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葵の家探し 4
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「え?…会社の近くの普通のアパートだけど?」
「アパート?何階?」
「まあまあ。毎週末帰って来るんだし、詳しいことは落ち着いてからでいいんじゃないですか?」
「…ただの会社の上司はすっこんでてもらえます?」
律のキツい言葉にドキッとしたのは、それを向けられた唯人ではなく、私だった。
唯人はただの会社の上司なんかじゃない。
社長だし、昨晩関係を持ったばかりの相手で、おまけに私のことを好きだと言っている。
今この場でバラされたら…と思うと、緊張で変な汗が出てきた。
そんな私の心配をよそに、唯人は
「怒られちゃった」
と戯けて見せた。
とりあえず、反論する気はないらしい。
ホッとしたのも束の間で、律からの質問が始まった。
「アオ?で、何階?」
「え?一階だけど」
「は?バカか。女の一人暮らしで一階はありえないだろ?下着盗んでくださいって言ってるようなもんだぞ」
「えっ!そうなの!?」
「どうせセキュリティーのこととかも気にせず選んだんだろ?ちゃんとした物件一緒に選んでやるからパソコン開け」
こうして律監督のもと、一から物件選びが始まった。
物件選びが始まって、かれこれ一時間。
私は完全に蚊帳の外だった。
最初こそ律と二人で選んでいたものの、私と律の意見があまりに合わず(私は予算と立地重視、律はセキュリティーと設備重視)、いちいち衝突し、その度唯人が仲裁に入っているうちに、なんとなく律と唯人の意見が一致始め、私が弾かれた格好になった。
ねぇ。
私の家なんですけど…。
「アオ、ここにしろ」
遂に決まったらしい。
一緒に選んでいた唯人も大真面目な顔をして頷く。
「うん。ここがいいと思う。やっぱりっちゃんはお目が高い」
いつの間に、『りっちゃん』呼び…。
二人に手招きされてパソコンを覗き込んだ私は固まった。
「何これ…駅前のタワマンじゃん」
「セキュリティと設備考えたらこれが妥当だ」
「りっちゃんこそバカなの!?初期費用だけでいくらかかると思ってんのよ!破産するわ!」
「お前の安月給じゃ無理なら俺が出してやるよ」
「安っ…」
チラッと唯人の顔を見る。
社長の前で安月給って…すっごい微妙だけど、ここで唯人が社長っていう情報を律に与えると話がややこしくなる予感がする。
敢えて何も触れないでおこう。
「そんなんじゃ自立にならないでしょーっ!」
「アパート?何階?」
「まあまあ。毎週末帰って来るんだし、詳しいことは落ち着いてからでいいんじゃないですか?」
「…ただの会社の上司はすっこんでてもらえます?」
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唯人はただの会社の上司なんかじゃない。
社長だし、昨晩関係を持ったばかりの相手で、おまけに私のことを好きだと言っている。
今この場でバラされたら…と思うと、緊張で変な汗が出てきた。
そんな私の心配をよそに、唯人は
「怒られちゃった」
と戯けて見せた。
とりあえず、反論する気はないらしい。
ホッとしたのも束の間で、律からの質問が始まった。
「アオ?で、何階?」
「え?一階だけど」
「は?バカか。女の一人暮らしで一階はありえないだろ?下着盗んでくださいって言ってるようなもんだぞ」
「えっ!そうなの!?」
「どうせセキュリティーのこととかも気にせず選んだんだろ?ちゃんとした物件一緒に選んでやるからパソコン開け」
こうして律監督のもと、一から物件選びが始まった。
物件選びが始まって、かれこれ一時間。
私は完全に蚊帳の外だった。
最初こそ律と二人で選んでいたものの、私と律の意見があまりに合わず(私は予算と立地重視、律はセキュリティーと設備重視)、いちいち衝突し、その度唯人が仲裁に入っているうちに、なんとなく律と唯人の意見が一致始め、私が弾かれた格好になった。
ねぇ。
私の家なんですけど…。
「アオ、ここにしろ」
遂に決まったらしい。
一緒に選んでいた唯人も大真面目な顔をして頷く。
「うん。ここがいいと思う。やっぱりっちゃんはお目が高い」
いつの間に、『りっちゃん』呼び…。
二人に手招きされてパソコンを覗き込んだ私は固まった。
「何これ…駅前のタワマンじゃん」
「セキュリティと設備考えたらこれが妥当だ」
「りっちゃんこそバカなの!?初期費用だけでいくらかかると思ってんのよ!破産するわ!」
「お前の安月給じゃ無理なら俺が出してやるよ」
「安っ…」
チラッと唯人の顔を見る。
社長の前で安月給って…すっごい微妙だけど、ここで唯人が社長っていう情報を律に与えると話がややこしくなる予感がする。
敢えて何も触れないでおこう。
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