笑ってサヨナラしたから

moma

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外出

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久々に昔住んでいた街に、妹に引っ張り出された。なんでも、好きなアーティストのライブが某アリーナで開かれるとのこと。
まてまて、この街は私の思い出の街。
絶対に気持ちが揺れるじゃないか。
電車の窓越しに見える街並みに、動悸が止まらなくなった。ここで散々心を食い潰された。今でもそれは許せない。憎らしい街。大嫌いな上司に会いに、わざわざ毎日通った道。日に日に体が重くなる感覚。
なぜあの時、早々に逃げ出さなかったのだろう。逃げ出せなかったのだろう。
崩れていく私をずっと支えてくれていた彼。大嫌いな街の思い出は最悪の上司と、最愛の彼でいっぱいだった。
この街を許せる日がいつか来たらいい。
その時は清々しい気持ちで闊歩してやる。
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