遥か闇なる世界 ~世界の絶望に立ち向かう黒神子の少女と、真の勇者になる事を夢見る心優しい青年の物語

藤田作磨

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第三章 二人の聖女編

3-21.暁の聖女の力

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              3ー21.暁の聖女の力


                               *

 ラエルロットの視界に、そのネズミ顔の亜人の幼少期が映し出される。

 いつからここにいるのかは分からないが、ネズミの頭部を持つその亜人が幼少期の頃、物心がついた時にはもう既に彼は下水道の中にいた。

 親に捨てられたのか迷い込んだのかは分からないが小さい頃からこの下水道の中で生きてきたその男は悪臭と闇が広がる汚れたこの下水道の中だけの世界しか知らず、中で生息している昆虫や八虫類と言った小動物を主に食料にしながら奇跡的にもどうにか生き延び、浅ましくも今日までその年月を暮らす。

 今まで人間と話をしたことの無いネズミの頭部を持つ彼がなぜ人間族の言葉を理解し話せるのかは未だに謎だが、明らかに人間の言語が理解できるほどの知性を有している事から最低限度の知性はあるようだ。

 勿論言語だけでは無く体力の面でも優れており、その過酷な環境下の中でも生きられるくらいに強化されたその体は硬く逞しい筋肉を形作り、体が大きくなるに連れ、その後下水道に住む生物達の中では頂点に立つ事となる。

 その力の源は恐らくは時々下水道の中に流れてくる少女の遺体にあると、食べた時のその感覚と体の変化でなんとなく理解をしたその亜人は積極的に少女の死体を独占して食べるようになり、彼女達を食べることによってその内なる力がメキメキと進化を遂げる。

 そうだからこそネズミ顔のその亜人は少女達の死体を好んで食べる事に強いこだわりと執着を持っているのだ。

 そしてそのおこぼれに預かる他の仲間のネズミ達もまた肉片を食べた事によって異常に体が大きくなり、誰よりも強い肉体と免疫力を身につけていた事は言うまでも無い。

 少女の血肉を貪り喰らう度に日に日にその体が大きくなっていく他のネズミの仲間達の姿を見ながらそのネズミ顔の亜人は空虚の心に欠けている何かを探し求めながら、満たされないその思いを食欲と言う名の浅ましい貪食で今日も腹を満たす。

 その厳しい生存競争に勝ち抜く為にヘドロが蓄積している下水の中に入り、流れて来る欠損した死体に生で食らいつくその様はまさに犬畜生の鬼畜その物で、その死体を仲間の大型ネズミ達と共に奪い合いながら見るに堪えない壮絶な鬼畜の宴に毎回狂喜する。
 
 その恐ろしい記憶を直に覗き見てしまったラエルロットは、余りのトラウマ級の嫌悪とおぞましさに逆に精神的なダメージを受けてしまう。

 常人ではとてもじゃないが見ていられない程の凄まじい光景にラエルロットは大きく悲鳴を上げると、その亜人種の記憶の浸食を直ぐに中断する。

                               *

「うっわあぁぁぁぁーーぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーぁぁ。うっぇぇぇぇぇーーっ、うっぇぇぇぇぇーーっ!」

 目の前にいるネズミ顔の亜人種の記憶を覗き見てしまった事で激しい吐き気と嗚咽を漏らすラエルロットはまるで腰が砕けたかのように尻もちをつくと、震える手で黒い不格好な木刀を必死に構える。
 だがネズミ顔の亜人種に向けられるその目は明らかに恐怖に染まり切っており、歯をガタガタと鳴らすと戦意を喪失する。

「化け物め、く、来るな、来ないでくれ。喰われる、俺もあのおぞましいネズミ顔の亜人種に生きたまま頭からバリバリと喰われてしまう。ひっ、ひぃぃぃぃぃーーっ!」

 無様に地面へと倒れ、泣きながら取り乱すラエルロットの背中に暖かな何かがそっと抱きつく。

「ラエルロットさん、落ち着いて、もう大丈夫ですよ」

 その優しい声と温もりに我を取り戻したラエルロットが顔を上げるとそこには両腕を優しくラエルロットの両肩に這わせて抱き着くテファの姿があった。
 テファはまるで弱り切ったラエルロットの心に勇気を注入するかのように首に両手を這わせると耳元で小さく呟く。

「怖い記憶を見てしまいましたね。ラエルロットさんが見た記憶は近くにいた私の脳にも流れて来ましたから共にあのネズミ顔の亜人種さんの記憶を回覧する事ができました。おそらくあのネズミ顔の亜人種はサンプル体の少女の体に染みついている神力の残り香を少しづつ取り込むような形で、その力や知識を獲得していった物と思われます。つまりは死体と化したそのサンプル体の少女の頭脳を食べることによって、その断片的な知識や言語を理解し徐々に獲得していったのでしょう」

「あいつの記憶を読んでその私生活を追体験して来たからわかるんだ。あいつは知性を持つ生き物じゃ無い。もうほとんど野生動物だ。だからその行いに善悪や道徳は最初から無いんだ。あいつにあるのはその満たされない心の空白を果てしない食欲で満たす事だけだ。そしてその血肉を……テファ、次はお前の血肉で満たそうとしている。だからあいつには俺の思いを届かせて具現化させる事ができない。ていうか再びあいつの心の中をのぞき見るのが物凄く恐ろしいぜ。もう二度と追体験したくないし見たくも無い光景だ。こ、怖い、あいつは怖すぎるよ!」

「怖いですか……私にはあのおぞましい食欲を持つネズミ顔の亜人さんが物凄く哀れで、可哀想で仕方がありません!」

「可哀想……あのおぞましいネズミ顔の亜人がか?」

「はい、そうです。物心がついた時からこの下水道野中でしか生きる選択しがなかった、その不運と不幸に同情するしかありません。今まで話し相手も助けてくれる仲間もおらず、その狭い世界でたった一人で生きるしかなかった彼の心情はいかほどの物だったのでしょうか。そんな心も言葉も通わせる相手もいない世界で今まで生きてきたのですから愛情と言う物を知らないでしょうし、人を思いやる心が育たなかったのも頷けます」

「まあ、あの感じじゃ……そうだろうな」

「ラエルロットさんはその手に持つ法具、思いを具現化する苗木の効果で、一度相手の心の中を覗き見る事に成功していますよね。ならそこから遠い記憶にある相手の穏やかな日々の過去を掘り起こしたり、或いは優しい心を具現化させてあのネズミ顔の亜人さんに優しい心を構築して作り上げる事はできないのでしょうか。そうすればあのネズミ顔の亜人さんも優しい心を……人を食べてはいけないという道徳や人間の常識を……そして知的生命体としての倫理を知る事ができると想うのですが……」

 テファが話す最もらしい妙案に話を聞いていたラエルロットは体をブルブルと震わせると、その考えを真っ向から否定する。

「あ、あれは駄目だ……いや無理だ。ついさっき少しだけあいつの心の中を覗いて見たがあいつの記憶の中に親兄弟と暮らしていた亜人らしい記憶はまったくなかった。だからその暖かな過去の記憶を呼び起こす事は当然できない。なら新たな新しい心を無理矢理にでも具現化させて優しい感情を作り上げてやればあいつも少しは大人しい温厚な性格になるのではという意見もあるが、それを行うには最低でも後三・四回はあいつの体にこの黒い不格好な木刀をたたき込まないといけないと言う事だ。それはすなわち……あのネズミ顔の亜人を叩きのめす度にそのおぞましい記憶を余すこと無く見て体験しないといけないと言う事だ。だがそんな度胸と勇気はもう俺には無い。あいつの恐ろしい日常を直に見てしまっては流石に心が折れてしまった」

「ラエルロットさん……」

「俺は黒神子・レスフィナの力で不死の力を宿している時は、敵意と悪意をむき出しにした敵に遭遇する事が多いんだが、その戦闘でよ~く自分の肉体を破壊されることが多いんだ。なにせ俺はまだ冒険者にすらなれないレベル1の未熟者だし、本来はまだ戦いすら許されてはいない素人だからだ。だが俺はレスフィナに不死の力をもらっているという余裕と安心感からか、必死の時はなぜか相手の攻撃に晒されたり傷つく事にはそんなに抵抗も恐怖もないんだ。まあ恐らくは不死の効果と防衛本能で肉体に受けたダメージはその痛みを遮断したり鈍化をさせたりする効果もあるのだろうが、それでも率先して誰かの為に戦い、その過程で致命傷を追うような大怪我をしても再び挑めるような無理ができるのは、誰かを守りたいという信念が俺の心には常にあるからだ。いつか人々を救えるような強い勇者になりたいという夢があるから迷うこと無く戦えるんだ。だからこそ俺は自分が受ける体の痛みにも耐えられるし、その理不尽な敵にも勇気を持って立ち向かう事ができるんだ。それに相手の敵も俺を殺すためにその力を振るっている訳だから俺も勇気を持って、自分の正義と信念の元で決意を固める事ができる。それが戦いという物だ。だけどあいつは違う。あのおぞましいネズミ顔の亜人はただ俺を食べたくて、純粋に食料にしたいが為にその善悪の無い無機質な感情で俺たちを常に見ている。まるでちょっと小腹が減ったから一猟りして来るかと言わんばかりの極当たり前のルーティンでだ。その食欲と言う名の感情しかない浅ましい奴の考えが恐ろしくて、怖くて、堪らないぜ。同じく殺されるにしたって、生きたままバリバリとむさぼり食われるのが一番恐ろしいからだ。なにせ負けたら死体すら残らないんだからな!」

