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第8話 否定
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第8話 否定
アタミ先生の圧力もあり、全員1度椅子に腰をかける。
紹介されたルミ、センカ、ラン、フウラ、ウタ、ウアの6人は俺をジッと……というよりは、ギロリと睨んでいる。
特に先程からアタミ先生に突っかかるルミという男子生徒は、俺のことを良いのですがく思っていないようだ。視線がキツい。
「アタミ先生。これはどのような意味か説明ありますよね? 能力が小さすぎる者は、この学校に入学はできないはず……。私が今まで見てきた誰よりも、能力が小さい……いや、見えないです」
話の先陣を切ったのは、優等生風の話し方をするセンカだった。少し早口でアタミ先生に物申す。
「小さいっていうより、ハヤテは能力なんて持ってないからね」
すると、また俺に視線が集まる。能力なしの奴なんて初めて見たという目だ。
「……なら、話は早いな。この学校から出てけ。お前みたいな奴がいる場所じゃねぇよ」
「いやいや、その前に能力なし……無能力者なんて存在するんですか? 赤子でも少しくらいの能力は……」
ルミのキツい言葉の後に、ランの質問がきた。ていうか赤子にも能力あるのか……。
「ルミ、相変わらず言葉遣いが荒いね。ハヤテを退学にはできない。これはこちらで決定したことだ。ラン、その通りだよ。私も初めて見たよ、ハヤテは無能力者だ」
アタミ先生は、淡々と生徒たちに返していく。
ルミは、チッと舌打ちをした後に机に両足を乗せ、ポケットに手を突っ込む。
「……でも、能力ないのに……この学校でどうやって生きていくんですか……」
フウラは小さな声でそう質問する。
「今のところ、ハヤテは2~3日ここで学んでもらう」
「2~3日」その言葉に反応したように、生徒全員がアタミ先生を見る。そして、センカが立ち上がった。
「待ってください。100歩譲って勝手に学んで頂くのは構いません。しかし、3日後は……」
え、何だ……3日後何かあるのか?
「そうだよ、年に一度の仮卒業試験だよ」
「仮卒業試験」……?この人たちは、1番ランクが下なのに卒業試験を受けるのか…?というか仮って……?
「待てよ、まさかカゲミの野郎がコイツに付きっきりになるとか言わねぇよな? 試験まで俺の魔法、能力の強化に付き合ってもらわねぇと…」
「ルミ、何勝手なこと言っているのよ! 私がカゲミ先生に練習をしてもらう予定なのよ!」
「それは、僕も同じで……」
ルミ、センカ、ランがそれぞれ声を上げると、フウラも「私も…」コクコクと頷く。
「悪いけど、カゲミにはハヤテに付いてもらうよ。君たちはそれぞれで練習してもらう」
アタミ先生のその言葉に4人は何も言えなくなる。
そして、教室の隅っこでウタ、ウアの2人はコソコソ2人で話している。
「僕たちはどうでもいいけどね」
「うん、そうね。お兄ちゃん」
双子は、どうでも良さそうにひそひそ話をしていた。
「あの試験に合格すれば、アビリティ協会本部への道が近くなる。この学校の生徒なら誰でも合格したい試験のことだよ」
俺は何がなんだかよく分からなくなってきた。「仮卒業試験」、「アビリティ協会本部」何のことだ……
「こんな奴のせいで、俺たちの合格確率下げられてたまるかよ! いるだけで迷惑だっていうのに」
「そうです、アタミ先生。 今回はルミの言う通りです。無能力者のために私たちの将来の道を妨げられるなんて……」
「仮卒業試験だけは、クラスランク関係なく卒業の可能性がある。他の試験なんてどうでもいいですが、今回はそうはいきません」
「そ、そもそも…その人のためにカゲミ先生が付く必要があるんですか……? 無能力者に能力の学術を教えても意味ないんじゃあ……」
凄く邪魔者扱いをされている。無能力者だと馬鹿にされることは覚悟していたが、存在を否定されるとは思っていなかった。
