遥か闇なる世界 ~世界の絶望に立ち向かう黒神子の少女と、真の勇者になる事を夢見る心優しい青年の物語

藤田作磨

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第三章 二人の聖女編

3-51.約束の時

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              3ー51.約束の時


「テファ……最後の最後まで俺なんかを気にかけてくれて……助けてくれてほんとありがとうな。結局俺は……君に好きだと、愛していると、自分の口で伝える事ができなかった。君は勇気を出して、最後は(キスという形で)行動で示してくれたのにだ。ほんと俺は……肝心な時に気が利かない、ダメな人間だな。自分で自分が嫌になるよ!」

 日が完全に暮れ、辺りが暗闇に覆われる中、時を見計らうかのように皆が持参のランプやお手製のたいまつに灯をともす。
 地面に無造作に転がる七色魔石を見つめていたラエルロットは泣きながらもテファの命とも言うべき七色魔石に手を伸ばそうとするがその石をいきなり目の前に現れたテファニアに奪われる。
 いつの間にか意識を取り戻したテファニアは右手に持つ持参のランプで目の前を照らすと、左手に持つテファの七色魔石を見て意地悪く笑う。

「あの偽善馬鹿やっと死んだか、私に七色魔石をくれると言っておきながら結構粘ったわね。そのお陰で私がダクト所長に目を付けられて、危うく死ぬところだったじゃない。でもこれでようやく私が暁の聖女の称号を持つ事ができるわ。大体95657番は、この私に聖女の力を受け継がせる為だけに生まれてきた存在なんだから、偽物は偽物らしく身をわきまえて大人しくこの世から消えてもらわないとね。そうそれが正解なのよ。ハハハハハ、聖女よ、特Aランクの聖女にようやくなれる。これで私は約百年間は決して老いる事のない少女のような永遠の美と誰もがひれ伏す物凄い神のパワーを手に入れる事ができるのね。そして当然、あのムカつく偽物馬鹿をも越える事ができる。この私が!」

 まるで勝ち誇ったかのように邪悪に笑うテファニアの暴挙に流石のラエルロットも、奪われた七色魔石を取り返そうと思わず掴みかかる。

 いきなり何をするんだ、返せよ、それはテファの七色魔石だ。まだお前のじゃないぞ。まずはちゃんと色々と弔ってやらないと駄目だろ。それにお前の分身……いいや姉妹とも言うべき肉親が死んだんだぞ。それについてお前は何とも思わないのか!」

「はあ、思う訳がないじゃない。ただ単に私と同じ姿形をした聖女の力を宿す消耗品が壊れただけでしょ。まあ約束通りに聖女の力を宿す七色魔石を置いて死んでくれたんだからそこについては勿論感謝をしているわ。私の尽きることのない、強欲や欲望を叶えてくれる肥やしになってくれてありがとうってね。ほんと融通の効かない馬鹿な女だったわ。アハハハハハーーハハ!」

「テファニア……お前……やはりそれが本音か。いいから七色魔石を返せ!」

「うるさい、ラエルロット、私に触るな、汚らわしい!」

 テファの七色魔石を巡りラエルロットとテファニアが必死に押し問答をしていると、その光景を見ていたミランシェが笑いながら二人の喧嘩を止める。

「フフフ、ラエルロットさん、いいじゃないですか、テファの遺言でもありますし、その七色魔石はテファニアさんに渡しましょ。でも七色魔石だけじゃ念願の聖女にはなれませんよね」

 そのミランシェの言葉にテファニアは重大な事を思い出したのか思わずハッとするが、そんなテファニアにミランシェは如何にもわざとらしくいつの間にか手にしていた聖女になれる新薬の入った試験管をこれ見よがしに見せつける。

「これでしょ、聖女になれる新薬って。この試験管に入っている液体を飲んで、手に持つ七色魔石を自らの胸にかざせば、あなたは晴れて、念願だった聖女になれるはずよ」

「聖女になれる新薬、あなたが持っていたのね。この糞ガキが、もったいつけやがって、もしかしたらサンプル体95657番は聖女になれる新薬をダクト所長から奪う事に失敗したかもと少し不安になったわ。とにかく、早く、早くその聖女になれる新薬を私に渡しなさい。早くなさい!」

