11 / 49
11始まり
しおりを挟む
11始まり
頭痛、過去に経験した事ないほどに痛かった。まるで、鈍器で殴られたのではないか、後頭部から血が滴っていないか、それを心配するくらいだった。
声が聞こえる時は、いつも僕は暗闇に浮遊している感覚だ。誰といるわけでもなく、宙に浮かぶように、身体から体重が失われ、力も入らない中、声だけが僕を責めてくる。
自分の姿が見えているわけではないから、本当に浮かんでいるのかも分からない。でも、足元に地面がない気がして、自分が浮いているのだと錯覚させられる。
1度に聞こえるのは、一言位なのにその言葉が長い時間かけられて話されるようだった。1文字1文字に重さがあって、それが脳の中にのしかかって頭痛を酷くさせる。
だから、言葉を聞き終えた後の頭へのダメージが大きいのかもしれない。
でも、それは僕の感覚の話であって、本当に言葉が重さを持ち、僕の上に乗るわけではない。
所謂、比喩的なものに当てはまるのかなぁ……
聞き終えると、変に意識が朦朧とする。それと同時にここには居るな、早く出ていけと言わんばかりの頭の中での警告。
男の声なんて行ったけど、上手くこんな声だと説明できる程特徴的な声はないし、朝霧にも伝えづらい。
僕は、聞こえた言葉をそのまま覚えて伝えることが精一杯の頑張りだ。
ガチャ バタン ガチャリ
その音ともに僕は目を開いた。同じ光景を朝も見た。同じ天井、左を向けば扉、後頭部を包む柔らかい枕。
僕はそこが、今朝も寝ていた朝霧のベッドの上であることに気づいた。
目を開けば、頭痛はなくなっていた。夢の中では痛みを感じないなんて言うけれど、僕の場合は逆で、あの目を閉じた時だけに頭痛を感じる。
「……後、2回……」
聞こえてきた言葉を復唱するように、呟こうとした。しかし、その言葉の意味をよくよく理解すると、背筋が凍りついた。
もし、あの言葉が今誰かが言っているのだとしたら、あと2回寝たら…つまり、それは2日後、明後日のこと……ハジマル、それがH大学での計画のことだとしたら……明後日、何かが起こるということになる。
吐き気がする、少し前までの日常とはまるで違う。色々な情報が流れてくる。
……声の主は、1人で話している、というよりも誰かに語りかけるように話している。
計画には、他にも関わってきているのか…?1人で実行するわけではない……?
何をするのかを聞きたい、重要な部分を聞くことができない。意味ないじゃないか、これじゃ……。
すると、身体がガクリと揺れ、肩に何かが触れていることに気づいた。朝霧の手だった。
さっきの音は、朝霧が玄関のドアを開けた音だったのか、と思った。
「……虹、大丈夫かい? 急に倒れたし、凄く顔色がわる……」
「っ、ヤバイ、かもしれないっ……後、2回、明後日……に、2回、寝たら……っ」
伝えなければ、朝霧にこの事をという気持ちが先行して、上手く言葉にならない。
朝霧はポカンとしながら、僕が尋常ではないくらい汗を流し、真っ青な顔をしていることに気づき、僕の両肩を握る
「……虹、大丈夫。 ……何か、聞こえたのか。 落ち着いて」
僕は軽く息が切れていた。過呼吸のようにヒューッと息が漏れる。冷や汗でじんわりと背中が冷たい。
グッと自分の手を握り、自分を落ち着かせる
「……聞こえた……、明後日だ……、あと2回寝たら、始めるって、言った。もし、それが計画のことなら、明後日何かが起こるかもしれない…」
今でも、自分が聞こえていることが、この世界で何かをやらかそうとする、化け物というものを産み出す大罪人の声なのかは確かではない。
それでも、朝霧は信じてくれると思った。
朝霧は明後日、という言葉に表情を固めた。
「……もう、時間はないみたいだね」
「…………でも、もしかしたら、違うかもしれない……」
僕の自信なさげな声と言葉に朝霧は、ふっと息をついた。
「……いや、ここ数年、情報が0だったんだ。 もし、違ったとしても虹を責めることはないよ。 可能性が少しでもあるなら、策を考える」
僕はホッとした。
しかし、時間がないのは確かであった。何をするかも分からない状況で、作戦も何もあったものではない。
そんなことをグルグルと考えている僕に対して、朝霧がじっと見つめてくる。
視線が気になり、チラと朝霧を見返した。
