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第三章 二人の聖女編
3-1.ラエルロット、神聖教会に到着する
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3-1.ラエルロット、神聖教会に到着する
ラエルロットです。
黒神子レスフィナです。
蛾の妖精のルナです。
*
「すいません。俺に掛かっているという呪いを解いて貰えませんか。この教会でならたとえどんな呪いでも解いて貰えると人づてに聞いたのですが」
人々が行き交う活気のある町中を、地球で言うところのカラスに似た鳥、カラクス鳥が大空を華麗に飛びながら、大勢の人でにぎあう教会が見える木の枝の上でそっと止まる。
不気味に……そして無機質に見つめるカラクス鳥の視線の先には教会の入り口の前で受付の神官らしき人に向けて必死に話をするラエルロットの姿が見え、その光景をまるで食い入るかのようにその黒い鳥は淡々と見つめる。そんなカラクス鳥の視線に見守られながら話をするラエルロットは自分に掛けられている……かも知れない呪いについてジェスチャーを加えながら懸命に話をするが、どうやらイマイチ相手には通じていないようだ。
そんなラエルロットに不審な目を向ける教会の職員とラエルロットが教会の前で問答している現在の時刻は昼の12時。誰もが外食や自宅で食事をする昼食の時間帯である。
そんな二人の話し合いを少し離れた所で眺める黒神子レスフィナと蛾の妖精のルナは、全く話が進まないその状況に少し困惑しながらも、この商業経済都市ノシロノ王国に辿り着いた今日の午前の経緯について軽く考える。
午前中の内にノシロノ王国の正門をくぐった……(一振りの黒い木刀を背中に下げている)勇者になる事を夢見るラエルロット、(この地では忌み嫌われている黒いローブに全身を包んだ)遙か闇なる世界の黒神子レスフィナ、(この地方では迫害と差別が激しい種族でもある)蛾の妖精のルナ、そして(第八級冒険者にして今は神官見習いの職種に就いている)犬人族のシャクティの四人は、シャクティの案内で格安で泊まれる比較的安全で安心な宿へと辿り着く。
直ぐにチェックインをし部屋に荷物を置いたラエルロットとレスフィナ、そして蛾の妖精のルナの三人はしばしの間部屋のチェックをし、その後は少しだけくつろいでいたが、「荷馬車にある荷物を荷上場に置きに行くのでここでお別れです」という犬人族のシャクティに感謝の言葉を述べると、そのまま宿の入り口までお見送りをする。
短い間だったとは言え共に命を賭けて戦ってくれた頼もしい戦友に手厚い握手を求めたラエルロットはシャクティと互いに握手を交わすと、シャクティはレスフィナとルナに頭を下げながらお名残惜しそうにその場を後にする。
(シャクティとはまたどこかで会いそうな気がするな)
そんな事を思いながらラエルロット達は少しの間だけしんみりとした気持ちになる。
「「……。」」
シャクティがいなくなったその後は、先ずはラエルロットに掛けられているとされる試験落ちの呪いを解く為にこの町の中に唯一あるという教会に向けて移動をし、擦れ違う人々の厳しい視線にさらされながらもそのまま教会の門を叩いたのだがそこから一向に話が進まず、その入り口の前でたまたま居合わせた堅物そうな若き神官に何故か出入れを拒まれてしまう。
この呪いのような願掛けは黒神子レスフィナもその気になったら簡単に解くことのできる初歩的な神聖魔法との事だが、黒神子が持つ遙か闇なる世界の暗黒の力で無理矢理に解いていい願掛けかどうかがイマイチ分からないとのことなので、ラエルロットが受ける精神的なダメージと身の安全を考慮して神聖魔法が主体のこの教会で正式な術式と正しい方法で呪いを解いて貰う事にしたようだ。
呪いを解いて貰えるはずなのだが、いろいろあって今に至る。
「話、長いね。いつまで掛かってんだろ」
「そうですわね。ルナさんはここで待っていて下さい。ちょっとお二人の所に行ってきますわ」
そんな二進も三進もいかない現状に仕方がないとばかりに業を煮やしたレスフィナが大きく溜息をつくとラエルロットと堅物そうな若き神官の前へと歩み寄る。
「ラエルロットさん、それに若い神官職の職員さん、二人で一体何をそんなにもめているのですか。ただ単にラエルロットさんに掛かっているごく僅かな願掛けのような呪いを解くだけなのに……ちょっと時間が掛かりすぎですよ。なぜラエルロットさんの頼み事を門前払いにするのか、その訳を教えて下さい。でないとラエルロットさんだけではなく、ここで待たされている私達も納得がいきませんから」
大人の対応とばかりに極めて落ち着いた感じで話すレスフィナの態度に、若い堅物そうな神官は眉間にしわを寄せると淡々とした口調で言う。
「おい女、その黒い服装はなんだ。ここは女神様を祭る教会だと言う事は当然知ってここに来ているんだよな。そんな邪悪で不吉な黒神子を思わせる身なりでこの教会の中に入るなど断じて許される事じゃないぞ。しかもその後ろには、傍に居るだけで不幸と厄災を招くというあの蛾の妖精も一緒にいるじゃないか。本来蛾の妖精はこの教会の敷地内にすら入る事は許されないという事になっているんだぞ。それは分かっているのか。黒いローブを来た亜種族の女!」
「はい、勿論分かってはいますが、今は私の事はどうだっていいじゃないですか。今は私達の連れのラエルロットさんの事です。私達はともかくとしてどうして彼は教会内に入れてもらえないのですか。何かそんな嫌がらせをされるような事でもしたのでしょうか。ラエルロットさんはあなた方と同じ人間族なのに差別をされるいわれはないと思うのですが?」
「別に差別なんかはしてはいないよ。私はただ、彼にはなんの呪いも厄災も掛けられてはいないことを丁寧に説明し教えているだけだ。それなのにこの男が私の言っている言葉を信じず食い下がるからこんな面倒くさい事になっているんじゃないか。この忙しい時に呪いに掛かっていると嘘を言いやがって、その誇張でウチの教会の力を試そうとでもするつもりか。私の見立てではこの男には呪いのような物は一切掛かってはいないのだから、早々に帰って貰わなくては流石に他のお客様の迷惑にもなるからな。この世の中には本当に呪いや厄災で苦しんでいる人達が沢山いるんだから、そんな冷やかしや悪戯でこの神聖な場所に来て貰っては困ると言う事だ。分かってくれたかな!」
「その若き神官の言葉にラエルロットが言い返す。
「そんなはずはないだろう、もう少しちゃんと調べてくれよ。俺の体に何らかの呪いが掛かっている事はあの黒神子達や邪妖精の女王だって認めている事なんだ。だから呪いは確実に掛かっているはずだ。頼むからもう一度だけ調べてみてくれ。なんだったら別の神官の人達にも見て貰いたいんだが」
「私の見立てが間違っているとでも言いたいのか。大体黒神子や妖精の女王に見て貰ったとか言っているが邪妖精の女王は約500年前にその種族ごと滅んでいるし、あの遙か闇なる世界の黒神子達にそう都合よくポンポンと会えるわけがないだろう。しかもあいつらに遭遇したら確実にろくな事にはならないだろうし命が幾つ合っても足りないという噂もあるくらいだから、嘘をつくにももっと説得力のあるマシな嘘をつくんだな。それともお前の後ろにいるその黒いローブを着た角と尻尾を持つ獸人の少女が黒神子だと言うんじゃないだろうな。だとしたらもう笑うしかないがな!」
「本当、本当なんだ。もっとよーく調べてくれよ。このままじゃまた第八級冒険者の採用試験を落ちてしまうよ!」
「第八級冒険者の試験に落ちるのはあんたの個人の実力と素行に問題があるからじゃないのか。そんな自分の実力を棚に上げて、更には現実から目を背けて全て呪いのせいにしていること事態がもう可笑しいだろ。教会まで来てこんな無駄な頼み事をしている暇があったら直ぐにでも戻って実地の特訓をしたり筆記の勉強をした方がいいんじゃないのか。あんたのやっている事はただの現実逃避だよ!」
「そ、そんな……」
その堅物そうな若き神官のいかにも最もらしい言葉に流石のラエルロットも言葉に詰まりつい意気消沈になるが、そんなラエルロットの背後から誰かの優しげな大人の女性の声が耳に届く。
「ちょっといいですか」
ラエルロットが振り返るとそこにいたのは四十代くらいの母性溢れるいかにも優しそうな女性と、六十代くらいの白い白衣を着た何かの研究員のような見た目の男だった。
その身なりからして位の高そうな神官の法衣を着たその女性はラエルロットとレスフィナの顔を見ると厳しい目を向けながら交互に見つめていたが、直ぐに笑顔を作ると何事も無かったかのように優しい口調で話し出す
「一体どうしたのですか、これはなんの騒ぎですか。こんな公衆の面前で言い争いをしているだなんて他の人達にもいい迷惑でしょうに。一体なにが原因でこうなっているのか、私に話して聞かせて貰ってもよろしいでしょうか」
「あなたは……?」
「申し遅れました、私はこの神聖教会の理事長をしている第二級冒険者の役職と位を持つ、大神官のエマニュエと申す者です。そして私の後ろにいるのが……」
「私の名は、ダクトだ。そこの若き神官職の受付係よ、何をお客様とトラブルを起こしているのだ。そこを速やかに上手く応対するのがお前の仕事だろ!」
その大神官を名乗る中年女性のエマニュエと、どこぞの研究者らしきダクトと名乗る初老のおじさんのいきなりの出現に顔を真っ青に青ざめさせたその若き神官の受付係の男は体をブルブルと震わせるとダクトと名乗るおじさんの職業を徐に話し出す。
「私達の上司でもある、大神官のエマニュエ様と、あ、あなたは確か……第三級冒険者の資格を持ち、生体魔道医学の科学者としての一代プロジェクトの研究を任されているこのノシロノ王国専属の研究者のダクト様……だと、な、なんでそんな凄い人がここにいるんだよ。このタイミングで出会うのは流石に不味いだろ。しまった、よりにもよってこんな時に変な所を見られてしまった。これも全ては、自分に呪いが掛かっていると嘘吹くこの貧相そうな男のせいだ。そしてこんな不運に会っているのは、黒神子の格好をした変な獸人の少女と蛾の妖精の少女を見てしまったからだ。だから幸運が逃げてしまったんだ。なぜなら黒神子と蛾の妖精はその存在その物が不幸と死をもたらす象徴みたいな物だからだ。こんな変な奴らに関わってしまったが為に、俺のこれからの大事な昇進に関わる上の人達にどうでもいい些細な失態を目撃されてしまった。こんな不幸な目に遭うだなんて俺はついてないぜ。ちくしょう、ちくしょう!」
そんな暗い思いを呟く堅物そうな青年を無視するとエマニュエと名乗る美しい女性の大神官は、ラエルロットの顔を考え深げに見つめるとその後ろにいるレスフィナに話しかける。
「ええ~と、そこにいる黒いローブを着たお嬢さん、私は今からあなたの連れのこのお客様の青年に本当に呪いのような物が掛かっているかどうかを丹念に調べますから、あなたと蛾の妖精のお嬢さんはどこか別の所で待っていてはもらえないでしょうか。私個人としては別に気にはしていないのですが、この町に住む周りの人達は皆あなた方の服装やその存在をよく思わない人達がいるのもまた事実ですから、このままこの神聖な教会内の敷地内にいたらあなた達の身に何があるかは分かりません。なぜならこの神聖教会を崇めている人達は黒神子や蛾の妖精達を良く思っていない人達が大半ですからね。なのでここにいたらその身の安全は保証できないかと」
「そうですか、まあそうでしょうね。では私とルナさんは幾つか用を済ませてから宿の方に戻っていますから、ラエルロットさんも色々と自分の用を済ませたら宿の方に戻ってきて下さい」
「分かった、この教会でこの人に呪いを解いて貰って……それから第八級冒険者の追加の特別枠の試験の受付を済ませたら、俺も宿に戻るよ」
ラエルロットのその言葉を聞いたレスフィナと蛾の妖精のルナは、軽く大神官のエマニュエと研究者のザクトに挨拶をするとその場を後にする。
「……。」
そんな二人がいなくなった事を確認したエマニュエは若き神官の受付係に「ここはもういいから、あなたは自分の持ち場に戻りなさい」と優しく言うと、今度はラエルロットの方に笑顔を向けながら幾つか軽い質問をする。
「ウチの若い授業員がどうやら不備を働いたようで大変失礼しました。であなたのお名前は一体何と言うんですか」
「あ、申し遅れました。俺はフタッツイの町の近くにあるヒノの村から来たラエルロットと言う者です。魔法や呪いに精通している友人達の話だと、どうやら俺の体には幼い時に聖女から掛けられたという何らかの呪いが体の中にあって、その呪いの効果が今も作用しているようだと言っていました。なのでその呪いを取り除いて貰うためにこの神聖教会を訪れた次第です。でもあの若い堅物そうな神官の話では俺にはなんの呪いも掛かってはいないとの話なので、その事で少し問答になってしまったと言う訳です。あの堅物そうな神官の男性の腕や言い分を信じない訳ではありませんが、こちらとしても名前も腕も確かな人物に呪いが掛かっていると指摘されていますから、引くに引けなかったのです」
「つまりはあなたの体にその呪いが掛かっているかどうかをもっとよーく調べて欲しいと言う事ですね。分かりました、あなたに非礼な扱いをしたこちら側の不備を詫びる姿勢と反省も兼ねて特別に私自らがあなたに掛かっているという呪いを調べて見ましょう」
「え、この神聖教会のトッブでもある大神官様自らがですか?」
「ええ、ここで会ったのも何かの縁ですから特別に私があなたを見て差し上げます。それに私はフタッツイの町やヒノの村には親しい友人が沢山いましてね、昔はよーく交流を持っていた物です。でも今回は異世界召喚者達の理不尽な襲撃と横暴な振る舞いのおかげでフタッツイの町は物凄い被害を受け、ヒノの村に至ってはその村事態が壊滅したとも聞いています。なので私はその町や村で犠牲になった人達の冥福を祈りつつ、これからどう復興に手助けしたらいいのかを、今日も王族の貴族達や町の有力者達と話し合って対策を練っていた次第です。そしてそんな悲劇的なヒノの村から来たと言うことは、ヒノの村で生還した唯一の生き残りと言う事ですね。あのほぼ人々が一夜にして全滅したあの村にまさか生き残りの人がいただなんてそれだけでも驚きですが、何か運命的な物を感じます。だからこそ私はあなたを特別に見てあげるのですよ」
「そうでしたか、フタッツイの町やヒノの村に、昔あなたの友人がいたのですね。その友人とは俺の知っている人でしょうか?」
「さあ、どうでしょうか。でもその友人は十八年前にはもう既に死んでいますからあなたが知っている人では無いと思いますよ。でもそのヒノの村の出身者がこうしてこの教会を訪れたのですからこれも何かの縁です。あなたが強く主張する呪いとやらをちゃんと見てあげますわ。ちゃんと呪いが掛かっているかどうかを調べればあなたも納得がいくと思いますからね。その確かな行いで人々に心の安心を提供するのもまた神官職の立派な責務であり仕事ですからね」
「ではお願いします」
「でもここではなんですから、私の理事長室で調べさせて貰ってもよろしいでしょうか。こちら側の非礼も兼ねて先ずはラエルロットさんにちゃんと謝らないといけませんからね。それとヒノの村で一体何があってあなたはどうやって生き残ったのかを是非とも聞きたいですからね。後はあの黒いローブを着た獸人の少女のことについても詳しく教えて下さい。あの黒いローブを着た少女とはいつどこで出会って、そこでなにを対価として得て、そしてなにを失って今ここに立っているのかを詳しくね。勿論その話の間に紅茶とクッキーを出しますから、今の時間帯小腹を満たすには丁度いいと思いますよ」
「は、はあ、俺の経験した話で良ければ、お話ししますよ。異世界召喚者達がヒノの村に攻めてきたあの日のことを」
このエマニュエと名乗る大神官の話しぶりからして、どうやらレスフィナや自分の正体を薄々は知っているのかも知れないと感じたラエルロットは、最悪の事態を想定して黒神子の事や自分がその眷属であることを最後までしらを切り通そうと心に決める。だが相手は第二級冒険者の資格を持つ神聖教会の大神官なので当然もう既に全てがバレていると思い直したラエルロットはいざという時は即座に逃げる事に決めたようだ。
そんな二人の和やかな会話と思惑に、誰かの遮る声が飛ぶ。
「ではエマニュエさん、私はこちらで色々と用を済ませてから、研究所に戻ることにします。でも先ほど出会ったあれに関わるつもりなら余りお勧めはしませんがね。あれはまさしく黒神子……」
「ダクトさん、ここは私に任せてあなたは自分の用を済ませてください。書類を纏めたら直ぐにでも自分の研究所に戻らないといけないのでしょ」
「エマニュエさん、あなたももう気付いているでしょうし感じているとは思いますが、その男は……」
「ダクトさん、こちらは大丈夫ですし余計な事は喋らなくていいですから、全て私に任せてください」
「分かりました……では失礼します」
いかにもと言った感じで意味ありげな事を言う研究所の責任者でもあるダクト所長は大神官のエマニュエに挨拶をすると、ラエルロットに厳しい視線を向けながら神聖教会の中へと入って行くのだった。
エマニュエ大神官です。
ダクト所長です。
ラエルロットです。
黒神子レスフィナです。
蛾の妖精のルナです。
*
「すいません。俺に掛かっているという呪いを解いて貰えませんか。この教会でならたとえどんな呪いでも解いて貰えると人づてに聞いたのですが」
人々が行き交う活気のある町中を、地球で言うところのカラスに似た鳥、カラクス鳥が大空を華麗に飛びながら、大勢の人でにぎあう教会が見える木の枝の上でそっと止まる。
不気味に……そして無機質に見つめるカラクス鳥の視線の先には教会の入り口の前で受付の神官らしき人に向けて必死に話をするラエルロットの姿が見え、その光景をまるで食い入るかのようにその黒い鳥は淡々と見つめる。そんなカラクス鳥の視線に見守られながら話をするラエルロットは自分に掛けられている……かも知れない呪いについてジェスチャーを加えながら懸命に話をするが、どうやらイマイチ相手には通じていないようだ。
そんなラエルロットに不審な目を向ける教会の職員とラエルロットが教会の前で問答している現在の時刻は昼の12時。誰もが外食や自宅で食事をする昼食の時間帯である。
そんな二人の話し合いを少し離れた所で眺める黒神子レスフィナと蛾の妖精のルナは、全く話が進まないその状況に少し困惑しながらも、この商業経済都市ノシロノ王国に辿り着いた今日の午前の経緯について軽く考える。
午前中の内にノシロノ王国の正門をくぐった……(一振りの黒い木刀を背中に下げている)勇者になる事を夢見るラエルロット、(この地では忌み嫌われている黒いローブに全身を包んだ)遙か闇なる世界の黒神子レスフィナ、(この地方では迫害と差別が激しい種族でもある)蛾の妖精のルナ、そして(第八級冒険者にして今は神官見習いの職種に就いている)犬人族のシャクティの四人は、シャクティの案内で格安で泊まれる比較的安全で安心な宿へと辿り着く。
直ぐにチェックインをし部屋に荷物を置いたラエルロットとレスフィナ、そして蛾の妖精のルナの三人はしばしの間部屋のチェックをし、その後は少しだけくつろいでいたが、「荷馬車にある荷物を荷上場に置きに行くのでここでお別れです」という犬人族のシャクティに感謝の言葉を述べると、そのまま宿の入り口までお見送りをする。
短い間だったとは言え共に命を賭けて戦ってくれた頼もしい戦友に手厚い握手を求めたラエルロットはシャクティと互いに握手を交わすと、シャクティはレスフィナとルナに頭を下げながらお名残惜しそうにその場を後にする。
(シャクティとはまたどこかで会いそうな気がするな)
そんな事を思いながらラエルロット達は少しの間だけしんみりとした気持ちになる。
「「……。」」
シャクティがいなくなったその後は、先ずはラエルロットに掛けられているとされる試験落ちの呪いを解く為にこの町の中に唯一あるという教会に向けて移動をし、擦れ違う人々の厳しい視線にさらされながらもそのまま教会の門を叩いたのだがそこから一向に話が進まず、その入り口の前でたまたま居合わせた堅物そうな若き神官に何故か出入れを拒まれてしまう。
この呪いのような願掛けは黒神子レスフィナもその気になったら簡単に解くことのできる初歩的な神聖魔法との事だが、黒神子が持つ遙か闇なる世界の暗黒の力で無理矢理に解いていい願掛けかどうかがイマイチ分からないとのことなので、ラエルロットが受ける精神的なダメージと身の安全を考慮して神聖魔法が主体のこの教会で正式な術式と正しい方法で呪いを解いて貰う事にしたようだ。
呪いを解いて貰えるはずなのだが、いろいろあって今に至る。
「話、長いね。いつまで掛かってんだろ」
「そうですわね。ルナさんはここで待っていて下さい。ちょっとお二人の所に行ってきますわ」
そんな二進も三進もいかない現状に仕方がないとばかりに業を煮やしたレスフィナが大きく溜息をつくとラエルロットと堅物そうな若き神官の前へと歩み寄る。
「ラエルロットさん、それに若い神官職の職員さん、二人で一体何をそんなにもめているのですか。ただ単にラエルロットさんに掛かっているごく僅かな願掛けのような呪いを解くだけなのに……ちょっと時間が掛かりすぎですよ。なぜラエルロットさんの頼み事を門前払いにするのか、その訳を教えて下さい。でないとラエルロットさんだけではなく、ここで待たされている私達も納得がいきませんから」
大人の対応とばかりに極めて落ち着いた感じで話すレスフィナの態度に、若い堅物そうな神官は眉間にしわを寄せると淡々とした口調で言う。
「おい女、その黒い服装はなんだ。ここは女神様を祭る教会だと言う事は当然知ってここに来ているんだよな。そんな邪悪で不吉な黒神子を思わせる身なりでこの教会の中に入るなど断じて許される事じゃないぞ。しかもその後ろには、傍に居るだけで不幸と厄災を招くというあの蛾の妖精も一緒にいるじゃないか。本来蛾の妖精はこの教会の敷地内にすら入る事は許されないという事になっているんだぞ。それは分かっているのか。黒いローブを来た亜種族の女!」
「はい、勿論分かってはいますが、今は私の事はどうだっていいじゃないですか。今は私達の連れのラエルロットさんの事です。私達はともかくとしてどうして彼は教会内に入れてもらえないのですか。何かそんな嫌がらせをされるような事でもしたのでしょうか。ラエルロットさんはあなた方と同じ人間族なのに差別をされるいわれはないと思うのですが?」
「別に差別なんかはしてはいないよ。私はただ、彼にはなんの呪いも厄災も掛けられてはいないことを丁寧に説明し教えているだけだ。それなのにこの男が私の言っている言葉を信じず食い下がるからこんな面倒くさい事になっているんじゃないか。この忙しい時に呪いに掛かっていると嘘を言いやがって、その誇張でウチの教会の力を試そうとでもするつもりか。私の見立てではこの男には呪いのような物は一切掛かってはいないのだから、早々に帰って貰わなくては流石に他のお客様の迷惑にもなるからな。この世の中には本当に呪いや厄災で苦しんでいる人達が沢山いるんだから、そんな冷やかしや悪戯でこの神聖な場所に来て貰っては困ると言う事だ。分かってくれたかな!」
「その若き神官の言葉にラエルロットが言い返す。
「そんなはずはないだろう、もう少しちゃんと調べてくれよ。俺の体に何らかの呪いが掛かっている事はあの黒神子達や邪妖精の女王だって認めている事なんだ。だから呪いは確実に掛かっているはずだ。頼むからもう一度だけ調べてみてくれ。なんだったら別の神官の人達にも見て貰いたいんだが」
「私の見立てが間違っているとでも言いたいのか。大体黒神子や妖精の女王に見て貰ったとか言っているが邪妖精の女王は約500年前にその種族ごと滅んでいるし、あの遙か闇なる世界の黒神子達にそう都合よくポンポンと会えるわけがないだろう。しかもあいつらに遭遇したら確実にろくな事にはならないだろうし命が幾つ合っても足りないという噂もあるくらいだから、嘘をつくにももっと説得力のあるマシな嘘をつくんだな。それともお前の後ろにいるその黒いローブを着た角と尻尾を持つ獸人の少女が黒神子だと言うんじゃないだろうな。だとしたらもう笑うしかないがな!」
「本当、本当なんだ。もっとよーく調べてくれよ。このままじゃまた第八級冒険者の採用試験を落ちてしまうよ!」
「第八級冒険者の試験に落ちるのはあんたの個人の実力と素行に問題があるからじゃないのか。そんな自分の実力を棚に上げて、更には現実から目を背けて全て呪いのせいにしていること事態がもう可笑しいだろ。教会まで来てこんな無駄な頼み事をしている暇があったら直ぐにでも戻って実地の特訓をしたり筆記の勉強をした方がいいんじゃないのか。あんたのやっている事はただの現実逃避だよ!」
「そ、そんな……」
その堅物そうな若き神官のいかにも最もらしい言葉に流石のラエルロットも言葉に詰まりつい意気消沈になるが、そんなラエルロットの背後から誰かの優しげな大人の女性の声が耳に届く。
「ちょっといいですか」
ラエルロットが振り返るとそこにいたのは四十代くらいの母性溢れるいかにも優しそうな女性と、六十代くらいの白い白衣を着た何かの研究員のような見た目の男だった。
その身なりからして位の高そうな神官の法衣を着たその女性はラエルロットとレスフィナの顔を見ると厳しい目を向けながら交互に見つめていたが、直ぐに笑顔を作ると何事も無かったかのように優しい口調で話し出す
「一体どうしたのですか、これはなんの騒ぎですか。こんな公衆の面前で言い争いをしているだなんて他の人達にもいい迷惑でしょうに。一体なにが原因でこうなっているのか、私に話して聞かせて貰ってもよろしいでしょうか」
