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第二章 黒神子・妖精喰いのヨーミコワ編
2-17.黒神子ヨーミコワの悪意
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2ー17. 黒神子ヨーミコワの悪意
「うっわわわわわぁぁあっぁーー、お爺ちゃん、怖い、怖いよ。お父さんとお母さんを食べたあの鳥のような黒い魔女がまた攻めてきたよ!」
「助けて、お姉ちゃん、どこにいるの。お姉ちゃん、お姉ちゃん、助けてぇぇ!」
「破られる……黒神子ヨーミコワの手により、強固なはずの結界が破られちゃう!」
「ワシの可愛い孫達よ、ワシにしっかりと捕まっているんじゃ。こうなってはもうどうすることもできんよ。なぜ結界の効力が急激に失われて行くのかは知らんが、最後のその時までワシがお前達を必ず守ってやるからな。来るなら来い、妖精喰いのヨーミコワよ! ワシの可愛い孫達には絶対に指一本触れさせやしないぞぃ!」
緑溢れる一つの大きな山の中に上空から黒神子ヨーミコワが飛来し、森に囲まれた隠れ里の前へと現れる。
何重にも張られた厳重な結界を難なく破り隠れ里の中へと入ってきた黒神子ヨーミコワは、驚きと恐怖で騒ぎ出す蛾の妖精達を発見すると舌なめずりをしながら群れの中へと自ら飛び込んで行く。
「コッケェェェーーコッコッゥゥ、コケェエコッコウゥゥ! クククク、蛾の妖精ども……やっと見つけたぞ。こんな所に隠れていたのか。あのにっくき王女と……邪妖精と少しでも関わりのある者は……その子孫どもは……蛾の妖精どもは……皆最後の一匹に至るまで食い尽くしてくれるわ。そしてその残酷な光景を……あの邪妖精の衣を操る、邪妖精の王女の子孫に見せつけて……完全なる絶望と孤独を与えてくれるわ。この私が三百年間あのクソ王女の手によって封印の魔道具に封じられていた時のようにな。この私に味合わせてくれた、屈辱と、恥辱と、悲しみと、孤独と、沈黙と、静寂と、絶望と、諦めと、そして何も無い無の心情を、あの邪妖精の血を引く末裔の少女にも与えてくれるわ。そしてその後でゆっくりと頭から爪先までバリバリと食べてやるよ!」
小さな庭のような広さしかないそのテリトリーの中を我が物顔で歩く黒神子ヨーミコワは、草木でできた鳥の巣のような蛾の妖精達の家々を破壊しながら逃げ遅れた蛾の妖精をあぶり出し、よくしなる両翼の羽の翼で器用に捕まえ、そのまま口の中へと運んでいく。
その素早い機敏な動作と底知れぬ悪意に恐怖した蛾の妖精達は逃げ惑いながらもまるで無機質な殺人兵器にしか見えない黒神子ヨーミコワの絶対に逃さないという強い意志にもはや絶望しか感じていないようだ。
勿論その絶対なる大空を支配する恐怖を届ける強者を相手に、各々が武器を取り果敢にも挑み掛かった大人の蛾の妖精達も幾人かはいたが、特になんの抵抗も出来ずにあっさりと捕まり、その大きな口の中に飲み込まれていく。
そんな地獄のような光景を見せつけられた残りの蛾の妖精達は皆ちりぢりに隠れ里から外へと逃れようと飛び立つが、謎の竜巻に回りを阻まれ隠れ里から外へ逃げることが出来ない。
そう蛾の妖精達は完全に黒神子ヨーミコワの術中に落ちてしまったのだ。
もうどこにも逃げ場がない状況の中まだ生き残っている蛾の妖精達は最後の砦とばかりに皆隠れ里の長老の家へと向かう。その家の裏にはちょっとした裏山があり、蛾の妖精が入れるくらいの岩の切れ目から皆、中に避難をしているようだった。
岩肌が剥き出しになっている頑丈そうな裏山の内部はちょっとした空洞になっており、天然の洞窟につながっている。その中に入る入り口は蛾の妖精達が入れるくらいの亀裂の中を通らないと入れないくらい小さな物なので、長身の人間くらいの大きさはある黒神子ヨーミコワは当然中に入る事はできない。
だが彼女の岩をも砕く両翼の大きな翼や長い大足の鉤爪の威力ならその入り口をたやすく破壊する事も恐らくは可能だが、その最後の避難場所も厳重な結界が施されている事から完全な破壊までに数分の時間はかかるようだ。
せっかく命からがら逃げてきた残りの蛾の妖精達は何も出来ない喪失感と迫りくる恐怖に身を震わせながら、その最後の瞬間をただひたすらに待つ。
「コケェーーぇ、コケェーーェェ、くそ、硬い岩肌だけあって中々崩せないな。だが私の両翼から繰り出される羽の徹甲弾と、上空からの加速と急激落下で蹴りつける闘鶏キックで充分に破壊は可能だ。そんな訳でもう逃げても無駄な事をそろそろ分からせてやるよ!」
高らかにニワトリの鳴き声を真似ると鋼の強度と化した両翼の翼を銃口のように構える黒神子ヨーミコワは最後の仕上げとばかりにその翼の先に魔力を込める。だがその後ろに堂々と姿を現したのは最後のその瞬間まで戦う覚悟を決めた蛾の妖精のルナだった。
「コケェェェコッコォォォ、コケェェェコッコォォォ、やはり懲りずにここまで来たようだな。フフフフ、一体何をしにここまで来たのかな。まさかとは思うが仲間を助けに来たと言うのではないだろうな。いくら羽虫のお前が無い勇気を振り絞ってここまで来てももう誰も救えやしないというのに、難儀な事だな。愚かな羽虫よ、お前は一番最後にメインディッシュとして殺してやる予定なんだからそこで大人しく震えて待っておればいいのだ。全く面倒くさい奴め!」
「黒神子ヨーミコワ、もうこれ以上私の大事な仲間達には指一本触れさせやしないわ。お父さんから託された、この邪妖精の衣であなたを絶対に倒してみせる!」
蛾の妖精のルナは腰に下げているポシェットからハンカチのような真っ黒い布きれを取り出すと目の前で大きく広げて見せる。その瞬間小さかった布きれは瞬時にルナの背丈まで大きくなり、その真っ黒な布きれの内側には無限に続く宇宙にも似た亜空間が幻想的に広がる。
そう蛾の妖精のルナは黒神子ヨーミコワを威嚇する為に邪妖精の衣を展開したのだ。
相手の動きに瞬時に反応する為に間合いを取る蛾の妖精のルナは無機質に微笑む黒神子ヨーミコワを激しく睨みつけると、洞窟内に隠れている仲間達を逃がす為にいずれ来る……かもしれない最大のチャンスを待つ。
そんな警戒心溢れる蛾の妖精のルナの覚悟と決意に、黒神子ヨーミコワは頭を小刻みに何度も動かすと警戒のためか一歩後ろへと下がる。
「コケェエコッコウゥゥ……蛾の妖精の少女ルナよ、いくら強ぶってももう分かっているだろ。お前が持つその邪妖精の衣の力ではこの私は絶対に倒せないと言う事を。だからこそその衣は破壊もせずにお前の元に置いてあるのだからな。つまりその古代の遺物は私に取ってなんの脅威でもないと言う事だ!」
「それでも……それでも……あなたを押さえる足止めくらいには使えるはずよ。私が戦っている間に仲間達がどこか安全な所に逃げられればそれでいい」
「ホホホホホ、まさに死ぬ覚悟でここに来たと言う事か。なかなかに健気で笑える話ではないか。いいだろう、ならお前の気が済むまで少し遊んでやるか。さあ、どこからでも攻撃して来るがいい。そしてその攻撃が一切通じないと分かった時、お前に絶対的な絶望を与えてくれるわぁ!」
