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第三章 動き出す歯車
第二十話
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皆が無言でそれぞれ出来ないとは分かってはいても、『どうにか助ける事は出来ないのか』考えずにはいられなかった
その時だった。ラシードは何かを感じふと廊下の奥の方に目を凝らしてみた
小さな人影が徐々に近づいてくる。段々と影が大きくなり、人影がいったい誰なのか認識することが出来た
「…シェリ…?」
ラシードの呟きに皆、ラシードの視線の先を見る
「シェリ様…?どうしてここに…」
ユアンはシェリの突然の登場に困惑していた。それはジェラルドも同様であった
とうとうラシードの目の前まで辿りついたシェリ
「…ここから声が聞こえる…」
シェリの呟いた言葉に更に困惑する。シェリが指す『声』とはいったいなんなのか…
「…ヴァル…ここに居るみたい…」
『そうか…では助けてやらねばな?』
「うん」
シェリとヴァルとで、話が進んでいく。客室に入ろうと歩き出したシェリを慌ててラシードが止めた
「っシェリ!…今ここには…」
「…僕はここに居る精霊を助けないと…」
ラシードをしっかりと見つめたまま告げる
「っ!何故それを…!」
ユアンは驚愕に目を見開く。シェリが知りえるはずのない事だったからだ
「…シェリ、説明してくれますか?」
セオドールがシェリに問うた…わずかな希望を抱いて
そしてシェリは、精霊の声が聞こえ『助けて』と言われた事。自分に何が出来るかは分からないが助けたいと思っている事を告げた
「…そんな事が…でもありえるのですか?」
ユアンはシェリの話に半信半疑だった。それはシェリを信用していないからではなく、今まで聞いたことも見た事もない事であったし、『助けたい』と願った事は奇跡でも起こらない限り不可能な事だったからだ
「…分かりません。私も多くの愛し子を見てきましたが、こんな事は初めて聞きます。…ですが、シェリはヴァル様を救った。…シェリならば可能かもしれません」
『ヴァル』の名がでた瞬間ハッとして皆の視線がヴァルに集中した
ヴァルからは焦りや不安、困惑すら感じられない。
「…シェリを信じる。それが今の我々に出来る唯一の事…と言う訳だな」
その時だった。ラシードは何かを感じふと廊下の奥の方に目を凝らしてみた
小さな人影が徐々に近づいてくる。段々と影が大きくなり、人影がいったい誰なのか認識することが出来た
「…シェリ…?」
ラシードの呟きに皆、ラシードの視線の先を見る
「シェリ様…?どうしてここに…」
ユアンはシェリの突然の登場に困惑していた。それはジェラルドも同様であった
とうとうラシードの目の前まで辿りついたシェリ
「…ここから声が聞こえる…」
シェリの呟いた言葉に更に困惑する。シェリが指す『声』とはいったいなんなのか…
「…ヴァル…ここに居るみたい…」
『そうか…では助けてやらねばな?』
「うん」
シェリとヴァルとで、話が進んでいく。客室に入ろうと歩き出したシェリを慌ててラシードが止めた
「っシェリ!…今ここには…」
「…僕はここに居る精霊を助けないと…」
ラシードをしっかりと見つめたまま告げる
「っ!何故それを…!」
ユアンは驚愕に目を見開く。シェリが知りえるはずのない事だったからだ
「…シェリ、説明してくれますか?」
セオドールがシェリに問うた…わずかな希望を抱いて
そしてシェリは、精霊の声が聞こえ『助けて』と言われた事。自分に何が出来るかは分からないが助けたいと思っている事を告げた
「…そんな事が…でもありえるのですか?」
ユアンはシェリの話に半信半疑だった。それはシェリを信用していないからではなく、今まで聞いたことも見た事もない事であったし、『助けたい』と願った事は奇跡でも起こらない限り不可能な事だったからだ
「…分かりません。私も多くの愛し子を見てきましたが、こんな事は初めて聞きます。…ですが、シェリはヴァル様を救った。…シェリならば可能かもしれません」
『ヴァル』の名がでた瞬間ハッとして皆の視線がヴァルに集中した
ヴァルからは焦りや不安、困惑すら感じられない。
「…シェリを信じる。それが今の我々に出来る唯一の事…と言う訳だな」
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