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日常編
27日常
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27日常
H大学の事件から数日が経った。あの後は、朝霧、哀歌、海未の3人は報告書に追われていたようだった。僕は咲の全回復の魔法により、1日で元通りになり、今も朝霧の自室にいる。
あれから、僕は人の心の声を聞くことがない。計画だ次にやることがあるだ、あの不気味な男が言っていたものだから、すぐにまた何か聞こえるかもしれない、と朝霧も言っていたがそんなことは無かった。
僕は今日も朝霧の寝室のベッドから起き上がる。さすがに悪いと思って、ソファで寝ると言ったが、朝霧は今までもベッドはそこまで使ってなかったから気にしなくて良いと言ってくれた。
「……暇だなぁ」
元々の世界……朝霧曰く、表世界にいた時は、嫌でも毎日学校に行き、授業をする、なんてことが普通だったから起きて、ご飯を食べて、何もせずに部屋にいて、寝るの繰り返しに暇を持て余してしまう。
しかし、哀歌や海未、他の隊員もあの後も発生し続ける化け物の対処に追われている。聞いた話によると、あの後に化け物の中から人の遺体が出た、ということはないらしく、あの事件はやはり特別なものであったらしい。
今も、街の中心は平穏なものであった。H大学は建物の倒壊や、事件後のため休校状態ではあるが、回復魔法という便利な力で生き残った人達に怪我はない。
……それでも、壁に強く打ち付けられ、哀歌の助けが間に合わなかった人達は全員死んだ。その事実は変わらない。
恐らく、計画の準備というのも人を取り込んだ化け物を作ったことだけじゃない、あのテロ集団を集めるのも、一日にして街住民の多くに配られた手紙も……全ては、あの男がやったんだ。
疑問としてあるのは、何で街の中心、外であの騒動を起こさなかったのか。人を集めたとは言っても、街の中心だったら人の往来もあり、もっと多くの被害が出せたのではないか……。
そんなことを考えている自分が嫌だ。これじゃ、悪者の考え方だ。首を振り、今は次の誰かの声を聞くことを待つしか僕にはできない。
力の弱い僕は、何の助けもできない。
……哀歌が辛そうに言った。僕は朝霧にも出来ないことができる人間で羨ましいと。自分の回復魔法は自分だけじゃなく、朝霧、咲もできる。言ってしまえば、咲の方が全回復という強い力を持っ。そのため、替りがいるのだと言った。
……それでも、咲は研究員、攻撃隊の人間ではない。攻撃隊のなかで1番の回復魔法が使えるのは、彼女なことに変わりは無い。替りだなんて僕は思えなかった。
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた。朝霧……は、ノックなんてしない。自分の部屋で問答無用で入ってくる。哀歌か海未……? そう思い、ドアノブに手をかけ、ゆっくりとドアを押す。
「あ! 虹だ! おはよう!」
「……おはよう」
僕は小さく「あっ」と声を出す。事件前に機関内で出会った双子のシノとクノであった。相変わらず正反対な声に驚く僕は、部屋の中に1歩後ろ歩きで入る。
「身体大丈夫?? 怪我したって聞いたけど」
「……大丈夫?」
心配で僕のことを見に来てくれたのか…? と思い、僕は2人に対して首を縦に振る。
「……う、うん……、咲さんの力で元に戻ったよ……」
2人はその事を聞いてパッと顔を明るくした。
「良かったー! 夢花ちゃんの力ならもう大丈夫だね!」
「……良かった」
僕は、「う、うん……」と少し引き気味に返事をする。少しこの2人は苦手かもしれない。ずいずいと言葉を投げかけてくる。けれど、心配してくれたんだ、と少し嬉しい気持ちにもなる。
「……奏斗くんは、いないよね」
「へっ、あ、う、うん……多分、外かな……」
今日も化け物対処に向かっているであろう朝霧を探していたのか……? いや、情報部隊の2人なら今の外の状況を知っているんじゃ……。
「……少し、お話しない?? この前はすぐに帰っちゃったし、同じ若者隊員としてさ! この機関のことも色々教えてあげるよー!」
「……お話、したいな」
僕はどうしようと1度考えたが、朝霧や哀歌、海未、咲ですら忙しそうでほとんど顔を見ることがない。朝霧にこの世界や機関のことを聞いてはみたいと思っていたが、そんな時間もない。
……この2人なら、教えてくれるかもしれない……。そう思い、僕は「いいよ」と返事をするとまた2人は顔を明るくする。
「……今日は、仕事……、監視カメラとか見ておかなくていいの……?」
「今日は非番なの! 情報部隊の隊員も私たちだけじゃないんだよー」
「他の人に任せてある……」
そうか、ここには何人もの人達がいるんだ。会っていないだけで、数多く存在する。攻撃隊員も、あの事件の後、救助のため駆けつけた人を何人か見たが、かなり多かった記憶がある。
「入ってもいいのかな?」
僕は1度考えた。朝霧の部屋に勝手に人をあげて良いのか……。しかし、朝霧はできるだけ僕に1人で外に出るなと言っていた。別に見られて困るようなものを僕は見たことがないから、いいのかな……?