「ラエルロットさん……気持ちは分かりますが彼も何も好き好んでこうなった訳ではないのですから、必要以上に恐れないで下さい。あのネズミ顔の亜人さんは、長年恐ろしい研究を続けているこの研究所の環境が作り出した可哀想な被害者なのですから。そしてそんな彼はどこか私に似ています。全てが虚無だった頃の過去の私に」

「テファとあのおぞましいネズミ顔の亜人とが同じだって……それは一体どういう事だよ?」

 体を激しく震わせながら弱音を吐くラエルロットだったが、そんなラエルロットが持つ黒い不格好な木刀の柄にテファの手がそっと触れた瞬間、ラエルロットの脳裏にまたしても電流が走る。

 テファが黒い不格好な木刀に触れた事で、テファの過去の記憶が走馬灯のように流れて来たのだ。

                               *

 三年前の光景だろうか、一つの培養ポットから出て来た一人の少女が弱々しい足取りで初めて地面へと立つ。

 その無垢なる少女の心は純粋であるが故に文字通りのただの空白で、自分の意思を持たないただの人形その物だった。
 その可憐な姿は見た目からして十五歳くらいの美しい少女のようだが、通常ここにいる他のサンプル体の少女達は十歳から十二歳くらいの年齢であり、そのくらいの幼い年齢でようやく皆が培養ポットから生まれ出ている。なのでその少女は少し他の少女達よりも成長した姿でこの世に生まれ出た事になる。

 そんな無垢なるサンプル体の少女達だが、当然その少女達は両親の温もりはおろか兄弟の絆さえも全く知らない。

 そして当然、美しい素顔と綺麗な黄金色の長い髪を持つその少女もまた皆と同じように人との関わりや温もりを全く知らない価値の低いただの物でしか無かったが、素材となった質のいいオリジナルの少女の細胞より作られたサンプル体なだけの事はあり、その才能と素質を直ぐに見せつける。

 この事実を知り、奇跡的に特Aランクの聖女のクローン体を作ることに成功したダクト所長はこの実験の結果に大変驚き歓喜の声に沸いたが、番号だけで名前すら与えられないその少女は非人道的な自分の境遇に嘆くこともなく、その三年後に必ず訪れるであろう出荷の日に備えて、その命を確実に奪い取りに来るであろう罪深いオリジナルの欲望に振り回されながら、ただひたすらにその命の源とも言うべき七色魔石の質の向上とその魂と血液に宿す女神様から授かりし神聖力の進化と調整に今日も勤しむ。

 そんなうつろな目をした美しい少女が欲深なオリジナルの少女と初めて対面する。そのオリジナルの少女は悪態をつきながらもそのサンプル体の少女から特Aランクになる事のできる特別な質のいい七色魔石を取り出せることに大変喜んだが、そんな狂喜にさらされながらもそのサンプル体の少女は特に何も感じることは無く、ただ思う事は、いずれこのオリジナルの少女の為に自分の命とも言うべき七色魔石を差し出さなけねばならないと言う淡々とした現実だけだ。


 その後、映像の場面はガラリと変わり95657番の少女は一人特別な観察室へと移動させられる。そこで出会ったのは三十代くらいの真面目そうな女性研究員だった。

 何やら不安げな視線を送るその女性研究員は95657番の少女の世話係を言いつけられていた。

 最初こそ少女を無視しながら余計な事は一切話さずに仕事を熟す女性研究員だったが、死と隣り合わせの実験の為かその人権無視の過酷な境遇に同情したのか、心が虚無であるが故に虚ろな表情を見せるその95657番の少女に徐々に話し掛けていく。

 そしてその後、一ヶ月も経つ頃には何を思ったのかその女性研究員は、意思を持たない可哀想なその少女の為に親身になって自分が知っている知識や外の世界のことを話して聞かせる。
 その甲斐あって徐々に心を構築していく95657番の少女はまるで乾いたスポンジが勢いよく水を吸収するかのように知識や人間社会で生きる上での道徳を直ぐさま学んでいく。

