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本編
妹(フェアイト)あってこその兄(フェナカイト)である
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帰ってきてダリオルがものすごく心配していた
「だ、大丈夫か?フェアイトは?」
フェアは…
言おうと思ってもそれを脳が拒む
現実を受け止めなくてはいけないのに
ずっと俯いていると
「……そうか」
ポンっと頭に手を置く
「しっかり休め、しばらく帰ってこなくてもお前なら大丈夫だ。お前は昔より成長したよ」
それ以上言わずに立ち去った
あえて深く言わないのがダリオルの優しさだろう
また泣きそうだ
目の奥が熱くなるがぎゅっと強く目を瞑る
ーーー
外に出ていつもの店に入る
そしてハートを渡す
「これを…ピアスにか?こんなに純度の高いのは初めて見たなあ、嬢ちゃん………今回は無料にしてやる。ピアッサー持ってくる」
渡されたピアッサー
自分で耳に穴を開けるのが怖かったがこの痛みとピアスがフェアがいたことを忘れさせないだろう
目を閉じぐっと力を入れる
ガチャコン
初めて耳に穴を開けた
少しヒリヒリするが大丈夫、成功だ
金のリングに着いたピンクの宝石がキラキラと室内の光にあたり反射する
「ありがとう」
「お安い御用よ」
___
さて…これからどうしようかな
ただ散歩もするのもありだけど…
自分より背の低い女の子がぴょんぴょん跳ねるように走っていった
「フェア…」
先程つけたイヤリングを撫でる
目を閉じればフェアの笑顔と消えていくあの日の光景が今ここで起きているのではないかと思うくらい生々しく思い出す
やっぱり帰ろう
熱くなった目の奥を冷ますように目を開く
ゆっくりと重たい足取りだった
___
ぼふっとベッドにダイブする
一応学校に入っているがみんな話しかけては来ない
逆に哀れんでいるようだった
休日とはいえ嬉しくもない
何せやることがないから
ダリオルも話しかけてはくれるが依頼を渡したり、クエストに行こうともしない
ダリオルも悲しいのだろう、理由は知らなくとも
ボーッと天井を眺めていると
「元気だしたらどうです?」
ヌッと夜叉が出てきた
「クヨクヨしていたって何も変わりませんよ。あなたにはあのキメラわ倒すくらいの実力があるのですから。元気を出して外に出たらいいと思いますよ。勇気を出すことも成長への1歩です」
半分くらい聞き流す
はぁ…使い魔のくせに、この感情は…
使い魔?
「なぁ…夜叉。フェアの使い魔…えっと…?」
「フェンリル…ですか?」
「そうそうそう、それ。こっちに居るなんてことは…ない…よな…」
いるわけがない
使い魔は主人が生きていなければ、ここには居られない
そもそも呼び出しがかからないからこちらに来る必要がない
使い魔にも例外はいるがフェンリルは来ないだろう
というか、命の契約だった場合、フェンリルは死んでいるだろう
「フェンリル……フェンリル…。居ました。というか__」
バンッッッ!!!!!!!!!!
「フェナカイト殿!!!!!!!!」
「ちょうど来ましたね」
フェンリルが来る…まさか?
「主が居ないのです!探してみても見つからなく…命の契約をしているものですから、コチラからも場所はわかるはずなのですが…」
フェアの場所は分からない、けれど生きている
ここにフェンリルがいるのだ、必ず生きている
「どこら辺まで探したの?」
「全域です。この世界の……ですが1箇所だけ探せない、魔力がなく探そうにも探せない場所がありました」
__もしかしてそこに?
「モーント様なら知っているのでは?」
確かに、夜叉の言う通りだ
僕達よりも前に生きていたのだ、知っている可能性が高い
「モーント!」
「わらわを呼んだかの?」
空いたままのドアから顔を出す
前よりも体が小さい、この場所に配慮してくれたのだろう
けれども毛はモコモコと増えている
「話は聞いておったぞ…そこの場所だが言ってはならぬ」
「なんで?でもそこにフェアがいる可能性が高いんでしょ?なら行くよ」
フェアが生きている可能性が1パーセントもあるならば必ずそこへ行く
フェアは、フェアは大切な家族だ
「それでもダメじゃ。ご主人が行くとこの世界にも何かしらの影響があると見る。それに、そこの場所は魔力もないのじゃ」
普通は魔法を出す時体内にある魔力だけでなく、外の魔力も使う。だから魔法は弱体化する
けれどもそれだけなのだ
僕には魔力がそれなりにある
何かあっても対応はできるはずだ
「とにかく、魔力がない所に行ってはならないのじゃ」
「とにかくフェアが生きてるなら行く!」
「ダメじゃ!」
鋭い眼差しが僕の思考に刺さる
否定されるということを受け止めたくない
必ずでは無いけれども、1パーセントでもいい、それ以下でもいい。0パーセント出ないのならばそれにかける
とにかくフェアに会える可能性があるのならば
「…それはフェアに会わせたくないから?」
「違う」
「別の理由?」
「そうじゃ」
「フェアはそこにいる?」
「可能性はあるの…だが行ってはならぬ」
嫌だ。フェア…僕は、僕…は、フェアがいなかったらダメなんだ。初めてできた妹なんだ。家族なんだよ…
「主のため(です)、俺(わたくし)も行く(行きましょう)。だから頼む(頼みます)」
「お願いします…お願いします…フェアに、フェアにっ、会いたい…」
はぁ…と重たいため息が静かになったこの部屋に吸い込まれていく
「しょうがないのぉ…わらわも行くとするか、本当は行かせたくないのじゃがなぁ」
「だ、大丈夫か?フェアイトは?」
フェアは…
言おうと思ってもそれを脳が拒む
現実を受け止めなくてはいけないのに
ずっと俯いていると
「……そうか」
ポンっと頭に手を置く
「しっかり休め、しばらく帰ってこなくてもお前なら大丈夫だ。お前は昔より成長したよ」
それ以上言わずに立ち去った
あえて深く言わないのがダリオルの優しさだろう
また泣きそうだ
目の奥が熱くなるがぎゅっと強く目を瞑る
ーーー
外に出ていつもの店に入る
そしてハートを渡す
「これを…ピアスにか?こんなに純度の高いのは初めて見たなあ、嬢ちゃん………今回は無料にしてやる。ピアッサー持ってくる」
渡されたピアッサー
自分で耳に穴を開けるのが怖かったがこの痛みとピアスがフェアがいたことを忘れさせないだろう
目を閉じぐっと力を入れる
ガチャコン
初めて耳に穴を開けた
少しヒリヒリするが大丈夫、成功だ
金のリングに着いたピンクの宝石がキラキラと室内の光にあたり反射する
「ありがとう」
「お安い御用よ」
___
さて…これからどうしようかな
ただ散歩もするのもありだけど…
自分より背の低い女の子がぴょんぴょん跳ねるように走っていった
「フェア…」
先程つけたイヤリングを撫でる
目を閉じればフェアの笑顔と消えていくあの日の光景が今ここで起きているのではないかと思うくらい生々しく思い出す
やっぱり帰ろう
熱くなった目の奥を冷ますように目を開く
ゆっくりと重たい足取りだった
___
ぼふっとベッドにダイブする
一応学校に入っているがみんな話しかけては来ない
逆に哀れんでいるようだった
休日とはいえ嬉しくもない
何せやることがないから
ダリオルも話しかけてはくれるが依頼を渡したり、クエストに行こうともしない
ダリオルも悲しいのだろう、理由は知らなくとも
ボーッと天井を眺めていると
「元気だしたらどうです?」
ヌッと夜叉が出てきた
「クヨクヨしていたって何も変わりませんよ。あなたにはあのキメラわ倒すくらいの実力があるのですから。元気を出して外に出たらいいと思いますよ。勇気を出すことも成長への1歩です」
半分くらい聞き流す
はぁ…使い魔のくせに、この感情は…
使い魔?
「なぁ…夜叉。フェアの使い魔…えっと…?」
「フェンリル…ですか?」
「そうそうそう、それ。こっちに居るなんてことは…ない…よな…」
いるわけがない
使い魔は主人が生きていなければ、ここには居られない
そもそも呼び出しがかからないからこちらに来る必要がない
使い魔にも例外はいるがフェンリルは来ないだろう
というか、命の契約だった場合、フェンリルは死んでいるだろう
「フェンリル……フェンリル…。居ました。というか__」
バンッッッ!!!!!!!!!!
「フェナカイト殿!!!!!!!!」
「ちょうど来ましたね」
フェンリルが来る…まさか?
「主が居ないのです!探してみても見つからなく…命の契約をしているものですから、コチラからも場所はわかるはずなのですが…」
フェアの場所は分からない、けれど生きている
ここにフェンリルがいるのだ、必ず生きている
「どこら辺まで探したの?」
「全域です。この世界の……ですが1箇所だけ探せない、魔力がなく探そうにも探せない場所がありました」
__もしかしてそこに?
「モーント様なら知っているのでは?」
確かに、夜叉の言う通りだ
僕達よりも前に生きていたのだ、知っている可能性が高い
「モーント!」
「わらわを呼んだかの?」
空いたままのドアから顔を出す
前よりも体が小さい、この場所に配慮してくれたのだろう
けれども毛はモコモコと増えている
「話は聞いておったぞ…そこの場所だが言ってはならぬ」
「なんで?でもそこにフェアがいる可能性が高いんでしょ?なら行くよ」
フェアが生きている可能性が1パーセントもあるならば必ずそこへ行く
フェアは、フェアは大切な家族だ
「それでもダメじゃ。ご主人が行くとこの世界にも何かしらの影響があると見る。それに、そこの場所は魔力もないのじゃ」
普通は魔法を出す時体内にある魔力だけでなく、外の魔力も使う。だから魔法は弱体化する
けれどもそれだけなのだ
僕には魔力がそれなりにある
何かあっても対応はできるはずだ
「とにかく、魔力がない所に行ってはならないのじゃ」
「とにかくフェアが生きてるなら行く!」
「ダメじゃ!」
鋭い眼差しが僕の思考に刺さる
否定されるということを受け止めたくない
必ずでは無いけれども、1パーセントでもいい、それ以下でもいい。0パーセント出ないのならばそれにかける
とにかくフェアに会える可能性があるのならば
「…それはフェアに会わせたくないから?」
「違う」
「別の理由?」
「そうじゃ」
「フェアはそこにいる?」
「可能性はあるの…だが行ってはならぬ」
嫌だ。フェア…僕は、僕…は、フェアがいなかったらダメなんだ。初めてできた妹なんだ。家族なんだよ…
「主のため(です)、俺(わたくし)も行く(行きましょう)。だから頼む(頼みます)」
「お願いします…お願いします…フェアに、フェアにっ、会いたい…」
はぁ…と重たいため息が静かになったこの部屋に吸い込まれていく
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