 あと少しで聖女になれるという強い欲求からかまるで鬼の形相で迫るテファニアだが、そんなテファニアから少し距離を置いたミランシェはまるで見せつけるかのように試験管の口を封じているコルクを右手で外すと、その中に入っている聖女になれる新薬の液体を左手に持つ小さな銀杯に並々と注ぐ。

「ではテファニアさん、あなたが晴れて聖女になれる門出を祝して、この銀杯でお祝いしますわ。おめでとうございます。あなたの新たな旅立ちに、幸運と祝福があらん事を!」

「ふん、なによその演出は、馬鹿にしているの……まあいいわ、早くその銀杯を私に渡しなさい!」

(なんだ、あの銀杯は……ミランシェはなんで聖女になれる新薬の液体をあの銀杯にわざわざ注いだんだ?)

 違和感を感じながらもラエルロットは仕方がないとばかりにテファニアから離れるとミランシェの可笑しな行動をただ黙って見ていたが、当のテファニアはミランシェから聖女になれる新薬の入った銀杯を強引に奪い取ると、直ぐにその銀杯に口をつけようとする。
 だが目を向けて見ると、その液体の中に混ざりこんでいる謎の混入物に思わず顔をしかめる。

「なによ、この液体……赤い色をした液体の中に、どす黒い色をした何かの液体が混じりこんでいるわ。それとも元々こんな感じの液体なのかしら。未知の液体だから少し抵抗があるわね。まあいいいわ、一気に飲んで見ようかしら。これで私は念願の、誰もが崇め認める正真正銘の聖女になれるんだから!」

 そう自分に言い聞かせるとテファニアは銀杯に入った液体を一気に飲み干すが、その瞬間いつの間にか近くの木の枝に止まり羽を休めていたカラクス鳥のピコちゃんが、嘴から泡を吐き、白目を向きながら木の枝からいきなり地面へと落ちる。

「カアァァ……ガ……ガ……?」

 ドサリ!

 なんの前触れもなくいきなり地面へと落ちたカラクス鳥を不思議そうに見つめていたテファニアだったが、直ぐに意識を自分に向けると自分の体の変化にようやく気付く。
 新薬を飲んだ数秒後に内なる力が体内に溢れ、胸にかざしていた七色魔石が突然激しく光出したからだ。

 まぶしいほどの熱い光を放つその七色魔石はみるみるうちにテファニアの体の中へと入り、体の中で大きな力を形成する。

 体の細胞が活性化し、内なる神聖力が湯水のように溢れ、大いなる神気が体全体を覆う。
 その瞬間、第七級冒険者、剣士の職業についていたテファニアは晴れて特Aランクの称号でもある、暁の聖女を継承したのだ。

 その神々しい力を内からこみ上げてくる神気の強さと艶肌の美しさで実感したテファニアは、妖艶かつ邪悪に笑うと完璧と化した自分の姿に酔いしれ、歓喜の声を上げる。

「ハハハハハ、ついにやったわ、ようやく理想の私になる事ができた。これで私は決して衰える事のない美と誰にも負けない最強の力の両方を同時に手に入れる事ができた。そう今からこの私が、特Aランクの称号を持つ、暁の聖女よ。これでもう誰も私には逆らえないし、欲望のままに好き勝手に生きる事ができるわ。そう私こそが特別で、完璧で、唯一無二の、神より選ばれた才女、テファニア様なのよ!」

 晴れて上位ランクの聖女になれた事に馬鹿笑いをするテファニアの様子を見ていた蛾の妖精のルナは、新薬を飲んだ後にテファニアが無造作に投げ捨てた小さな銀杯に視線を向ける。

(テファニアが口を付けたあれは古代の遺物・空蝉の杯か。あの空蝉の盃の銀杯は確か二ついあるはずだから、その片方の銀杯からテファニアは新薬の入った液体を飲んだのね。であるならば、もう片方の銀杯の方には人ではない動物がその口をつけなくてはならない。なぜならこの空蝉の盃は同じ人間同士が飲みあってもなんの効力も発揮はしないからだ。効力の発動を望むのなら人間族よりも知能の低い少動物でなくてはならない。ならテファニアが聖女になるにあたり、生前テファがミランシェに頼んでいた事って……まさか……)

 そう思いながら蛾の妖精のルナはフとテファニアの方に視線を戻すと、いつの間にか意識を取り戻したカラクス鳥のピコちゃんが黒い翼をせわしなくばたつかせながら酷く慌てた様子で、あからさまに嫌な顔をするテファニアに近づく。

「カアァァ、カアァァ、カアァァ、カアァァ、カアァァ!」

 バサバサバサバサ~バサァァ!

