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第一章 黒神子レスフィナとの出会い編
21.悲劇、呪いが発動する
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21.悲劇、呪いが発動する
(か、体が動かない……痛い……重い……苦しい……一体俺の身に何が起きたというんだ。俺は勇者田中から貰った狂雷のスキルで……あの勇者クレイ・バーエルに攻撃を仕掛けて……それで……それから……俺は一体どうなった?)
体が思うように動かない中、意識を取り戻したラエルロットが目をそっと開けると目の前には険しい顔をしながら眼前に立つ勇者クレイバーエルの姿があった。
勇者クレイバーエルは、手や足を失いながらも今も地べたで無様にもがき苦しんでいるラエルロットを見下ろしながら毅然とした態度で言葉をかける。
「あの勇者田中が使っていたレベル90クラスの狂雷のスキルを、たかだかレベル1程度の君が無理矢理にでも使えばこうなる事は始めから分かっていたはずだ。なのに何故こんな無茶なことが出来るんだ。あの黒神子から貰った不死の力を当てにでもしているからか」
「ち、違う……命の恩人をどうしても助けたいと思ったからだ」
「命の恩人……あの黒神子レスフィナの事か。彼女は君に災いを持ち込み不幸をもたらしに来た張本人だぞ。それを何故庇う」
「ち、違う、何も知らないくせに、いい加減な事を言うな。確かに彼女はお前達が忌み嫌っている黒神子の一人ではあるが……だが俺が見る限りでは彼女は……絶対に正しい事をしているし……その行いは限りなく正義だ。優しいし、そして人に対する情けや思いやりもある。極めてまともな人格者だ。決してお前達の言うように、聖女の使う封印術でその行動を封じなければならない程の邪悪な存在ではない。それにレスフィナは俺に……まだ見ぬ未来に立ち向かう新たな力と、何度でもやり直しが出来る不死の力を与えてくれたんだ。その命の恩人でもある彼女が、人には決して言えない強大な何かにたった一人で立ち向かおうとしている。なら俺はそんな彼女を助ける為に全力を尽くしてサポートをするしかないだろ。その彼女が抱えている宿命とも言うべき強大な闇が一体どんな物なのかは正直まだよくは分からないけど……俺は死んでも彼女を……レスフィナを守らないといけないんだ。そうさ、そうしなければいけないような気がする」
「命の恩人……か。まあ、良くも悪くも結果的に君はその黒神子レスフィナに命を救われたのだから、今をこうして生きているんだったな。なら彼女の味方をしても当然か」
「勇者、クレイ・バーエル……」
「君の……いいやお前の最初で最後のあの雷を纏った一撃を受けた時、お前の考えや感情が俺にも聞こえて来たぞ。あの感情に偽りがないのなら、お前は極めていい奴だと言う事がよ~く分かった。それとお前があの黒神子レスフィナの為に命を賭けて戦っているその覚悟の大きさもな。最弱とも言うべき、たかだかレベル1のお前が、あの一撃を無理矢理に放つ為に一瞬とは言え戦闘レベルをレベル60くらいまで上昇させる事が出来るとは、あの時は流石に驚いたが……それでもあの程度の攻撃力では、レベル100のこの俺には絶対に届く事はないぜ。あの攻撃は本家本元の狂雷の勇者が使う狂雷、雷光石火には程遠い威力だったからな」
(レベル60だって……レベル90じゃなかったのか。勇者田中にも簡単にスピード負けや力負けをしていたし、やはりそこまでのレベルの上昇に至る事はなかったのか)
「だがそれでもお前の本気の心はその思いと共に伝わって来たから、俺はお前のその情け深い自己犠牲とも言えるその正義を……少しだけ認めることにしたよ」
「それって……つまりは……」
「ああ、認めてやるよ。お前があの黒神子レスフィナを全面的に信じているように、俺もまたお前のその正義と真心を、そしてその無謀なまでに純粋なその勇気を信じてやるよ。ただし一度きりだがな!」
