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「そんな遼平くんに隠れてコソコソ会ってたみたいな言い方…晴臣がお父さんに会いに来ていて、その帰りに家の前でたまたま会っただけよ!」
「…本当かな?」
既に総毛立っている心を、嘲るような問いが追い打ちをかけるように逆撫でる。
「どういう意味?」
「ちーちゃんが僕を選んでくれたとき…僕には、僕を選ぶと言ってくれた言葉こそが椎名くんへの告白に聞こえたんだ」
「そんなこと…」
私が否定し終える前に遼平くんが遮った。
「僕なんてまるで蚊帳の外で…二人とも気づいていなかったみたいだけど、想いをぶつけ合ってるように見えて…どうしようもない焦燥感に駆られたよ。居ても立っても居られなくて、永美の指輪を君の前で捨てるほどにね」
だから今も私が晴臣を思っていて、遼平くんの知らないところで会っているたと言いたいらしい。
「そんなことないってば!!」
今度こそきっぱりと否定すると、遼平くんはきれいにセットされていた頭をぐしゃぐしゃとかきむしって言った。
「…そう。疑ってごめん。大体もう僕は君にこんなことを言う資格もないのにね。椎名くんの言うとおり、僕はちーちゃんじゃなくeternoを選んだんだから」
ーボクハチーチャンジャナクエテルノヲエランダンダカラ
晴臣から聞いていて予め分かっていた。
自分でも声に出して言葉にした。
でも、遼平くんに言われると異次元レベル。
私を押しつぶさんばかりの衝撃が、全身にのしかかる。
苦しくて息も上手く出来ず、口がちゃんと動かせない。
ずっと押さえ込んでいた悲しみが、涙になって頬を伝う。
「ど…して…私が好きだって…だから、指輪だって捨ててくれたんだよね?」
「あの時は…ちーちゃんさえ側に居てくれれば本当に何だってできると思ってた」
力の入らない足で席を立ち、項垂れる遼平くんの肩をそっと抱く。
「まだ遅くないよ。遼平くんなら、きっとeternoを救える」
「簡単に言わないでくれ。僕に…そこまでの能力なんてない。永美の夫というだけで社長の地位に据えられたに過ぎない。現にここ数ヶ月どれだけ奔走したって、まともな販路の一つも開拓できなかった」
「じゃあ…全部捨てて、一緒に逃げようよ。誰も知らないところで、二人で一から始めよう?」
もう自力で立っていることもできず、励ますために遼平くんの肩に置いたはずの手は、腕に縋り付いていた。
「…写真も指輪も…マンションも捨てられたんだ。でも…eternoだけは、どうしても…どうしても捨てられなかった。この世で唯一、永美と二人で作ったものだから」
「…本当かな?」
既に総毛立っている心を、嘲るような問いが追い打ちをかけるように逆撫でる。
「どういう意味?」
「ちーちゃんが僕を選んでくれたとき…僕には、僕を選ぶと言ってくれた言葉こそが椎名くんへの告白に聞こえたんだ」
「そんなこと…」
私が否定し終える前に遼平くんが遮った。
「僕なんてまるで蚊帳の外で…二人とも気づいていなかったみたいだけど、想いをぶつけ合ってるように見えて…どうしようもない焦燥感に駆られたよ。居ても立っても居られなくて、永美の指輪を君の前で捨てるほどにね」
だから今も私が晴臣を思っていて、遼平くんの知らないところで会っているたと言いたいらしい。
「そんなことないってば!!」
今度こそきっぱりと否定すると、遼平くんはきれいにセットされていた頭をぐしゃぐしゃとかきむしって言った。
「…そう。疑ってごめん。大体もう僕は君にこんなことを言う資格もないのにね。椎名くんの言うとおり、僕はちーちゃんじゃなくeternoを選んだんだから」
ーボクハチーチャンジャナクエテルノヲエランダンダカラ
晴臣から聞いていて予め分かっていた。
自分でも声に出して言葉にした。
でも、遼平くんに言われると異次元レベル。
私を押しつぶさんばかりの衝撃が、全身にのしかかる。
苦しくて息も上手く出来ず、口がちゃんと動かせない。
ずっと押さえ込んでいた悲しみが、涙になって頬を伝う。
「ど…して…私が好きだって…だから、指輪だって捨ててくれたんだよね?」
「あの時は…ちーちゃんさえ側に居てくれれば本当に何だってできると思ってた」
力の入らない足で席を立ち、項垂れる遼平くんの肩をそっと抱く。
「まだ遅くないよ。遼平くんなら、きっとeternoを救える」
「簡単に言わないでくれ。僕に…そこまでの能力なんてない。永美の夫というだけで社長の地位に据えられたに過ぎない。現にここ数ヶ月どれだけ奔走したって、まともな販路の一つも開拓できなかった」
「じゃあ…全部捨てて、一緒に逃げようよ。誰も知らないところで、二人で一から始めよう?」
もう自力で立っていることもできず、励ますために遼平くんの肩に置いたはずの手は、腕に縋り付いていた。
「…写真も指輪も…マンションも捨てられたんだ。でも…eternoだけは、どうしても…どうしても捨てられなかった。この世で唯一、永美と二人で作ったものだから」
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