「なによ、この薄汚いカラクス鳥は。ほんとマジで近寄らないでよ!」

「カアァァ、カアァァ、カアァァ!」

「もう何なのよこいつは……正直ウザイし、不潔だし、触られたら病原菌が移ちゃうじゃない。せっかくいい気分なのに水を差すんじゃないわよ。この糞鳥が、あっちへいけ!」

 ブン、バキッ!

「カアァァ、カハ……ッ!」

 テファニアが無造作に放った右手による平手打ちが体に当たったカラクス鳥のピコちゃんは勢い良く地面にたたき落されると、軽い脳震盪を起こしたのか体をピクつかせる。

 ピクピク……ピクピク……。

「この私にまとわりつくだなんていい度胸だ。【薄汚いピコ鳥がぁぁぁ】……踏み殺してやる!」

 絶叫しながら地面に倒れているカラクス鳥のピコちゃんに近づこうとした暁の聖女テファニアだったが、その無慈悲な行為を見かねたラエルロットは体を張って地面に倒れているカラクス鳥のピコちゃんを抱き抱えると目の前にいるテファニアを激しく睨み付ける。

「いい加減にしろ。それはテファが大事にしていたカラクス鳥だぞ。その鳥をお前は踏み殺そうというのか!」

「そんなの知らない。だって汚いし、野生のカラクス鳥って実際何を食べているか知らないでしょ。そのカラクス鳥が聖女となった高貴な私に触ろうと寄ってきたんだから速やかに駆除するのが適切でしょ、それの何がいけないというの。男の趣味が最悪なのは知っていたけど、まさか汚らしい害鳥をペットにしていただなんて、あの偽善者馬鹿の心情が知れないわ」

「それは、お前に弱い生き物や立場が下な者たちを思いやれる優しさや慈愛が無いからだ!」

「そんな物に興味はないし、私だけが幸せならそれでいいわ。私のこの力は人々の為にではなく、あくまでも自分の為だけに使うつもりよ。自分のより良い幸せと無限の欲望を叶える為だけに私は念願の聖女になったんだから。ハハハハハ、これで私は完璧になったのだから、今まで私を下に見ていた人達もみんな私の足元にひれ伏すはずよ!」

「狂ってるし、間違ってるよ。本来お前のような奴は絶対に聖女にはなれやしないのに、あの暁の聖女の力を継承しただなんて……」

「フフフ、それが現実よ。結局この世界は地位と名誉と才能とお金のある奴だけが、おいしい思いをするシステムになっているの。だから巡りに巡って最後は私が暁の聖女になれた。そんな訳だから私は帰って色々と準備をしなきゃだわ。ついに私はなりたい自分にようやくなれた。誰もが崇め、憧れるきらびやかな聖女に。そうよ私の人生は、ここから始まるの!」

 誰はばかる事なく自分の欲望を高らかに話すそんな暁の聖女テファニアだったが、フとある小さな疑問に気付く。

「それにしてもさっきあのカラクス鳥の事を【薄汚いピコ鳥】って思わず吐き捨てたけど、一体ピコ鳥ってなんの事かしら……ピコって一体なに……私が知りえない言葉をついうっかり話してしまうだなんて、なんだか不思議ね?」

 目的を果たしたのか意地悪くその場から離れていく暁の聖女テファニアをただ黙って見つめていたラエルロットは全く正反対の性格を持つテファと面影を重ねながら、口惜しさと切なさで思わず涙する。

「あんな、あんな性根の腐った心根の奴に暁の聖女の力を奪われるだなんて、屈辱以外にないよ。テファ……本当にこれで良かったのか。あんな奴に聖女の力を渡しても、だれも幸せにはならないぞ……テファ……テファ……」

 涙ぐみながらも悔しそうに呟くラエルロットだったが、悲痛な顔をするラエルロットの様子を見ていたミランシェと黒神子レスフィナは涼しい顔しながら互いの意見を共に述べる。

