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「何故か…本当に分からないのか?」
アーネストの低く怒りが込められた声に水を打ったように静かになる
「分かりませんな!剥奪など…いくら陛下と言えど横暴ですぞ!」
アーネストに対しても傲慢な態度のガルバに周りの貴族は顔を真っ青にする
「…では、この場で申しても構わぬな?」
「えぇ!もちろんです!私に罪などある訳がない」
アーネストは目をスッと細め重い口を開いた
「まず一つに、我が国は奴隷制度を廃止している。これは先代の王が定めた事。」
『奴隷』と聞きガルバの顔色が変わる
「イーニアス公爵、心当たりは?」
「…っな、ないです。奴隷など知りません!」
「…よかろう。連れてまいれ!」
アーネストの指示で側で待機していた兵が数人の子供を連れてくる。身に着けているのはボロボロの布の様な物だった
「この子達は皆、貴殿の屋敷から保護した子供だ。」
「わ、私は知らんぞ!」
尚も言い逃れようとするガルバにアーネストは続ける
「そうか、ではもう一つ。」
そう言うとアーネストは一冊の本を取り出しガルバの方へ投げた
「こっこれは!」
本をみたガルバの目が驚愕に見開かれる
「それは貴殿の屋敷にあった帳簿だ。そこには報告を受けていない資産や法で禁止している取引の内容が記載されている」
「…っ!」
「まだあるぞ」
今度は数枚の紙を取り出した
「ここには貴殿が金に物を言わせ口封じした者達、そして我が民にした事の詳細が書かれている」
「…そっそんな事でたらめだ!」
これだけの証拠を突きつけられても尚言い逃れをするガルバ
静かにアーネストが立ち上がる
「あの者をこちらへ」
兵が連れてきた壮年の男に見覚えがあった。ガルバはカタカタと震える体を悟られまいと必死になる
「この者を知っているな?」
ゆっくりと階段を下りながらいう
「しっ知りません!私が知っているはずがない!!」
「十数年前にウィルボット家で大きな火事があった…」
ビクッとするガルバをみてアーネストは続けた
「とても大きな火事で屋敷に居た物は全員亡くなった。たった一人の赤ん坊を残してな」
「…っ」
ガルバを気にせずアーネストは続けた
「私は突然起こった火事に疑問を持った。そして調べて行くうちにあの者の存在が浮上したのだ」
「…くっ…」
「あの者を探し出すのに十数年の時を有してしまった……問い詰めるとあっさりと白状したぞ?『イーニアス公爵から多額の金をもらって火をつけた』と」
もう言い逃れる事は出来ないガルバはただ唇を強く噛む事しか出来ないでいた
「爵位剥奪…これだけでは私はとても許す事は出来ない。多くの者を傷つけ、命を奪っている。例え自分が手を下していなくとも重い罪である事は明白だ」
「…っ…」
「我が国は死刑制度がない。これは建国した時に当時の王が定めた事。」
この言葉にハッと顔を上げるガルバ。その目には少し希望が宿っている
「死刑を行う事は出来ない…しかし、貴殿はあまりにも多くの罪を犯した。これは許される事ではない。よって爵位剥奪…及び身分を降格し平民とする。」
「…そっそんな…」
がっくりと項垂れたガルバ。アーネストが言葉を続けようとした時
「あんまりですわ!」
モリスがガルバに駆け寄り甲高い声で反論した
「陛下!あまりにも酷い仕打ちです!」
モリスを見てアーネストはさらに怒りを覚える
「モリス夫人…いやもう夫人ではないな。…モリス嬢にも罪状は上がっている」
「なっ何ですって!?」
驚愕に目を見開くモリス。まさか自分に罪状があるなんて思ってもみなかったのだ
「まずは、既婚者である貴族の者と契った事。」
その言葉に周りの貴族たちはざわめく
「そっそんなのでたらめですわ!」
「でたらめ?証拠ならキャロル嬢が居るじゃないか」
皆一斉にキャロルを見た
「え…?どういう事?」
いきなり出てきた自分の名前に困惑するキャロル
「キャロル嬢はその貴族との子。間違いないな?」
一層声が低くなるアーネストにモリスは声を出す事が出来なかった
「それから、ツェザーリ侯爵家の資産の横領」
「…っ…」
「よって身分を降格し平民とする。また横領した資産はイーニアス公爵家の資産から返金し残った資産、所有地は全て国の管理下に置き適切な処置をする事とする。また、国よりイーニアス家においては国から住む場所として土地をあたえる。ガルバ殿については全ての罪が明らかとなるまで牢獄にて沙汰を待つよう」
床に座り込んみ項垂れる二人はもう何も言う事が出来ない。まさか、自分がこんな目にあうなんて考えもしなかったのだ。
二人の姿を見ながらキャロルは『自分はどうなるのか』この思いばかりが頭をよぎっていた
