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うつけ村編
38志賀内 萬
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38志賀内 萬
志賀内 萬は咲 夢花と同時に研究員として派遣された男だった。普段は人当たりもよく機関内でも良い噂しか聞かないような男だった。
志賀内は能力や魔法なんてものは使えなかったが、自分で手にした知識を活かし、国家機関の研究部隊へと配属された。
研究部隊、情報部隊、この2つの部隊には能力や魔法を持たない人間がざらにいる。逆に咲のような研究員が珍しいともされている。
つまり、志賀内 萬はただ普通の研究員であった。他の研究員同様、上からの命のもと毎朝、毎晩……研究に没頭する毎日だった。そのせいか、朝霧と初めて出会ったときもヨレヨレのいつ洗ったのか分からない白衣に、メガネの黒縁の部分が剥がれかけていて、髪はあちこちに飛び跳ねていた。 自分の身なりにも気をつけることが出来ない程の忙しさなのだろう、と朝霧は思っていた。
そして、「朝霧 奏斗」の名前を出したところで、特に媚びへつらうことはなかった……。 それどころかその名前すら知らないというような顔をした。
朝霧は驚いた。 自意識過剰とかではなく、今まで出会った国家機関隊員は全員この名前を出せば、反応はした。 咲も普通に知っていたようだった。
「……?あの、朝霧……くん? 握手は嫌い?」
ハッとすると、目の前には志賀内の手が伸びていて、握手を求めていた。
朝霧は迷ったが、おずおずと片手を差し出し、力が抜けた手で握手を交わす。
「……で、朝霧君は見学者かい? 研究員希望の子?」
「……萬、その男はこんな世界で最も貴重だと言われている男だぞ。 攻撃部隊に加入するに決まっているだろう、まぁ当の本人は加入したくはなさそうだが」
咲の説明に志賀内は疑問気に朝霧と咲を交互に見つめる。
「最も貴重? なんで? この子が?」
「……お前、やっぱり研究以外には興味がないんだな、お前以外の機関内部者は全員知ってる名前だぞ」
咲はため息をつきながらも、めんどくさそうに志賀内に説明を続ける。志賀内は、なるほどなるほどと頷きながら咲の話を聞いている。朝霧は驚きのあまり何も話せずに2人の会話を聞くしかなかった。
「……能力や魔法……その他にも人よりも恵まれた力があるんだ、なるほど。 確かに朝霧君はこの世界には必要だね」
能天気にそう答えを出した萬を見て、咲は頭を片手で押さえながら大きなため息をつき、朝霧の方を見る。
「気にしないでくれ、こいつは研究以外にはまるで興味がないんだ、人当たりが良いなんて言われてるが、恐らくほとんどの隊員の名前を知らないし、きっと同じに顔に見えている」
そう咲が志賀内のことをフォローするように言った。朝霧は何も返事を返すことができなかった。
「そんなことないよ、咲のことはわかるよ」
「……私以外の研究員の名前は言えるのか」
咲の返しに、志賀内は目線の宙にやり、えーと、えーと、と考えているが、一向に名前は出てこない。朝霧は「まじか、こいつ」と思いながら2人の様子を見ている。
「……んー、ははっ、覚えてないやぁ」
「そう言っただろう」
だしても、志賀内は咲のことだけは名前をちゃんと覚えているのか、なんて朝霧は少し感心してしまう。
無言のまま立ち尽くしていた朝霧に向き直り、ずいと志賀内は、朝霧に顔を近づける。
朝霧は行動が読めない志賀内に対して、1歩後ろに後退りする。
「……ここで働くのは嫌? 国のために働くことは名誉なことだと思うけどね、話に聞いた感じでは君ならこの機関で最も実力を出せると思うんだけど」
真っ黒い瞳には光なんて宿っていない。吸い込まれそうなほど奥がありそうな志賀内の目から目が離せなかった朝霧は、生きていて初めてこの人間は怖いと思った。
力の差があるとかそんな怖さではなく、何を考えているのか分からない、そんな怖さであった。
「……国の下で犬のように働いて何になる、現にアンタたちは、休む暇もなく働いて何か金以外に利益はあったのか」
朝霧はすぐに志賀内を目線から外すように、顔を背け冷たく言い放つ。
国だ、国民だを守るために自分を犠牲にして何になる? 守ることで満たされるのは偽善者か、正義を気取ったヒーローだけだろう、朝霧はそう思っていた。
志賀内は年下の子供にそんなことを言われても、飽きられることも怒り狂うこともなく、黙っている。咲は面倒くさそうに朝霧と志賀内の対話を聞きながら、ため息をついて腕を組む。