「フフフ、まあいいんじゃないですか。文字通り、確かに暁の聖女にはなれたんですから。一応願いは叶ったかと」

「ククク、でもおそらくこの後が大変でチュ、きっとあの愚かしいテファニアの小娘の身には誰もが予想だにしない可笑しな事が次々と起こるはずですから!」

 まるで何かを含んだかのように笑うミランシェの様子に、何かに気付いた黒神子レスフィナが怪訝な眼差しを向ける。

「時にミランシェさん、先ほどテファニアさんに銀杯を渡した直後に手の指から僅かに血が流れ出ていたのが見えたのですが、気のせいでしょうか。まさかあなたが渡した聖女になれる新薬の中にあなたの血を混ぜたんじゃないでしょうね?」

 その黒神子レスフィナの指摘に意味が分からず頭の上に思わず?マークが浮ぶラエルロットだったが、その意味を理解したミランシェは真剣な表情を向けるとその愛らしい大きな瞳を鋭く細める。

「フフフ、そんな事……ある訳がないじゃないですか。でももし仮に私の血が間違ってあの新薬の中に……いいえ、あの銀杯の中に入っていたからといって何か不都合でもあるのですか」

「あの銀杯は一体なんですか。ただならぬ力を感じたのですが」

「銀細工で拵えてある、ただの小さな盃ですよ。それがなにか!」

「……。」

「……。」

 周りに言い知れぬ緊張が走り、お互いの主張を通そうと激しく睨み合う黒神子レスフィナとミランシェの二人だったが、その均衡を崩すかのようにミランシェがいきなり笑顔を作る。

「フフフ、そんな怖い顔をしないでください、レスフィナさん、あなたが見たのは目の錯覚ですよ。だって私の両手には怪我をした傷は何もありませんから。ほら、見てください、傷口はどこにもないでしょ!」

 勿論ミランシェの正体が黒神子・天足のアトリエである事は当然黒神子レスフィナは知ってはいるが、敢えてその事を言わないレスフィナは大きく溜息をつくと一旦ミランシェのその疑惑を保留にする。

「そうですか、私の見間違いでしたか。ごめんなさい、変な事を言ってしまって」

「いいんですよ、誰にでも見間違いはありますから」

 そんな怪しさ溢れる二人の光景を近くで見ていたラエルロットだったが、そんなラエルロットの頭に向けて先ほど地面に倒れていたカラクス鳥のピコちゃんがまるで何かを訴えるかのように必死にラエルロットに向けて鳴き声を上げる。

「カアァァ、カアァァ、カアァァ、カアァァ!」

「なんだ、このカラクス鳥、さっきからやたらとうるさいな。この尋常でない絡みは、たとえ意地悪なテファニアじゃなくとも思わず手で払い除けたくなるレベルだぞ。一体さっきから何をそんなに騒いでいるんだ。ピコちゃんいい加減にやめろ、やめるんだ。まさか腹でも空いているのか?」

 そんなすっとんきょんな事を何も知らないラエルロットは言っているが、古代の遺物・空蝉の盃の存在とその効力を知っている蛾の妖精のルナは動物の言葉が理解できた事で、このカラクス鳥のピコちゃんに宿るコピーからなる意識体が一体誰なのかを知る。

(テファ……これがあなたが最後に願いを込めて仕組んだ、テファニアに対するいたずらなのね。そうテファニアの身を最後まで案じているからこその、愛のこもったいたずら。これがあなたの出した答えか。願わくば彼女に一匹のなんの力もないただのカラクス鳥になって貰って、色々な苦難や体験をさせる事で、重要な経験をさせる気なのね。つまりラエルロットとの旅に共に無理やりにでも同伴させると言う事。そしてその後の重要な役目はこの私に託したという訳ですか。全く、死してなお……嫌な厄介ごとを私に押し付けていったものね。まあ他ならぬ友の最後の頼みだから、最後まで付き合ってやるわ!)

