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第八章 獣の国の王子ライカ
099-対ワイバーン戦!
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『最初の魔法陣からはワイバーンが十五匹出現。続けて、二つ目の魔法陣からレッサーデーモンが二十一匹です!』
『なんだとッ!?』
エレナが自らの眼に映ったそれを口にすると、レパードが思わず声を上げた。
たしかに彼は『ジェダイト帝国軍遠征隊隊長』という肩書きを持つだけあって、兵を率いて複数のモンスターと乱戦になった経験はあるだろうけども、それはあくまで全員が戦いのエキスパートという条件下でのもの。
今回のように非戦闘員や子供を含む、わずか数名だけで一度に三十六匹ものモンスター軍団を一度に相手した経験などあるはずもない。
レパードと同様ライカ王子も一瞬だけ不安そうな表情を見せたものの、すぐに歯を食いしばると、空を見上げながら宣言した。
『たとえ相手がどれほどの軍勢であろうとも、ここでわたし達が食い止めなければ多くの被害が出るのです! アインツ様……宜しくお願い致しますっ』
王子の勇姿にレパードが泣きそうになっているのを見て少し微笑ましく思いつつも、それを見てアインツも微笑みながら答えた。
「ええ、かしこまりました。……ですが、あの数のモンスターを一度に対処するとなると、かなり高度なスキルを使う必要があります。詠唱に非常に時間がかかるので、それまでどうにか皆で持ちこたえてください」
だが、アインツがそう言った矢先、俺の危機感知スキルが発動した。
【危機感知】
範囲攻撃:火属性
ダメージ大・死亡リスク高
「最初の攻撃が来るぞ!」
俺が叫んだ直後、上空のワイバーンの群れから一斉に炎弾が放たれた!!
飛来する炎の塊のひとつひとつが凄まじい破壊力を持っており、直撃すればひとたまりもない。
かつて見た世界では、この急襲によって帝国の南西エリアが炎に包まれたが――
『セイクリッド・ホーリーシールド!』
『フロスト・エレメンタルシールド!』
前もって攻撃に備えていたエレナとハルルが巨大な魔力防壁を展開し、その全てを見事に防ぎきった。
しかし、奇襲攻撃に失敗したにも関わらずワイバーン達は勢いを弱めることなく、真っ直ぐにこちらへと突っ込んでくる!
「さあ、腕の見せどころだよライカちゃん。頑張ってねっ!」
『はいっ!!』
サツキの声援を受けてライカ王子はくるりと振り返ると、フルルとユピテルに向けて行動指示を始めた。
『フルルさんは先頭集団に範囲魔法を! ユピテルさんはそこから回避したヤツを射抜いてください!』
『がってん……承知』
『了解!』
ライカ王子の指示で二人が攻撃を開始すると、それに驚いた数匹が回避のために勢いを弱めた。
まだ十匹以上が突っ込んでくるものの、王子は空から目を逸らすことなく指示を続ける。
『エレナさんは再び防御魔法をっ。ハルルさんは一時的に防御魔法を緩めて大丈夫ですので、フルルさんと同じように範囲魔法で足止めに注力してください!』
王子がワイバーンの動きを眼で追いながら次々に追い込んでゆく。
だが、ついにこちらの攻撃網を掻い潜り四匹のワイバーンが接近してきた!
『レパードとカナタ先生で応戦お願いします!』
ライカ王子の指示通り、他のワイバーンが魔法防壁まで到達する直前に俺たち前衛二名が足止めに入る。
獣人ならではの凄まじい脚力で地を駆けるレパードが最初にワイバーンの眼前まで飛び込むや否や、剣を抜いて初撃の剣技を放った。
『ソードスマイトッ!!』
レパードの一撃は的確にワイバーンを捉えまず一匹!