暫くすると、志賀内は口を開いた。
「利益……そうだね、そんなモノ、ないよ」
心を無くしたかのような顔になりながら、そう言った志賀内は、朝霧をじっと見つめた。
「ただ、私はこの国のためにやってるんじゃない、自分の欲求を満たしたいだけだ。 人を守るための何かを作り出したいなんてことはないよ。 新しいものを見つけて、作るのが好きなんだ。 そうすれば自分がこの世界に必要な人間だと思えないかい? 利益を追求するのではなく、今自分が何をすれば最も自分にとって良い結果が返ってくるのかを考えるんだ」
そんなことを早口でベラベラと話し始める志賀内の瞳の中に朝霧は映っていないようだった。 まるで空気、世界全体に語りかけるように話している。
さすがに気味が悪いと朝霧は思った。もっと偽善者らしいことを言うのならば、馬鹿にして話を終わらせた。しかし、この男はまるで偽りのない自分の欲のためだと言うのだ。
「……世界が嫌いでも、守るのが嫌いでもいいんだよ。 朝霧君、ここで君が何をすれば未来の君が1番欲を満たせるか考えれば良い。 きっと家族に言われ、期待でもされているんだろう? ここで働けば良いと、彼らには利益があるからね。 でも、君は利益より欲の追求を優先してみれば、彼らよりも得をできるのではないか?」
諭すかのような口ぶりだったが、朝霧は何故か嫌に感じなかった。 欲を満たすために国の下で働けなんて言う人間はいなかった。 力をもった宿命だから弱い人を助けろなんてのが、皆口裏を合わせたように言っていた。
この男だけは自分の欲のために、人を助けろというのか。
「……別に俺に自分の欲望なんてものはない。 ただ、あの両親の言いなりになるのが嫌だからここでは働きたくないだけだ」
「それだけが働きたくない理由なのであれば、尚更君はここで欲を見つけて得をするべきだよ。 ここで働かずどう生きる? その両親に小言でも言われながら一般人と共に働くのか? 周りは君を力のない落ちこぼれだと思うだろう、今の君がそれに耐えれるとは思えない。 人を救いたくない理由がないのであれば、ここに入るのが君にとって最善だ」
どのような理論なのかは分からないが、朝霧はどうしてかそれに頷こうとする自分がいることに気づく。
「……アンタ……頭おかしいんだな」
「ああ、私もそう思うよ」
今まで黙って腕を組んでいただけの咲も、朝霧の言葉に同意して頷いた。
志賀内 萬は咲 夢花と同時に研究員として派遣された男だった。普段は人当たりもよく機関内でも良い噂しか聞かないような男だった。
志賀内は能力や魔法なんてものは使えなかったが、自分で手にした知識を活かし、国家機関の研究部隊へと配属された。
研究部隊、情報部隊、この2つの部隊には能力や魔法を持たない人間がざらにいる。逆に咲のような研究員が珍しいともされている。
つまり、志賀内 萬はただ普通の研究員であった。他の研究員同様、上からの命のもと毎朝、毎晩……研究に没頭する毎日だった。そのせいか、朝霧と初めて出会ったときもヨレヨレのいつ洗ったのか分からない白衣に、メガネの黒縁の部分が剥がれかけていて、髪はあちこちに飛び跳ねていた。 自分の身なりにも気をつけることが出来ない程の忙しさなのだろう、と朝霧は思っていた。
そして、「朝霧 奏斗」の名前を出したところで、特に媚びへつらうことはなかった……。 それどころかその名前すら知らないというような顔をした。
朝霧は驚いた。 自意識過剰とかではなく、今まで出会った国家機関隊員は全員この名前を出せば、反応はした。 咲も普通に知っていたようだった。
「……?あの、朝霧……くん? 握手は嫌い?」
ハッとすると、目の前には志賀内の手が伸びていて、握手を求めていた。
朝霧は迷ったが、おずおずと片手を差し出し、力が抜けた手で握手を交わす。
「……で、朝霧君は見学者かい? 研究員希望の子?」
「……萬、その男はこんな世界で最も貴重だと言われている男だぞ。 攻撃部隊に加入するに決まっているだろう、まぁ当の本人は加入したくはなさそうだが」
咲の説明に志賀内は疑問気に朝霧と咲を交互に見つめる。
「最も貴重? なんで? この子が?」
「……お前、やっぱり研究以外には興味がないんだな、お前以外の機関内部者は全員知ってる名前だぞ」
咲はため息をつきながらも、めんどくさそうに志賀内に説明を続ける。志賀内は、なるほどなるほどと頷きながら咲の話を聞いている。朝霧は驚きのあまり何も話せずに2人の会話を聞くしかなかった。