「……これまで、虹がその言葉を聞いたのは私が知る限りでは、あっちの世界でいた時の虹が無意識の中で聞いた時が最初だ。 あと2回はこちらに来る時、そして今だ。 向こうで数ヶ月も見た中で1回きりだったのに、こちらに来た途端、意識を失い声が聞こえることが増えた」
僕は「えっ」と言いながら、戸惑った。
思ってみれば、確かにそうだ。あっちでは僕は声を聞くことがなかった。結局その1回も、朝霧が聞いただけで僕自身は無意識の内に寝言のように言っただけだ。
こっちに来た途端、意識自体は失っていたけれど、しっかりと鮮明な記憶がある。
しかも、既に2回も聞こえてきた。
「…………虹のそれに前例が無い分、憶測でしか言えないけれど、虹のその力は人が近い分聞こえやすくなる。心の中を読める時も、近くにいた人の声だけだ。……その意識を失った時に聞こえる声は別だけれど……。きっと、裏世界に来たことでその子に距離が近づいたのかもしれない。だから、聞こえる頻度も増えた。そう考えるしかない」
僕はこの力を使おうと思って使うことはできない。何かの波長が合ったように人の心の声が聞こえる時があったらしい。その時は気づいてなかったけど。
だから、今も朝霧が何を考えているのかも分からないし、聞こうと思っても聞こえない。
「……も、もしかしたら、近くても、目の前にはいないし、そのっ、距離がある分、心の声というより、本当に話していることしか聞こえないのかもしれない」
僕の聞こえて来る声は、思っているというよりも誰かと話している、に近い言葉遣いだった。
ハジマルヨ、イラナインダ、誰かに語りかけている。
「少し、会話文? ていうか、思っているって感じじゃないんだ……」
上手く言葉に出来ないけど、説明しようと朝霧に伝えてみると、朝霧は1度頷いた。
「じゃあ、複数人で何かを起こそうとしている可能性が高いって、言いたいんだね」
上手く汲み取ったようで、僕はコクコクと頷く。
すると、ピピッと朝霧のズボンのポケットから音が鳴る。僕は?となると、朝霧は携帯電話を取り出した。僕の知っている形ではないけれど、その画面を見ると朝霧は、目を見開き、眉間に皺を寄せた。
「……まずいね、虹のそれは本当に今、誰かが言っていることのようだ」
「えっ……」
その言葉だけで、僕もヤバイと感じた。悪寒が走る。顔が青ざめていくのが自分でも分かる。体温がどんどんと抜けて、指先が冷たい。
「……機関、私の職場の情報だと、今日、化け物が観察された数が格段に多い。 しかも、多くの人間がやられてる……。今までよりも、化け物の力が強いのかもしれない。計画の用意を終えたと言っているようだよ……。このままだと、中心街への被害も……今週、いや明日、明後日には……」
朝霧の言葉から、僕に聞こえる声の主が、明後日……計画の実行……そう言っているようだった。
「……私は現場の方へ向かうよ、ここは……安全だから、虹はもう休みな。 明日、連れていかなければならない場所がある」
そう言うと、先程帰ってきたばかりの朝霧はまた、出ていった。
休めと言われて、休める訳もなくベッドに寝転がりはするけれど、頭を働かせる。
「……計画って何を……」
応えろ、なにか言えと、僕は自分の頭の中で、居もしない誰かに問いかける。
僕は結局、何も出来ないのだと痛感させられる。
……そう言えば、この世界にいる化け物って……何なんだろうな……。
そう考え、僕はベッドの中で蹲り、明日にならないでくれと願った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……H大学って、魔法生の居ない学校だよな、そんな所を襲って何かなるのか? ✕✕」
「……街中にあるってのが重要なんだよ、あとあそこは馬鹿みたいに人間が集まる……」
男は2人、暗闇の中で話していた。
「…………早く、君たち以外がいない世界を作りたいなぁ、そうすればきっと楽しいだろうね」
「そのために何年も頑張ってきたんだろ、✕✕は」
「うん、そうだね。用意は終わった。あとは、計画通り行うだけ……頼んだよ。
兄さん」
頭痛、過去に経験した事ないほどに痛かった。まるで、鈍器で殴られたのではないか、後頭部から血が滴っていないか、それを心配するくらいだった。
声が聞こえる時は、いつも僕は暗闇に浮遊している感覚だ。誰といるわけでもなく、宙に浮かぶように、身体から体重が失われ、力も入らない中、声だけが僕を責めてくる。