そう言うと勇者クレイ・バーエルは、ラエルロットに突き付けていた大検をゆっくりと背中にある鞘へと戻す。
自分の手足がゆっくりと再生されていくもどかしさを感じながらラエルロットは、いつ気が変わるかも知れない勇者クレイ・バーエルの言動に驚きながらもこの後の転回を考える。
(くそ、あの狂雷のスキルの使用で吹き飛んだ手足が完全に直るまで後数十秒の時間が掛かるか。早く手足を直して直ぐに立ち上がらないと戦うことも逃げる事も出来ない。今のままだとこの場から動くという選択肢が何処にもないぜ。あの勇者クレイ・バーエルの気が変わらないうちにレスフィナには早くこの場から逃げて貰わないと、俺がここまで体を張った意味が無いんだが、肝心のレスフィナは一体何をしているんだ。まさかまだこの場所にとどまっているんじゃないだろうな)
そんな事をラエルロットが思っていると、勇者クレイ・バーエルの元に聖なる氷を操る氷結の聖女スターシャが近づいて来る。
聖女スターシャは地べたで藻掻くラエルロットをしばらく見下ろしていたが、直ぐに視線を勇者クレイ・バーエルに向けると静かに語りかける。
「勇者クレイ・バーエル、ラエルロットさんとの戦いを何故ここでやめたのですか。今ならあの黒神子レスフィナに堂々と戦いを挑めると言うのに」
「ふん、茶化すなよ。お前はさっき遠まわし的に、俺はラエルロットを倒せないとか言っていたじゃないか」
「倒せないとは言ってはいませんよ。倒せたらの話しですがね、とは言いましたが」
「最初俺は、ラエルロットが不死身の力を持っているから殺せないと言う意味だとばかり思っていたんだがどうやらそうではなかったようだな。お前はここに来た時に、俺の質問にこう答えていたな。この村の封印が異世界召喚者達の手により強引に解かれた事でその強力な呪いが溢れ出し、全てが手遅れになったと……もうどうする事も出来ないと……そう言っていたな。薄れゆくこの土地の加護でどうにかまだその呪いがあふれ出ぬのを寸前の所で抑えていたみたいだが、限界突破のタイムリミットがもう既に迫ってきていると言う事だ。つまりはそういう事だな」
「そんな細かく状況を伝えた記憶はありませんが、おおむねの内容はそんな感じです。そんな訳でもうラエルロットさんや黒神子レスフィナさんにかまっている時間はありませんよ。早くこの村から立ち去らないと私達までその呪いの巻き添えを食う事になります」
「そうか……それは非常に残念だな。この村の人達には悪いがこれも避けられない運命だったと言う事か。本当に後味の悪い退場の仕方だがな。と言うわけでミイシャそろそろこの村を出るぞ。急げ!」
「わ、分かったわ。そう言うことなら仕方が無いわね。この村の人達には悪いけどここは逃げさせて貰うわ」
この村から大急ぎで出る算段をする勇者クレイ・バーエル達の行動に、一体何が起きているのかが分からずラエルロットは思わず呆気に取られ、ポカ~ンとする。
「この村はもう手遅れだってぇ……一体何を言っているんだ。ヒノのご神木が燃えて無くなった事でその封印が解かれた事は分かるがそれがなんでこのヒノの村の崩壊に繋がるんだよ。訳が、訳が分からないよ!」
体をばたつかせながらラエルロットがそう疑問の声を上げていると、少し離れた所でこの戦いの様子を見ていた周りの村人達がまるで狂ったかのように大きな悲鳴を上げながら皆一斉に苦しみだす。
「「ぐわっ、うわああぁぁぁぁぁ!」」
「体が……体が……勇者様……聖女様……た、助けて……助けて下さいぃぃぃぃぃ!」
「呪いだ……ヒノのご神木が無くなった事で……この村に課せられた呪いが発動したんだ……もうこれでこの村にいる人達は皆お終いだぁぁぁ。終わりだ。みんなその呪いを受けてしまうんだ。うっわあぁぁぁぁーぁぁぁ!」
「いやぁぁぁー、体の至る所から小枝が生えてきたわ。このままでは木になってしまう。嫌だ、嫌だ……一本の樹木になるのは嫌だ。誰か助けて……助けてく……だ……さ……」