その隠れ里中に響き渡る黒神子ヨーミコワの言葉を合図に蛾の妖精のルナは自身が持つ邪妖精の衣を広げてある物を亜空間の中から開放する。物凄く大きく広げられた邪妖精の衣の中から出て来たのは鋼鉄の鎧を身に纏った三メートルの大きさの魔道機械兵だった。
その完全フル装備の魔道機械兵を三体ほど投入できた事に蛾の妖精のルナはまさに願うような思いで、人知れず何処かのダンジョン内で確保した虎の子の秘密兵器を黒神子ヨーミコワにぶつけてこの危機的状況に対応する。
「この三体の魔道機械兵は第六級冒険者が入れるような高難易度の深い深いダンジョン内から見つけてきた魔道機械兵達よ。本当はダンジョン内の奥でお宝を守る門番をしている自動で動く機械人形の一つだけど、私は体が小さいし空も自由に飛び回れるし素早いから、難なくダンジョンの奥まで行ってこの邪妖精の衣を使って門番でもある魔道機械兵達その物を無傷で回収する事ができたわ。(まあ余談だけどお宝の方は封印の魔法と分厚い石のドアに閉ざされていて回収は出来なかったわ)そんな訳で私が確保しているゴーレム兵器の中では間違いなく最強の一つよ。いくら鋼鉄の羽を高速で無数に発射できるあなたの徹甲弾でも、同じ鋼で出来ているこの三体の魔道機械兵達には絶対に通用しないわ。荷馬車の前で出したストーンゴーレムとは訳が違うわよ!」
「フフフフ、ならその古びた魔道の機械人形達で試して見るがいい、そんな骨董品では足止めにもならないことを直ぐに証明してやるよ!」
「い、行きなさい、魔道機械兵達よ。その強力な力であの黒神子ヨーミコワの体を押さえつけて身動きができないようにするのよ。数分、数分間だけ黒神子ヨーミコワの動きを完全に止める事が出来ればそれでいいから、どうにか頑張って頂戴!」
そのルナの必死の言葉が通じているかは分からないが、邪妖精の衣の中から解き放たれた三体の魔道機械兵達は目の前にいる黒神子ヨーミコワを敵対する目標の一つだと認識するとその目標を排除する為に手に持つ槍を構えながら物凄い勢いで猛突進していく。
無機質に迫りくる魔道機械兵達の突進につまらなそうな目を向けていた黒神子ヨーミコワは両翼の翼を大きく広げると、その羽の先端を迫り来る魔道機械兵達に向ける。
「クククク、蛾の妖精のルナ、お前に決定的な力の差と言う物を教えてやる。くらえ、鋼鉄の羽から高速で繰り出される徹甲弾の威力を!」
甲高くも力強い声で叫んだその瞬間、両翼の翼の先から羽の形をした鋼鉄の強度を誇る徹甲弾が放たれる。
超スピードで一直線に飛んでいく徹甲弾の軌道に全く反応できない魔道機械兵の一体はその攻撃をまともに受けてしまうと、まるで射撃場の標的の的のようにそのからくり仕掛けの体は容赦なく穴だらけにされていく。
ゴカーゴカーゴカーボカードカーガターガターバタージターゴターガターバタン!
「ああ、そんな、同じ鋼鉄で出来ているのに、こうもあっさりと穴だらけにさせられてしまうだなんて……私の大事な魔道機械兵があぁ、有り得ない、有り得ないわ!」
虎の子の魔道機械兵がいとも簡単に破壊されてしまった事に唖然とする蛾の妖精のルナは時間稼ぎにすらならない現実に内心かなりの焦りを感じていたが、そんな思いを知っているのか笑いを隠せないでいる黒神子ヨーミコワは続きとばかりに二体目の魔道機械兵の傍まで来ると鋭い鋼鉄の刃と化した両翼の翼で瞬時に切り裂き、その鋼鉄の体をまるでハムでも切るかのようにバラバラに切断していく。
バッシュン、バラ・バラ・バラ・バラ!