「あなたは……?」
「申し遅れました、私はこの神聖教会の理事長をしている第二級冒険者の役職と位を持つ、大神官のエマニュエと申す者です。そして私の後ろにいるのが……」
「私の名は、ダクトだ。そこの若き神官職の受付係よ、何をお客様とトラブルを起こしているのだ。そこを速やかに上手く応対するのがお前の仕事だろ!」
その大神官を名乗る中年女性のエマニュエと、どこぞの研究者らしきダクトと名乗る初老のおじさんのいきなりの出現に顔を真っ青に青ざめさせたその若き神官の受付係の男は体をブルブルと震わせるとダクトと名乗るおじさんの職業を徐に話し出す。
「私達の上司でもある、大神官のエマニュエ様と、あ、あなたは確か……第三級冒険者の資格を持ち、生体魔道医学の科学者としての一代プロジェクトの研究を任されているこのノシロノ王国専属の研究者のダクト様……だと、な、なんでそんな凄い人がここにいるんだよ。このタイミングで出会うのは流石に不味いだろ。しまった、よりにもよってこんな時に変な所を見られてしまった。これも全ては、自分に呪いが掛かっていると嘘吹くこの貧相そうな男のせいだ。そしてこんな不運に会っているのは、黒神子の格好をした変な獸人の少女と蛾の妖精の少女を見てしまったからだ。だから幸運が逃げてしまったんだ。なぜなら黒神子と蛾の妖精はその存在その物が不幸と死をもたらす象徴みたいな物だからだ。こんな変な奴らに関わってしまったが為に、俺のこれからの大事な昇進に関わる上の人達にどうでもいい些細な失態を目撃されてしまった。こんな不幸な目に遭うだなんて俺はついてないぜ。ちくしょう、ちくしょう!」
そんな暗い思いを呟く堅物そうな青年を無視するとエマニュエと名乗る美しい女性の大神官は、ラエルロットの顔を考え深げに見つめるとその後ろにいるレスフィナに話しかける。
「ええ~と、そこにいる黒いローブを着たお嬢さん、私は今からあなたの連れのこのお客様の青年に本当に呪いのような物が掛かっているかどうかを丹念に調べますから、あなたと蛾の妖精のお嬢さんはどこか別の所で待っていてはもらえないでしょうか。私個人としては別に気にはしていないのですが、この町に住む周りの人達は皆あなた方の服装やその存在をよく思わない人達がいるのもまた事実ですから、このままこの神聖な教会内の敷地内にいたらあなた達の身に何があるかは分かりません。なぜならこの神聖教会を崇めている人達は黒神子や蛾の妖精達を良く思っていない人達が大半ですからね。なのでここにいたらその身の安全は保証できないかと」
「そうですか、まあそうでしょうね。では私とルナさんは幾つか用を済ませてから宿の方に戻っていますから、ラエルロットさんも色々と自分の用を済ませたら宿の方に戻ってきて下さい」
「分かった、この教会でこの人に呪いを解いて貰って……それから第八級冒険者の追加の特別枠の試験の受付を済ませたら、俺も宿に戻るよ」
ラエルロットのその言葉を聞いたレスフィナと蛾の妖精のルナは、軽く大神官のエマニュエと研究者のザクトに挨拶をするとその場を後にする。
「……。」
そんな二人がいなくなった事を確認したエマニュエは若き神官の受付係に「ここはもういいから、あなたは自分の持ち場に戻りなさい」と優しく言うと、今度はラエルロットの方に笑顔を向けながら幾つか軽い質問をする。
「ウチの若い授業員がどうやら不備を働いたようで大変失礼しました。であなたのお名前は一体何と言うんですか」
「あ、申し遅れました。俺はフタッツイの町の近くにあるヒノの村から来たラエルロットと言う者です。魔法や呪いに精通している友人達の話だと、どうやら俺の体には幼い時に聖女から掛けられたという何らかの呪いが体の中にあって、その呪いの効果が今も作用しているようだと言っていました。なのでその呪いを取り除いて貰うためにこの神聖教会を訪れた次第です。でもあの若い堅物そうな神官の話では俺にはなんの呪いも掛かってはいないとの話なので、その事で少し問答になってしまったと言う訳です。あの堅物そうな神官の男性の腕や言い分を信じない訳ではありませんが、こちらとしても名前も腕も確かな人物に呪いが掛かっていると指摘されていますから、引くに引けなかったのです」
