玉藻前と申す。御敵の名、金毛白面九尾,玉藻前と申す。 我の意のままに、これを拘束せよ。」
紫苑「ふ、札に命じた...?じゃああれは、拘束符じゃなくて式なの...?」
正明「 そうですよ。これは、僕が何も書かれていなかった札に霊力を篭め、桔梗紋を描き入れて造った創造式です。さて。お遊びの時間はそろそろ終わりにしましょうか。」
正明「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前....滅。」
九尾「ぎゃあぁあぁあ!」
断末魔の叫びを上げた九尾は、最後には狐の姿に戻り滅せられた。
そして、多量の霊力を消費してしまった正明は、倒れるまではいかなかったが、床に膝をついてしまった。
正明「っ! 流石は大妖怪...九尾一体倒すのにかなりの霊力を消費してしまいましたね・・・。」
正明は残り少なくなってしまった霊力を使い、何とか自身の周りに結界を張った。
九尾「ほう。流石あの者達は霊力が強いだけある。妾の気に当てられた様子が全く無いのう。」
九尾「じゃが、折角精気を吸うならばやはり若く美しい男の精気を吸いたいものじゃ。そう。例えば、本家の現当主や土御門の現当主のような者が妾の好みかの。」
九尾はそう言うと、口元に広げた扇をあて、優雅にほほ笑む。その様は、まさに平安の貴婦人そのものだ。
正明「 貴方が普通に人間の美しい女性ならばそのお誘いに乗ってもいいんですがね。いくら美しい女性でも、陰陽師の末裔として妖狐の誘いに乗る訳にはいきません。だから....その誘いはお断りします。」
正明は九尾に向かって優雅にほほ笑み返すと、刀印を組み直し、九尾を攻撃する。
正明「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前。」
が、九尾はその攻撃を扇を使い防ぐ。
九尾「 妾がただ、千年間封印されていただけじゃと思うなよ?千年もの間、暗い封印場所の中でひたすらに主らに対する怨みと憎しみを燃やし、力を溜めていたのじゃ!その恨みと憎しみを力に変えてな!」
正明「 我々...陰陽師,特に安倍の直系に対する怨みと憎しみですか。随分と筋違いな思いですね。貴女が僕達の先祖に封印されたのは、貴女が散々好き勝手やった報いでしょう。」
正明は冷たい表情でそう言い放つと、再び刀印を組んだ。
九尾「黙れ。煩いガキが。」
九尾は恐ろしいほど美しい顔を怒りで醜く歪ませながら、手から巨大な焔を出現させた。焔は正明を飲み込むかのように襲い掛かる。が、正明は青龍の絵が描かれた水行符の力でそれをすぐに消し去ってしまった。
九尾「なっ....」
正明「いくら大妖怪とはいえ、神の水に妖の焔が効くはずないでしょう?」
九尾「 な、何故だ!お前は人間!しかも伝説通りに先祖が白狐の血を引いているわけでもあるまいに!何故、何故人間が言霊も唱えずに青龍の力を使うことができるのじゃ!」
正明「 何故?貴女は自分で言ったじゃないですか。僕達の霊力が強いのだと。ある程度霊力が強ければ言霊を使わなくても神の御力を使うことだって出来るんですよ。」
正明は刀印を再び組み直すと、袖の中から以前紫苑を拘束した札を取り出した。
正明「御敵の名、金毛白面九尾,玉藻前と申す。御敵の名、金毛白面九尾,玉藻前と申す。 我の意のままに、これを拘束せよ。」
紫苑「ふ、札に命じた...?じゃああれは、拘束符じゃなくて式なの...?」
正明「 そうですよ。これは、僕が何も書かれていなかった札に霊力を篭め、桔梗紋を描き入れて造った創造式です。さて。お遊びの時間はそろそろ終わりにしましょうか。」
正明「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前....滅。」
九尾「ぎゃあぁあぁあ!」
断末魔の叫びを上げた九尾は、最後には狐の姿に戻り滅せられた。
そして、多量の霊力を消費してしまった正明は、倒れるまではいかなかったが、床に膝をついてしまった。
正明「っ! 流石は大妖怪...九尾一体倒すのにかなりの霊力を消費してしまいましたね・・・。」
正明は残り少なくなってしまった霊力を使い、何とか自身の周りに結界を張った。
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