いずれ最強の少女 ~白き髪と紅の瞳~

カイゼリン

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本編

キメラと僕と研究所 ⑥

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スキルは4つ、そのうちの一つが今のだろう
なにか予兆があればいいんだがな…

___

ダヴィッド=アーブル
●歳 ■性

種族 キメラ

Lv.94

状態 憤怒

体力  89354→893540(297446)
魔力  120→1200
力   55248→552480
防御力 75682→756820
回避力 160→1600

魔法
無魔法

スキル
怒りの波動
□♀_§_
●□□▽◎◎※
§♀■●◇△□

称号
キメラの恋人…名前の通りキメラの恋人、恋人が死んだときステータスが10倍になる
___


は?8万から29万はシャレにならん
だいたい3分の1削ったにもかかわらず称号の効果でステータスが上がっている
さっきより見れる項目が増えたな…

___

怒りの波動…憤怒の時のみ発動可能なスキル、体力(300)削り衝撃波を放つ
___


さっきのはこれか
体力が削れるのはありがたいが29万から300削れてもな…
魔力が増えた分魔防の面も上がってしまう
さてどうしようか

下手したらかなりの長期戦になるかもしれないな
実は短時間で一気にカタをつける方が好きなんだがな
相手が悪いなぁ

「GAAAAAAAAAA」

腕を振り上げ地面にたたきつける
これは…!

ゲートに避難すると衝撃波が飛んだようだ
ガタンと重たい扉がなる
これをさっき食らったのか
今のうちに僕の体力を…いや、見ない方が頑張れる気がする

ゲートを開き刀を振り上げる
当たった瞬間に自分の腕がビリビリっと痺れる
硬い、痛い!

ブオンとこちらに腕を回してくる
転移して回避する

物理は完全に塞がれたな
となると魔法だがあと3分の1くらいしか残っていない
感覚だからもしかするとそれより減っているかもしれない

こいつはここからは動くことが出来ない
だがキメラを操ることが出来る
まだキメラを操ってこちらに来ないということはこちらを下に見ているからか操れる状況じゃないかだ
こちらを下に見ているという可能性は低い
なぜなら憤怒の状態だからだ
怒りなら全力を出してくるだろう
だがこいつはキメラを出さない、ということは出せないということとなる

ここから出れないということ、キメラを操れないということ、これらを利用できないだろうか

ぱっと後ろを見る
赤と金の扉
ドアが狭くて出れないならドアから出たところなら?
もし遠距離が衝撃波と無魔法しかないのならほとんど安置だ

転移で扉の向こう側へと出る
さて、いちばん強いのをぶっぱなすか

「時空の覇者よ、氷の王よ、全ての力をここに見せつけ、時空を凍らせよ、時空が凍るとき、その生命も凍りつく、生命を途絶えさせるこの技を、今ここに、コンヘラル・ティエンポ」

フランス語で凍る時間を表す
なんでフランス語かって?なんかカッコイイやん

少しニヤッとする
ぱっと時間が止まる
そして対象を凍らす
扉を開けると冷たい冷気が頬に伝わりピリッとする
1面氷でおおわれ、神父の臓器までを凍らす
かなり魔力が持ってかれるがこれが今現在の最大級の大技だ

ぱっと時間が動き出す
バキバキバキバキと氷を剥がしもがき苦しむ神父
ガンガン壁に当たっていくため揺れて上からやぶつかったところ氷が剥がれていく
剥がれていくが溶けることは無い
溶けるという概念は止まってままなのだ

こちらを見つけ突進してくる
がんっとぶつかりパラパラと氷が降る

「迫力があるねぇ」

ニヤニヤしながら一言言うと
何回もぶつかってくる
衝撃波も飛ばすがゲートを開き衝撃波をしまう

「たとえここがマグマであろうと、大地であろうと、我は氷の王である、全てを凍りつくして見せよう、この氷を紅く血で染めてくれ、ブラッドアイス」

ドンドン体を貫いていく
壁など体内には作ることが出来ない
これは氷がなければ
氷があればどこにでも生み出せる
心臓を探し出す
3つか

心臓に向かって鋭い氷山ができる
これはこいつだから出来ることだ
体を氷山が貫いていく
だんだんとフラフラしてきている
臓器は凍り機能停止
そして心臓を貫かれる
自分の体温では溶けることの無い、胃液などでも溶けることは無い
ほら、強力な氷でしょ?

ゆっくりと3回こちらに向かってぶつかる
諦めたかのように中央に戻り座り込む


「ga…ga…」

弱々しくなく声はどのような感情なのか

「これで終わり…彼女と仲良くしてくれよ」

無数の氷の刃が神父の周りに出現する

「チェックメイト」

グサグサと刺さり神父はゆっくりと全ての目を閉じる
征服しようと思った理由はわからないがこれにて一件落着
ゆっくりと光の粉となり天へと登っていく

「ア…リ……ガト。ス…マナ…イ」

「ホントだよ…彼女さんと仲良くな」

フッと鼻で笑ってやる
そして扉がバタンと閉まる音を聞き後ろを向き走り出す

「フェア…!」

あの後ろ姿…フェアだ
ゆっくりと光の粉が舞う
蛍が飛んでいるみたいに暗いこの場所を照らしている
光の粉のせいなのか涙が溢れでる
ギューッと力強く抱きしめる、あたたかい体温がいつもなら伝わってくるのに…

「兄さん…戻ってこなくても……」

離れないで欲しい

「兄さん…」

ポロポロと溢れ出る涙はフェアに当たらず床にポタっと黒いシミを作る

「フェアっ、フェアっ…」

初めてだ、こんな悲しい思い
いじめられていた時よりも悲しい、辛い

「兄さん…あのね、私、兄さんに出会えてよかったよ」

そんな事言わないで
本当に別れるみたいじゃないか

「兄さんと過ごした日々を忘れないよ」

やめて、行かないで

「初めてあった日から今日まで、どれも大切な思い出」

涙が止まらない

「短い時間だったけどありがとう」

フェアっ…!
悲しみの感情が心を渦巻く

「初めてできた兄さんは誰よりもカッコイイくて、兄さんにしかない魅力があって、女性って感じがしないくらいに頼りがいがあったよ」

なんだよ…最後の最後で…
涙をこらえる
最後は、最後くらいは

「今までありがとう、フェナカイト、私の兄さん」

笑おう

「さよならは言わない、またな…!!!!!」

ちゃんと笑えてるだろうか
笑顔だろうか

「またね…!!!!!」

ふわっと最後のひとつが宙に消えていく
その場に膝をつくように泣き崩れる

「う…うぅ…………うぐっ……ぁぁ…うぅ…」

嗚咽の漏らす
ここにいない、もういないのだ

泣いているとひとつキラキラ光っているのが目に飛び込んだ

手を伸ばすと小さなハートがあった
ピンク色の小さなハートはそこにフェアがいたことを示しているようだった

ギュッとにぎりしめまた嗚咽を漏らす


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