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3口付け
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3口付け
ユリウスのことだけが気になって仕方がなかった。父や母のことは言ってしまえば、どうでもよかった。ただ、弟ユリウスのあの後が気になってしようがない。
ユリウスも俺がΩであることは百も承知であった。しかし、間近で実の兄がどこの誰とも分からない男に近寄られただけで、意識が朦朧とし、身体、顔が燃えるように熱く、赤くなっていく様を見せつけられ、どんな気持ちだったろうか。
……やはり、弟にも見限られてしまっただろうか。あんな醜態を晒し、本能には抗えないという兄を軽蔑しただろうか。
そんな事の発端を作り出した男の家でベッドに横たわり、頭の後ろで手を組み、天井を見つめている自分が嫌で嫌で仕方ない。
ヴァラドル……いつか呪い殺してやりたい。と思うほどだが、思っていたよりもマシな奴だった。
俺は自分が性奴隷にされると思い込んでいたものだから、こんな風にベッドに鎖で繋がれもせずにいる状況に驚きだ。
逃げても良い、追いかけるから……アイツは何を考えているのか。
普通逃げたら、お前のことをバラして、ジェイラード家の地位を……なんて言うのかと思ったのに。
それどころか、家なんてどうでも良いと言った。じゃあ、なんで……の答えが俺自身を欲しい……とかなんとか……よくも、そんな恥ずかしいことを言えたものだ。
……αにとってΩはヤる為のもの、αは偉い、Ωは偉くない。誰かがそう決めた。抗うことも許されないのだ、と誰かが言ったのだ。
暫くゴロゴロと寝返りを打ちながら、考え込んでいると、もう真夜中になったのか、電気のついていない部屋は真っ暗でベッドの隣にあったテーブルも見えない。
すると、また部屋のドアが開いた。パチリと電気がつく。もちろん、入ってきたのはヴァラドルだ。
……変わったのは、格好だけ。お風呂に入り、後は寝るだけというようにバスローブのようなものを身に纏う。
胸元には、金色のネックレスがジャラリと垂れ下がり、鍛え上げられたと言わんばかりの胸筋がバスローブに収まらず、褐色の良い胸元がはだけている。
束ねられていたはずの長い髪は解かれ、サラリとしている。
「……電気もつけず、何をしている」
「何を……こっちのセリフだ、何だその格好」
ヴァラドルは?とした顔で、ベッドに近寄る。そして、ギッとベッドの上に乗った。
「寝るのにシャツなんて着ていられるか」
「……なんで、その寝る格好でこの部屋に来る、というかベッドに乗る……」
心外な言葉だ、と顔に書いてあるぞヴァラドル。もう、コイツがここに来たことで分かっている。
「……夫婦は同じ寝床で寝るものだろう」
「……夫婦、というか嫁になるとは言ってない」
ヴァラドルは、何も言わなくなった。俺は横たわるのを止めて、ヴァラドル同様、ベッドに座る形になる。
ヴァラドルは冷めた目になっていて、俺は背筋が凍った。やばい、と感じ取った。
しかし、そう感じ取ったのも束の間、グラッと身体が倒れる。
両手の指をヴァラドルの両手の指に絡められる。そのままヴァラドルが俺に覆い被さるように、ベッドに倒れ込んだ。
長い白髪が俺の顔にかかる。グリーンの瞳は俺の顔を映している。
俺は、ハッとなり、力を込めて押し返すがビクともしない。
それどころかヴァラドルは俺を指の間に絡めた指の力を強くしていく。
……どうしよう、うご、かない……
「……そんな顔をするな、言っただろう。何も取って喰いやしない」
そんなことは嘘なんだ、と俺は思った。この状況でその言葉を信じろと言われて、信じるやつがいるわけが無い。
ーーー喰われる、ヤられる
頭の中にその言葉しか出てこなかった。いくら強がって、仕方ないと、Ωなのだからと言い聞かせても、嫌なものは嫌だし、怖いものは怖い。
どれだけ頑張ろうと力で押し返しても、ヴァラドル…αの力には勝てないのだと実感させられる。
マシなやつだと、思ってた。甘かった、結局……αはαで、ΩはΩでしかない。
ギュッと目を強く瞑る。
怖い、嫌だ……、なんで、なんで……
「っん……」
唇に何か触れた、さっきのような指の感覚ではない。もっと柔らかい…….。
触れてからも、ヴァラドルが何か俺を乱雑に扱う気配がしない。
ふと目を恐る恐る開くと、ヴァラドルの顔がすぐそこにある。
俺はすぐに理解した、触れたものはコイツの唇、だ……。
それを分かった途端に顔が一気に熱を増す。
何で、何でこんな、これはつまり……? き、キスという……何故……!?