そう言いながら叫ぶ村人達の体からは夥しい程の小枝が生え、その枝が急激に成長する事で村人達の体が次々と一本の木に変貌を遂げていく。その光景はまるで悪いお伽話の悪夢を見せられているかのようだ。
「村の人達が……みんなが森の木々に姿を変えられていく。これがヒノのご神木を失い、そして古代の遺物を……思いを具現化する苗木を奪われた人達に対する呪いの代償なのか。なら俺が持っているこの黒い木刀を納めればこの呪いを封じ、そして樹木に変えられた人達の呪いを静める事が出来るんじゃないのか?」
その黒い木刀に封じられている、思いを具現化する苗木を使って何とかこの村に住んでいる人達を救ってくれと懇願するラエルロットだったが、その提案を聖女スターシャは即座に拒否する。
「残念ながらそれは出来ません。もう既に呪いを封印する受け皿だったはずのヒノのご神木は燃えて有りませんし、それに何よりも半分に分かれた思いを具現化する苗木の片割れだけではこの呪いを封じる事は出来ません。だからこそ私は手遅れだと言ったのです。もしかしたらまだこの周辺をあの異世界召喚者の勇者不知火が『思いを具現化する苗木の半分を持ったまま』まだほっつき歩いているかも知れないと思い、その行方を探してみたのですが、結局あの勇者不知火が持ち去った古代の遺物の半分を取り戻す事は出来ませんでした。だからこそここに来るのが遅れたのです。でもそんな事があったからこそ、あの瀕死の重傷を負い、今にも死にそうになっていた勇者田中の最後を看取る事になってしまったのですがね」
「そんな……このままでは村の人達が……みんなが樹木に変えられてしまう。何とか……何とかならないのか!」
「なりません。こうなってしまってはもうどうすることも出来ません。非常に残念ですが」
「そ、そんな……」
突きつけられた残酷な厳しい現実にラエルロットが途方に暮れていると、勇者クレイ・バーエルの傍を飛んでいた妖精のミイシャが悲鳴を上げる。
「きゃああぁぁ、私の体からも小枝が生えて来たわ。それにクレイ・バーエル様の体からも……どうしよう……どうしよう……」
「くそ、どうやら本当にこの村から一刻も早く立ち去らねばならないようだな。と言うわけで聖女スターシャ、分かっているな!」
「ええ、分かっていますよ」
そう言うと聖女スターシャは勇者クレイ・バーエルと妖精のミイシャの体に触ると、その瞬間二人の体から生えていた小枝が成長すること無くまるで黒い散りのように消えてなくなって行く。
「消えた、俺達の体から生えていたあの忌々しい小枝が綺麗さっぱりと無くなっていく。流石は聖女様だぜ」
「あなた達の体に入り込んできた呪いの因子を内側から綺麗に浄化をしただけですわ。さあ急いでこの村から離れましょう。手遅れにならないうちに」
「待ってくれ、聖女スターシャ。その力で村人達を救ってやってくれ。頼むよ!」
その悲痛なラエルロットの叫びに、聖女スターシャは冷静に淡々と応える。
「それは無理ですわ。確かに私達聖女は、その降りかかる呪いに対抗できるようにその体と精神は神の領域に達してはいますが、流石に長時間ここにいたら例え特Aランクの称号を持つ私でもその呪いの力によって木に変えられてしまうかも知れません。それに私が浄化できるのは症状が比較的に初期段階の呪いを受けた人達だけです。完全に木に変えられてしまった者の呪いを解く事はもう出来ません」
「そ、そんな……じゃもうこの村に住んでいる人達は助からないのか……」
「ええ、残念ながら……」
「そんな……そんな……嘘だ……嘘だ……」
「私は決して嘘は言いません。ではラエルロットさん、私達はこれで失礼させていただきますね。また会う機会があったら、その時は何処かの喫茶店で紅茶を飲みながらお話でもしましょう」
「ちょっと、ちょっと待ってくれ!」
「ラエルロットさん、黒神子レスフィナさん、では失礼します」