自分の姿が見えているわけではないから、本当に浮かんでいるのかも分からない。でも、足元に地面がない気がして、自分が浮いているのだと錯覚させられる。
1度に聞こえるのは、一言位なのにその言葉が長い時間かけられて話されるようだった。1文字1文字に重さがあって、それが脳の中にのしかかって頭痛を酷くさせる。
だから、言葉を聞き終えた後の頭へのダメージが大きいのかもしれない。
でも、それは僕の感覚の話であって、本当に言葉が重さを持ち、僕の上に乗るわけではない。
所謂、比喩的なものに当てはまるのかなぁ……
聞き終えると、変に意識が朦朧とする。それと同時にここには居るな、早く出ていけと言わんばかりの頭の中での警告。
男の声なんて行ったけど、上手くこんな声だと説明できる程特徴的な声はないし、朝霧にも伝えづらい。
僕は、聞こえた言葉をそのまま覚えて伝えることが精一杯の頑張りだ。
ガチャ バタン ガチャリ
その音ともに僕は目を開いた。同じ光景を朝も見た。同じ天井、左を向けば扉、後頭部を包む柔らかい枕。
僕はそこが、今朝も寝ていた朝霧のベッドの上であることに気づいた。
目を開けば、頭痛はなくなっていた。夢の中では痛みを感じないなんて言うけれど、僕の場合は逆で、あの目を閉じた時だけに頭痛を感じる。
「……後、2回……」
聞こえてきた言葉を復唱するように、呟こうとした。しかし、その言葉の意味をよくよく理解すると、背筋が凍りついた。
もし、あの言葉が今誰かが言っているのだとしたら、あと2回寝たら…つまり、それは2日後、明後日のこと……ハジマル、それがH大学での計画のことだとしたら……明後日、何かが起こるということになる。
吐き気がする、少し前までの日常とはまるで違う。色々な情報が流れてくる。
……声の主は、1人で話している、というよりも誰かに語りかけるように話している。
計画には、他にも関わってきているのか…?1人で実行するわけではない……?
何をするのかを聞きたい、重要な部分を聞くことができない。意味ないじゃないか、これじゃ……。
すると、身体がガクリと揺れ、肩に何かが触れていることに気づいた。朝霧の手だった。
さっきの音は、朝霧が玄関のドアを開けた音だったのか、と思った。
「……虹、大丈夫かい? 急に倒れたし、凄く顔色がわる……」
「っ、ヤバイ、かもしれないっ……後、2回、明後日……に、2回、寝たら……っ」
伝えなければ、朝霧にこの事をという気持ちが先行して、上手く言葉にならない。
朝霧はポカンとしながら、僕が尋常ではないくらい汗を流し、真っ青な顔をしていることに気づき、僕の両肩を握る
「……虹、大丈夫。 ……何か、聞こえたのか。 落ち着いて」
僕は軽く息が切れていた。過呼吸のようにヒューッと息が漏れる。冷や汗でじんわりと背中が冷たい。
グッと自分の手を握り、自分を落ち着かせる
「……聞こえた……、明後日だ……、あと2回寝たら、始めるって、言った。もし、それが計画のことなら、明後日何かが起こるかもしれない…」
今でも、自分が聞こえていることが、この世界で何かをやらかそうとする、化け物というものを産み出す大罪人の声なのかは確かではない。
それでも、朝霧は信じてくれると思った。
朝霧は明後日、という言葉に表情を固めた。
「……もう、時間はないみたいだね」
「…………でも、もしかしたら、違うかもしれない……」
僕の自信なさげな声と言葉に朝霧は、ふっと息をついた。
「……いや、ここ数年、情報が0だったんだ。 もし、違ったとしても虹を責めることはないよ。 可能性が少しでもあるなら、策を考える」
僕はホッとした。
しかし、時間がないのは確かであった。何をするかも分からない状況で、作戦も何もあったものではない。
そんなことをグルグルと考えている僕に対して、朝霧がじっと見つめてくる。
視線が気になり、チラと朝霧を見返した。
「……これまで、虹がその言葉を聞いたのは私が知る限りでは、あっちの世界でいた時の虹が無意識の中で聞いた時が最初だ。 あと2回はこちらに来る時、そして今だ。 向こうで数ヶ月も見た中で1回きりだったのに、こちらに来た途端、意識を失い声が聞こえることが増えた」
僕は「えっ」と言いながら、戸惑った。
思ってみれば、確かにそうだ。あっちでは僕は声を聞くことがなかった。結局その1回も、朝霧が聞いただけで僕自身は無意識の内に寝言のように言っただけだ。
