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第127話 クリフォトの木の伝承
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「なるほど、そのような事があったのか」
サルヴァンが隊長さんとともに事の次第を領主様に報告すると、領主様は顎に手を当て思案を始めた。
あの後隊長さんと共にもぬけの殻となったクリフォトの種の神殿を見回った。特にめぼしいものは見つからなかったが、教典なんかは全部回収して焚書処分となる予定だ。スラムにはまだ信者が残っているとは思うけど、その辺をどうするかは僕らが決めることじゃない。
「ええ。少なくとも教団幹部はもうこの街にはいないと思います。教団トップのアマラが国外にいますので、こちらから手出しすることも難しいでしょう」
「そうか。なら一先ずは安心だな。だが教団は何をしでかすつもりなのだ?」
教団の目的はクリフォトの木を完成させることだ。その条件の一つが信徒を集めることでニーグリを魔王へと昇格させることらしいんだけど、どんな仕組みなのやら。もうひとつの条件はクリフォトの木の伝承がヒントになりそうだ。
「多分ですが、アマラは隣国の王になるつもりかもしれません」
「たかが教祖如きが王か。しかし公爵級の魔神がいればできそうではあるな。何か根拠があるのかね?」
「クリフォトの木の伝承の再現です」
クリフォトの木には伝承がある。それはクリフォトの木に選ばれた男の物語だ。その男はその力を使って一国の王となり、そして覇道を突き進んだ。屍山血河を築き上げた結果、クリフォトの木が完成して世界は未曾有の危機に瀕したという。
それを打ち破ったのがエスペラント王国出身の英雄王ディーンだ。そしてその英雄王が建国した国こそ神聖アルテア皇国であるとされている。1500年ほど前の話らしいけど、もしかしたら史実なのかもしれない。
「……あれは神話ではないのかね?」
「どうなんですかね? 皇国では建国神話として語られているそうですけど」
一応アルテア教会でもそのようなことになっている。アルテア皇国の教皇はその英雄王の血筋であるとされ、アルテア教会の総本山が神聖アルテア皇国なのだ。この大陸のほとんどの国がアルテア教を国教としている。それは世界を救った英雄王がアルテア様の使徒であるということ。それが理由なのだとされている。
「そうなると2年後は戦乱の世になる可能性があるわけか」
「あくまで可能性の話です。備えはどの道必要になると思いますけど」
少なくともニーグリを始めとした悪魔達と戦うことになる可能性は高いよね。時間は与えたくないけど、今の僕たちじゃ勝てないのも事実だ。そのために出来ることをしないといけない。
「そうか。報告ご苦労だった。これは報酬の金貨2150枚だ。確認してくれ」
「はい、では鑑定……。はい、2150枚確かに」
鑑定の魔法で枚数をサクッと鑑定し、収納する。いちいち数えるのも面倒だからね。
「……鑑定で枚数を数えられるのかね?」
「ええ、僕の鑑定は特別なので」
「そ、そうなのかね……」
そういや普通は出来ないんだっけ。すっかり忘れていたよ。突っ込まれてもそういうもんだと押し通すけどね。
その後、領主邸を後にした僕たちは例の如く宿屋でこれからの事を話し合っていた。
「まず王子殿下やライミスさんへの報告は必要だよな。後は俺たちのレベルアップも必要だ。そうなるとダンジョン制覇をするべきだろうな」
サルヴァンが方針を語ると、皆が頷く。ダンジョンの別名は神々の修練場。そんなものがなんでアプールの街にあるのか理由は知らないけど、そこを制覇できればニーグリにも届くかもしれない。
「まぁ、それは当然として、だ。ほかの街や村にクリフォトの種の影響がどれだけ出ているか調査が必要だと思うぞ」
「それ、国に任せれば良くないか?」
フィンの提案にルードが首を傾げる。フィンの言っていることも理解できるが、僕らは冒険者だ。依頼もないのに行く必要性があるかどうかの話になる。
「そうだな。国の治安維持は俺たちの仕事じゃない。国の仕事だろ」
「別に全てを調査しろとは言ってない。この街の近くに村があるはずだ。そこだけでいいと思うぞ? 国に調査をさせたいなら、そういった事実があることを確認してからでないと動くわけないだろ?」
うん、確かにフィンの言う通りだ。僕らができるのは報告と陳情でしかない。国に任せるにしても実情の把握無しでは動いてくれないし、そもそも僕らに動かす権限なんてないのだ。やれるとしたら冒険者ギルドにかけ合って依頼を出すくらいだろう。
「言われてみればそうだな。そのくらいならさほど時間も取られないし、事実確認は必要か」
「おおー、フィン冴えてるじゃん」
「ま、まぁな」
ルードがフィンの話に納得すると、ミラが驚いて小さく拍手する。照れくさいのかフィンはそっぽを向いているけど。
「よし、じゃあ次は隣の村だな。明日は休みにして行くのは明後日の朝にしよう」
「「「さんせーい」」」
そしてサルヴァンが話は決まったと判断して話し合いはあっさり終わったのだった。
しかし村を調査か。閉塞された場所って特殊な環境に成りうるから面倒なことになっていないといいけど。
サルヴァンが隊長さんとともに事の次第を領主様に報告すると、領主様は顎に手を当て思案を始めた。
あの後隊長さんと共にもぬけの殻となったクリフォトの種の神殿を見回った。特にめぼしいものは見つからなかったが、教典なんかは全部回収して焚書処分となる予定だ。スラムにはまだ信者が残っているとは思うけど、その辺をどうするかは僕らが決めることじゃない。
「ええ。少なくとも教団幹部はもうこの街にはいないと思います。教団トップのアマラが国外にいますので、こちらから手出しすることも難しいでしょう」
「そうか。なら一先ずは安心だな。だが教団は何をしでかすつもりなのだ?」
教団の目的はクリフォトの木を完成させることだ。その条件の一つが信徒を集めることでニーグリを魔王へと昇格させることらしいんだけど、どんな仕組みなのやら。もうひとつの条件はクリフォトの木の伝承がヒントになりそうだ。
「多分ですが、アマラは隣国の王になるつもりかもしれません」
「たかが教祖如きが王か。しかし公爵級の魔神がいればできそうではあるな。何か根拠があるのかね?」
「クリフォトの木の伝承の再現です」
クリフォトの木には伝承がある。それはクリフォトの木に選ばれた男の物語だ。その男はその力を使って一国の王となり、そして覇道を突き進んだ。屍山血河を築き上げた結果、クリフォトの木が完成して世界は未曾有の危機に瀕したという。
それを打ち破ったのがエスペラント王国出身の英雄王ディーンだ。そしてその英雄王が建国した国こそ神聖アルテア皇国であるとされている。1500年ほど前の話らしいけど、もしかしたら史実なのかもしれない。
「……あれは神話ではないのかね?」
「どうなんですかね? 皇国では建国神話として語られているそうですけど」
一応アルテア教会でもそのようなことになっている。アルテア皇国の教皇はその英雄王の血筋であるとされ、アルテア教会の総本山が神聖アルテア皇国なのだ。この大陸のほとんどの国がアルテア教を国教としている。それは世界を救った英雄王がアルテア様の使徒であるということ。それが理由なのだとされている。
「そうなると2年後は戦乱の世になる可能性があるわけか」
「あくまで可能性の話です。備えはどの道必要になると思いますけど」
少なくともニーグリを始めとした悪魔達と戦うことになる可能性は高いよね。時間は与えたくないけど、今の僕たちじゃ勝てないのも事実だ。そのために出来ることをしないといけない。
「そうか。報告ご苦労だった。これは報酬の金貨2150枚だ。確認してくれ」
「はい、では鑑定……。はい、2150枚確かに」
鑑定の魔法で枚数をサクッと鑑定し、収納する。いちいち数えるのも面倒だからね。
「……鑑定で枚数を数えられるのかね?」
「ええ、僕の鑑定は特別なので」
「そ、そうなのかね……」
そういや普通は出来ないんだっけ。すっかり忘れていたよ。突っ込まれてもそういうもんだと押し通すけどね。
その後、領主邸を後にした僕たちは例の如く宿屋でこれからの事を話し合っていた。
「まず王子殿下やライミスさんへの報告は必要だよな。後は俺たちのレベルアップも必要だ。そうなるとダンジョン制覇をするべきだろうな」
サルヴァンが方針を語ると、皆が頷く。ダンジョンの別名は神々の修練場。そんなものがなんでアプールの街にあるのか理由は知らないけど、そこを制覇できればニーグリにも届くかもしれない。
「まぁ、それは当然として、だ。ほかの街や村にクリフォトの種の影響がどれだけ出ているか調査が必要だと思うぞ」
「それ、国に任せれば良くないか?」
フィンの提案にルードが首を傾げる。フィンの言っていることも理解できるが、僕らは冒険者だ。依頼もないのに行く必要性があるかどうかの話になる。
「そうだな。国の治安維持は俺たちの仕事じゃない。国の仕事だろ」
「別に全てを調査しろとは言ってない。この街の近くに村があるはずだ。そこだけでいいと思うぞ? 国に調査をさせたいなら、そういった事実があることを確認してからでないと動くわけないだろ?」
うん、確かにフィンの言う通りだ。僕らができるのは報告と陳情でしかない。国に任せるにしても実情の把握無しでは動いてくれないし、そもそも僕らに動かす権限なんてないのだ。やれるとしたら冒険者ギルドにかけ合って依頼を出すくらいだろう。
「言われてみればそうだな。そのくらいならさほど時間も取られないし、事実確認は必要か」
「おおー、フィン冴えてるじゃん」
「ま、まぁな」
ルードがフィンの話に納得すると、ミラが驚いて小さく拍手する。照れくさいのかフィンはそっぽを向いているけど。
「よし、じゃあ次は隣の村だな。明日は休みにして行くのは明後日の朝にしよう」
「「「さんせーい」」」
そしてサルヴァンが話は決まったと判断して話し合いはあっさり終わったのだった。
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