 まるで95657番の少女の心を急激に育てるかのように正しさや優しさといった道徳を教えるその女性研究員は心を尽くした親身な頑張りもあり、その少女は片言ではあるが言葉を話せるくらいに心を開き、明るい表情を見せるようになる。

 更に数ヶ月の月日は流れ、少女とすっかり心を通わせるくらいに親しくなったその女性研究員はある日を境にいきなりぱったりと来なくなる。
 突如訪れた悲しい別れにその美しい少女は素直に悲しんだが、その女性研究員がその日を境に自分に会いに来れなくなった理由をなんとなく理解する。

 そうなぜなら最後の日に赤く目を腫らしたその女性研究員は95657番の少女にある物を託してその場を去って行ったからだ。
 その託した物とは、代々その女性研究員の実家に受け継がれてきたという禁断の古代の遺物、空蝉の杯である。

 95657番の少女に深く関わった事で強い母性が目覚めたその女性研究員はまるで本当の母親のように泣きながら少女を優しく抱き締めると、耳元で静かに話しかける。

「95657番、今日で私はあなたとは永遠に会うことはできないし、この先も守ってやれはしないけど、いつかこの先、この研究所から逃げ出せるチャンスがもしかしたら来るかも知れない。そんな絶望的な状況から僅かな希望を見出す為にも古代の遺物、空蝉の杯をあなたに託してこの研究所を出て行くわ。もしもこの先何かの奇跡が起きてその時まだあなたが生き延びていたら、この研究所から脱出する際には必ず何かの役に立つと思うの。それに単純にあなたにはこの古代の遺物で外の世界を見て感じて欲しかったから、この古代の遺物を託して行くわ。そしてできる事なら、いつの日か、またどこかで出会った際には、あなたが心から笑えて笑顔になれる、そんなごく当たり前の顔をまた見てみたいわ。いいえ、そんな日は生きてさえいれば必ずやって来る。必ずね!」

「そんな日が本当に来るのかな……ちょっと想像ができないんですけど」

 夢物語を聞くかのような顔をしながらボンヤリと言葉を返す95657番の少女に、その女性研究員は更に熱の隠った真剣な顔を向けるとまるで諭すように言う。

「いい、よく聞きなさい、95657番……どんなに過酷な状況下であっても、生きる事だけは絶対に諦めないでね。こんな人権無視の悪行がいつまでも続くはずがないわ。いつかこの研究所にもほころびが必ず出る。近い内に何らかの形でこの研究所は崩壊するはずよ。だからそれまでは他の少女達と協力して、どうにかして生き抜くのよ。そう希望は必ずある。あなたは頭のいい賢い子だから、この言葉の意味はわかるわよね。ただ闇雲に誰かに助けて貰うのを待っていては駄目、生き抜くチャンスは情報を集めたり策を考えたりして、頭を使って自分で考えるの。幸せに繋がる人生の道は、どうにかして自分の手で切り開くのよ!」

「研究員のお姉さん……」

「負けるな……自分の過酷な運命に絶対に負けるな。徹底的に抵抗しあらがいなさい。その先に必ず幸せな世界があると信じて……いいえ、生きてさえいれば幸せになれるチャンスは必ず来るわ!」

「生きてさえいれば……幸せは……必ず来る」

「そう、必ず来る。いい、大事なことだから何度も言うけど、その望みを何もしないでただ待っているだけじゃ絶対に駄目よ、自らの意思と力で勝ち取りにいきなさい。その僅かな小さな可能性をどうにかしてつかみ取るのよ。きっとあなたにはそれができる。なにせあなたはこの世界が必要としている特別な存在なのですから。だから何があってもあなただけは生き延びないと駄目よ。いい、必ず生き延びて頂戴。あなたはこんな所で邪な人間達の身勝手な欲望の為に死んでいい人間じゃ……いいえ、聖女様じゃないわ。だから諦めては駄目。あなたは物凄く暖かで人を思いやれる優しい子なのは、あなたに接してきた私がだれよりもよ~く知っているわ。だからこそこの滅びつつある世界にはあなたの力がどうしても必要なの!」

「聖女の力……でも私はオリジナルの少女に何れはその命を差し出すだけの……ただの偽物の紛い物なのに……」

「いいえ、ちがうわ、あなたは本物以上の存在よ。その優しい心を持っている時点で、あなたの聖女としての価値はもう既にオリジナルを圧倒的に超えているの、それに気づいて。フフフ、それにしてもなんだか皮肉ね。聖なる女と書いて聖女と読む。そしてその言葉の意味は伊達では無いと言う事よ。聖なる心を……本当の優しさを持っていないと聖女には絶対になれないという事実をここの研究員やダクト所長はもっとよ~く知るべきね。欲望だらけのただの女性がこの研究所の魔道技術の力を借りてまで女神のことわりに反した罪深い聖女に念願叶ってなれたとしても、サンプル体の少女達の力よりもそのオリジナルの力は著しく低下し、そして劣ってしまうわ。それはなぜだと思う」