こっちに来た途端、意識自体は失っていたけれど、しっかりと鮮明な記憶がある。
しかも、既に2回も聞こえてきた。
「…………虹のそれに前例が無い分、憶測でしか言えないけれど、虹のその力は人が近い分聞こえやすくなる。心の中を読める時も、近くにいた人の声だけだ。……その意識を失った時に聞こえる声は別だけれど……。きっと、裏世界に来たことでその子に距離が近づいたのかもしれない。だから、聞こえる頻度も増えた。そう考えるしかない」
僕はこの力を使おうと思って使うことはできない。何かの波長が合ったように人の心の声が聞こえる時があったらしい。その時は気づいてなかったけど。
だから、今も朝霧が何を考えているのかも分からないし、聞こうと思っても聞こえない。
「……も、もしかしたら、近くても、目の前にはいないし、そのっ、距離がある分、心の声というより、本当に話していることしか聞こえないのかもしれない」
僕の聞こえて来る声は、思っているというよりも誰かと話している、に近い言葉遣いだった。
ハジマルヨ、イラナインダ、誰かに語りかけている。
「少し、会話文? ていうか、思っているって感じじゃないんだ……」
上手く言葉に出来ないけど、説明しようと朝霧に伝えてみると、朝霧は1度頷いた。
「じゃあ、複数人で何かを起こそうとしている可能性が高いって、言いたいんだね」
上手く汲み取ったようで、僕はコクコクと頷く。
すると、ピピッと朝霧のズボンのポケットから音が鳴る。僕は?となると、朝霧は携帯電話を取り出した。僕の知っている形ではないけれど、その画面を見ると朝霧は、目を見開き、眉間に皺を寄せた。
「……まずいね、虹のそれは本当に今、誰かが言っていることのようだ」
「えっ……」
その言葉だけで、僕もヤバイと感じた。悪寒が走る。顔が青ざめていくのが自分でも分かる。体温がどんどんと抜けて、指先が冷たい。
「……機関、私の職場の情報だと、今日、化け物が観察された数が格段に多い。 しかも、多くの人間がやられてる……。今までよりも、化け物の力が強いのかもしれない。計画の用意を終えたと言っているようだよ……。このままだと、中心街への被害も……今週、いや明日、明後日には……」
朝霧の言葉から、僕に聞こえる声の主が、明後日……計画の実行……そう言っているようだった。
「……私は現場の方へ向かうよ、ここは……安全だから、虹はもう休みな。 明日、連れていかなければならない場所がある」
そう言うと、先程帰ってきたばかりの朝霧はまた、出ていった。
休めと言われて、休める訳もなくベッドに寝転がりはするけれど、頭を働かせる。
「……計画って何を……」
応えろ、なにか言えと、僕は自分の頭の中で、居もしない誰かに問いかける。
僕は結局、何も出来ないのだと痛感させられる。
……そう言えば、この世界にいる化け物って……何なんだろうな……。
そう考え、僕はベッドの中で蹲り、明日にならないでくれと願った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……H大学って、魔法生の居ない学校だよな、そんな所を襲って何かなるのか? ✕✕」
「……街中にあるってのが重要なんだよ、あとあそこは馬鹿みたいに人間が集まる……」
男は2人、暗闇の中で話していた。
「…………早く、君たち以外がいない世界を作りたいなぁ、そうすればきっと楽しいだろうね」
「そのために何年も頑張ってきたんだろ、✕✕は」
「うん、そうだね。用意は終わった。あとは、計画通り行うだけ……頼んだよ。
兄さん」
0
あなたにおすすめの小説
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました
藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。
逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、
“立て直す”以外の選択肢を持たなかった。
領地経営、改革、そして予想外の縁。
没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。
※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる