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唇を震わせながら、小さな口が開いた。
期待と喜びで心が満ちる。
夢じゃない。
この人、本当に俺を好きなんだ。
でなきゃこんなことできるわけない。
『どうすればいいか教えて』なんて言われていたけれど、もう胸がいっぱいで、最低限の要望しか思いつかない。
「歯、立てないでくださいね」
やばい。
声が上ずりそうになった。
奏音さんは緊張した面持ちで微かに頷くと、細い指を添えてゆっくりと俺を頬張った。
「んむ…」
熱い粘膜が俺を包み込む。
奏音さんの小さな口の中は、予想以上に気持ちいい。
それもきっと、俺の言葉を忠実に守って歯を立てないよう細心の注意を払ってくれているから。
しかし、奏音さんは、俺を口に含んだまま動く気配がない。
そうか。
俺の指示を待っているのか。
「…そのまま、ゆっくり頭を上下に動かしてください」
奏音さんは両手を付け根に添え直すと、俺の言ったとおり頭をスライドさせ始めた。
「ん゛っ…ん゛っ…」
頼んでもないのに、俺を少しでも悦ばせようと懸命に喉の奥まで咥えようとしてくれてるし。
なんて従順。
なんて健気。
俺のみっともない先走りのせいか、奏音さんの涎のせいか、或いは両方のせいか。
しばらく快感に浸っていると、徐々に口の中の潤みが増し、じゅぶじゅぶと卑猥な音が響いてきた。
聴覚まで刺激され、思ったより早くイキそう。
でも、奏音さんの初めてのご奉仕。
奏音さんには悪いけど、また終わらせたくない。
一度口から離させるために、経験上答えはNOだとわかりきっている、下らない質問をしてみる。
「…美味しいですか?」
ぷぁっと息継ぎをするように、奏音さんが俺を口から出したまでは思惑どおり。
でも、蕩けきった顔で返ってきた答えは想定外だった。
「味…分かん…ない。でも、口の中、きもちいい」
耳を疑って固まっていると、奏音さんは愛おしそうに付け根から先端まで舌で舐り上げてから、再び口に咥え込んだ。
同時に今までに感じたことのない、強烈な射精感が俺を襲う。
「ぁ、ちょ、奏音さん、待っ…!!」
唇で扱かれながら、口内でも舌が蠢き回る。
嘘だろう?
この人、昨日の夜まで処女だったよな!?
「離してっ…、出るから、離っ…あ、あ…!!」
どこまでも俺に従順な奏音さんが、口から俺を引き抜いたと同時に、先端から飛び出した白濁液が奏音さんの顔を直撃した。
「わっ…!すみません!!」
慌ててティッシュを掴み、顔を拭おうとすると、奏音さんはまだ蕩けたままの顔で唇に着いていた俺の精液を指先で拭って口に含んだ。
奏音さんが俺を飲み下すのにつられて、俺も喉を鳴らしてしまう。
「…昴の味…」
煽情的すぎる仕草に、今射精したばかりの下半身が再び熱くなりそうだ。
でも、今は俺まみれの顔をどうにかしてあげないと。
「こんなものまで舐めるなんて…どれだけ俺のこと好きなんですか?」
「うん、好き…大好き」
「いきなりこんな酷いことまでさせられて?」
「酷くなんかないよ。昴は優しいよ?」
奏音さんが、優しく俺の頭を撫でた。
「優しい?俺のどこが?」
自分の中のサディズムを自覚したのはついさっきだけど、基本的に強引で我侭な性格をしていると思っていたので意外だった。
「だって、初めて会った時、あんなにストレス溜めてたのは、女の子達の期待を裏切れなくて苦しんでたからでしょ?私とお見合いしたのも、お兄さんを亡くして失意の中にいるご両親を少しでも安心させるためだし、今日だって、酷いこと言ってるように見せかけて、海斗のこと助けてあげてたでしょう?今も、私のために我慢してくれてる」
