30 / 30
ホテル改革ー再稼働編-第一章最終話
しおりを挟む
馬車の中、前の席ではアンバーが長い足を組み書類をパラパラめくっている。
「ふふっ」
「なんですか?突然…」
あのドタバタ視察の日を思い出して、思わず笑いが漏れてしまった。
「なんでもありませんわ、宰相閣下…」
アンバーは上目遣いでこちらを一瞥したが、すぐに書類に視線を戻す。
湖畔の鐘塔から10時を告げる鐘の音が聞こえる。
この世界、壁掛け時計や、置き時計、懐中時計はあるが、まだ腕時計がない。
やはり、地球だと18世紀ぐらいなのかな⁉︎
最近、頻繁に右手首を見るクセがある事を自分で発見した…きっと前世、右手に腕時計をしてたんだろうな、そして、たぶん、かなりせっかちな性格だったんだと思う…。
窓から針葉樹の間に見えるきらきら輝く湖面をぼんやり眺める。
頭の痛いことばっかりだったけど、今世で一番充実した日々だったな……。
ホテルに到着すると、軍楽隊の演奏で盛大に出迎えられた。
アンバーのエスコートでゆっくり馬車を降りる。
出迎えのハンス総支配人やスタッフ達は皆、晴れやかで充実した顔をしている。
なんか後ろの方で片手ヒラヒラ、ウィンクとばしてくるベリルがいる……もうそれ、えーっちゅうに!
気にしたら負けだ、視界に入れないようにする…。
そんなベリルもいい仕事をしているようだ。
王都の大小劇場、人気のドレスサロン、レストランまで優先的に予約が取れるようになったとか…きっとあの無駄にいい顔と話術にみんなたらし込まれたんだろう……。
ロビーは宿泊客、王都の高位貴族、新聞記者など肩と肩がぶつかるくらい混雑している。
さあ、最後のミッションだ!!
「・・・・・・・・・・・・」
挨拶を終えると、熱のこもった割れるような拍手が起こった。
(あぁ、終わっちゃった・・・)
ハンス総支配人の感謝の言葉でレセプションは閉会した。
ハンス総支配人、テオ、クリスに会釈し、まだ、熱気冷めやらぬホテルを後にした。
前世の記憶が戻ってから3ヶ月……
手始めに、趣味と実益を兼ねてホテルにメス入れたけど、他にも頭痛のタネはいっぱいだ!
アーリーリタイア掲げてはいるが、息子に引き継ぐまでには、魅力ある国にしておきたい
……。
前世の記憶はあっても残念ながらチートはない!!
でも、前世の経験値と前世ババァの図太さで政務に励みます!
========================
ここで第一章完結とさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
先に短編を投稿し、第二章の連載を予定しております。
面白かった、続きが読みたい、と思ってくださった方はお気に入り登録をしていただけると嬉しいです。
「ふふっ」
「なんですか?突然…」
あのドタバタ視察の日を思い出して、思わず笑いが漏れてしまった。
「なんでもありませんわ、宰相閣下…」
アンバーは上目遣いでこちらを一瞥したが、すぐに書類に視線を戻す。
湖畔の鐘塔から10時を告げる鐘の音が聞こえる。
この世界、壁掛け時計や、置き時計、懐中時計はあるが、まだ腕時計がない。
やはり、地球だと18世紀ぐらいなのかな⁉︎
最近、頻繁に右手首を見るクセがある事を自分で発見した…きっと前世、右手に腕時計をしてたんだろうな、そして、たぶん、かなりせっかちな性格だったんだと思う…。
窓から針葉樹の間に見えるきらきら輝く湖面をぼんやり眺める。
頭の痛いことばっかりだったけど、今世で一番充実した日々だったな……。
ホテルに到着すると、軍楽隊の演奏で盛大に出迎えられた。
アンバーのエスコートでゆっくり馬車を降りる。
出迎えのハンス総支配人やスタッフ達は皆、晴れやかで充実した顔をしている。
なんか後ろの方で片手ヒラヒラ、ウィンクとばしてくるベリルがいる……もうそれ、えーっちゅうに!
気にしたら負けだ、視界に入れないようにする…。
そんなベリルもいい仕事をしているようだ。
王都の大小劇場、人気のドレスサロン、レストランまで優先的に予約が取れるようになったとか…きっとあの無駄にいい顔と話術にみんなたらし込まれたんだろう……。
ロビーは宿泊客、王都の高位貴族、新聞記者など肩と肩がぶつかるくらい混雑している。
さあ、最後のミッションだ!!
「・・・・・・・・・・・・」
挨拶を終えると、熱のこもった割れるような拍手が起こった。
(あぁ、終わっちゃった・・・)
ハンス総支配人の感謝の言葉でレセプションは閉会した。
ハンス総支配人、テオ、クリスに会釈し、まだ、熱気冷めやらぬホテルを後にした。
前世の記憶が戻ってから3ヶ月……
手始めに、趣味と実益を兼ねてホテルにメス入れたけど、他にも頭痛のタネはいっぱいだ!
アーリーリタイア掲げてはいるが、息子に引き継ぐまでには、魅力ある国にしておきたい
……。
前世の記憶はあっても残念ながらチートはない!!
でも、前世の経験値と前世ババァの図太さで政務に励みます!
========================
ここで第一章完結とさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
先に短編を投稿し、第二章の連載を予定しております。
面白かった、続きが読みたい、と思ってくださった方はお気に入り登録をしていただけると嬉しいです。
33
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
【完結】メイド・マイ・デイ
野村にれ
恋愛
この世には妖と呼ばれる存在がいる。
これまでは物語の中の存在であったが、見た目が変わらないことで、
生きにくいことから、ここ百年、二百年で正式に認められた存在となった。
その世界に復讐を誓った女性が舞い戻った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
お気に入り登録、感想ありがとうございます。
「おもしろい」その一言、とてもうれしいです♪
これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(^∇^)
全ての作品お気に入り登録しました(^^)
花雨様
お気に入り登録ありがとうございます。
とても励みになります。
これからも楽しんでいただけるよう頑張ります∩^ω^∩