俺はこの人たちと学びたいとか、能力が欲しいとか強くなりたいとかそんなものはないんだが……
「つーか、お前なんでここに来たんだよ! お前みたいなやつが来る場所じゃないんだぞ、ここは!」
「ええ。能力がない人がここに通う資格なんてないわ。 アタミ先生には悪いけれど、彼の入学自体おかしな話よ」
俺がここに来た意味……。そんなの1つしかないだろ。
「俺は、生きるためにここに来たんだよ。 別に能力が欲しいとか、強くなりたいとかそんなものはないよ。 俺がこの世界で生きるには、ここに来るしか選択肢がなかった。だからここに来た」
急に話し出した俺に驚いたのか6人が俺の方を見る。
さらに、口を挟む隙無く、俺は話し始めた。
「……俺は能力を持たないし、おそらく持つことができない。 なんとなく自分で分かります。 アタミ先生、別にカゲミ先生を付きっきりにしなくて大丈夫です、俺は俺なりに生きていくための方法をここで探します」
俺に出来ることは能力を持つことじゃない。それ以外の方法を見つけることだ。 まず「無能力者」がほとんどいないとされるこの世界
で、能力者になれた人がいないという事実。それなら確率が0なことよりも、それ以外の生きる術を見つけることが重要だ
「大丈夫です。今までも1人で考えて、なんとかしましたから」
俺の存在を否定する彼らの意思や意見なんて関係ない。その分、彼らの邪魔もしない。
「それをする場所だけを下さい。 無能力者という俺の存在をないことにしたければ、いないと思ってもらって構わない。 けど、俺は生きるために短い時間で術を見つけます」
「……ハヤテ、それでいいのかい?」
「はい」
自分の生き方くらい自分で見つける。いつもそうだった。あの両親にとって、都合の良い自分を作り上げることは容易かった。
この異世界に来たからといって、急に頭の回転が悪くなった気もしない。
「天才」として無理やり育てられた俺にとって、この方法が1番やり易いであった。
「……悲しい」
「……悲しいね」
端の方でまたコソッとウタとウアが何かを言った気がした。
アタミ先生の圧力もあり、全員1度椅子に腰をかける。
紹介されたルミ、センカ、ラン、フウラ、ウタ、ウアの6人は俺をジッと……というよりは、ギロリと睨んでいる。
特に先程からアタミ先生に突っかかるルミという男子生徒は、俺のことを良いのですがく思っていないようだ。視線がキツい。
「アタミ先生。これはどのような意味か説明ありますよね? 能力が小さすぎる者は、この学校に入学はできないはず……。私が今まで見てきた誰よりも、能力が小さい……いや、見えないです」
話の先陣を切ったのは、優等生風の話し方をするセンカだった。少し早口でアタミ先生に物申す。
「小さいっていうより、ハヤテは能力なんて持ってないからね」
すると、また俺に視線が集まる。能力なしの奴なんて初めて見たという目だ。
「……なら、話は早いな。この学校から出てけ。お前みたいな奴がいる場所じゃねぇよ」
「いやいや、その前に能力なし……無能力者なんて存在するんですか? 赤子でも少しくらいの能力は……」
ルミのキツい言葉の後に、ランの質問がきた。ていうか赤子にも能力あるのか……。
「ルミ、相変わらず言葉遣いが荒いね。ハヤテを退学にはできない。これはこちらで決定したことだ。ラン、その通りだよ。私も初めて見たよ、ハヤテは無能力者だ」
アタミ先生は、淡々と生徒たちに返していく。
ルミは、チッと舌打ちをした後に机に両足を乗せ、ポケットに手を突っ込む。
「……でも、能力ないのに……この学校でどうやって生きていくんですか……」
フウラは小さな声でそう質問する。
「今のところ、ハヤテは2~3日ここで学んでもらう」
「2~3日」その言葉に反応したように、生徒全員がアタミ先生を見る。そして、センカが立ち上がった。
「待ってください。100歩譲って勝手に学んで頂くのは構いません。しかし、3日後は……」
え、何だ……3日後何かあるのか?