アーネストの低く怒りが込められた声に水を打ったように静かになる
「分かりませんな!剥奪など…いくら陛下と言えど横暴ですぞ!」
アーネストに対しても傲慢な態度のガルバに周りの貴族は顔を真っ青にする
「…では、この場で申しても構わぬな?」
「えぇ!もちろんです!私に罪などある訳がない」
アーネストは目をスッと細め重い口を開いた
「まず一つに、我が国は奴隷制度を廃止している。これは先代の王が定めた事。」
『奴隷』と聞きガルバの顔色が変わる
「イーニアス公爵、心当たりは?」
「…っな、ないです。奴隷など知りません!」
「…よかろう。連れてまいれ!」
アーネストの指示で側で待機していた兵が数人の子供を連れてくる。身に着けているのはボロボロの布の様な物だった
「この子達は皆、貴殿の屋敷から保護した子供だ。」
「わ、私は知らんぞ!」
尚も言い逃れようとするガルバにアーネストは続ける
「そうか、ではもう一つ。」
そう言うとアーネストは一冊の本を取り出しガルバの方へ投げた
「こっこれは!」
本をみたガルバの目が驚愕に見開かれる
「それは貴殿の屋敷にあった帳簿だ。そこには報告を受けていない資産や法で禁止している取引の内容が記載されている」
「…っ!」
「まだあるぞ」
今度は数枚の紙を取り出した
「ここには貴殿が金に物を言わせ口封じした者達、そして我が民にした事の詳細が書かれている」
「…そっそんな事でたらめだ!」
これだけの証拠を突きつけられても尚言い逃れをするガルバ
静かにアーネストが立ち上がる
「あの者をこちらへ」
兵が連れてきた壮年の男に見覚えがあった。ガルバはカタカタと震える体を悟られまいと必死になる
「この者を知っているな?」
ゆっくりと階段を下りながらいう
「しっ知りません!私が知っているはずがない!!」
「十数年前にウィルボット家で大きな火事があった…」
ビクッとするガルバをみてアーネストは続けた
「とても大きな火事で屋敷に居た物は全員亡くなった。たった一人の赤ん坊を残してな」
「…っ」
ガルバを気にせずアーネストは続けた
「私は突然起こった火事に疑問を持った。そして調べて行くうちにあの者の存在が浮上したのだ」
「…くっ…」
「あの者を探し出すのに十数年の時を有してしまった……問い詰めるとあっさりと白状したぞ?『イーニアス公爵から多額の金をもらって火をつけた』と」
もう言い逃れる事は出来ないガルバはただ唇を強く噛む事しか出来ないでいた
「爵位剥奪…これだけでは私はとても許す事は出来ない。多くの者を傷つけ、命を奪っている。例え自分が手を下していなくとも重い罪である事は明白だ」
「…っ…」
「我が国は死刑制度がない。これは建国した時に当時の王が定めた事。」
この言葉にハッと顔を上げるガルバ。その目には少し希望が宿っている
「死刑を行う事は出来ない…しかし、貴殿はあまりにも多くの罪を犯した。これは許される事ではない。よって爵位剥奪…及び身分を降格し平民とする。」
「…そっそんな…」
がっくりと項垂れたガルバ。アーネストが言葉を続けようとした時
「あんまりですわ!」
モリスがガルバに駆け寄り甲高い声で反論した
「陛下!あまりにも酷い仕打ちです!」
モリスを見てアーネストはさらに怒りを覚える
「モリス夫人…いやもう夫人ではないな。…モリス嬢にも罪状は上がっている」
「なっ何ですって!?」
驚愕に目を見開くモリス。まさか自分に罪状があるなんて思ってもみなかったのだ
「まずは、既婚者である貴族の者と契った事。」
その言葉に周りの貴族たちはざわめく
「そっそんなのでたらめですわ!」
「でたらめ?証拠ならキャロル嬢が居るじゃないか」
皆一斉にキャロルを見た
「え…?どういう事?」
いきなり出てきた自分の名前に困惑するキャロル
「キャロル嬢はその貴族との子。間違いないな?」
一層声が低くなるアーネストにモリスは声を出す事が出来なかった
「それから、ツェザーリ侯爵家の資産の横領」
「…っ…」
「よって身分を降格し平民とする。また横領した資産はイーニアス公爵家の資産から返金し残った資産、所有地は全て国の管理下に置き適切な処置をする事とする。また、国よりイーニアス家においては国から住む場所として土地をあたえる。ガルバ殿については全ての罪が明らかとなるまで牢獄にて沙汰を待つよう」
床に座り込んみ項垂れる二人はもう何も言う事が出来ない。まさか、自分がこんな目にあうなんて考えもしなかったのだ。
二人の姿を見ながらキャロルは『自分はどうなるのか』この思いばかりが頭をよぎっていた
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