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『始まりの街』
1.キャラメイク
しおりを挟む目を開けると一面の白い世界だった。
どこを見ても白、白、白。真っ白な世界に包まれていた。
これからどうしたらいいのか迷っていたら、どこからか無機質な声が聞こえてきた。
≪もう一人のあなたを作成してください≫
そんな声が聞こえた途端、目の前に自分が現れる。現実世界の自分そのままだ。どうやらここからこのキャラを操作して見た目を変えていくようだ。
俺の視界のすぐ右下には何かのウィンドウも表示されている。どうやらこのウィンドウに決めた設定が映し出されるらしい。分かりやすいもんだ。
俺はまず、身長を172cmくらいに設定し、ゲーム内年齢設定を17歳に設定する。現実年齢設定は29歳ともう表示されており、変えられなくなっていた。まあ、仕方ないよな。
次は見た目である。
あまり目立った派手なプレイはしたくないため髪の色はそのまま黒色で設定。瞳の色は地味な色の紺碧色に設定した。目や鼻、口などは一切変える気はない。
別段、目立つ気とかも毛頭ないので、本当にモブみたいな感じにしていく。
肌の色は現実世界の色をそのまま使用するが元々が白い為、普通の人より白いが気にしない。昔、病人みたいと言われてショックを受けたのを今でもよく覚えているよ…
よし!これで見た目は完成だ。
そういえば、このゲームには珍しいことに種族というモノがない。皆が人間なのだ。なぜなのかは分からないが…多分NPCにはドワーフやエルフが居るのだろう。
ここまでの設定を確認するため、俺は視線を落とす。
右下のウィンドウには現実年齢29歳・ゲーム内年齢17歳となっている。見た目は肌は白で髪は黒色、瞳の色は紺碧色で表示されている。
…っと、しまった。名前を付けるのを忘れていた。うーん……名前か…昔やってたネットゲームの名前をそのまま引っ張ってくるのでいいかな……
んじゃ…ノアっと…よし!名前のところに『ノア』って表示が出た。
これで見た目のメイキングはできた。あとは、自分のスキル決めだな。
まだ言っていなかったがこのゲームの名前は『プライム・ワールド・オンライン』。
貴方にとって大切な世界になるように、という意味が込められているそうだ。
このゲームの謳い文句は『貴方が創る、貴方を創る、もう一つの世界が今ここに』というモノだ。聞くだけでワクワクした日々を思い出す。
話が少しズレたがこのゲーム、略して『プラワン』と言われているそうだが、この『プラワン』は完全スキル制。自分自身にLvというモノは存在しない。
代わりに自分自身が持つスキルにはLvが存在しており、自分の強さは己のスキルレベルに依存してくる。まあ、隠しステータスというモノが存在しているらしいがそれはプレイヤーでは確認できないらしい。
この完全スキル制を採用しているゲームは少なく、だからこそこのゲームはとても珍しがられたのだ。
話がずれてしまったな。
さて、それじゃスキルを決めていこうか……最初にスキルは8つ選べる。最大で同時に使用できるスキル数は10つ。それ以上増えると【控えスキル】に移動する。
まあ、控えスキルからいつでも使いたいスキルは交換できるんだけどね。でも、戦闘行為に入ったら交換は不可能らしい。敵を索敵しているだけでも戦闘行為に取られるらしい。まあ、スキル最大使用数は10つと言うわけだ。重要だから2回言っといたぞ?