どうせ性行為をしないなどということは嘘なのだろうと、思ったのに…。
「んんっ、んー……」
何か言いたげな俺にヴァラドルは、唇を離した。
ぷはっと大きく息を吸った。苦しかった、ある意味殺されるのかと思った。
「……性行為は、しない。 でも、これは違うだろう」
フッと笑いながらそう言った。キス、口付け、接吻……これは、性行為には、あたらない……とは俺も思う……が!!
「……怒ったんじゃないのか……」
怒りに任せて酷くされると覚悟した。そして、怒りを買うような態度を取ったことを後悔した。
「……怒った……、というよりもお前がまだ、俺の嫁だと理解しないことに苛立っただけだ」
え、俺って……もう嫁になってるの…?そんなの知らない、初耳だ。確かに夫とか言っていたが、それはヴァラドルの勝手な言い分で……
「…お前の父との交渉の中で、お前を俺に寄越せと言った」
それは、多分奴隷にでもするのだと父も思っていただろう。寄越せ……と言われて結婚を意味するとは思わない。コイツ何処かズレている。
「……まぁ、そんなことはどうでも良い」
そう言うと、またヴァラドルの顔が近づき、唇を重ねられる。
重ねたと思ったら、すぐ離れ、俺の唇を舌で舐めてくる。
頭がパンク寸前の俺は何が何だか分からない。指にグッと力を入れる。自動的にヴァラドルの指を握ることになる。
それに気づいたヴァラドルは、口元から1度離れた。
「……クロウス、お前……初めてか」
そう言われ、ぐっと唇を噛む。違う意味で顔が熱くなる。馬鹿にされたと思った。いや、これは馬鹿にして当然だ。コイツじゃなくても、馬鹿にする。
20手前、19歳にして初めてなんて……しかし、俺にだって言い分はある。
これまで、αはもちろん、βやΩとだって関わらないように城に閉じ込められてきたんだぞ。そんな、こんなこと経験なくても当たり前じゃないか。
ヴァラドルの力が緩んだと思い、ヴァラドルの手から自分の手を逃す。
そして、その手で自分の顔を隠す。絶対に赤い、そして涙目になっている。こんな姿誰にも見せられない。
「……うるさい、喋るな……、見るなァ……」
感情が爆発して、恥ずかしさから込み上げた怒りをヴァラドルにぶつける。
それと同時に涙が溢れてきた。
「…………クロウス、答えがまだだ。 ……初めてか」
もう答えは聞かずとも、俺の反応で分かりきっているだろう……。コイツ嫌いだ、こういう辱めるのが好きなタイプの変態か……
「……っ、わるいか……」
両手の間からヴァラドルを覗き込むようにして、そう答える。表情を見たくもないし、見せたくもない。けど、目を見て話さないと何か嫌な気がする。
こんな事を答えさせられて恥ずかしい、涙が止まらない。
それと同時に、身体は正直に間近にいるコイツの匂いに反応するように熱くなる。
「…………いいや」
少し黙った後にヴァラドルは、一言だけそう言った。そして、顔を隠していた両腕をまた掴まれる。
再度指が絡まる。「あっ……」と俺の口から声がこぼれた。
「最高だ、クロウス」
耳元でヴァラドルの静かで低い声が響く。ドクンと心臓が飛び跳ねる。今まで味わったことのない感覚だ。ゾクゾクと身体に電流が走ったみたいになる。
ヴァラドルも少し頬が赤くなっている。何で……と考える余裕はなかった。
「……初めて、か。 …………クロウス、口を開けろ」
ヴァラドルの言われるがままに、ゆっくりと唇の間に隙間を開ける。
先程のように俺の唇を少し舌で触り、そのまま口の中へと入ってきた。俺は突然のことに驚き、目を丸くしながら、繋がれた手を握る力を強くする。
「っんぅ……っん……」
ヴァラドルは閉じていた目を少しだけ開き、驚き慌てる俺の目を見た。
口元は笑っていなくとも目で少し笑っているのだと分かった。
熱い、熱い……熱い……っ、口が触れているだけなのに、男の舌が口の中で絡みついているだけなのに……体温がドンドンと上がっていき、頭に酸素がいかない。
慣れたように俺の口の中を動くヴァラドルの舌を噛みちぎってやりたかったが、舌が動く度に感じている自分がおり、舌を噛むことが出来なかった。
ユリウスのことだけが気になって仕方がなかった。父や母のことは言ってしまえば、どうでもよかった。ただ、弟ユリウスのあの後が気になってしようがない。
