笑ってサヨナラしたから

アプリ

昨今は便利になったもので、マッチングアプリなんてものが出会いのきっかけになるらしい。友人に勧められて傷心の身を癒そうと初めてはみたものの、ただ嫌悪感が増すだけだった。好きなものはとことん好きでいなさい。それでいいんだよ。無理やり消そうとすればするほど、彼への気持ちが輪郭をなぞられていく。ひとつの大切さを知るために世の中には２つができたんだ。これは誰の言葉だっただろうか。
職場であれ、友人であれ、恋人であれ、たったひとつのものの大切さを知るときはいつも別の何かを見たときだ。増えていくいいねを見ながら、お前じゃないんだよなと、今日も彼が色付いていく。
自分よ、さっさと辞めればいいのに。不毛な左スワイプを夜な夜な繰り返す時間を、アプリを消して、今日も彼のことを思う時間に使いたいものである。