さらに剣の勢いそのままに振り上げ、二匹目のワイバーンも一瞬で光の欠片となって宙へ消える。
凄まじい剣の威力を前に、他のワイバーン達は方向転換しこちらへと向かってきた。
『そっちに行ったヤツは任せた!』
「あいよっ!」
俺は地表近くまで接近したワイバーンの直下――影へと向けて投剣を放つ!
直後、それまで中空を駆けていた巨体が真っ直ぐに地表へと墜落し、周囲に轟音を響かせた。
もう一匹が今の轟音で俺の影縫いスキルに気づき、すぐに旋回しようとするが……遅いッ!
「バイタルバイド!!」
先程墜落させた一匹を踏み越えて飛び上がった俺は、腰のライトニングダガーで一閃!
これでさらに一匹を倒し、残るワイバーンは九匹となった。
「あっ! ワイバーンが逃げていくよっ!」
急襲に失敗したうえ、未だ一匹も都に到達すらできないままに半数近くが倒された状況にワイバーン連中も相当焦っているらしく、サツキの言うように上空へと急旋回し戻っていった。
『撤退……いや違うっ! エレナさんとハルルさんで再び防御を!!』
ライカ王子が二人に急いで指示を出した直後、ワイバーンとレッサーデーモンの群れが合流し、総勢三十匹の大集団がこちらへと向かってきた!
レッサーデーモン達は先程のワイバーンの二の轍を踏まぬよう、四方八方に散りながら旋回しており、範囲魔法の回避も狙っているようだ。
しかもこいつらの放つ呪い魔法はその一発一発が異常に威力が高いため、一斉に攻撃を仕掛けてくればこちらの魔法防壁など一瞬にして砕けてしまうだろう。
だけど王子の顔に絶望の色は無く、彼の表情には仲間を信じるような「強さ」を感じさせる光があった。
『……お願いします!!』
ライカが祈るように言葉を捧げた先にあったのは、両手を天高く掲げたアインツの姿。
彼の周囲には巨大な力がうねり、足下からは虹色の光が吹き上がる……。
そして今ここに「世界で最も力のあるプリースト」の究極の一矢が生まれた――!
「サンクチュアリ・オブ・オリジン!!」
『なんだとッ!?』
エレナが自らの眼に映ったそれを口にすると、レパードが思わず声を上げた。
たしかに彼は『ジェダイト帝国軍遠征隊隊長』という肩書きを持つだけあって、兵を率いて複数のモンスターと乱戦になった経験はあるだろうけども、それはあくまで全員が戦いのエキスパートという条件下でのもの。
今回のように非戦闘員や子供を含む、わずか数名だけで一度に三十六匹ものモンスター軍団を一度に相手した経験などあるはずもない。
レパードと同様ライカ王子も一瞬だけ不安そうな表情を見せたものの、すぐに歯を食いしばると、空を見上げながら宣言した。
『たとえ相手がどれほどの軍勢であろうとも、ここでわたし達が食い止めなければ多くの被害が出るのです! アインツ様……宜しくお願い致しますっ』
王子の勇姿にレパードが泣きそうになっているのを見て少し微笑ましく思いつつも、それを見てアインツも微笑みながら答えた。
「ええ、かしこまりました。……ですが、あの数のモンスターを一度に対処するとなると、かなり高度なスキルを使う必要があります。詠唱に非常に時間がかかるので、それまでどうにか皆で持ちこたえてください」
だが、アインツがそう言った矢先、俺の危機感知スキルが発動した。
【危機感知】
範囲攻撃:火属性
ダメージ大・死亡リスク高
「最初の攻撃が来るぞ!」
俺が叫んだ直後、上空のワイバーンの群れから一斉に炎弾が放たれた!!