「さ、さあ……私には分かりません」

「フフフ、答えたくないのね、なら私が代わりに話してあげる。本来聖女と呼ばれている少女達はその上に坐す女神様に選ばれて、その過程で高密度の女神の血液をその体に取り入れて貰い、その後に正式に聖女になる事を許可されるわ。だからこそ本当の聖女は女神の許可たる祝福が無いと絶対になれない存在なの。でもここの研究所を訪れたオリジナルの女性達は当然その女神様に選ばれなかったからこそ、この研究所の魔道技術に頼ってまでその欲深い願望を叶える為に聖女になろうとしている。そんな罪深い邪な理由で女神の力の一部をこっそり模倣しようとしている輩達がそう簡単に聖女の力を使えるはずが無いわ!」

「人を思いやれる優しさが無いと、本来聖女にはなれない……ですか。確かにそうなのかも知れませんね。本来、聖女の力の源は、愛や希望、もしくは人を本気で助けたいと強く願う思いであり、その尊い心こそが神聖力を生み出す大きな力になるのですから」

「そう、まさにその通りよ。やっぱりあなたはその事をよ~くわかっているじゃない!」

「……。」

「そして身勝手にも自分の欲望の為だけに七色魔石を取り出すクローン体の素体作りを密かにこの研究所に依頼をした時点で、ここの顧客でもある他のオリジナルの女性達は皆、聖女になれる資格を最初から有してはいなかったと言う事になるわ。だから人工的な力で仮になれたとしてもその力は限りなく限定的な物になってしまうと言う事よ。こりゃあ神たる本当の女神様を怒らせてまでやる研究では決してないわ。リスクが有り過ぎる。そうは思わないかしら!」

「わ、私には正直……分からないです」

 女性研究員が少し大袈裟にサンプル体の少女達のためにダクト所長やオリジナルの顧客達をなじっている事を知り、95657番の少女は内心あたふたしながらもこの女性研究員の身の安全を本気で心配する。だがそんな心優しい95657番の少女の思いを知ってか知らずか、その女性研究員は誰はばかる事無く更に話を続ける。

「私はあなたに関わりあなたを見ていて思ったの、素質のある選ばれた本当の聖女とはまさにあなたのような優しさと心の強さを併せ持った人のことを言うのだと。それがわかったからこそ私はあなたに感情移入をしたのかもね。そしてそんなあなたにはどうにかして幸せになって欲しいと本気で思うの。そのあなたが持つ聖女の力は本当に助けを必要としている人の為に使う力だわ。苦しんでいる人々に本当の笑顔を与える為に生きるのがあなたが目指す聖女としての本当のあり方だと私は信じている。そしていつの日かあなた自身が笑顔を向ける事のできる本当の仲間達と出会える日が来るといいわね。そんなあなたに幸運と幸せが訪れる事を心の底から祈っているわ!」

 強い言葉で鼓舞しながら言うその女性研究員は、これから少女の身に確実に訪れるであろう前途多難な人生に無事に打ち勝つ奇跡を祈りながら、その日を境に少女の前から姿を消す。

 ある噂ではサンプル体の少女達の待遇と人権を巡ってダクト所長とその女性研究員が激しく言い合っていた事が明らかになるが、その後当然のようにこの研究所での研究職を解雇されたその女性研究員は、その数日後にこの研究所を去る事になる。それが彼女がいなくなった本当の真実だ。

「……。」

(古代の遺物、空蝉の杯……なんだそれは、テファの奴、そんなのを持っているのか。外の世界がどうとか言っていたが、一体どんな効果がある代物なんだ?)