「……能力や魔法……その他にも人よりも恵まれた力があるんだ、なるほど。 確かに朝霧君はこの世界には必要だね」
能天気にそう答えを出した萬を見て、咲は頭を片手で押さえながら大きなため息をつき、朝霧の方を見る。
「気にしないでくれ、こいつは研究以外にはまるで興味がないんだ、人当たりが良いなんて言われてるが、恐らくほとんどの隊員の名前を知らないし、きっと同じに顔に見えている」
そう咲が志賀内のことをフォローするように言った。朝霧は何も返事を返すことができなかった。
「そんなことないよ、咲のことはわかるよ」
「……私以外の研究員の名前は言えるのか」
咲の返しに、志賀内は目線の宙にやり、えーと、えーと、と考えているが、一向に名前は出てこない。朝霧は「まじか、こいつ」と思いながら2人の様子を見ている。
「……んー、ははっ、覚えてないやぁ」
「そう言っただろう」
だしても、志賀内は咲のことだけは名前をちゃんと覚えているのか、なんて朝霧は少し感心してしまう。
無言のまま立ち尽くしていた朝霧に向き直り、ずいと志賀内は、朝霧に顔を近づける。
朝霧は行動が読めない志賀内に対して、1歩後ろに後退りする。
「……ここで働くのは嫌? 国のために働くことは名誉なことだと思うけどね、話に聞いた感じでは君ならこの機関で最も実力を出せると思うんだけど」
真っ黒い瞳には光なんて宿っていない。吸い込まれそうなほど奥がありそうな志賀内の目から目が離せなかった朝霧は、生きていて初めてこの人間は怖いと思った。
力の差があるとかそんな怖さではなく、何を考えているのか分からない、そんな怖さであった。
「……国の下で犬のように働いて何になる、現にアンタたちは、休む暇もなく働いて何か金以外に利益はあったのか」
朝霧はすぐに志賀内を目線から外すように、顔を背け冷たく言い放つ。
国だ、国民だを守るために自分を犠牲にして何になる? 守ることで満たされるのは偽善者か、正義を気取ったヒーローだけだろう、朝霧はそう思っていた。
志賀内は年下の子供にそんなことを言われても、飽きられることも怒り狂うこともなく、黙っている。咲は面倒くさそうに朝霧と志賀内の対話を聞きながら、ため息をついて腕を組む。
暫くすると、志賀内は口を開いた。
「利益……そうだね、そんなモノ、ないよ」
心を無くしたかのような顔になりながら、そう言った志賀内は、朝霧をじっと見つめた。
「ただ、私はこの国のためにやってるんじゃない、自分の欲求を満たしたいだけだ。 人を守るための何かを作り出したいなんてことはないよ。 新しいものを見つけて、作るのが好きなんだ。 そうすれば自分がこの世界に必要な人間だと思えないかい? 利益を追求するのではなく、今自分が何をすれば最も自分にとって良い結果が返ってくるのかを考えるんだ」
そんなことを早口でベラベラと話し始める志賀内の瞳の中に朝霧は映っていないようだった。 まるで空気、世界全体に語りかけるように話している。
さすがに気味が悪いと朝霧は思った。もっと偽善者らしいことを言うのならば、馬鹿にして話を終わらせた。しかし、この男はまるで偽りのない自分の欲のためだと言うのだ。
「……世界が嫌いでも、守るのが嫌いでもいいんだよ。 朝霧君、ここで君が何をすれば未来の君が1番欲を満たせるか考えれば良い。 きっと家族に言われ、期待でもされているんだろう? ここで働けば良いと、彼らには利益があるからね。 でも、君は利益より欲の追求を優先してみれば、彼らよりも得をできるのではないか?」
諭すかのような口ぶりだったが、朝霧は何故か嫌に感じなかった。 欲を満たすために国の下で働けなんて言う人間はいなかった。 力をもった宿命だから弱い人を助けろなんてのが、皆口裏を合わせたように言っていた。
この男だけは自分の欲のために、人を助けろというのか。
「……別に俺に自分の欲望なんてものはない。 ただ、あの両親の言いなりになるのが嫌だからここでは働きたくないだけだ」
「それだけが働きたくない理由なのであれば、尚更君はここで欲を見つけて得をするべきだよ。 ここで働かずどう生きる? その両親に小言でも言われながら一般人と共に働くのか? 周りは君を力のない落ちこぼれだと思うだろう、今の君がそれに耐えれるとは思えない。 人を救いたくない理由がないのであれば、ここに入るのが君にとって最善だ」
どのような理論なのかは分からないが、朝霧はどうしてかそれに頷こうとする自分がいることに気づく。
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