「そんな……魔道機械兵の鋼鉄の体が一瞬でバラバラに……」
震えながら見る蛾の妖精のルナの更なる反応に気をよくした黒神子ヨーミコワは、両翼の翼を羽ばたかせながら天高く上空に舞い上がると、標的目がけて急降下しながら豪快に右足を突き出す体勢を取る。
力強い長い足と鋭い鉤爪から放たれる最強の飛来技、ヨーミコワ、闘鶏キックである。
「くらえぇぇぇぇ、上空からの、闘鶏キィィィィィィィィィーーック!」
上空から繰り出される荒々しい蹴りの飛来攻撃によって瞬時に空から地面へと急激降下をした黒神子ヨーミコワは、三体目の魔道機械兵の体に正確な蹴りを叩き入れると、その体勢のまま平たい地面へと無慈悲に押し潰す。
勿論その衝撃で三体目の魔道機械兵は見事に破壊され、地面には小規模ながらも小さなクレーターができる。
その圧倒的な力で魔道機械兵達が簡単に破壊されていく様子を無様にも見せつけられた蛾の妖精のルナはわずかな自信と望みを打ち砕かれた事で希望を喪失していたが、ついに使うことになる最後の切り札の存在を思い出し、最後の悪あがきとばかりに邪妖精の衣を目の前に広げて構える。
「これが私の最後の切り札となる攻撃よ。受けてみなさい!」
蛾の妖精達の存亡を賭けた最後の攻撃を放つ為に蛾の妖精のルナは大きな声で叫ぶ。するとその言葉を合図に邪妖精の衣の中に広がる無限の亜空間の中から大量の水の衝撃が圧倒的な水圧となって解き放たれ、黒神子ヨーミコワの体を瞬時に吹き飛ばしにかかる。
プッシュウウウウウウウウーーゥゥゥ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーオオォォォ!
圧倒的な力と破壊力を持つ自然災害とも言うべき水害の力をそのまま邪妖精の衣の中に閉じ込めて最後の切り札として持っていた蛾の妖精のルナだったが、その自然災害による水の激流にすらも黒神子ヨーミコワは特に臆する事無く威風堂々とその両翼の翼を豪快に構える。
「ならこっちもとっておきの呪いの技を出すか。黑風翼術、必殺竜巻円陣!」
その豪快な叫びと羽ばたきと共に黒神子ヨーミコワの回りには全てを吹き飛ばすかのような凄まじい竜巻の回転が羽の刃と共に混じり、回りの障害物を全てなぎ倒していく。
まるで荒れ狂う嵐のような凄まじい竜巻の回転力と、岩をも砕く凄まじい高水圧による激流の力とのぶつかり合いである。
激流と化した凄まじい水の圧力に押し切られそうな黒神子ヨーミコワだったがニヤリと不気味に笑顔を向けると、水圧による激流の威力に押し切られそうになっていた風の障壁は凄まじい竜巻となって更なる威力と回転力を上げていく。
その力は圧倒的で全ての激流の水は竜巻の風と共に遙か上空へと巻き上げられていく。
ゴッオオオオおオォォォォォォォーーゥゥゥン!
「コッケェェェーー、コッケェェェーーェェ、無駄無駄無駄無駄無駄だぁぁぁ!」
「ああ、激流と化した水の力が……竜巻の風の力で全て空へと巻き上げられていく。そんな、そんなぁぁぁぁぁ!」
邪妖精の衣の中から無限に出て来るはずの激流の水が急激に弱まり、底を突く頃には回りを覆っていた凄まじい竜巻はいつの間にか綺麗に消えて無くなる。その平地となった中心には仁王立ちをしながら蛾の妖精のルナを見下ろす黒神子ヨーミコワの姿があった。
黒神子ヨーミコワは、最後の切り札を失った絶望感と諦めとで打ち震えるルナを見つめながら、しなやかに伸びる鋼鉄の翼を一振りする。すると凄まじい突風が蛾の妖精のルナを襲い、そのまま後ろに生えている大きな木の樹木へと吹き飛ばす。
バキーン!