「そうだよ、年に一度の仮卒業試験だよ」
「仮卒業試験」……?この人たちは、1番ランクが下なのに卒業試験を受けるのか…?というか仮って……?
「待てよ、まさかカゲミの野郎がコイツに付きっきりになるとか言わねぇよな? 試験まで俺の魔法、能力の強化に付き合ってもらわねぇと…」
「ルミ、何勝手なこと言っているのよ! 私がカゲミ先生に練習をしてもらう予定なのよ!」
「それは、僕も同じで……」
ルミ、センカ、ランがそれぞれ声を上げると、フウラも「私も…」コクコクと頷く。
「悪いけど、カゲミにはハヤテに付いてもらうよ。君たちはそれぞれで練習してもらう」
アタミ先生のその言葉に4人は何も言えなくなる。
そして、教室の隅っこでウタ、ウアの2人はコソコソ2人で話している。
「僕たちはどうでもいいけどね」
「うん、そうね。お兄ちゃん」
双子は、どうでも良さそうにひそひそ話をしていた。
「あの試験に合格すれば、アビリティ協会本部への道が近くなる。この学校の生徒なら誰でも合格したい試験のことだよ」
俺は何がなんだかよく分からなくなってきた。「仮卒業試験」、「アビリティ協会本部」何のことだ……
「こんな奴のせいで、俺たちの合格確率下げられてたまるかよ! いるだけで迷惑だっていうのに」
「そうです、アタミ先生。 今回はルミの言う通りです。無能力者のために私たちの将来の道を妨げられるなんて……」
「仮卒業試験だけは、クラスランク関係なく卒業の可能性がある。他の試験なんてどうでもいいですが、今回はそうはいきません」
「そ、そもそも…その人のためにカゲミ先生が付く必要があるんですか……? 無能力者に能力の学術を教えても意味ないんじゃあ……」
凄く邪魔者扱いをされている。無能力者だと馬鹿にされることは覚悟していたが、存在を否定されるとは思っていなかった。
俺はこの人たちと学びたいとか、能力が欲しいとか強くなりたいとかそんなものはないんだが……
「つーか、お前なんでここに来たんだよ! お前みたいなやつが来る場所じゃないんだぞ、ここは!」
「ええ。能力がない人がここに通う資格なんてないわ。 アタミ先生には悪いけれど、彼の入学自体おかしな話よ」
俺がここに来た意味……。そんなの1つしかないだろ。
「俺は、生きるためにここに来たんだよ。 別に能力が欲しいとか、強くなりたいとかそんなものはないよ。 俺がこの世界で生きるには、ここに来るしか選択肢がなかった。だからここに来た」
急に話し出した俺に驚いたのか6人が俺の方を見る。
さらに、口を挟む隙無く、俺は話し始めた。
「……俺は能力を持たないし、おそらく持つことができない。 なんとなく自分で分かります。 アタミ先生、別にカゲミ先生を付きっきりにしなくて大丈夫です、俺は俺なりに生きていくための方法をここで探します」
俺に出来ることは能力を持つことじゃない。それ以外の方法を見つけることだ。 まず「無能力者」がほとんどいないとされるこの世界
で、能力者になれた人がいないという事実。それなら確率が0なことよりも、それ以外の生きる術を見つけることが重要だ
「大丈夫です。今までも1人で考えて、なんとかしましたから」
俺の存在を否定する彼らの意思や意見なんて関係ない。その分、彼らの邪魔もしない。
「それをする場所だけを下さい。 無能力者という俺の存在をないことにしたければ、いないと思ってもらって構わない。 けど、俺は生きるために短い時間で術を見つけます」
「……ハヤテ、それでいいのかい?」
「はい」
自分の生き方くらい自分で見つける。いつもそうだった。あの両親にとって、都合の良い自分を作り上げることは容易かった。
この異世界に来たからといって、急に頭の回転が悪くなった気もしない。
「天才」として無理やり育てられた俺にとって、この方法が1番やり易いであった。
「……悲しい」
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