 そう思いながらも遠目で観察する蛾の妖精のルナの耳にカラクス鳥のピコちゃんの鳴き声が人の言葉に訳される。

 カラクス鳥の本来の自我を封じて入れ替わった、新たな自我を宿したカラクス鳥のピコちゃんの感情のこもった叫びはこうだ。

(な、なんで、なんで、気がついたらいつの間にか私の体がこの汚らしいカラクス鳥になっているの、理解が、理解ができないんだけど。まさか悪い夢でも見ているんじゃないでしょうね。でももう一人の私はカラクス鳥の私に気づかずにどこかに行ってしまうし、更には危うく殺されかけたわ。流石にこれはただの悪い夢だと信じたいけど、やけに体は痛いし全てが現実のように生々しいし、夢じゃないって事よね。なら一体私はどうなってしまったの。私自身の体を操っているもう一人の私に訴えかけるのは流石に危険だからもうやめたけど、人のいい馬鹿なラエルロットなら、もしかしたら私の身に起きている不幸なこの事態に気づいてくれるはず。だからラエルロット、お願いよ、いい加減に気づいて頂戴、私が本物のテファニアよ。正真正銘のテファニアなの。私の体を操っているあいつの方がおそらくは偽物なのよ、ええ、きっとそうよ、そうに決まっているわ!)

 自分を本物のテファニアだと主張するカラクス鳥のピコちゃんだったが、その必死な訴えに気づかないラエルロットは仕方がないとばかりに、地面を這っている芋虫を掴み上げるとその芋虫をカラクス鳥の目の前に突き出す。

「はい、取りあえずこれでも食べていてくれ。ちゃんとしたエサは後で必ず与えるからよ」

 そう言いながらにこやかに微笑むラエルロットにカラクス鳥のピコちゃんの怒りの頭突きが飛ぶ。

(何を食べさせる気だ。そんなもん、いらんわぁぁぁ!)

 ドカーン、バキン!

「がはっ、痛い……まさか俺の頭に頭突きを食らわすとは、中々やるじゃないか、この糞鳥がぁ!」

(まさかこの私に芋虫を食べさせようとするだなんて、まさに鬼畜の所業だわ。だから頭の悪い夢見がちなクソガキは嫌いなのよ。こいラエルロット、相手になってやるわ!)

 そう言いながら互に喧嘩を始めるラエルロットとカラクス鳥のピコちゃんだが、そんなテファニアを自称するカラクス鳥のピコちゃんに蛾の妖精のルナがそっと近づく。

「ねえ、ねえ、あんた一体何をやっているの。ラエルロットになにか訴えたい事でもあるの。よかったら代わりに伝えてあげましょうか」

 いきなり言葉の通じる蛾の妖精が目の前に現れた事で嬉しくなったテファニアを名乗るピコちゃんは歓喜の声を上げると、まるですがるかのように頭上にいるルナの元に一目散に飛んで行く。

「カアァァ、カアァァ、あなた、まさか私の言葉がわかるの?」

「ええ、わかりますよ。動物の言葉なら大体はね。それで、テファに飼われていたカラクス鳥のあなたが、一体ラエルロットになんのようなの」

 蛾の妖精のルナはテファニアを名乗るカラクス鳥のピコちゃんの身に一体何が起きたのかを知っているが、敢えて知らないふりをしながらテファニアから自我をコピーされたカラクス鳥のピコちゃんの様子を見る。
 そんな思惑などは知るはずもないカラクス鳥のピコちゃんは藁にも縋るような思いで蛾の妖精のルナに必死に話かける。

「ならラエルロットに伝えて頂戴、私の身に何が起きているのかは全く知らないけど、いつの間にかこの汚らしいカラクス鳥に姿が変わってしまっている事を。そして私になりすましているあのテファニアは偽物だという事を。そう私が本物のテファニアだと!」

 テファニアを名乗るカラクス鳥のピコちゃんの言葉を聞きながら蛾の妖精のルナは暫し考えるそぶりを見せていたが、直ぐにピコちゃんを直視するとその答えを出す。

「自分を人間のテファニアだと……そう思い込んでいるのかしら。さっきテファニアにはたき倒されて地面に倒れていたし頭を強く打ったのかも。そのショックから自分を人間だと思い込んでいるのね、可哀想に……」

「違うわ、私が本物のテファニアなの、お願いよぉぉぉ、信じてぇぇぇ!」

「でもそれを証明できる物はあるの」

「そ、それは……そ、そう、記憶が、今現在から過去の、私の……いいえ、テファニアの記憶があるわ」

「でも私は当然テファニアの事は何も知らないし、ラエルロットだってあなたのプライベートの事は何も知らないはずよ」

「た、確かに、なら白魔法使いのタタラに話して頂戴、あの子ならきっと信じてくれるわ!」

「いいや、流石に無理でしょ。だって本物のテファニアは暁の聖女となって、たった今意気揚々とノシロノ王国の方角に帰って行く所を白魔法使いのタタラは直に見ているわ。それに人間の言葉を喋れないただのカラクス鳥のあなたに一体何ができるというの。たとえ蛾の妖精でもあるこの私が直にあなたの主張を話したって誰も信じてくれる訳がないでしょ。だってあなたが本物のテファニアだと証明できる物が何もないんだから!」

