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「…!怖いって何がだよ?俺は何も怖がってなんかない!!」
ああ。
やっぱり意地っ張り。
でもここで引き下がるわけにはいかない。
さっさとベッドから出て行こうとする晴臣の手を掴む。
「晴臣が寝てるかどうか心配で私が眠れそうにないの。お願いだから一緒に寝て」
晴臣は、前を向いたまま盛大なため息を吐くと、ベッドを軋ませながら元の場所に戻った。
「……お前、最悪だな」
「ごめん。でもこうでも言わないと、晴臣、倒れるまで頑張っちゃうでしょ?」
「俺のことはいいって言ってるだろ?」
「良くない。晴臣が私を大事に思ってくれてるように、私にとっても晴臣は大事だから」
「バカッ!この状況でそういう事言うな!!大体こんなんで寝れるか!!」
とか何とか言いながら、晴臣は間もなくスウスウと穏やかな寝息をたて始めた。
良かった。
ちゃんと眠れたみたいで。
「ごめんね、怖い思いさせて。こんなになるまで頑張ってくれてありがとう」
晴臣の寝顔を見るのなんて、何年ぶりだろうか。
硬い髪をそっと撫でていると、長い旅を終え、懐かしい我が家に帰ってきたときのような、不思議な疲労感に襲われ、私もいつの間にか深い眠りの底に落ちていった。
*
翌朝、目が覚めると私達はぴたりと寄り添い合っていた。
身を縮めた私の体は晴臣の懐にすっぽり収まり、パジャマにしがみついていて、晴臣の方は私の背中に腕を回し、しっかりと抱き寄せている。
それも、リハビリ中の肩に負担が掛からないような形で。
徐々に頭がはっきりしてくると、緊急事態だったとは言え自分の大胆さが急に恥ずかしくなり、心臓がバクバク言い始めた。
でも、晴臣の温もりを手放すのは名残惜しい。
頭上からは、まだ規則正しい寝息が聞こえる。
もう少しだけー
そう思っていたら、つい晴臣のパジャマを掴んでいた手に力が入ってしまった。
しまった。
晴臣が目を覚ましたとき、流石にこの状態は恥ずかしい。
慌てて晴臣の懐から抜け出そうと身じろぎをすると、背中に回されていた腕が、きつく締められた。
「ん…もうちょい、このまま」
目の前にある喉仏から少し掠れた声が、この上なく甘く響き、鼻先でスリスリと頭を撫でられた。
ちょっ。
待って。
何これ!?
晴臣が甘えてる!!?
かつてない現象に、ただでさえバクバクしていた心臓が一層激しく鳴り始めた。
もう、色々限界―!!
と、いうところで突如私の体は晴臣から引き剥がされた。
「…悪い、今のなし」
ああ。
やっぱり意地っ張り。
でもここで引き下がるわけにはいかない。
さっさとベッドから出て行こうとする晴臣の手を掴む。
「晴臣が寝てるかどうか心配で私が眠れそうにないの。お願いだから一緒に寝て」
晴臣は、前を向いたまま盛大なため息を吐くと、ベッドを軋ませながら元の場所に戻った。
「……お前、最悪だな」
「ごめん。でもこうでも言わないと、晴臣、倒れるまで頑張っちゃうでしょ?」
「俺のことはいいって言ってるだろ?」
「良くない。晴臣が私を大事に思ってくれてるように、私にとっても晴臣は大事だから」
「バカッ!この状況でそういう事言うな!!大体こんなんで寝れるか!!」
とか何とか言いながら、晴臣は間もなくスウスウと穏やかな寝息をたて始めた。
良かった。
ちゃんと眠れたみたいで。
「ごめんね、怖い思いさせて。こんなになるまで頑張ってくれてありがとう」
晴臣の寝顔を見るのなんて、何年ぶりだろうか。
硬い髪をそっと撫でていると、長い旅を終え、懐かしい我が家に帰ってきたときのような、不思議な疲労感に襲われ、私もいつの間にか深い眠りの底に落ちていった。
*
翌朝、目が覚めると私達はぴたりと寄り添い合っていた。
身を縮めた私の体は晴臣の懐にすっぽり収まり、パジャマにしがみついていて、晴臣の方は私の背中に腕を回し、しっかりと抱き寄せている。
それも、リハビリ中の肩に負担が掛からないような形で。
徐々に頭がはっきりしてくると、緊急事態だったとは言え自分の大胆さが急に恥ずかしくなり、心臓がバクバク言い始めた。
でも、晴臣の温もりを手放すのは名残惜しい。
頭上からは、まだ規則正しい寝息が聞こえる。
もう少しだけー
そう思っていたら、つい晴臣のパジャマを掴んでいた手に力が入ってしまった。
しまった。
晴臣が目を覚ましたとき、流石にこの状態は恥ずかしい。
慌てて晴臣の懐から抜け出そうと身じろぎをすると、背中に回されていた腕が、きつく締められた。
「ん…もうちょい、このまま」
目の前にある喉仏から少し掠れた声が、この上なく甘く響き、鼻先でスリスリと頭を撫でられた。
ちょっ。
待って。
何これ!?
晴臣が甘えてる!!?
かつてない現象に、ただでさえバクバクしていた心臓が一層激しく鳴り始めた。
もう、色々限界―!!
と、いうところで突如私の体は晴臣から引き剥がされた。
「…悪い、今のなし」
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