 そんな事を考えているラエルロットの視界がまたしても別の所に飛ぶ。


 視界が変わり、ラエルロットが次に見た光景は、95657番の少女が古代の遺物・空蝉の杯の効力を使い、秘密裏にカラクス鳥の体と視界を借りてフタッツイの町にある、冒険者になる為の学び舎を訪れた時の光景のようだ。

 自分のオリジナルでもあるテファニアの後を密かに追跡していた95657番のサンプル体の少女は木の枝に止まると、教室の中にいるテファニアと一人の冴えない青年の姿をまじまじと見る。

 教室の中では回りの野次馬に合わせて怒り立つテファニアが防戦一方のラエルロットに向けて一方的に罵声を浴びせている真っ最中だった。

 95657番の少女はそこで偶然にも初めてラエルロットの事を知る事になる。

 そうその光景は今から二年くらい前にフタッツイの町の学び舎で卑猥な恋文を出した容疑を掛けられて疑われ、その挙げ句に濡れ衣を着せられたラエルロットが受けたあの衝撃的な事件である。
 その情けない光景を木の枝の上からカラクス鳥の視界を借りて見ていた95657番の少女ことテファはしっかりとその一部始終を見ていたのだ。

 なにもしてはいないのに強制的に土下座を強いられて謝るラエルロットの情け無い姿を見つめるカラクス鳥の視界を最後にこの映像は終わるのだが、その95657番の少女ことテファの心情が、心の声がラエルロットに向けて嫌でも聞こえてくる。

「すいません、家のオリジナルがご迷惑をお掛けして本当にすいません!」と。

                               *

「はあ、ハア、ハア、ハア、ハア、い、今のは!」

 心ならずも少しだけテファの過去を垣間見てしまったラエルロットは、あのテファも昔は心が空白のままだった事に驚き、思わずその顔をまじまじと見る。

「テファ、お前……」

「フフフ、そんな顔をしないで下さい。私は二年前にラエルロットさんを見掛けてからあなたの事を知り、その陰でいろいろと学ばせて貰いました。人の弱さや悪意を……そしてそこから希望を抱きながら夢に向かって無謀にも立ち向かうラエルロットさんの姿を。その毎日の努力や頑張りを見ていて応援していたら私も根拠の無い勇気と自信をあなたからもらいましてね、自分の過酷な境遇と運命に立ち向かう心の強さと優しさがいかに大切な物かと言う事を強く感じる切っ掛けとなったのです。そして私はその過程で出会ったあなたの祖母のハルおばあさんの事も知っています。たまにカラクス鳥の姿を借りて、畑仕事に勤しむハルおばあさんに近づいて見ていましたから、その内容がまるで昨日の事のようにわかるのですよ。そのハルおばあさんが私の正体に気づいていたかは正直分かりませんが、カラクス鳥の私に向けてハルおばあさんがこんな事を言っていました。『あらあら、何やら珍しい姿をしたカラクス鳥さんが現れたわね。ならこれも何かの縁よね、少し私の愚痴を聞いてはくださらないかしら』そうにこやかに言うとハルおばあさんはカラクス鳥の私に向けて独り言を言い出しました。その内容は最近孫のラエルロットが家に帰って来るなり、自分に対して意地悪をしてくる人達への悪口に関する物でした。そしてそんな卑屈な思いを恨みがましく口にするラエルロットさんに向けてハルおばあさんは何かを優しく諭したと言っていましたが、覚えていますか」

 どこか悲しげだがそれでいて懐かしい思いに浸るテファの話にラエルロットは気恥ずかしいとばかりに頭を掻きながらその質問に答える。

「ああ、そう言えばハルおばあちゃんが昔、俺に向けてこんな事を言っていたな。どんな嫌なことがあったのかは知らないけど、どんな時でも人の陰口を叩いてはいけませんとか言っていたな。もし言うなら直接面倒向かって相手に向けてちゃんと言葉にして言いなさいとか言っていたっけな。それができないからこそ俺は他の生徒達に意地悪をされて馬鹿にされていたんだと、あの時はべそを掻きながら反論したがな。ほんと今にして思えば情け無い記憶だぜ」

「ええ、その時の話です。『人の陰口や悪い行いは絶対に言ってはいけません。人の嫌がることをしてはいけません。その行いは巡り巡ってきっと誰かが見ている物です。そしてその悪い行いはきっとあなたの人としての品位や評価を落とす。だから人にはできるだけ優しくしてやらないといけないのだと……』そしてその事に家の孫が気づいて欲しいと、そうハルおばあさんはカラクス鳥である私に向けて言っていました。だから私はその教えを胸にその格言に従って今日まで生きてきました。できるだけ自分を律し、正しさと愛と正義と優しさを相手に与え示しながら、自分が生まれてきた訳とは、意味とは一体何なのか、その答えをこの人生の中で確認する為に本当の聖女になる事を心がけて今まで生きて来たのです。そう全ては私の亡き後に続くであろう可哀想な迷える空蝉に、私の示した聖女である厳しい道を……その思いを届ける為に。この出会いと冒険を通して本当の優しさと希望を示す事がもしもできるのなら私の人生にも必ず意味があったのだと確信が持てるとそう考えたのです」