「つまりはあなたの体にその呪いが掛かっているかどうかをもっとよーく調べて欲しいと言う事ですね。分かりました、あなたに非礼な扱いをしたこちら側の不備を詫びる姿勢と反省も兼ねて特別に私自らがあなたに掛かっているという呪いを調べて見ましょう」
「え、この神聖教会のトッブでもある大神官様自らがですか?」
「ええ、ここで会ったのも何かの縁ですから特別に私があなたを見て差し上げます。それに私はフタッツイの町やヒノの村には親しい友人が沢山いましてね、昔はよーく交流を持っていた物です。でも今回は異世界召喚者達の理不尽な襲撃と横暴な振る舞いのおかげでフタッツイの町は物凄い被害を受け、ヒノの村に至ってはその村事態が壊滅したとも聞いています。なので私はその町や村で犠牲になった人達の冥福を祈りつつ、これからどう復興に手助けしたらいいのかを、今日も王族の貴族達や町の有力者達と話し合って対策を練っていた次第です。そしてそんな悲劇的なヒノの村から来たと言うことは、ヒノの村で生還した唯一の生き残りと言う事ですね。あのほぼ人々が一夜にして全滅したあの村にまさか生き残りの人がいただなんてそれだけでも驚きですが、何か運命的な物を感じます。だからこそ私はあなたを特別に見てあげるのですよ」
「そうでしたか、フタッツイの町やヒノの村に、昔あなたの友人がいたのですね。その友人とは俺の知っている人でしょうか?」
「さあ、どうでしょうか。でもその友人は十八年前にはもう既に死んでいますからあなたが知っている人では無いと思いますよ。でもそのヒノの村の出身者がこうしてこの教会を訪れたのですからこれも何かの縁です。あなたが強く主張する呪いとやらをちゃんと見てあげますわ。ちゃんと呪いが掛かっているかどうかを調べればあなたも納得がいくと思いますからね。その確かな行いで人々に心の安心を提供するのもまた神官職の立派な責務であり仕事ですからね」
「ではお願いします」
「でもここではなんですから、私の理事長室で調べさせて貰ってもよろしいでしょうか。こちら側の非礼も兼ねて先ずはラエルロットさんにちゃんと謝らないといけませんからね。それとヒノの村で一体何があってあなたはどうやって生き残ったのかを是非とも聞きたいですからね。後はあの黒いローブを着た獸人の少女のことについても詳しく教えて下さい。あの黒いローブを着た少女とはいつどこで出会って、そこでなにを対価として得て、そしてなにを失って今ここに立っているのかを詳しくね。勿論その話の間に紅茶とクッキーを出しますから、今の時間帯小腹を満たすには丁度いいと思いますよ」
「は、はあ、俺の経験した話で良ければ、お話ししますよ。異世界召喚者達がヒノの村に攻めてきたあの日のことを」
このエマニュエと名乗る大神官の話しぶりからして、どうやらレスフィナや自分の正体を薄々は知っているのかも知れないと感じたラエルロットは、最悪の事態を想定して黒神子の事や自分がその眷属であることを最後までしらを切り通そうと心に決める。だが相手は第二級冒険者の資格を持つ神聖教会の大神官なので当然もう既に全てがバレていると思い直したラエルロットはいざという時は即座に逃げる事に決めたようだ。
そんな二人の和やかな会話と思惑に、誰かの遮る声が飛ぶ。
「ではエマニュエさん、私はこちらで色々と用を済ませてから、研究所に戻ることにします。でも先ほど出会ったあれに関わるつもりなら余りお勧めはしませんがね。あれはまさしく黒神子……」
「ダクトさん、ここは私に任せてあなたは自分の用を済ませてください。書類を纏めたら直ぐにでも自分の研究所に戻らないといけないのでしょ」
「エマニュエさん、あなたももう気付いているでしょうし感じているとは思いますが、その男は……」
「ダクトさん、こちらは大丈夫ですし余計な事は喋らなくていいですから、全て私に任せてください」
「分かりました……では失礼します」
いかにもと言った感じで意味ありげな事を言う研究所の責任者でもあるダクト所長は大神官のエマニュエに挨拶をすると、ラエルロットに厳しい視線を向けながら神聖教会の中へと入って行くのだった。
エマニュエ大神官です。
ダクト所長です。
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