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課長と××× 2
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「…名実ともに『お姫様抱っこ』か…」
しみじみとした課長の呟きでハッとしてを目を開けた。
「あ、起きた?」
「…っ!??」
課長の顔が目の前にあって、反射的に仰け反った。
「じっとしてて。落ちるよ」
「え!?」
ゆらゆら揺れる感覚は、課長に抱きかかえられていたかららしい。
「自分で歩けますから!」
ジタバタと体を捩っても私を抱く手はビクともしない。
「もう着いたよ」
ドアが開けられ、数歩でベッドに降ろされた。
ここまでされてリビングで寝ますとは言えず、仕方なくベッドに座ったままお礼を言った。
「…一人で眠れる?」
「は?」
「いつもりっちゃんと寝てるんじゃないの?」
「は!?違っ。律とはそんな関係じゃありません!!」
「ここにこんな痕付けといて?」
スッと触れられた場所は、朝倉本さんに指摘された首筋。
お風呂に入る時にスカーフを外し、襟なしパジャマに着替えたので、普通に見えてしまっているらしい。
今課長に指摘されるまで私はその存在なんてすっかり忘れていた。
「りっちゃんが付けたってことは否定しないんだ?」
私を見下ろす課長の目は、どこか冷たい。
「…でも!本当にそういう関係じゃないんです。大体課長が自分のこと誘惑しろとか言うから…!」
「俺のせい?って、そんな話までしたの?」
何焦って余計なこと言っちゃったんだろうと後悔したけど、本当のことなので誤魔化すのをやめた。
「律はどんな小さなことでも隠し事は許してくれないんです」
「それが嫌で家出?」
「…家出じゃなくて、自立です。…それに、自立の理由は別です」
私が説明すれば説明するほど、課長の顔は混迷の色を強めていく。
「本当のところ、二人はどんな関係なの?」
「一言では言えないですけど、敢えて言うなら…主従関係…です」
「…何か普通の恋人同士って言われるよりエロいね」
「エロっ!?どこがですか!?」
「心は固く結ばれてのに、体は結ばれてないところ?」
「心が固く結ばれてる?なら自分の結婚相手が決まった夜に私にこんな痕残さないでしょ?」
吐き捨てた声があまりに冷たくて、自分でも驚いた。
心の芯まで凍り付いている私を、課長の温い腕がゆっくり包み込む。
「側に居るの、限界だったんだ?」
身体が勝手にギクリと反応する。
とっくに枯らしたはずの気持ちの核がまだ残っていることを言い当てられてしまった。
「よく頑張ったね」
課長の労わるような声に、律にぶつけられなかった感情が涙と嗚咽になって溢れ始め、私を包んでいた課長の身体にすがりついた。
しみじみとした課長の呟きでハッとしてを目を開けた。
「あ、起きた?」
「…っ!??」
課長の顔が目の前にあって、反射的に仰け反った。
「じっとしてて。落ちるよ」
「え!?」
ゆらゆら揺れる感覚は、課長に抱きかかえられていたかららしい。
「自分で歩けますから!」
ジタバタと体を捩っても私を抱く手はビクともしない。
「もう着いたよ」
ドアが開けられ、数歩でベッドに降ろされた。
ここまでされてリビングで寝ますとは言えず、仕方なくベッドに座ったままお礼を言った。
「…一人で眠れる?」
「は?」
「いつもりっちゃんと寝てるんじゃないの?」
「は!?違っ。律とはそんな関係じゃありません!!」
「ここにこんな痕付けといて?」
スッと触れられた場所は、朝倉本さんに指摘された首筋。
お風呂に入る時にスカーフを外し、襟なしパジャマに着替えたので、普通に見えてしまっているらしい。
今課長に指摘されるまで私はその存在なんてすっかり忘れていた。
「りっちゃんが付けたってことは否定しないんだ?」
私を見下ろす課長の目は、どこか冷たい。
「…でも!本当にそういう関係じゃないんです。大体課長が自分のこと誘惑しろとか言うから…!」
「俺のせい?って、そんな話までしたの?」
何焦って余計なこと言っちゃったんだろうと後悔したけど、本当のことなので誤魔化すのをやめた。
「律はどんな小さなことでも隠し事は許してくれないんです」
「それが嫌で家出?」
「…家出じゃなくて、自立です。…それに、自立の理由は別です」
私が説明すれば説明するほど、課長の顔は混迷の色を強めていく。
「本当のところ、二人はどんな関係なの?」
「一言では言えないですけど、敢えて言うなら…主従関係…です」
「…何か普通の恋人同士って言われるよりエロいね」
「エロっ!?どこがですか!?」
「心は固く結ばれてのに、体は結ばれてないところ?」
「心が固く結ばれてる?なら自分の結婚相手が決まった夜に私にこんな痕残さないでしょ?」
吐き捨てた声があまりに冷たくて、自分でも驚いた。
心の芯まで凍り付いている私を、課長の温い腕がゆっくり包み込む。
「側に居るの、限界だったんだ?」
身体が勝手にギクリと反応する。
とっくに枯らしたはずの気持ちの核がまだ残っていることを言い当てられてしまった。
「よく頑張ったね」
課長の労わるような声に、律にぶつけられなかった感情が涙と嗚咽になって溢れ始め、私を包んでいた課長の身体にすがりついた。
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