「ああ、あぐっ!」
激突後そのまま樹木の下へと落ちた蛾の妖精のルナは地面に伏せながらもどうにか生きようともがき進もうとするが、そんな無様な醜態を晒すルナに向けて黒神子ヨーミコワは勝ち誇った顔をしながら、明るく、そして不気味に話しかける。
「うっわわわわわぁぁあっぁーー、お爺ちゃん、怖い、怖いよ。お父さんとお母さんを食べたあの鳥のような黒い魔女がまた攻めてきたよ!」
「助けて、お姉ちゃん、どこにいるの。お姉ちゃん、お姉ちゃん、助けてぇぇ!」
「破られる……黒神子ヨーミコワの手により、強固なはずの結界が破られちゃう!」
「ワシの可愛い孫達よ、ワシにしっかりと捕まっているんじゃ。こうなってはもうどうすることもできんよ。なぜ結界の効力が急激に失われて行くのかは知らんが、最後のその時までワシがお前達を必ず守ってやるからな。来るなら来い、妖精喰いのヨーミコワよ! ワシの可愛い孫達には絶対に指一本触れさせやしないぞぃ!」
緑溢れる一つの大きな山の中に上空から黒神子ヨーミコワが飛来し、森に囲まれた隠れ里の前へと現れる。
何重にも張られた厳重な結界を難なく破り隠れ里の中へと入ってきた黒神子ヨーミコワは、驚きと恐怖で騒ぎ出す蛾の妖精達を発見すると舌なめずりをしながら群れの中へと自ら飛び込んで行く。
「コッケェェェーーコッコッゥゥ、コケェエコッコウゥゥ! クククク、蛾の妖精ども……やっと見つけたぞ。こんな所に隠れていたのか。あのにっくき王女と……邪妖精と少しでも関わりのある者は……その子孫どもは……蛾の妖精どもは……皆最後の一匹に至るまで食い尽くしてくれるわ。そしてその残酷な光景を……あの邪妖精の衣を操る、邪妖精の王女の子孫に見せつけて……完全なる絶望と孤独を与えてくれるわ。この私が三百年間あのクソ王女の手によって封印の魔道具に封じられていた時のようにな。この私に味合わせてくれた、屈辱と、恥辱と、悲しみと、孤独と、沈黙と、静寂と、絶望と、諦めと、そして何も無い無の心情を、あの邪妖精の血を引く末裔の少女にも与えてくれるわ。そしてその後でゆっくりと頭から爪先までバリバリと食べてやるよ!」
小さな庭のような広さしかないそのテリトリーの中を我が物顔で歩く黒神子ヨーミコワは、草木でできた鳥の巣のような蛾の妖精達の家々を破壊しながら逃げ遅れた蛾の妖精をあぶり出し、よくしなる両翼の羽の翼で器用に捕まえ、そのまま口の中へと運んでいく。
その素早い機敏な動作と底知れぬ悪意に恐怖した蛾の妖精達は逃げ惑いながらもまるで無機質な殺人兵器にしか見えない黒神子ヨーミコワの絶対に逃さないという強い意志にもはや絶望しか感じていないようだ。
勿論その絶対なる大空を支配する恐怖を届ける強者を相手に、各々が武器を取り果敢にも挑み掛かった大人の蛾の妖精達も幾人かはいたが、特になんの抵抗も出来ずにあっさりと捕まり、その大きな口の中に飲み込まれていく。
そんな地獄のような光景を見せつけられた残りの蛾の妖精達は皆ちりぢりに隠れ里から外へと逃れようと飛び立つが、謎の竜巻に回りを阻まれ隠れ里から外へ逃げることが出来ない。
そう蛾の妖精達は完全に黒神子ヨーミコワの術中に落ちてしまったのだ。
もうどこにも逃げ場がない状況の中まだ生き残っている蛾の妖精達は最後の砦とばかりに皆隠れ里の長老の家へと向かう。その家の裏にはちょっとした裏山があり、蛾の妖精が入れるくらいの岩の切れ目から皆、中に避難をしているようだった。