「……多分、大丈夫だと、思う」
そう言うと、2人はささっと玄関に入ってきて、朝霧の部屋の中に入ってきた。
朝霧は、好きな物食べていいし、使っていいよ、と僕に言っていた。
2人にソファに座って、と言って、冷蔵庫から市販のお茶を手に取る。
コップなんてものは、朝霧と僕以外のものがないから、500mlのペットボトルをそのまま2本、2人の前に出した。
「ありがとう!」
「……ありがと」
と言うと、パキッと蓋を開けてゴクリと飲み始める。
僕は2人の向かいに机を挟んで座る。
「虹は何か聞きたいこととかないの?? 奏斗くん、忙しくてあんまり話してくれないでしょ」
シノに図星をつかれる。確かにその通りであった。
僕が聞きたいこと……。色々あったが、何から聞くべきなのか、この2人には何処まで分かっているのか……、2人のことについては聞いていいのか……。
「……じゃあ、君たち2人の仕事の内容を教えて欲しいな」
最初の質問は無難にそんなことにしてみた。
H大学の事件から数日が経った。あの後は、朝霧、哀歌、海未の3人は報告書に追われていたようだった。僕は咲の全回復の魔法により、1日で元通りになり、今も朝霧の自室にいる。
あれから、僕は人の心の声を聞くことがない。計画だ次にやることがあるだ、あの不気味な男が言っていたものだから、すぐにまた何か聞こえるかもしれない、と朝霧も言っていたがそんなことは無かった。
僕は今日も朝霧の寝室のベッドから起き上がる。さすがに悪いと思って、ソファで寝ると言ったが、朝霧は今までもベッドはそこまで使ってなかったから気にしなくて良いと言ってくれた。
「……暇だなぁ」
元々の世界……朝霧曰く、表世界にいた時は、嫌でも毎日学校に行き、授業をする、なんてことが普通だったから起きて、ご飯を食べて、何もせずに部屋にいて、寝るの繰り返しに暇を持て余してしまう。
しかし、哀歌や海未、他の隊員もあの後も発生し続ける化け物の対処に追われている。聞いた話によると、あの後に化け物の中から人の遺体が出た、ということはないらしく、あの事件はやはり特別なものであったらしい。
今も、街の中心は平穏なものであった。H大学は建物の倒壊や、事件後のため休校状態ではあるが、回復魔法という便利な力で生き残った人達に怪我はない。
……それでも、壁に強く打ち付けられ、哀歌の助けが間に合わなかった人達は全員死んだ。その事実は変わらない。
恐らく、計画の準備というのも人を取り込んだ化け物を作ったことだけじゃない、あのテロ集団を集めるのも、一日にして街住民の多くに配られた手紙も……全ては、あの男がやったんだ。
疑問としてあるのは、何で街の中心、外であの騒動を起こさなかったのか。人を集めたとは言っても、街の中心だったら人の往来もあり、もっと多くの被害が出せたのではないか……。
そんなことを考えている自分が嫌だ。これじゃ、悪者の考え方だ。首を振り、今は次の誰かの声を聞くことを待つしか僕にはできない。
力の弱い僕は、何の助けもできない。
……哀歌が辛そうに言った。僕は朝霧にも出来ないことができる人間で羨ましいと。自分の回復魔法は自分だけじゃなく、朝霧、咲もできる。言ってしまえば、咲の方が全回復という強い力を持っ。そのため、替りがいるのだと言った。
……それでも、咲は研究員、攻撃隊の人間ではない。攻撃隊のなかで1番の回復魔法が使えるのは、彼女なことに変わりは無い。替りだなんて僕は思えなかった。
