いずれ最強の少女 ~白き髪と紅の瞳~

カイゼリン

文字の大きさ
30 / 49
本編

キメラと僕と研究所 ②

しおりを挟む
先へと進み続けるとこちらにもキメラの反応が
右は3、こちら側は2
少し様子を見てみるか


気配を殺しみてみると赤い目が3つギロリと別々のところを見ていて、大きな口からは鋭く大きな牙、牙が大きすぎて口が閉まっていなくヨダレを垂らしている、金色のたてがみはライオンかと思わせるが体は手が4つでゴリラのよう、筋肉がすごく、とてもごつい、尾には3匹の蛇がいる
もう一体は長い鼻に大きな牙、そして大きな耳、象のように見えるが目がなく、変わりに口のそばにある牙と同じくらいの角がある、目を凝らして見てみると鼻の先に目がひとつある、長い首はきっとキリンだろう、大きな毛むくじゃらの手は熊のものだろうか、8つの足を動かし歩く姿はさながら蜘蛛のよう、どうやってバランスをとっているのだろうか

Lvはライオンが80で象が72と倍近くある
ステータスは1.5倍くらいある
平均的より僕が高いから倍近くはないけどキメラ達もかなり高い…見つからずにここを通り抜けられないだろうか
まぁもしかするとこのキメラ達も倒さなくてはならないかもしれないが

隠し通路もなさそうだしな…
こっちで倍近くあるなら向こうもそれくらいあるだろう、こちら側より少し弱くても数的に不利だ

この2体に共通しているのは攻撃力が高いということ
そして無属性魔法を覚えていることだ

フェアだけかと思ったんだが他にも覚えている奴がいるのか

行動を観察していてもただウロウロするだけ
近くにあった石を投げてみる
投げた石が足元に落ちたが気にする様子がない
それではと、通り過ぎた場合はと思い投げてみる
ふわっとやまなりに飛んだ石
それがウロウロとしていたライオンに当たる

コツン

当たった石が地面に当たる

ぴちゃん

この音は僕の冷や汗かライオンのヨダレなのか…
背筋が凍りつく

ギロリと全ての目がこっちを向く


「グァアァァァァァア!!!!!」

その声に反応した象も唸り声をあげる

「パァオオオオン!!!!!」

こちらに向かって走ってくる
地響きが逃げることを許さない
そしてこの地響きが他のキメラ達も呼び寄せる

動かない足にムチを打ち無理やり1歩出す
だが足に力が入らない、地響きによって倒れてしまう
そんな僕を笑うようにキメラ達が天高く吠える

「グァアァァァァァア!!!!!」「パァオオオオン!!!!!」

遠くからも狼に似た声や牛に似た声が聞こえる
大人しいイメージのある動物、魔獣でさえキメラになっているのか…

ぴちゃんぴちゃん

僕の頬にヨダレがかかる
真っ赤な目がまるで僕の未来を見せているかのようだ
爪が目の前まで迫り来る

そして血が舞う… 


「やめて!!!!!!!!!!!!!!!」


目を開けると痛くない、一瞬死んだのかと思ったが目の前の赤い目が現実へと引き戻す
血はでてないようだ、それにしてもなんで攻撃を辞めたんだ?

振り返ると


「フェア?」

フェアは1歩また1歩とキメラ達に近づいていく
どうしてここに居るのか、どうしてキメラ達を止めることが出来たのか、謎が頭の中でぐるぐると回る


「グルル…」

「大丈夫…この人は無害よ。落ち着いて」


フェアがライオンの鼻先を撫でると3つの目が閉じる
どうやら落ち着いたらしい

周りを見ると3つ首の狼や牛頭のでっかいニワトリ、声は聞こえなかったがかえる頭の蛇もいた

「なぁ、フェア…」
「ごめんなさい、兄さん。このことについては後で話すわ。とりあえず先に行きましょう……」

フェアが歩き出す
寂しげな背中を見て歩き出した

フェアのおかげで落ち着いたキメラ達、フェアも持つ無属性、謝り、寂しげな背中
もしや…いや、そんなはずはない。フェアは僕の妹。

ひとつの考えが頭の中で出来上がる




フェアがキメラなわけ…あってたまるか


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

奥様は聖女♡

喜楽直人
ファンタジー
聖女を裏切った国は崩壊した。そうして国は魔獣が跋扈する魔境と化したのだ。 ある地方都市を襲ったスタンピードから人々を救ったのは一人の冒険者だった。彼女は夫婦者の冒険者であるが、戦うのはいつも彼女だけ。周囲は揶揄い夫を嘲るが、それを追い払うのは妻の役目だった。

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

処理中です...