 まるで近い将来、テファが死んでしまうかのような悲しくも暗い発言にラエルロットの心臓は内心ドギマギする。

「おい、いきなり変な事を言うなよ。テファ、お前が仲間のサンプル体の少女達を残してこんな所で死ぬ訳がないだろ。そうだろ。それにお前達サンプル体の少女達は皆でこの過酷な研究施設を出てどこかの国の保護団体に保護してもらう、そんな算段を前もってしているんだろ。初めてお前に出会った時にそう言っていたからな。当然その話は本当なんだろうな」

「え、ええ、勿論本当ですよ。ごめんなさい変な事を言ってしまって、ちょっと感傷的になっていました。話を戻します。一般常識や道徳をそのいなくなった女性研究員に教えて貰ったとはいえ、まだまだ空白だった私の心に新たな思いを抱かせる切っ掛けとなったのは、優しさとは、生きるとは、人の価値とは一体何なのかを教えてくれたハルおばあさんと他ならぬラエルロットさんの二人です。ラエルロットさんは空虚だった私に本当の優しさと勇気を教えてくれました」

「テファ、お前……」

「でもラエルロットさんはたまに卑屈になり後ろ向きな発言をする時もありましたから、それは見なかったことにします」

「うぐ……は、恥ずかしいっス!」

 ラエルロットの心に10パーセントのダメージ。

「そう、人は果敢にも希望を持って必死に頑張れば何事にも挑むことができる……そしてその頑張りをどこかの見知らぬ誰かがきっと見ている。そしてその深層心理の中で人は誰もが気にしない素振りや社交辞令的な笑顔を向けながらも本当は陰ながらにその人の事を冷静に評価をしている。そう私が陰ながらに偶然にもラエルロットさんの頑張りやハルおばあさんの優しさをこの目で見て……人を思いやれる大切さを学んだように。だからこそ私はラエルロットさんの事を認めているのです。この数日に起きたハルおばあさんの悲しい死や、黒神子レスフィナさんとの運命的な出会いによってあなたの人生は著しく、そして急激に変化を遂げました。本来なら絶対に勝てるはずのない危機的状況にも関わらずあなたは目の前に立ちはだかる邪悪な強敵達に何度も挑み、レスフィナさんや知り合ったばかりの仲間達の力を借りて、死と隣り合わせの絶望的な状況をどうにか覆して来ました。その心の急激な成長と強さはまさに目を見張る物があります!」

「認めているか……そうか、だから俺の事を最初からお前は知っていたのか」

「そういう事です」

 テファのラエルロットを慕う淡い思いが一体どこから来る物なのか、その事が分かったラエルロットはベタ褒めされてかなり気恥ずかしいのか即座に話題を変える。

「し、しかしいきなり話は変わるが、それにしても今までそれほど感じた事は無かったが、古代の遺物の一つ、この思いを具現化する苗木の効果はちょっとある意味考え物だな。相手の心を読みその心に介入して具現化する能力を持つが、相手の耐え難い悲惨な境遇や強い思いを追体験しないといけないから俺の精神力が弱いとそのまま逆に自分への精神的ダメージになってしまう。そこがかなり厄介な所だ!」

「なるほど……古代の遺物の法具でもある、思いを具現化する苗木も使うところを間違うと思わぬ精神的なダメージを負うこともあるという事なのでしょうか。まあ土足で相手の心の中に侵入し改変させようとする能力なのですから、その相手の精神力に耐えられなけねば思わぬしっぺ返しを喰らう諸刃の剣にもなるという教訓なのかもしれません。これは興味深い事例です。ならここは私があのネズミ顔の亜人さんに話し合いを挑まないといけないようですね。でもその説得も決裂して戦いざるおえない状況に陥ったその時は、ラエルロットさんの命を守る為に聖女の力を行使します!」

 そう力強く言うとテファは、貪欲によだれを垂らすネズミ顔の亜人に向けて優しく言葉を投げかける。

「こんにちはネズミ顔の亜人種さん。仲間の大型ネズミ達を沢山引き連れて来てまで私達が逃げ出さないようにと戻りの退路をしっかりと塞いだようですが、そんなにまでして私達の事が食べたいのですか。後でここに何か代わりの食料となる美味しい食べ物を持ってきますから、今は見逃して貰っては頂けないでしょうか。約束は必ず守りますから」

「ほざけ、お前らとは最初から交渉する気は甚だないぞ。て言うか流石にお前ら話が長すぎるわ。流石に切れそうになったぞ。長々と二人で話を進めやがって、いつ話が終わるのかと大人しく待ってやっていたが、退屈で退屈で仕方が無かったぞ。最後の今生の別れとなるだろうからちょっと情けを掛けてみたらこのざまだ。ほんと人間族は無駄に話が長い生き物だぜ!」