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた。朝霧……は、ノックなんてしない。自分の部屋で問答無用で入ってくる。哀歌か海未……? そう思い、ドアノブに手をかけ、ゆっくりとドアを押す。
「あ! 虹だ! おはよう!」
「……おはよう」
僕は小さく「あっ」と声を出す。事件前に機関内で出会った双子のシノとクノであった。相変わらず正反対な声に驚く僕は、部屋の中に1歩後ろ歩きで入る。
「身体大丈夫?? 怪我したって聞いたけど」
「……大丈夫?」
心配で僕のことを見に来てくれたのか…? と思い、僕は2人に対して首を縦に振る。
「……う、うん……、咲さんの力で元に戻ったよ……」
2人はその事を聞いてパッと顔を明るくした。
「良かったー! 夢花ちゃんの力ならもう大丈夫だね!」
「……良かった」
僕は、「う、うん……」と少し引き気味に返事をする。少しこの2人は苦手かもしれない。ずいずいと言葉を投げかけてくる。けれど、心配してくれたんだ、と少し嬉しい気持ちにもなる。
「……奏斗くんは、いないよね」
「へっ、あ、う、うん……多分、外かな……」
今日も化け物対処に向かっているであろう朝霧を探していたのか……? いや、情報部隊の2人なら今の外の状況を知っているんじゃ……。
「……少し、お話しない?? この前はすぐに帰っちゃったし、同じ若者隊員としてさ! この機関のことも色々教えてあげるよー!」
「……お話、したいな」
僕はどうしようと1度考えたが、朝霧や哀歌、海未、咲ですら忙しそうでほとんど顔を見ることがない。朝霧にこの世界や機関のことを聞いてはみたいと思っていたが、そんな時間もない。
……この2人なら、教えてくれるかもしれない……。そう思い、僕は「いいよ」と返事をするとまた2人は顔を明るくする。
「……今日は、仕事……、監視カメラとか見ておかなくていいの……?」
「今日は非番なの! 情報部隊の隊員も私たちだけじゃないんだよー」
「他の人に任せてある……」
そうか、ここには何人もの人達がいるんだ。会っていないだけで、数多く存在する。攻撃隊員も、あの事件の後、救助のため駆けつけた人を何人か見たが、かなり多かった記憶がある。
「入ってもいいのかな?」
僕は1度考えた。朝霧の部屋に勝手に人をあげて良いのか……。しかし、朝霧はできるだけ僕に1人で外に出るなと言っていた。別に見られて困るようなものを僕は見たことがないから、いいのかな……?
「……多分、大丈夫だと、思う」
そう言うと、2人はささっと玄関に入ってきて、朝霧の部屋の中に入ってきた。
朝霧は、好きな物食べていいし、使っていいよ、と僕に言っていた。
2人にソファに座って、と言って、冷蔵庫から市販のお茶を手に取る。
コップなんてものは、朝霧と僕以外のものがないから、500mlのペットボトルをそのまま2本、2人の前に出した。
「ありがとう!」
「……ありがと」
と言うと、パキッと蓋を開けてゴクリと飲み始める。
僕は2人の向かいに机を挟んで座る。
「虹は何か聞きたいこととかないの?? 奏斗くん、忙しくてあんまり話してくれないでしょ」
シノに図星をつかれる。確かにその通りであった。
僕が聞きたいこと……。色々あったが、何から聞くべきなのか、この2人には何処まで分かっているのか……、2人のことについては聞いていいのか……。
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