ユリウスも俺がΩであることは百も承知であった。しかし、間近で実の兄がどこの誰とも分からない男に近寄られただけで、意識が朦朧とし、身体、顔が燃えるように熱く、赤くなっていく様を見せつけられ、どんな気持ちだったろうか。
……やはり、弟にも見限られてしまっただろうか。あんな醜態を晒し、本能には抗えないという兄を軽蔑しただろうか。
そんな事の発端を作り出した男の家でベッドに横たわり、頭の後ろで手を組み、天井を見つめている自分が嫌で嫌で仕方ない。
ヴァラドル……いつか呪い殺してやりたい。と思うほどだが、思っていたよりもマシな奴だった。
俺は自分が性奴隷にされると思い込んでいたものだから、こんな風にベッドに鎖で繋がれもせずにいる状況に驚きだ。
逃げても良い、追いかけるから……アイツは何を考えているのか。
普通逃げたら、お前のことをバラして、ジェイラード家の地位を……なんて言うのかと思ったのに。
それどころか、家なんてどうでも良いと言った。じゃあ、なんで……の答えが俺自身を欲しい……とかなんとか……よくも、そんな恥ずかしいことを言えたものだ。
……αにとってΩはヤる為のもの、αは偉い、Ωは偉くない。誰かがそう決めた。抗うことも許されないのだ、と誰かが言ったのだ。
暫くゴロゴロと寝返りを打ちながら、考え込んでいると、もう真夜中になったのか、電気のついていない部屋は真っ暗でベッドの隣にあったテーブルも見えない。
すると、また部屋のドアが開いた。パチリと電気がつく。もちろん、入ってきたのはヴァラドルだ。
……変わったのは、格好だけ。お風呂に入り、後は寝るだけというようにバスローブのようなものを身に纏う。
胸元には、金色のネックレスがジャラリと垂れ下がり、鍛え上げられたと言わんばかりの胸筋がバスローブに収まらず、褐色の良い胸元がはだけている。
束ねられていたはずの長い髪は解かれ、サラリとしている。
「……電気もつけず、何をしている」
「何を……こっちのセリフだ、何だその格好」
ヴァラドルは?とした顔で、ベッドに近寄る。そして、ギッとベッドの上に乗った。
「寝るのにシャツなんて着ていられるか」
「……なんで、その寝る格好でこの部屋に来る、というかベッドに乗る……」
心外な言葉だ、と顔に書いてあるぞヴァラドル。もう、コイツがここに来たことで分かっている。
「……夫婦は同じ寝床で寝るものだろう」
「……夫婦、というか嫁になるとは言ってない」
ヴァラドルは、何も言わなくなった。俺は横たわるのを止めて、ヴァラドル同様、ベッドに座る形になる。
ヴァラドルは冷めた目になっていて、俺は背筋が凍った。やばい、と感じ取った。
しかし、そう感じ取ったのも束の間、グラッと身体が倒れる。
両手の指をヴァラドルの両手の指に絡められる。そのままヴァラドルが俺に覆い被さるように、ベッドに倒れ込んだ。
長い白髪が俺の顔にかかる。グリーンの瞳は俺の顔を映している。
俺は、ハッとなり、力を込めて押し返すがビクともしない。
それどころかヴァラドルは俺を指の間に絡めた指の力を強くしていく。
……どうしよう、うご、かない……
「……そんな顔をするな、言っただろう。何も取って喰いやしない」
そんなことは嘘なんだ、と俺は思った。この状況でその言葉を信じろと言われて、信じるやつがいるわけが無い。
ーーー喰われる、ヤられる
頭の中にその言葉しか出てこなかった。いくら強がって、仕方ないと、Ωなのだからと言い聞かせても、嫌なものは嫌だし、怖いものは怖い。
どれだけ頑張ろうと力で押し返しても、ヴァラドル…αの力には勝てないのだと実感させられる。
マシなやつだと、思ってた。甘かった、結局……αはαで、ΩはΩでしかない。
ギュッと目を強く瞑る。
怖い、嫌だ……、なんで、なんで……
「っん……」
唇に何か触れた、さっきのような指の感覚ではない。もっと柔らかい…….。
触れてからも、ヴァラドルが何か俺を乱雑に扱う気配がしない。
ふと目を恐る恐る開くと、ヴァラドルの顔がすぐそこにある。
俺はすぐに理解した、触れたものはコイツの唇、だ……。
それを分かった途端に顔が一気に熱を増す。
何で、何でこんな、これはつまり……? き、キスという……何故……!?
