対立していたはずの王子様に愛されたようで

永遠

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14治療

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14治療

俺の腰を抱くように腕を回したヴァラドルの腕が1度解かれる。そして、ヴァラドルは枕元に置いてある抑制剤のパキッと割り、その傍にある水で自分に流し込む。


俺の身体はジンジンと熱く、熱を持っていくようだ。ヴァラドルの首元に顔を寄せると、ヴァラドルの匂いが近くなる。グリグリと頭を肩に擦りつけると、ヴァラドルが後ろから頭を撫でる。


「無理はするな、嫌なら逃げても良い」


耳元でそう言われ、「~~ぅう」と唸り声を上げる。俺はギュウとヴァラドルの首に腕を回す。ヴァラドルは驚いたように、「クロウス?」と名前を呼んでくる。


「……痛いこと、するか……? それなら、逃げる……」


「……する訳ないだろう、……ただ、抑制剤を飲んでいてもどうなるかは保証はできない。 噛むなり殴るなりして俺を止めろ」



こんな男に抱かれてやるものかと思った。 一生抱かれずにいようと、思っていたのに3日目にしてその決意が揺らぐ。


きっとヴァラドルは抱く気なんてサラサラないし、俺も今、それを了承はしない。


ただ、‪α‬に抱かれなければならない、となれば俺は今こいつの名前を上げるだろう。
何度も問いたい。何で俺なんかに優しくする、もっと乱雑に、乱暴に扱えば良いものを……と。


だから、そんなコイツに絆され、そんな事を考えてしまう。


「…………はぁ、ヴァラ、ドル……、薬、きれて……」


「ああ……クロウス、いい香りが強くなっている」


心臓の鼓動がドンドン早くなる。薬が切れる期限が迫っているかのようだ。
熱い、熱くて仕方ない……。身体に巻きついたヴァラドルの腕、抱き寄せられヴァラドルはスンと俺の匂いを嗅ぐ。

「…っ、ぁ、またぁ………っ、おかし、く…」


「今回は抑制剤を服用していない、昨日よりもずっと辛いかもしれないっ……、」


昨日と同様にヴァラドルが俺の背中の後ろにいて、もたれるように背中を預ける。抱きしめられるような形になり、ずるりと力の抜ける俺の額に上からヴァラドルの汗が落ちた。

ヴァラドルも抑制剤を飲んでおきながら、「ふぅー、ふぅー」と息が荒い。頬、額が真っ赤で、眉に皺を寄せ我慢しているのが分かる。
抑制されない俺の発情状態はかなりフェロモンが強いらしい。


ワイシャツを着ていた俺は、ヴァラドルに前のボタンを外されていく。前は上は脱がされなかったはずなのに、今日は手をかけた。


前を開け、ヴァラドルは俺の胸元にヒタリと手を当てる。すりっと撫でてくる、くすぐったい……。俺の喉が「くるる」と小さく鳴く。


「……っんん!?」


手の平で優しく胸元を撫でていたヴァラドルの指の腹が胸の突起部分をグリッと押す。


「……そ、こ……っ」


「ここ、触ったことはあるか」


スリスリと擦られ、変な感覚だ。俺はヴァラドルの問いかけにフルフルと首を振る。
自分で触るわけないだろ……、そもそも処理のつもりならこんなところ触らなくても……


「……何の、真似……、」


急に擦られたかと思えば、摘まれたり爪を立てられたり……時折「んっ」と変な声が出そうになる。パシっと自分の手を口に当てる。ヴァラドルは、それに気づいたのか手に当てた口にキスをしてくる。


「……それじゃ、直接できないぞ」


少しニヤリと笑いながら言われる。ヴァラドルもかなり限界に近いらしく、触れるどこもかしこも熱を持っている。
俺は「…~っぅう」という声とともに口から自分の手を外す。
今の自分の身体がヴァラドルに唇に触れて欲しいと言っている。癪だが、どうしようもない事実で、そんな欲望に負ける自分が許せない。


「……欲を晒しても、俺しか見ていない。存分に晒せ、クロウス」


お前だから晒したくないんだっ……と内心叫びつつも、無意識のうちにヴァラドルの髪の毛をグッと握り、顔を引き寄せる。これではもっとキスをして欲しいと強請っているようなものだ。
「して欲しい」と言わずとも、ヴァラドルは読んだようにキスをしてくる。


「…っふぁ、ヴァラ……っ、ん、」


「……恥じることではない、これは治療の1つだ、そう思えば良い」



ヴァラドルはグッと突起部分を摘み上げてきた。俺は反射的に「んぁっ!」と声を上げる。全てが恥ずかしい、薬の効果がもう切れているから、こうなるんだ、と分かっていても、自分じゃないような声の漏れ方、勝手に欲しがる身体をヴァラドルに全部聞かれ、見られていると思うと消えたい気分になる。



「気持ち良いか、クロウス」


次は執拗にカリカリと爪で引っ掻いてくる。固い部分で強めに刺激を与えられているせいか、摘まれた時よりも腰がビクンと強く跳ねる。左右同時に引っ掻かれて、熱がそこに集中していく。
嫌だと首を振り抵抗しても、ヴァラドルはそれをやめる気配はなかった。