「じゃあな、ラエルロット君。今度会う時が来たらその時はもう少しレベルを上げておけよ。レベル1のままじゃ流石に興ざめだからな」
「じゃあね、黒い似非勇者さん。あなたの隣にいる黒神子レスフィナと一緒になって、人々に悪さなんかをするんじゃないわよ。もし悪いことをしたら、その時は青い神風の勇者、クレイ・バーエルと、聖氷結の聖女・スターシャが黙ってはいないんだからね。いい、分かった!」
そう言うとクレイ・バーエル、スターシャ、ミイシャの三人はまるで風のようにその場から消えていなくなるのだった。
「消えた……本当にこの村の人達を見捨てやがった。ちくしょう、ちくしょう……」
聖女スターシャに見捨てられた事にラエルロットが嘆いていると、ラエルロットの体からも小枝が生え、その小枝が急激に成長していく。
「うわああぁぁぁぁぁ! 俺の体からも小枝が生えて来やがった。駄目だ、このままでは俺もあの村の人達のように一本の樹木に変えられてしまう!」
自分の体が急激に樹木に成長する姿を見てもう駄目だと思ったラエルロットだったが、そんなラエルロットの耳に黒神子レスフィナの声が届く。
『黒神子レスフィナの名において命ずる。永久の闇より現れし暗黒に属する汚れし呪いよ、ラエルロットさんに掛けられた樹木の呪いを今すぐに解除せよ!』
その黒神子レスフィナの言葉が聞こえるがいなやラエルロットの体に掛けられていた樹木の呪いの進行が一瞬で止まり、木々と化していた体が直ぐに元通りになる。
「黒神子レスフィナの力で呪いが……解けたのか……」
「私達も急いでこの村から離れましょう」
「でもこの村の人達が……」
「もう手遅れです。私が人の状態異常を直せるのは私の眷属でもあるラエルロットさん、あなた一人だけです。他の人達の呪いは私の力ではどうすることも出来ません」
「でも黒神子と呼ばれている者は、人々からその不幸や呪いを吸い込み取り除く事が出来ると昨日……そう君が言っていなかったか」
「確かに普通の不幸や呪いならそれも可能でしょうが、この古代の遺物が関わった呪物の呪いだけは違います。ましてや無理矢理に封印を破った状態での呪いの放置は大きく強力な暴走を招きます。だからこそ私はこの呪いの力が危険だと思い、速やかに回収する為にこの隣にある町で情報を集め、ついでに施しを貰い、そして更には疑惑が広がるこのヒノの村を訪れたのです。でもその結果、一足先に異世界召喚者達の手により古代の遺物を奪われてしまいましたがね」
「そう……そうだったのか」
そんな話を黒神子レスフィナがしていると、ラエルロットの手足は完全に直り、完全復活を遂げる。
「失っていた手足がようやく治ったようだな」
「そうみたいですね、これならもう歩けますね。この村の住人でもあるラエルロットさんからしてみたら流石に悲しい思いは拭いきれないとは思いますが、今はここから離れましょう。ここにいてももう私達に出来る事は何も無いのですから。そしてこれからの事をどこか落ち着いた場所で……二人で話し合いましょう」
「ああ、そうだな。とても心の整理が付かないが、今はそうするしかないか。じゃあな、村のみんな。異世界勇者達の脅威から……そして古代の遺物をその異世界勇者達に奪われた事で発動した強大な呪いから……あなた達を救う事ができなくて本当に済まない。俺はこのまま村を出る事にするよ。そしていつの日かこの世界に掛けられてある様々な呪いを解く方法が見つかったら、その時はまたこの村に来てこの樹木の呪いを解けるように最善を尽くすよ。そんな日が来るといいな……本当に来るといいな。ううぅぅぅ……うぅぅぅ」
悲しげにそう言うとラエルロットは、差し出された黒神子レスフィナの手をがっしりと掴むのだった。
呪いの影響で木になる村人達の図です。
(か、体が動かない……痛い……重い……苦しい……一体俺の身に何が起きたというんだ。俺は勇者田中から貰った狂雷のスキルで……あの勇者クレイ・バーエルに攻撃を仕掛けて……それで……それから……俺は一体どうなった?)