どうせ性行為をしないなどということは嘘なのだろうと、思ったのに…。
「んんっ、んー……」
何か言いたげな俺にヴァラドルは、唇を離した。
ぷはっと大きく息を吸った。苦しかった、ある意味殺されるのかと思った。
「……性行為は、しない。 でも、これは違うだろう」
フッと笑いながらそう言った。キス、口付け、接吻……これは、性行為には、あたらない……とは俺も思う……が!!
「……怒ったんじゃないのか……」
怒りに任せて酷くされると覚悟した。そして、怒りを買うような態度を取ったことを後悔した。
「……怒った……、というよりもお前がまだ、俺の嫁だと理解しないことに苛立っただけだ」
え、俺って……もう嫁になってるの…?そんなの知らない、初耳だ。確かに夫とか言っていたが、それはヴァラドルの勝手な言い分で……
「…お前の父との交渉の中で、お前を俺に寄越せと言った」
それは、多分奴隷にでもするのだと父も思っていただろう。寄越せ……と言われて結婚を意味するとは思わない。コイツ何処かズレている。
「……まぁ、そんなことはどうでも良い」
そう言うと、またヴァラドルの顔が近づき、唇を重ねられる。
重ねたと思ったら、すぐ離れ、俺の唇を舌で舐めてくる。
頭がパンク寸前の俺は何が何だか分からない。指にグッと力を入れる。自動的にヴァラドルの指を握ることになる。
それに気づいたヴァラドルは、口元から1度離れた。
「……クロウス、お前……初めてか」
そう言われ、ぐっと唇を噛む。違う意味で顔が熱くなる。馬鹿にされたと思った。いや、これは馬鹿にして当然だ。コイツじゃなくても、馬鹿にする。
20手前、19歳にして初めてなんて……しかし、俺にだって言い分はある。
これまで、αはもちろん、βやΩとだって関わらないように城に閉じ込められてきたんだぞ。そんな、こんなこと経験なくても当たり前じゃないか。
ヴァラドルの力が緩んだと思い、ヴァラドルの手から自分の手を逃す。
そして、その手で自分の顔を隠す。絶対に赤い、そして涙目になっている。こんな姿誰にも見せられない。
「……うるさい、喋るな……、見るなァ……」
感情が爆発して、恥ずかしさから込み上げた怒りをヴァラドルにぶつける。
それと同時に涙が溢れてきた。
「…………クロウス、答えがまだだ。 ……初めてか」
もう答えは聞かずとも、俺の反応で分かりきっているだろう……。コイツ嫌いだ、こういう辱めるのが好きなタイプの変態か……
「……っ、わるいか……」
両手の間からヴァラドルを覗き込むようにして、そう答える。表情を見たくもないし、見せたくもない。けど、目を見て話さないと何か嫌な気がする。
こんな事を答えさせられて恥ずかしい、涙が止まらない。
それと同時に、身体は正直に間近にいるコイツの匂いに反応するように熱くなる。
「…………いいや」
少し黙った後にヴァラドルは、一言だけそう言った。そして、顔を隠していた両腕をまた掴まれる。
再度指が絡まる。「あっ……」と俺の口から声がこぼれた。
「最高だ、クロウス」
耳元でヴァラドルの静かで低い声が響く。ドクンと心臓が飛び跳ねる。今まで味わったことのない感覚だ。ゾクゾクと身体に電流が走ったみたいになる。
ヴァラドルも少し頬が赤くなっている。何で……と考える余裕はなかった。
「……初めて、か。 …………クロウス、口を開けろ」
ヴァラドルの言われるがままに、ゆっくりと唇の間に隙間を開ける。
先程のように俺の唇を少し舌で触り、そのまま口の中へと入ってきた。俺は突然のことに驚き、目を丸くしながら、繋がれた手を握る力を強くする。
「っんぅ……っん……」
ヴァラドルは閉じていた目を少しだけ開き、驚き慌てる俺の目を見た。
口元は笑っていなくとも目で少し笑っているのだと分かった。
熱い、熱い……熱い……っ、口が触れているだけなのに、男の舌が口の中で絡みついているだけなのに……体温がドンドンと上がっていき、頭に酸素がいかない。
慣れたように俺の口の中を動くヴァラドルの舌を噛みちぎってやりたかったが、舌が動く度に感じている自分がおり、舌を噛むことが出来なかった。
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