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*弐ー②

第四集:野望

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紫苑さんが離戦してすぐ。僕は先々代宗家に攻撃を仕掛けた。



  
 正明「木気の精に命ず。己が根で彼の者を拘束せよ。」


 増輝「金気をもって木気を滅す。金剋木。」




僕が出した木気は、先々代宗家の術によって現れた金気によってかき消されてしまった。



 正明「土気の精に命ず。己が身を固め、彼の者の足を拘束せよ。」


  増輝「水気をもって土気を制す。水剋土。」



  離れていても、先々代宗家が僕の土気を相殺させる為にかなりの霊力を消費しているのが判った。 あちらの霊力があれだけ削られれば、もう勝敗は決まったも同然だ。



正明「式神招来。」


僕は自分の使役式である雷獣に先々代宗家に雷を落とすように命じた。でも、その攻撃は結界に阻まれてしまい先々代宗家に当たる事はなかった。



    増輝「菅公雷。」


....先々代宗家は菅原道真の荒御霊まで操るんですか。いったい、何時になったら先々代の霊力はきれるのか。とゆうか、どうやって天神様の雷を消せば...?



  雷を消す方法を考えていると、急に菅公の雷が消えてしまった。





正明(ようやく先々代の霊力が弱くなりましたね。)





 霊力が弱まったのを確認して安心していたその時....和紙を破く音が耳まで響いてきた。




正明「....?あんなに弱まっていた先々代宗家の霊力が回復している・・・」


  僕達が驚きのあまり先々代宗家を見詰めたまま固まっていると、また耳に音が響いた。いや。ただの音じゃない。これは、召喚用の言霊を呟く声だ。その声は流れるように響き、まるで歌を歌っているよう。僕は声の主...宗家の方を見た。




正明(あれは...!あの剣は、、、宗家襲名の際に宗家に継承される武式・・・?!)




 宗家は自身が召喚した剣で先々代宗家の手元目掛けて攻撃をする。が、先々代はその攻撃を難無く受け止め、次々に仕掛けられる宗家の攻撃を軽々とかわすと何やら呟いている。

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