「やぁ~~っ!! それぇ……っ、からだ、へんに……」


まずいと思った。男なのにこんなに胸を触られるだけで身体が疼くのも、それがどんどんと下の反応に影響していくのも。


「…っ!! あ、まっ、まっ……っんぁぁ……っ!」



止まってと言う前に、俺の身体が限界を迎えたみたいだった。
一瞬、ヴァラドルは手を止め目を見開く。俺はぐずっと泣き始めた。


「…っちが、これぇ……、っお、れ……」


情けなくなった。ズボンにじわぁとシミが広がる。本当にやってしまった、下半身は触れられていないのに……出してしまった……、胸を弄られただけで……。


「……んっ、く……そ、やだ、こんなからだっ…」


Ωだからこんな風になるのか? それとも薬を過剰摂取したからおかしいのか……? それとも俺の身体が……。涙が止まらなくなる。初めて触れられた場所だった、ずっと開発されていた訳でもなかったのに……。


「……っ~、……ぁあ、精液は、取らないといけないんだったな」


そんな風に俺を宥めることをするのかと思ったら、そんな一言しか言わなかった。少しショックを受けていた。「大丈夫だ、おかしくない」と言ってくれると思っていた。


すると、チョーカーの後ろ部分がガキィンと音を立てる。驚き、なんだ!?と後ろをチラリと見ると、俺の首元に顔を埋めるヴァラドルがいる。



「……はぁ、噛まない、入れない、噛まない……」


ボソボソと同じことを繰り返し言っている。ヴァラドルは自分に言い聞かせているのか、最初の俺が良いと許可するまで、噛まない、最後まではしない、そんな約束を守るために自分を抑えている。
チョーカーを替えておいて正解だった、前のやつであればきっと、ヴァラドルは噛みちぎっていた。
今朝付けられたチョーカーの後ろ部分をヴァラドルは歯型が残るほど強く噛んでいた。


「……っふぅ……、クロウス……体制を変えるぞ」


そんなことを言うと、ぐるんと目の前が回った。俺はベッドに仰向け状態で寝かされ、その上にヴァラドルが覆い被さる。
ヴァラドルは、もう1度、横にある抑制剤をバキッと割り、口の中に放る。水もなしに噛み砕くようにして飲み込んだ。


まだ1時間と時間を空けていないのに、2錠目を飲んだ。しかし、もう既に1錠分の抑制効果が切れていたのかもしれない。飲み、暫く停止しながら「ふぅ、ふぅ」と息だけを吐く。



「……クロウス、下、脱がせるぞ」



まだ正気とは言えない状態であったが、ヴァラドルは俺に声をかけ、ズボンの腰部分に手をかける。
俺はもうヴァラドルのされるがままになっていく。考えられない、どうすれば、どうしなければならない……とか全部考えることが嫌になる。


「……っん、」


俺は少し腰を浮かせて、ヴァラドルに脱がせと言う姿勢になる。ヴァラドルはゴクリと唾を飲み込み、ズボン、下着両方を一気に下げていく。
前と後ろ両方からネトっと糸が引いた。それに俺は思わず足を閉じる。いざ、直接見られると隠したくなる。しかも、前とは違い、足を開けばヴァラドルに全て見える体制だった。


「……1度は出したが、まだ勃っているようだな」


ふるっと勃ち上がる俺のにヴァラドルは人差し指をツゥとなぞるように当てる。急に触られ、身体がビクッとなる。


「…っはぁ、ヴァラドル……、このたいせ、やだ……」



「このキットに採取しなければいけないんだ、少し我慢してくれ」



そう言うとハーヴァに預かっていたキットの容器を2つ取り出す。
そのうちの1つを俺のモノの先に当てる。


「……次はこの中に出せ、容器、持っていられるか」


そう言われ、俺に容器を持つように促す。俺は震えた手でそれを預かる。
すると、ヴァラドルが急に激しく俺のを擦るように手を動かす。ビクビクと腰がうねる様に動く。早く動く手を止めたくても、容器を持たされたせいで止めることも出来ず、身体を捻って快楽から逃げようとする。


「動くな、上手く容器に入らなくなるぞ。 そしたらもう1回だ」



そう言われ、ピクっとして身体の動きを弱めるようにする。それでも身体は快楽から逃れるように動いてしまう。ガタガタと容器の持つ手の力が抜けていく。ビリビリと全身が痺れる。
先からトロッと先走りな溢れてくる。もう、くるっ……


「…で、でるっ、……い、くか、ら、っっ!!」


1度出したのにも関わらず、2度目の射精もすぐだった。量もそれなりある。容器にじんわりと温かさがあり、何だか嫌な気分になりつつもヴァラドルは俺からそれを取り上げる。


「……っ、はぁ……っ、ぁ、……っ! ヴァラ、ドル……」


2度も出したのに、未だに熱を持ち続けている。自分の身体が嫌になる。そして、これが今日から同じことを繰り返さなければならないのかと思うと、先が思いやられる。


「……とりあえず、精液はこれで良い。 あとは好きなだけ出すと良い」


そう言ってべそべそ泣く俺の額に優しくキスをする。残りは後ろから出る体液……。
今もトロッと出てきているのが分かる。これをどうやって採取するんだ……?


「クロウス、まだ後ろに指を挿れられるのに抵抗はあるか」


そんなのあるに決まっている……。けれど、もう嫌だとか、怖いとか言っていられない。




「……ヴァラ、ドル……、お前のしやすい方法で良い……、頼むから早く……楽にして……」


そう言うと、ヴァラドルの瞳孔が開いたように、恐ろしく発情した顔になった。
そして、ゴクリと喉を鳴らし、唇を舐める。



「…………優しく、する」


自信なさげのヴァラドルの声が耳元で聞こえた。
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