岩肌が剥き出しになっている頑丈そうな裏山の内部はちょっとした空洞になっており、天然の洞窟につながっている。その中に入る入り口は蛾の妖精達が入れるくらいの亀裂の中を通らないと入れないくらい小さな物なので、長身の人間くらいの大きさはある黒神子ヨーミコワは当然中に入る事はできない。
だが彼女の岩をも砕く両翼の大きな翼や長い大足の鉤爪の威力ならその入り口をたやすく破壊する事も恐らくは可能だが、その最後の避難場所も厳重な結界が施されている事から完全な破壊までに数分の時間はかかるようだ。
せっかく命からがら逃げてきた残りの蛾の妖精達は何も出来ない喪失感と迫りくる恐怖に身を震わせながら、その最後の瞬間をただひたすらに待つ。
「コケェーーぇ、コケェーーェェ、くそ、硬い岩肌だけあって中々崩せないな。だが私の両翼から繰り出される羽の徹甲弾と、上空からの加速と急激落下で蹴りつける闘鶏キックで充分に破壊は可能だ。そんな訳でもう逃げても無駄な事をそろそろ分からせてやるよ!」
高らかにニワトリの鳴き声を真似ると鋼の強度と化した両翼の翼を銃口のように構える黒神子ヨーミコワは最後の仕上げとばかりにその翼の先に魔力を込める。だがその後ろに堂々と姿を現したのは最後のその瞬間まで戦う覚悟を決めた蛾の妖精のルナだった。
「コケェェェコッコォォォ、コケェェェコッコォォォ、やはり懲りずにここまで来たようだな。フフフフ、一体何をしにここまで来たのかな。まさかとは思うが仲間を助けに来たと言うのではないだろうな。いくら羽虫のお前が無い勇気を振り絞ってここまで来てももう誰も救えやしないというのに、難儀な事だな。愚かな羽虫よ、お前は一番最後にメインディッシュとして殺してやる予定なんだからそこで大人しく震えて待っておればいいのだ。全く面倒くさい奴め!」
「黒神子ヨーミコワ、もうこれ以上私の大事な仲間達には指一本触れさせやしないわ。お父さんから託された、この邪妖精の衣であなたを絶対に倒してみせる!」
蛾の妖精のルナは腰に下げているポシェットからハンカチのような真っ黒い布きれを取り出すと目の前で大きく広げて見せる。その瞬間小さかった布きれは瞬時にルナの背丈まで大きくなり、その真っ黒な布きれの内側には無限に続く宇宙にも似た亜空間が幻想的に広がる。
そう蛾の妖精のルナは黒神子ヨーミコワを威嚇する為に邪妖精の衣を展開したのだ。
相手の動きに瞬時に反応する為に間合いを取る蛾の妖精のルナは無機質に微笑む黒神子ヨーミコワを激しく睨みつけると、洞窟内に隠れている仲間達を逃がす為にいずれ来る……かもしれない最大のチャンスを待つ。
そんな警戒心溢れる蛾の妖精のルナの覚悟と決意に、黒神子ヨーミコワは頭を小刻みに何度も動かすと警戒のためか一歩後ろへと下がる。
「コケェエコッコウゥゥ……蛾の妖精の少女ルナよ、いくら強ぶってももう分かっているだろ。お前が持つその邪妖精の衣の力ではこの私は絶対に倒せないと言う事を。だからこそその衣は破壊もせずにお前の元に置いてあるのだからな。つまりその古代の遺物は私に取ってなんの脅威でもないと言う事だ!」
「それでも……それでも……あなたを押さえる足止めくらいには使えるはずよ。私が戦っている間に仲間達がどこか安全な所に逃げられればそれでいい」
「ホホホホホ、まさに死ぬ覚悟でここに来たと言う事か。なかなかに健気で笑える話ではないか。いいだろう、ならお前の気が済むまで少し遊んでやるか。さあ、どこからでも攻撃して来るがいい。そしてその攻撃が一切通じないと分かった時、お前に絶対的な絶望を与えてくれるわぁ!」