体が思うように動かない中、意識を取り戻したラエルロットが目をそっと開けると目の前には険しい顔をしながら眼前に立つ勇者クレイバーエルの姿があった。
勇者クレイバーエルは、手や足を失いながらも今も地べたで無様にもがき苦しんでいるラエルロットを見下ろしながら毅然とした態度で言葉をかける。
「あの勇者田中が使っていたレベル90クラスの狂雷のスキルを、たかだかレベル1程度の君が無理矢理にでも使えばこうなる事は始めから分かっていたはずだ。なのに何故こんな無茶なことが出来るんだ。あの黒神子から貰った不死の力を当てにでもしているからか」
「ち、違う……命の恩人をどうしても助けたいと思ったからだ」
「命の恩人……あの黒神子レスフィナの事か。彼女は君に災いを持ち込み不幸をもたらしに来た張本人だぞ。それを何故庇う」
「ち、違う、何も知らないくせに、いい加減な事を言うな。確かに彼女はお前達が忌み嫌っている黒神子の一人ではあるが……だが俺が見る限りでは彼女は……絶対に正しい事をしているし……その行いは限りなく正義だ。優しいし、そして人に対する情けや思いやりもある。極めてまともな人格者だ。決してお前達の言うように、聖女の使う封印術でその行動を封じなければならない程の邪悪な存在ではない。それにレスフィナは俺に……まだ見ぬ未来に立ち向かう新たな力と、何度でもやり直しが出来る不死の力を与えてくれたんだ。その命の恩人でもある彼女が、人には決して言えない強大な何かにたった一人で立ち向かおうとしている。なら俺はそんな彼女を助ける為に全力を尽くしてサポートをするしかないだろ。その彼女が抱えている宿命とも言うべき強大な闇が一体どんな物なのかは正直まだよくは分からないけど……俺は死んでも彼女を……レスフィナを守らないといけないんだ。そうさ、そうしなければいけないような気がする」
「命の恩人……か。まあ、良くも悪くも結果的に君はその黒神子レスフィナに命を救われたのだから、今をこうして生きているんだったな。なら彼女の味方をしても当然か」
「勇者、クレイ・バーエル……」
「君の……いいやお前の最初で最後のあの雷を纏った一撃を受けた時、お前の考えや感情が俺にも聞こえて来たぞ。あの感情に偽りがないのなら、お前は極めていい奴だと言う事がよ~く分かった。それとお前があの黒神子レスフィナの為に命を賭けて戦っているその覚悟の大きさもな。最弱とも言うべき、たかだかレベル1のお前が、あの一撃を無理矢理に放つ為に一瞬とは言え戦闘レベルをレベル60くらいまで上昇させる事が出来るとは、あの時は流石に驚いたが……それでもあの程度の攻撃力では、レベル100のこの俺には絶対に届く事はないぜ。あの攻撃は本家本元の狂雷の勇者が使う狂雷、雷光石火には程遠い威力だったからな」
(レベル60だって……レベル90じゃなかったのか。勇者田中にも簡単にスピード負けや力負けをしていたし、やはりそこまでのレベルの上昇に至る事はなかったのか)
「だがそれでもお前の本気の心はその思いと共に伝わって来たから、俺はお前のその情け深い自己犠牲とも言えるその正義を……少しだけ認めることにしたよ」
「それって……つまりは……」
「ああ、認めてやるよ。お前があの黒神子レスフィナを全面的に信じているように、俺もまたお前のその正義と真心を、そしてその無謀なまでに純粋なその勇気を信じてやるよ。ただし一度きりだがな!」
そう言うと勇者クレイ・バーエルは、ラエルロットに突き付けていた大検をゆっくりと背中にある鞘へと戻す。
自分の手足がゆっくりと再生されていくもどかしさを感じながらラエルロットは、いつ気が変わるかも知れない勇者クレイ・バーエルの言動に驚きながらもこの後の転回を考える。
(くそ、あの狂雷のスキルの使用で吹き飛んだ手足が完全に直るまで後数十秒の時間が掛かるか。早く手足を直して直ぐに立ち上がらないと戦うことも逃げる事も出来ない。今のままだとこの場から動くという選択肢が何処にもないぜ。あの勇者クレイ・バーエルの気が変わらないうちにレスフィナには早くこの場から逃げて貰わないと、俺がここまで体を張った意味が無いんだが、肝心のレスフィナは一体何をしているんだ。まさかまだこの場所にとどまっているんじゃないだろうな)
そんな事をラエルロットが思っていると、勇者クレイ・バーエルの元に聖なる氷を操る氷結の聖女スターシャが近づいて来る。
聖女スターシャは地べたで藻掻くラエルロットをしばらく見下ろしていたが、直ぐに視線を勇者クレイ・バーエルに向けると静かに語りかける。
「勇者クレイ・バーエル、ラエルロットさんとの戦いを何故ここでやめたのですか。今ならあの黒神子レスフィナに堂々と戦いを挑めると言うのに」