さて…それじゃ選ぶか…
*************************
そう言ってしばらく経った。俺が最初に選んだスキルは以下の8つだ。
《短剣》《体術》《闇魔法》《盗賊》《隠蔽》《視覚強化》《鍛冶》《調薬》
俺は前情報ナシでやりたいタイプなのだが最初に選べるスキルだけ運営のサイトに載っていたのでそこに書いてあった説明をそのまま、引用しようと思う。
まずは《短剣》。
短剣が扱えるようになる。リーチが非常に短く、攻撃性能も他の武器より断然低い、が代わりに極僅かだが攻撃速度が素早く、少しだけクリティカルが出やすい。短剣を構えて走っている際に限り、被ダメージが1,5倍、回避行動の難易度UPが己に掛かる。
これは回避能力が試されそうだな…威力も低いし、リーチはやっぱり短剣だから短いのか。当たり前っちゃ当たり前だわな。
次に《体術》。
己の体を上手く扱えるようになる。リーチが非常に短く、攻撃力は刃系の武器の下位互換。刃系の武器の様に『裂傷』等による持続ダメージ等が一切無い。しかし、稀に敵を状態異常にすることがある。自分に何らかの補正が掛かっている。
このスキルは蹴る・殴るを上手に出来るようになり、なんかの補正が掛かっているらしいな…けど、かなり接近しなくては当たらないみたいだな。短剣と同じ感じだな。まあ、どうにかなる…かな。
3つ目に《闇魔法》。
闇属性の魔法を操ることができるようになる。広く浅く何でもこなす万能型魔法。汎用性等は高いが、攻撃性能は”火”等の下位互換、回復等は”水”・”光”・”木”と全ての属性魔法にも到底及ばず、まだマシと言える付与系統の魔法も”風”・”土”等の方が圧倒的に強い。気配隠蔽などが唯一まだ使えるがそれも結局のところは”土”・”風”・”光”の方が使いやすい。
これは……こういうやつこそ真の力が…!みたいなの無いかな?と思って選んだ魔法だ。ここまで不遇の魔法も中々無いと思う。
4つ目は《盗賊》。
盗賊らしいことが出来るようになる。Lvを上げれば上げる程、様々な盗賊の手法を使えるようになっていく。戦闘も探索もお任せ。それがこのスキルの強みであり、弱点でもある。
このスキルは盗賊っぽいことが出来るようになるらしい。解錠、トラップ、忍び足、気配察知、気配偽装などなどLvが上がれば面白い事この上ないスキルだ。まあ、だからこそこのスキルを選んだんだけどね。
5つ目は《隠蔽》。
自分の存在を隠蔽出来る様になる。しかし結局は”隠蔽”止まりのため、気付かれる可能性も十分にある。気付かれている状態で発動しても意味はほぼ無い。敵に気付かれていない時に使用すると、隠蔽が発動し、気付かれにくくなる。最大使用時間5秒、その時間を過ぎると大きなペナルティがある。
このスキルは自分の存在を隠蔽できる。まあ、気配を消すことが出来るの方が分かりやすいか?5秒経過すれば《隠蔽》は解けてしまうがそれでも初撃は高確率でバレずに攻撃することが出来る優れモノだ。
6つ目は《視覚強化》。
己の目を強化させる。無理矢理に強化させるため長時間使用し続けると、目がショートし、しばらく『失明』状態が続く。効果はターゲッティング機能の向上、敵の攻撃をハッキリと視覚可能になる等様々。
これはもう取るスキルが思い付かなかったため選んだ。このスキルは単純に自分自身の視覚を強化する。まあ、色々な用途で強化されているため説明はその時その時で。
7つ目は《鍛冶》。
鍛冶が出来るようになる。ハンマーが必要になる。様々なモノが作れるがその作れる幅はプレイヤーの想像次第。全く作れるものが無いと言う人もいれば、大量に作れるものがあるという人もいる、完全格差スキル。
これは生産系のスキルだ。戦闘方面に重点を置こうと思ったんだけど、できる事なら自分で武器も作ってみたかったから取った。いろんなもの造って、売ってみたりもしたいなぁ……
最後の8つ目は《調薬》。
調薬が出来るようになる。調薬セットや、瓶、釜などが必要になる。調薬と言っても、回復薬から毒薬も、挙句の果てには爆発物まで何でも作れる優れもの。コチラも想像力が必要不可欠になって来る。
これも生産系のスキルだ。まあ、簡単に言うとポーションなどの回復薬などを作れる。他にも毒薬や爆発する危険物まで多種多様な物を作れるらしい。噂では霊薬エリクサーも作れるらしい……もしホントに作れるならゲームバランスとか崩壊しないのかな?
以上のスキルが俺、このゲームの中ではノアが最初に選んだスキルたちだ。
ちなみにスキルには【アーツ】というモノがあり、アーツとは……まあ漫画とかでよく技名を叫んでの攻撃があるだろ?
ああいう特別な攻撃だと思っておいてくれれば良い。
そのアーツはスキルのLvが一定に達すると一つずつ覚えていく。強力なモノが多いが強力なものほど、隙も大きい。
あとは【スキルポイント】だ。
スキルポイントとはスキルのLvが一定に達したり、特別なモンスターを倒したりすると獲得できるポイントだ。このポイントでまた新たなスキルをゲットすることが出来るらしい。
まあ、運営公式サイトの情報だけだからしっかりとしたところまではまだ分かっていない。
しかしこれで準備ができた。それじゃ、行こうか。『プライム・ワールド・オンライン』へ!
次の瞬間、眩しい光に俺の体は包まれた。
*************************
プレイヤー名:ノア
現実年齢:29歳
ゲーム内年齢:17歳
身長:172cm
髪色:黒(現実のまま)
瞳色:紺碧色(変更)
造形:変化なし(現実のまま)
肌色:雪肌(現実のまま)
種族:人間(固定種族)
【初期選択スキル8/8】
《短剣》《体術》《闇魔法》《盗賊》《隠蔽》《視覚強化》《鍛冶》《調薬》
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