「た、確かに……なら私はこの先一体どうしたらいいの、いつこのカラクス鳥の呪いは解けるの。誰か教えてよ。お願いよ、ちくしょうぉぉ、ちくしょうぉぉ、せっかく念願の聖女になれたと思ったのに、なによこの最悪な境遇は。うぅぅ!」

「落ち着いて、カラクス鳥のピコちゃん」

「ちがうぅぅ、私はカラクス鳥なんかじゃないわ、誰もが羨む特Aランクの称号を持つ特別な存在、暁の聖女・テファニア様よ。なのになんで私がこんな目に遭わないといけないのよ、悪い夢だわ、悪夢だわ。お願い夢なら覚めて、お願いよぉぉ!」

「ピコちゃん、ちょっとうるさいわよ」

「ピコちゃん違うぅぅ、私はテファニアだって言ってるでしょ!」

「そう思い込んでいるだけでしょ」

「違うわ、私は本当に……テファニアなのよ、お願い信じてぇぇぇぇ!」

「はいはい、わかりました。それでピコちゃん、これからどうするの」

「どうするって一体どういう事よ?」

 いきなり心配そうな顔をする蛾の妖精のルナの態度に、カラクス鳥のピコちゃんはなんだか不安な気持ちになる。

「これからの生活よ」

「これからの生活?」

「なんで自分を人間だと思い込んでいるかは知らないけど、今のあなたは紛れもない野良のカラクス鳥なんだから、これからは食べ物に苦労するでしょうね。まああなたはただのカラクス鳥なんだから人の残した残飯や、虫や植物なんかを食べて生きていかないといけないと思うけど、それは大丈夫なのよね。だって今までもそうして来たんだし」

 その言葉を聞いたカラクス鳥のピコちゃんはショックの為か体をふらつかせると一気に目を泳がせる。

「じょ、冗談じゃないわよ、なんで私がそんな野良犬のような生活をしないといけないのよ。ふざけんじゃないわよ!」

「だってあなたは野良のカラクス鳥だからでしょ」

「ちがうぅぅ、私は暁の聖女・テファニア様だって言ってるでしょ!」

「はいはい、テファニアね、それで提案なんだけど、私達と一緒に来ない。私達の旅に同伴をすれば、少なくともラエルロットはあなたをペットとして飼ってはくれるはずよ。食事だって人間が食べる物をそのまま与えてくれるはずだから食うには困らないはず、私が保証するわ」

「ラエルロットのペットになり下がるだなんて、はっきりいって屈辱だけど、背に腹は代えられないわ。いいわ、仕方がないから今はそれで手を打ってあげるわ」

「そう、なら決まりね。それと私達と一緒に来るのなら、あなたが新入りで私が先輩なんだからこれからは私の言葉には素直に従いなさい。もしも私の言いつけに逆らったりなんかしたら、ラエルロットにあることない事を告げ口して、あなたを再び何も無い野原に捨てて行くからそのつもりでいてね。いい、分かった!」

 いきなり先輩目線で上から命令をする蛾の妖精のルナの態度にカラクス鳥のピコちゃんは思わず屈辱の声を上げる。

「ちくしょうぉぉ、屈辱、屈辱だわ。まさか蛾の妖精に脅される日が来るだなんて、誰が想像できたかしら。でも今は耐えるしかないわ。この理不尽な呪いを解くヒントが見つかるその日まで……絶対に生き延びて暁の聖女に、テファニアに戻ってやるわ。その時は見ていなさい、この薄汚い羽虫無勢が、絶対に復讐してやるんだから!」

 悔し涙を流しながら自分に言い聞かせるように呟くカラクス鳥のピコちゃんは蛾の妖精のルナに酷い嫌悪感を抱いているようだったが、そんなピコちゃんを見ながら蛾の妖精のルナは思う。

 人間と小動物、二つの盃を共に飲む事で効力を発揮する古代の遺物・空蝉の盃は、人間では絶対に体験できない経験を小動物の視野と体を借りて追体験ができる能力だ。
 自らの自我をコピーしその魂を小動物に乗り移らせる事によってその小動物の全てを掌握する事ができる。そうまさに偵察や斥候にはうってつけの能力だ。
 