「ふん、茶化すなよ。お前はさっき遠まわし的に、俺はラエルロットを倒せないとか言っていたじゃないか」
「倒せないとは言ってはいませんよ。倒せたらの話しですがね、とは言いましたが」
「最初俺は、ラエルロットが不死身の力を持っているから殺せないと言う意味だとばかり思っていたんだがどうやらそうではなかったようだな。お前はここに来た時に、俺の質問にこう答えていたな。この村の封印が異世界召喚者達の手により強引に解かれた事でその強力な呪いが溢れ出し、全てが手遅れになったと……もうどうする事も出来ないと……そう言っていたな。薄れゆくこの土地の加護でどうにかまだその呪いがあふれ出ぬのを寸前の所で抑えていたみたいだが、限界突破のタイムリミットがもう既に迫ってきていると言う事だ。つまりはそういう事だな」
「そんな細かく状況を伝えた記憶はありませんが、おおむねの内容はそんな感じです。そんな訳でもうラエルロットさんや黒神子レスフィナさんにかまっている時間はありませんよ。早くこの村から立ち去らないと私達までその呪いの巻き添えを食う事になります」
「そうか……それは非常に残念だな。この村の人達には悪いがこれも避けられない運命だったと言う事か。本当に後味の悪い退場の仕方だがな。と言うわけでミイシャそろそろこの村を出るぞ。急げ!」
「わ、分かったわ。そう言うことなら仕方が無いわね。この村の人達には悪いけどここは逃げさせて貰うわ」
この村から大急ぎで出る算段をする勇者クレイ・バーエル達の行動に、一体何が起きているのかが分からずラエルロットは思わず呆気に取られ、ポカ~ンとする。
「この村はもう手遅れだってぇ……一体何を言っているんだ。ヒノのご神木が燃えて無くなった事でその封印が解かれた事は分かるがそれがなんでこのヒノの村の崩壊に繋がるんだよ。訳が、訳が分からないよ!」
体をばたつかせながらラエルロットがそう疑問の声を上げていると、少し離れた所でこの戦いの様子を見ていた周りの村人達がまるで狂ったかのように大きな悲鳴を上げながら皆一斉に苦しみだす。
「「ぐわっ、うわああぁぁぁぁぁ!」」
「体が……体が……勇者様……聖女様……た、助けて……助けて下さいぃぃぃぃぃ!」
「呪いだ……ヒノのご神木が無くなった事で……この村に課せられた呪いが発動したんだ……もうこれでこの村にいる人達は皆お終いだぁぁぁ。終わりだ。みんなその呪いを受けてしまうんだ。うっわあぁぁぁぁーぁぁぁ!」
「いやぁぁぁー、体の至る所から小枝が生えてきたわ。このままでは木になってしまう。嫌だ、嫌だ……一本の樹木になるのは嫌だ。誰か助けて……助けてく……だ……さ……」
そう言いながら叫ぶ村人達の体からは夥しい程の小枝が生え、その枝が急激に成長する事で村人達の体が次々と一本の木に変貌を遂げていく。その光景はまるで悪いお伽話の悪夢を見せられているかのようだ。
「村の人達が……みんなが森の木々に姿を変えられていく。これがヒノのご神木を失い、そして古代の遺物を……思いを具現化する苗木を奪われた人達に対する呪いの代償なのか。なら俺が持っているこの黒い木刀を納めればこの呪いを封じ、そして樹木に変えられた人達の呪いを静める事が出来るんじゃないのか?」
その黒い木刀に封じられている、思いを具現化する苗木を使って何とかこの村に住んでいる人達を救ってくれと懇願するラエルロットだったが、その提案を聖女スターシャは即座に拒否する。
「残念ながらそれは出来ません。もう既に呪いを封印する受け皿だったはずのヒノのご神木は燃えて有りませんし、それに何よりも半分に分かれた思いを具現化する苗木の片割れだけではこの呪いを封じる事は出来ません。だからこそ私は手遅れだと言ったのです。もしかしたらまだこの周辺をあの異世界召喚者の勇者不知火が『思いを具現化する苗木の半分を持ったまま』まだほっつき歩いているかも知れないと思い、その行方を探してみたのですが、結局あの勇者不知火が持ち去った古代の遺物の半分を取り戻す事は出来ませんでした。だからこそここに来るのが遅れたのです。でもそんな事があったからこそ、あの瀕死の重傷を負い、今にも死にそうになっていた勇者田中の最後を看取る事になってしまったのですがね」
「そんな……このままでは村の人達が……みんなが樹木に変えられてしまう。何とか……何とかならないのか!」
「なりません。こうなってしまってはもうどうすることも出来ません。非常に残念ですが」
「そ、そんな……」
突きつけられた残酷な厳しい現実にラエルロットが途方に暮れていると、勇者クレイ・バーエルの傍を飛んでいた妖精のミイシャが悲鳴を上げる。
「きゃああぁぁ、私の体からも小枝が生えて来たわ。それにクレイ・バーエル様の体からも……どうしよう……どうしよう……」
