裏切りの先にあるもの

マツユキ

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「あぁ、僕は考えてたんだ。僕はどうするべきなのか」

ボソボソとうわ言のように話すクリフは本当に不気味で、キャロルは言い様のない恐怖にかられた

「ずっと君を救おうとしてたんだよ、あんな小汚ない場所からさ…だって美しい君には似合わないだろ?」

キャロルを見ているようで、見ていないその目は焦点が合っていない

一歩、また一歩とゆっくり距離を詰めてくるクリフから、少しでも逃れる様に後ずさる

「クリフ、何を言っているの…」

「僕は君の側に居たかった、いや居るべきなんだよ。だからここへ連れてきたんだ。だけど、何かが違うんだ、これじゃ君は離れていく」

「ク、リフ…お、お願いよ!それ以上来ないで…!」

叫ぶ事も出来ないほどの恐怖心の中、絞り出す様に言った

「君は離れていく、だめだ…このままでは、」

クリフがそう言ったとき、キャロルは初めてクリフが持っている物に気付く

ナイフ何て可愛い物ではなかった。ノコギリ位の大きな刃にギザギザの刃先、鈍く光る刃物は一目で新しい物ではないと解るのに、刃先だけがまるで新品かのように光っていた

そのアンバランスな刃物が、これから起こるであろう事をキャロルに実感させる

「だから、考えたんだ。一緒に居るにはどうしたらいいのか」

「ク、リ…フ」

「だからこうしたら一緒に居られると思うんだ」

クリフは焦点の合っていなかった目でキャロルを見る。その時、笑ったのだ。口のはしを限界まで上げて

そして…



――――


「ここだ、皆迅速に頼む」

カーティス家、私兵騎士団隊長が部下に号令をかける

部下たちは直ぐ様迅速に動き、屋敷をあっという間に制圧した。簡単に制圧出来たのは誰も居なかったこともあったが、騎士達の機敏で迷いがなく、統率のとれた動きの賜物であろう

そして最後の部屋の前に集まった騎士達は、微かに香る血の臭いに最悪を考えてしまった。皆が思ったのだ、遅かったと

扉の前でジッとしている訳にもいかず、隊長はゆっくりと扉に手をかけた

そして扉が完全に開いた時、目にした光景に唖然とする

想像していた光景よりも悲惨な状態が、目の前に広がっていた
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