その隠れ里中に響き渡る黒神子ヨーミコワの言葉を合図に蛾の妖精のルナは自身が持つ邪妖精の衣を広げてある物を亜空間の中から開放する。物凄く大きく広げられた邪妖精の衣の中から出て来たのは鋼鉄の鎧を身に纏った三メートルの大きさの魔道機械兵だった。
その完全フル装備の魔道機械兵を三体ほど投入できた事に蛾の妖精のルナはまさに願うような思いで、人知れず何処かのダンジョン内で確保した虎の子の秘密兵器を黒神子ヨーミコワにぶつけてこの危機的状況に対応する。
「この三体の魔道機械兵は第六級冒険者が入れるような高難易度の深い深いダンジョン内から見つけてきた魔道機械兵達よ。本当はダンジョン内の奥でお宝を守る門番をしている自動で動く機械人形の一つだけど、私は体が小さいし空も自由に飛び回れるし素早いから、難なくダンジョンの奥まで行ってこの邪妖精の衣を使って門番でもある魔道機械兵達その物を無傷で回収する事ができたわ。(まあ余談だけどお宝の方は封印の魔法と分厚い石のドアに閉ざされていて回収は出来なかったわ)そんな訳で私が確保しているゴーレム兵器の中では間違いなく最強の一つよ。いくら鋼鉄の羽を高速で無数に発射できるあなたの徹甲弾でも、同じ鋼で出来ているこの三体の魔道機械兵達には絶対に通用しないわ。荷馬車の前で出したストーンゴーレムとは訳が違うわよ!」
「フフフフ、ならその古びた魔道の機械人形達で試して見るがいい、そんな骨董品では足止めにもならないことを直ぐに証明してやるよ!」
「い、行きなさい、魔道機械兵達よ。その強力な力であの黒神子ヨーミコワの体を押さえつけて身動きができないようにするのよ。数分、数分間だけ黒神子ヨーミコワの動きを完全に止める事が出来ればそれでいいから、どうにか頑張って頂戴!」
そのルナの必死の言葉が通じているかは分からないが、邪妖精の衣の中から解き放たれた三体の魔道機械兵達は目の前にいる黒神子ヨーミコワを敵対する目標の一つだと認識するとその目標を排除する為に手に持つ槍を構えながら物凄い勢いで猛突進していく。
無機質に迫りくる魔道機械兵達の突進につまらなそうな目を向けていた黒神子ヨーミコワは両翼の翼を大きく広げると、その羽の先端を迫り来る魔道機械兵達に向ける。
「クククク、蛾の妖精のルナ、お前に決定的な力の差と言う物を教えてやる。くらえ、鋼鉄の羽から高速で繰り出される徹甲弾の威力を!」
甲高くも力強い声で叫んだその瞬間、両翼の翼の先から羽の形をした鋼鉄の強度を誇る徹甲弾が放たれる。
超スピードで一直線に飛んでいく徹甲弾の軌道に全く反応できない魔道機械兵の一体はその攻撃をまともに受けてしまうと、まるで射撃場の標的の的のようにそのからくり仕掛けの体は容赦なく穴だらけにされていく。
ゴカーゴカーゴカーボカードカーガターガターバタージターゴターガターバタン!
「ああ、そんな、同じ鋼鉄で出来ているのに、こうもあっさりと穴だらけにさせられてしまうだなんて……私の大事な魔道機械兵があぁ、有り得ない、有り得ないわ!」
虎の子の魔道機械兵がいとも簡単に破壊されてしまった事に唖然とする蛾の妖精のルナは時間稼ぎにすらならない現実に内心かなりの焦りを感じていたが、そんな思いを知っているのか笑いを隠せないでいる黒神子ヨーミコワは続きとばかりに二体目の魔道機械兵の傍まで来ると鋭い鋼鉄の刃と化した両翼の翼で瞬時に切り裂き、その鋼鉄の体をまるでハムでも切るかのようにバラバラに切断していく。
バッシュン、バラ・バラ・バラ・バラ!