「くそ、どうやら本当にこの村から一刻も早く立ち去らねばならないようだな。と言うわけで聖女スターシャ、分かっているな!」
「ええ、分かっていますよ」
そう言うと聖女スターシャは勇者クレイ・バーエルと妖精のミイシャの体に触ると、その瞬間二人の体から生えていた小枝が成長すること無くまるで黒い散りのように消えてなくなって行く。
「消えた、俺達の体から生えていたあの忌々しい小枝が綺麗さっぱりと無くなっていく。流石は聖女様だぜ」
「あなた達の体に入り込んできた呪いの因子を内側から綺麗に浄化をしただけですわ。さあ急いでこの村から離れましょう。手遅れにならないうちに」
「待ってくれ、聖女スターシャ。その力で村人達を救ってやってくれ。頼むよ!」
その悲痛なラエルロットの叫びに、聖女スターシャは冷静に淡々と応える。
「それは無理ですわ。確かに私達聖女は、その降りかかる呪いに対抗できるようにその体と精神は神の領域に達してはいますが、流石に長時間ここにいたら例え特Aランクの称号を持つ私でもその呪いの力によって木に変えられてしまうかも知れません。それに私が浄化できるのは症状が比較的に初期段階の呪いを受けた人達だけです。完全に木に変えられてしまった者の呪いを解く事はもう出来ません」
「そ、そんな……じゃもうこの村に住んでいる人達は助からないのか……」
「ええ、残念ながら……」
「そんな……そんな……嘘だ……嘘だ……」
「私は決して嘘は言いません。ではラエルロットさん、私達はこれで失礼させていただきますね。また会う機会があったら、その時は何処かの喫茶店で紅茶を飲みながらお話でもしましょう」
「ちょっと、ちょっと待ってくれ!」
「ラエルロットさん、黒神子レスフィナさん、では失礼します」
「じゃあな、ラエルロット君。今度会う時が来たらその時はもう少しレベルを上げておけよ。レベル1のままじゃ流石に興ざめだからな」
「じゃあね、黒い似非勇者さん。あなたの隣にいる黒神子レスフィナと一緒になって、人々に悪さなんかをするんじゃないわよ。もし悪いことをしたら、その時は青い神風の勇者、クレイ・バーエルと、聖氷結の聖女・スターシャが黙ってはいないんだからね。いい、分かった!」
そう言うとクレイ・バーエル、スターシャ、ミイシャの三人はまるで風のようにその場から消えていなくなるのだった。
「消えた……本当にこの村の人達を見捨てやがった。ちくしょう、ちくしょう……」
聖女スターシャに見捨てられた事にラエルロットが嘆いていると、ラエルロットの体からも小枝が生え、その小枝が急激に成長していく。
「うわああぁぁぁぁぁ! 俺の体からも小枝が生えて来やがった。駄目だ、このままでは俺もあの村の人達のように一本の樹木に変えられてしまう!」
自分の体が急激に樹木に成長する姿を見てもう駄目だと思ったラエルロットだったが、そんなラエルロットの耳に黒神子レスフィナの声が届く。
『黒神子レスフィナの名において命ずる。永久の闇より現れし暗黒に属する汚れし呪いよ、ラエルロットさんに掛けられた樹木の呪いを今すぐに解除せよ!』
その黒神子レスフィナの言葉が聞こえるがいなやラエルロットの体に掛けられていた樹木の呪いの進行が一瞬で止まり、木々と化していた体が直ぐに元通りになる。
「黒神子レスフィナの力で呪いが……解けたのか……」
「私達も急いでこの村から離れましょう」
「でもこの村の人達が……」
「もう手遅れです。私が人の状態異常を直せるのは私の眷属でもあるラエルロットさん、あなた一人だけです。他の人達の呪いは私の力ではどうすることも出来ません」
「でも黒神子と呼ばれている者は、人々からその不幸や呪いを吸い込み取り除く事が出来ると昨日……そう君が言っていなかったか」
「確かに普通の不幸や呪いならそれも可能でしょうが、この古代の遺物が関わった呪物の呪いだけは違います。ましてや無理矢理に封印を破った状態での呪いの放置は大きく強力な暴走を招きます。だからこそ私はこの呪いの力が危険だと思い、速やかに回収する為にこの隣にある町で情報を集め、ついでに施しを貰い、そして更には疑惑が広がるこのヒノの村を訪れたのです。でもその結果、一足先に異世界召喚者達の手により古代の遺物を奪われてしまいましたがね」
「そう……そうだったのか」
そんな話を黒神子レスフィナがしていると、ラエルロットの手足は完全に直り、完全復活を遂げる。
「失っていた手足がようやく治ったようだな」
「そうみたいですね、これならもう歩けますね。この村の住人でもあるラエルロットさんからしてみたら流石に悲しい思いは拭いきれないとは思いますが、今はここから離れましょう。ここにいてももう私達に出来る事は何も無いのですから。そしてこれからの事をどこか落ち着いた場所で……二人で話し合いましょう」
