【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません

恩田璃星

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11ー5

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夢中になって遼平くんのキスを受け入れていると、不意に物理的な胸の締め付け感から解放された。
いつの間にかブラウスのボタンは全て、そして、背中のホックまで外されていたらしい。

次に両腕から雨で張り付いた袖を引き抜かれ、ブラウスは床にベシャッと水を含んだ音を立てて落ちた。

羞恥と、濡れた素肌が外気に晒されたせいで身震いする体を、自分で抱こうとすると静止され、キャミソールを引き上げられる。
あっという間に上半身が、ホックの外れたブラジャーだけの頼りない状態にされてしまった。
遼平くんは更に、恥ずかしがる間も与えずに、手際よくスカートとストッキングも取り払った。

「遼平くんっ、灯り…を!?」

恥ずかしさに堪りかねてやっと声を上げたと同時に、板張りの寝室に備えられたキングサイズのベッドに押し倒された。

間接照明とはいえ、全灯なので遼平くんの姿形がはっきりと見えてしまう。
もちろんそれは、遼平くんからも同じことらしい。

「ああ…ちーちゃん…すごく、綺麗だ」

恍惚とした表情で、私の体を頭の天辺からつま先まで眺め、嘆息されてしまえば、それ以上何も言えなくなってしまった。

そんな私のことを褒めるように頭を撫でながら、遼平くんは再び私の唇を貪り始めた。

「やっぱり…」

それまで無言で唇を重ねていた遼平くんが、急に確信めいた口調で呟いた。
「次」に進むのはいつか、いつかと身構えていた矢先。
この期に及んで続く言葉が行為の中断を意味するものであることを期待してしまう自分がいる。

そんな事ありえないのに。
隠しきれない程の興奮の色を帯びた遼平くんの瞳を見れば分かる。

なんてことを分析できる余裕はすぐに吹き飛ばされた。

「僕たちがキスしたのは、今日が初めてじゃないね?」

「……え?」

まさか、遼平くんが覚えていたなんて。
否定しなければならないはずなのに、ただ目を丸くすることしかできない。
当然、遼平くんに肯定したと受け取られてしまった。

「あの時…ちーちゃんがうちに来てくれた日、僕…酔ってて…ごめんね。ずっと夢だと思ってた。でも今日は…今日も、夢じゃない」

下着がそっとずらされ、辛うじて隠れていた胸の頂きが顕になった。

「…っ」

遼平くんは、恥ずかしさで声も出せない私の胸の間にゆっくりと顔を埋めた。
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