「そ、それはわざわざ待っていて貰って、ありがとう御座います。それではやはり退いては頂けないのですね」

「当然だ、俺は人間族の女……お前の絶望した悲鳴を聞きながら生きのいい血肉に食らい付き、その生き血をどうしても啜りたいんだ。だからわざわざお前らの前に出て来たんだ。他のネズミ達に先を越される訳にはいかないからな。早く、早くお前の血肉を俺達に喰わせてくれ。お前を食べれば俺は更なる力を獲得できるような……そんな気がする。だから早く喰わせろぉぉぉ。行くぞお前達、我先にと食らいつく準備をしろ。当然だがいつものように早い者勝ちだぞ!」

 ネズミ顔の亜人が発した言葉を合図に、周りを囲んでいた大型のネズミ達がジリジリと範囲を狭めながら間合いを図り、いつでも飛びかかれる体勢を取る。

「「チュウチュウ……チュウチュウ……チュウチュウ!」」

「ふう、せっかく穏便に忠告してあげたのに、襲いかかる気なら仕方がありませんね、なら私も聖女としての力を行使します。そんな訳でラエルロットさんは少しの間だけ目をつぶっていてくれませんでしょうか。私の能力は直に見続けていたらかなり危険な能力らしいので、目を失明したくないのなら私に背を向けて直接見ないようにしていて下さい」

 テファのその言葉にラエルロットが素直に従うと、目を堅くつぶり体を丸めながらその背を向ける。

 そんなラエルロットを守るかのように背後を見せながら立つサンプル体の少女・テファは胸元で静かに両手を組むと、まるで何かに祈るようなポーズを取る。

「よーーし皆一斉にかかれぇぇぇぇ。あのか細い少女の肉体を全て骨も残さず食い尽くすのだ。行くぞぉぉぉぉぉーーぉぉ!」

「「ギギギギギギーーギィィィィィィィィ!」」

 邪悪に歪むネズミ顔の亜人種の言葉を合図に、前方の通路と後ろの通路を取り囲んでいた大きなネズミ達が皆一斉にテファに向けて勢いよく跳び掛かる。

 テファに向けて大型のネズミ達が一斉に飛びかかったその瞬間、テファの体全体がいきなり物凄い速度で瞬く間に光だし、太陽の眩い光を思わせる程の高出力の暁の光がテファの体を瞬時に覆い隠す。
 それと同時にテファを覆う周りの光は光の壁となって飛びかかったはずの大型のネズミ達を悉く彼方へと吹き飛ばし、膨張し解き放たれたその光のエネルギーは下水道の中全体を黄金色の光で瞬時に満たし照らしていく!

 ピッカアァァァァァァァァァァァァーーァァ……ゴゴゴゴゴゴーーン!

「な、なんだ、あの女の体からいきなり放たれて来るこの強烈な光は、す、全てを神々しい光で包んでいく。ちくしょうぉぉぉ、直接光を見てしまったからまぶし過ぎて目を開ける事も前に進む事もできない。それにこの状況はかなりおかしいだろ。俺はこの闇夜が広がる地下で長年暮らしていたから視力が退化して目が殆ど見えないんだぞ。だからこそ俺達は嗅覚や聴覚や触覚に頼っている。にも関わらずだ、なぜこの光を俺は目で感じることができるんだ。いや違うな、目を塞いでいるにも関わらずその光を体全体で感じることができると言う事は、この光は視界ではなく直接脳や体で……いいや魂で感じていると言う事だ。この神々しい光の力が俺の肉体だけではなくその魂にも干渉している、そういう事だな。くそぉぉぉ、くそぉぉぉ、一体何なんだよ、この強烈な光は。何かの見えない力で前に進む事も一切できないし、それどころか痛みも全く無く暖かで……乾き切った俺の虚無の心をどこまでも満たしていく。この異様な光の力はかなり不味いぞ。長年の感覚でそれはわかる。不味い、この光の渦に包まれては駄目だ。うっわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーぁぁ!」

 驚きと不安な表情を浮かべながらネズミ顔の亜人種が大声で叫んだその瞬間、周りは瞬時に大きな光の渦へと巻き込まれて行き、その全てが光り輝く真っ白な世界に包み込まれる。
 そうこの場にいる敵意を持つ邪悪な生き物達全てをまるで包み込むかのように高密度と化した金色の光の衝撃が全てを照らしていくのだった。
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