飛来する炎の塊のひとつひとつが凄まじい破壊力を持っており、直撃すればひとたまりもない。
かつて見た世界では、この急襲によって帝国の南西エリアが炎に包まれたが――
『セイクリッド・ホーリーシールド!』
『フロスト・エレメンタルシールド!』
前もって攻撃に備えていたエレナとハルルが巨大な魔力防壁を展開し、その全てを見事に防ぎきった。
しかし、奇襲攻撃に失敗したにも関わらずワイバーン達は勢いを弱めることなく、真っ直ぐにこちらへと突っ込んでくる!
「さあ、腕の見せどころだよライカちゃん。頑張ってねっ!」
『はいっ!!』
サツキの声援を受けてライカ王子はくるりと振り返ると、フルルとユピテルに向けて行動指示を始めた。
『フルルさんは先頭集団に範囲魔法を! ユピテルさんはそこから回避したヤツを射抜いてください!』
『がってん……承知』
『了解!』
ライカ王子の指示で二人が攻撃を開始すると、それに驚いた数匹が回避のために勢いを弱めた。
まだ十匹以上が突っ込んでくるものの、王子は空から目を逸らすことなく指示を続ける。
『エレナさんは再び防御魔法をっ。ハルルさんは一時的に防御魔法を緩めて大丈夫ですので、フルルさんと同じように範囲魔法で足止めに注力してください!』
王子がワイバーンの動きを眼で追いながら次々に追い込んでゆく。
だが、ついにこちらの攻撃網を掻い潜り四匹のワイバーンが接近してきた!
『レパードとカナタ先生で応戦お願いします!』
ライカ王子の指示通り、他のワイバーンが魔法防壁まで到達する直前に俺たち前衛二名が足止めに入る。
獣人ならではの凄まじい脚力で地を駆けるレパードが最初にワイバーンの眼前まで飛び込むや否や、剣を抜いて初撃の剣技を放った。
『ソードスマイトッ!!』
レパードの一撃は的確にワイバーンを捉えまず一匹!
さらに剣の勢いそのままに振り上げ、二匹目のワイバーンも一瞬で光の欠片となって宙へ消える。
凄まじい剣の威力を前に、他のワイバーン達は方向転換しこちらへと向かってきた。
『そっちに行ったヤツは任せた!』
「あいよっ!」
俺は地表近くまで接近したワイバーンの直下――影へと向けて投剣を放つ!
直後、それまで中空を駆けていた巨体が真っ直ぐに地表へと墜落し、周囲に轟音を響かせた。
もう一匹が今の轟音で俺の影縫いスキルに気づき、すぐに旋回しようとするが……遅いッ!
「バイタルバイド!!」
先程墜落させた一匹を踏み越えて飛び上がった俺は、腰のライトニングダガーで一閃!
これでさらに一匹を倒し、残るワイバーンは九匹となった。
「あっ! ワイバーンが逃げていくよっ!」
急襲に失敗したうえ、未だ一匹も都に到達すらできないままに半数近くが倒された状況にワイバーン連中も相当焦っているらしく、サツキの言うように上空へと急旋回し戻っていった。
『撤退……いや違うっ! エレナさんとハルルさんで再び防御を!!』
ライカ王子が二人に急いで指示を出した直後、ワイバーンとレッサーデーモンの群れが合流し、総勢三十匹の大集団がこちらへと向かってきた!
レッサーデーモン達は先程のワイバーンの二の轍を踏まぬよう、四方八方に散りながら旋回しており、範囲魔法の回避も狙っているようだ。
しかもこいつらの放つ呪い魔法はその一発一発が異常に威力が高いため、一斉に攻撃を仕掛けてくればこちらの魔法防壁など一瞬にして砕けてしまうだろう。
だけど王子の顔に絶望の色は無く、彼の表情には仲間を信じるような「強さ」を感じさせる光があった。
『……お願いします!!』
ライカが祈るように言葉を捧げた先にあったのは、両手を天高く掲げたアインツの姿。
彼の周囲には巨大な力がうねり、足下からは虹色の光が吹き上がる……。
そして今ここに「世界で最も力のあるプリースト」の究極の一矢が生まれた――!
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