期待と喜びで心が満ちる。
夢じゃない。
この人、本当に俺を好きなんだ。
でなきゃこんなことできるわけない。
『どうすればいいか教えて』なんて言われていたけれど、もう胸がいっぱいで、最低限の要望しか思いつかない。
「歯、立てないでくださいね」
やばい。
声が上ずりそうになった。
奏音さんは緊張した面持ちで微かに頷くと、細い指を添えてゆっくりと俺を頬張った。
「んむ…」
熱い粘膜が俺を包み込む。
奏音さんの小さな口の中は、予想以上に気持ちいい。
それもきっと、俺の言葉を忠実に守って歯を立てないよう細心の注意を払ってくれているから。
しかし、奏音さんは、俺を口に含んだまま動く気配がない。
そうか。
俺の指示を待っているのか。
「…そのまま、ゆっくり頭を上下に動かしてください」
奏音さんは両手を付け根に添え直すと、俺の言ったとおり頭をスライドさせ始めた。
「ん゛っ…ん゛っ…」
頼んでもないのに、俺を少しでも悦ばせようと懸命に喉の奥まで咥えようとしてくれてるし。
なんて従順。
なんて健気。
俺のみっともない先走りのせいか、奏音さんの涎のせいか、或いは両方のせいか。
しばらく快感に浸っていると、徐々に口の中の潤みが増し、じゅぶじゅぶと卑猥な音が響いてきた。
聴覚まで刺激され、思ったより早くイキそう。
でも、奏音さんの初めてのご奉仕。
奏音さんには悪いけど、また終わらせたくない。
一度口から離させるために、経験上答えはNOだとわかりきっている、下らない質問をしてみる。
「…美味しいですか?」
ぷぁっと息継ぎをするように、奏音さんが俺を口から出したまでは思惑どおり。
でも、蕩けきった顔で返ってきた答えは想定外だった。
「味…分かん…ない。でも、口の中、きもちいい」
耳を疑って固まっていると、奏音さんは愛おしそうに付け根から先端まで舌で舐り上げてから、再び口に咥え込んだ。
同時に今までに感じたことのない、強烈な射精感が俺を襲う。
「ぁ、ちょ、奏音さん、待っ…!!」
唇で扱かれながら、口内でも舌が蠢き回る。
嘘だろう?
この人、昨日の夜まで処女だったよな!?
「離してっ…、出るから、離っ…あ、あ…!!」
どこまでも俺に従順な奏音さんが、口から俺を引き抜いたと同時に、先端から飛び出した白濁液が奏音さんの顔を直撃した。
「わっ…!すみません!!」
慌ててティッシュを掴み、顔を拭おうとすると、奏音さんはまだ蕩けたままの顔で唇に着いていた俺の精液を指先で拭って口に含んだ。
奏音さんが俺を飲み下すのにつられて、俺も喉を鳴らしてしまう。
「…昴の味…」
煽情的すぎる仕草に、今射精したばかりの下半身が再び熱くなりそうだ。
でも、今は俺まみれの顔をどうにかしてあげないと。
「こんなものまで舐めるなんて…どれだけ俺のこと好きなんですか?」
「うん、好き…大好き」
「いきなりこんな酷いことまでさせられて?」
「酷くなんかないよ。昴は優しいよ?」
奏音さんが、優しく俺の頭を撫でた。
「優しい?俺のどこが?」
自分の中のサディズムを自覚したのはついさっきだけど、基本的に強引で我侭な性格をしていると思っていたので意外だった。
「だって、初めて会った時、あんなにストレス溜めてたのは、女の子達の期待を裏切れなくて苦しんでたからでしょ?私とお見合いしたのも、お兄さんを亡くして失意の中にいるご両親を少しでも安心させるためだし、今日だって、酷いこと言ってるように見せかけて、海斗のこと助けてあげてたでしょう?今も、私のために我慢してくれてる」
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