 だがこの能力は盃を飲んだ人間に頬ずりされないとこの呪いは解けないし、小動物が経験し五感で感じた事を記憶として知る事はできない。つまり、空蝉の盃の一つに入っている液体を知らずに飲んだテファニアは能力を発動させられた事実どころか空蝉の盃の事すらも知る由もないし、一方自我をコピーされカラクス鳥のピコちゃんに移された自称テファニアの方も解除の方法を知らない時点で、その事実を知る者がついうっかり口を開かない限り元には戻れないのだ。

 そんな事実を隠しながら蛾の妖精のルナは、テファとの約束を忠実に守り実行する。

(テファ、これでいいんだよね?)と思いながら。

「もうすっかり辺りも暗くなってしまいましたし、ちょっと薪となる小枝を集めて来ますね。もう日も暮れましたし、おそらく今日はここで野営をする事になるでしょうから。ラエルロットさんはこの周りに落ちている他のサンプル体の少女達の七色魔石をできるだけ集めてください。七色魔石こそ彼女達が唯一この世に残した魂の輝きであり、それを正しく供養してあげる事が残された私達の義務ですから」

 いきなりそう言い出したのは、蛾の妖精のルナとカラクス鳥のピコちゃんの様子を見ていた小撃砲使いのミランシェである。
 ミランシェは小さな鼻をぴくぴくと動かしながらそう言うと、素早い身のこなしで薄気味悪い暗闇が広がる森の中へと入って行く。

 そんなミランシェをラエルロットは止めようとしたが、いつの間にか隣に来ていた黒神子レスフィナに止められる。

「ミランシェさんの事は後です。まずは彼女の言うようにこの草原に散らばり落ちている他のサンプル体の少女達の七色魔石を見つけましょう」

「そうだな、そうするか。おそらくミランシェもそんなに遠くには行かないはずだし、火を起こすんなら薪は必要だからな。ならミランシェの言うように俺達は七色魔石を探すか。テファニアに奪われたテファの七色魔石と、死霊たちと共に闇へと落ちたツインの七色魔石は回収不可能だが、他のサンプル体の少女達の七色魔石は今からでも回収はできるからな。レスフィナ、携帯用のランプを出してくれ。ルナも手伝ってくれ!」

「ほら、ピコちゃん、出番ですよ。私について来なさい。ここで自分の有能さを発揮して、役に立つ事をラエルロットにアピールするの。急いで!」

「カアァァ、カアァァ、カアァァ!」

 暗闇が広がる夜の草原に落ちている七色魔石を探す為に、ラエルロット、レスフィナ、蛾の妖精のルナの三人と、カラクス鳥のピコちゃんの一羽を入れた四人は携帯用のランプに明かりを灯すと一斉に動き出すが、そんな光景を建屋の入り口から見ていたエマニュエ大神官とダグラス試験官の二人は真剣な顔をしながらお互いの意見を述べる。

「いつの間にかタタラさんと、異世界召喚者の女性がいなくなっていますね。一体どこに行ったのでしょうか」

「フ、エマニュエ大神官、しらばくれないでください。あのミランシェとかいう少女が動いたから、白魔法使いのタタラを急遽向かわせたのでしょ。そしてその後をあの異世界召喚者の女性が追跡して行った。そうでしょ。でもタタラの実力じゃあの似非少女の足を止める事は絶対に出来ませんよ。それだけあのスピード自慢の似非少女の実力は強さも次元も違うという事です。なのでタタラの奴をみすみす死なせに行かせたような物ですよ!」

「フフフ、彼女なら大丈夫です。ちゃんと抜かりなく策は用意してあります。そんな事よりもなにか私に言いたいことがあるのではなくて、ダグラス試験官」

 そのエマニュエ大神官の指摘にダグラス試験官はラエルロットの方を見ながら何かを考えていたが、その思いを言葉にする。

「かつての友であり、ラエルロットの母親でもあるステーシアが生前言っていた(ラエルロットには人とは争うことなく、是非とも幸せになって貰いたい)という遺言を守るが為に、あなたはラエルロットの第八級冒険者試験の妨害と合格の阻止をしていた……そう言っていましたね」