「ああ、そうだな。とても心の整理が付かないが、今はそうするしかないか。じゃあな、村のみんな。異世界勇者達の脅威から……そして古代の遺物をその異世界勇者達に奪われた事で発動した強大な呪いから……あなた達を救う事ができなくて本当に済まない。俺はこのまま村を出る事にするよ。そしていつの日かこの世界に掛けられてある様々な呪いを解く方法が見つかったら、その時はまたこの村に来てこの樹木の呪いを解けるように最善を尽くすよ。そんな日が来るといいな……本当に来るといいな。ううぅぅぅ……うぅぅぅ」
悲しげにそう言うとラエルロットは、差し出された黒神子レスフィナの手をがっしりと掴むのだった。
呪いの影響で木になる村人達の図です。
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しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
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ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
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これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
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転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
「え、俺なんかしました?」無自覚チート《概念編集》で石ころを魔石に、なまくらを聖剣に書き換えて、国を追われた聖女様と世界を救う
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◆◇◆完結保証◆◇◆
◆◇◆毎日朝7時更新!◆◇◆
「え、俺なんかしました?」
ごく普通の大学生、朝霧 海(あさぎり かい)が迷い込んだのは、剣と魔法が息づく異世界エーテルディア。右も左も分からぬままモンスターに襲われた彼を救ったのは、聖なる光を操る謎の美少女、ルミナだった。
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カイ自身も知らない、触れたモノの”理”を書き換えるチート能力《概念編集(リアライター)》。
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【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
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「え? これ、ただのトマトですよ?」
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ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
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伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
追放された最弱村人、実は世界最強でした 〜神々に愛された無自覚チート、気づいたら聖女も魔王も嫁希望だった件〜
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「お前なんて役立たずだ」
そう言われて勇者パーティーを追放された平凡な村人リオ。
だが彼は知らなかった――幼少期に助けた白猫こそ、全知の神の化身だったことを。
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呪いを解いた聖女、復讐を誓う女勇者、忠誠を誓う魔族の姫。
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運命を知らぬ“最弱”が、笑われ、裏切られ、やがて世界を救う――。
異世界無自覚最強譚、ここに開幕!
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