「そんな……魔道機械兵の鋼鉄の体が一瞬でバラバラに……」
震えながら見る蛾の妖精のルナの更なる反応に気をよくした黒神子ヨーミコワは、両翼の翼を羽ばたかせながら天高く上空に舞い上がると、標的目がけて急降下しながら豪快に右足を突き出す体勢を取る。
力強い長い足と鋭い鉤爪から放たれる最強の飛来技、ヨーミコワ、闘鶏キックである。
「くらえぇぇぇぇ、上空からの、闘鶏キィィィィィィィィィーーック!」
上空から繰り出される荒々しい蹴りの飛来攻撃によって瞬時に空から地面へと急激降下をした黒神子ヨーミコワは、三体目の魔道機械兵の体に正確な蹴りを叩き入れると、その体勢のまま平たい地面へと無慈悲に押し潰す。
勿論その衝撃で三体目の魔道機械兵は見事に破壊され、地面には小規模ながらも小さなクレーターができる。
その圧倒的な力で魔道機械兵達が簡単に破壊されていく様子を無様にも見せつけられた蛾の妖精のルナはわずかな自信と望みを打ち砕かれた事で希望を喪失していたが、ついに使うことになる最後の切り札の存在を思い出し、最後の悪あがきとばかりに邪妖精の衣を目の前に広げて構える。
「これが私の最後の切り札となる攻撃よ。受けてみなさい!」
蛾の妖精達の存亡を賭けた最後の攻撃を放つ為に蛾の妖精のルナは大きな声で叫ぶ。するとその言葉を合図に邪妖精の衣の中に広がる無限の亜空間の中から大量の水の衝撃が圧倒的な水圧となって解き放たれ、黒神子ヨーミコワの体を瞬時に吹き飛ばしにかかる。
プッシュウウウウウウウウーーゥゥゥ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーオオォォォ!
圧倒的な力と破壊力を持つ自然災害とも言うべき水害の力をそのまま邪妖精の衣の中に閉じ込めて最後の切り札として持っていた蛾の妖精のルナだったが、その自然災害による水の激流にすらも黒神子ヨーミコワは特に臆する事無く威風堂々とその両翼の翼を豪快に構える。
「ならこっちもとっておきの呪いの技を出すか。黑風翼術、必殺竜巻円陣!」
その豪快な叫びと羽ばたきと共に黒神子ヨーミコワの回りには全てを吹き飛ばすかのような凄まじい竜巻の回転が羽の刃と共に混じり、回りの障害物を全てなぎ倒していく。
まるで荒れ狂う嵐のような凄まじい竜巻の回転力と、岩をも砕く凄まじい高水圧による激流の力とのぶつかり合いである。
激流と化した凄まじい水の圧力に押し切られそうな黒神子ヨーミコワだったがニヤリと不気味に笑顔を向けると、水圧による激流の威力に押し切られそうになっていた風の障壁は凄まじい竜巻となって更なる威力と回転力を上げていく。
その力は圧倒的で全ての激流の水は竜巻の風と共に遙か上空へと巻き上げられていく。
ゴッオオオオおオォォォォォォォーーゥゥゥン!
「コッケェェェーー、コッケェェェーーェェ、無駄無駄無駄無駄無駄だぁぁぁ!」
「ああ、激流と化した水の力が……竜巻の風の力で全て空へと巻き上げられていく。そんな、そんなぁぁぁぁぁ!」
邪妖精の衣の中から無限に出て来るはずの激流の水が急激に弱まり、底を突く頃には回りを覆っていた凄まじい竜巻はいつの間にか綺麗に消えて無くなる。その平地となった中心には仁王立ちをしながら蛾の妖精のルナを見下ろす黒神子ヨーミコワの姿があった。
黒神子ヨーミコワは、最後の切り札を失った絶望感と諦めとで打ち震えるルナを見つめながら、しなやかに伸びる鋼鉄の翼を一振りする。すると凄まじい突風が蛾の妖精のルナを襲い、そのまま後ろに生えている大きな木の樹木へと吹き飛ばす。
バキーン!
「ああ、あぐっ!」
激突後そのまま樹木の下へと落ちた蛾の妖精のルナは地面に伏せながらもどうにか生きようともがき進もうとするが、そんな無様な醜態を晒すルナに向けて黒神子ヨーミコワは勝ち誇った顔をしながら、明るく、そして不気味に話しかける。
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しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
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ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
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転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
「え、俺なんかしました?」無自覚チート《概念編集》で石ころを魔石に、なまくらを聖剣に書き換えて、国を追われた聖女様と世界を救う
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◆◇◆完結保証◆◇◆
◆◇◆毎日朝7時更新!◆◇◆
「え、俺なんかしました?」
ごく普通の大学生、朝霧 海(あさぎり かい)が迷い込んだのは、剣と魔法が息づく異世界エーテルディア。右も左も分からぬままモンスターに襲われた彼を救ったのは、聖なる光を操る謎の美少女、ルミナだった。
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【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
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「え? これ、ただのトマトですよ?」
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ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
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伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
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氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
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