「ええ、言いましたけど、それがなにか。まさか不正は間違っているとでも言うつもりですか」

「不正や倫理の事をとやかく言うつもりは毛頭ありません。私にはそんな事を言う資格はありませんから。エマニュエ大神官にはエマニュエ大神官だけが思う深い理由と考えがきっとあるのでしょう。だからただの古株の戦士長でもあるこの俺はなにも言う事はありません。ですが一つだけ、そこを曲げてどうか一つだけお願いします。ラエルロットの奴に第八級冒険者の資格を受理してはくれないでしょうか。どうか、どうか、お願いします。今のラエルロットには第八級冒険者の資格がどうしても必要なのです!」

「まさかあなたがそんな事を言うだなんて、思いもしなかったわ。ですが一体なぜです。ラエルロットとあなたとは赤の他人ですし、なんの関係もない事なのに?」

 そのエマニュエ大神官の冷めた言葉にダグラス試験官はカッとした表情を向けると烈火のごとく怒る。

「関係はあるだろ、ラエルロットがステーシアの息子なら尚更な。確かに母親としては、まだ幼い我が子を(遠い未来に訪れるであろう)戦いの場には出したくはないだろうし、そんな息子が辿る未来を守るが為にあの最強最悪の黒神子レスフィナに戦いを挑み、そして返り討ちにされて死んだ事も、俺も昔から知っている事だ。そしてエマニュエ大神官はそんなステーシアの遺言に応えるが為に、わざとラエルロットの冒険者試験を失格にしていた。でももう状況が変わった、全てが変わってしまった。黒神子レスフィナがフタッツイの町を訪れ、そしてラエルロットの前に現れた事で再び運命の輪が動き出した。その過酷で恐ろしい前途多難な運命はもう誰にも変える事はできない。そうだろ、あなたも分かっているはずだ」

「ええ……確かに。」

「なら旅立つ覚悟を決めたラエルロットの為に、あなたがすべき事は一つだ。ラエルロットの勇気と成長を認めて第八級冒険者の資格を受理する事だ。そのくらいの資格は今のラエルロットにはある。そうだろ、エマニュエ大神官!」

「フフフ、この短期間の間に随分とラエルロットさんに甘くなった物ね。大体あなたは、勝手な命令違反をおかしたラエルロットさんの事を戦士として認めてはいないのではなくて」

 そのエマニュエ大神官の意地悪な問いにダグラス試験官ははっきりと言う。

「確かに彼は国を守る戦士ではありません。その資格も心意気も今の彼にはないでしょう。ですが彼が目指しているのは勇者です。彼が理想とする、助けを求める心ある弱き者達を無償で救う、優しい勇者を目指しているのだそうです。そんな子供のおとぎ話に出て来るような甘い勇者を目指している以上、ラエルロットが目指す道はまさにいばらの道です。王の命令や規律を的確に守る忠誠心の厚い騎士や戦士ではなく、己が定めた正義と信念で動く、勇者道を彼は敢えて目指しているのです。つまり彼は、国の情勢や利害に一切左右されないと言う事です。なのでサンプル体の少女達を見捨てるという命令にも迷わず逆らう事ができたのでしょう。まあ彼の考えは黒砂糖のように甘いですし、中二病じみた勇者馬鹿の考える事は私にはわかりませんがね」

 顔を顰めながら皮肉を言うダグラス試験官の言葉に、エマニュエ大神官は思わず苦笑する。

「フフフ、中二病の勇者馬鹿ですか……確かに今のラエルロットさんにはピッタリな言葉ですね。まあいいでしょう、確かにこのままラエルロットさんを旅に行かせてしまったら冒険者の資格を持っていないラエルロットさんは何をするにも色々と大変な事になってしまうでしょうし、依頼をこなしても報酬を貰う事ができないままになってしまいますからね。ならここは彼に資格を与えて、今後の情報収集の為にも私達の管理下に置いて人知れず様子を見ていた方がいいのかも知れませんね。【ラエルロットさんに第八級冒険者の資格を与えますわ】それでいいんでしょ」

「ありがとうございます。エマニュエ大神官、これで俺も肩の荷が降ります!」

 渋い顔を緩ませながら静かに笑うダグラス試験官は闇が広がる草原でランプの明かりを頼りに七色魔石を懸命に探すラエルロットを見つめると、遠い記憶の中にいる今は亡きステーシアの事を思うのだった。
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