瓶怪人

ヒナタウヲ

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9 ざわつき

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 大変親しみのある呼び方が、私をざわつかせてしまう…

 そして同時に嫉妬を感じている自分を隠せない自身を、私はどうすべきかーー、そう思うと喉がからからに渇いてしまい、私は麦酒をコップに注ぐと、一気に喉奥に流し込みました。

 くーちゃん。みーちゃん…

 嫉妬は、この怪人の人脈環状輪サークルに「私」が入っていない事への嫉妬。

 あ、あ…怪人よ、何故、私奴を……輪の外の世界に置くのか…、これは「私」の嫉妬心からの声なき声。

 ぐっとした腸が煮え返るようなその呼び方を今飲み干した麦酒の様に胃袋で消化する為には、私は問いかけなければなりません。

ーーそう…「それは自分」だとはっきり指差した隣の男へ。

「あの…くーちゃん、と言うのは、あなたなんですか?」

 皆さんは、不意に此処で不思議に思うかもしれません。何故なら私は既に男と怪人噺をしています。ならば、共に顔見知りでは無いのか…、と。

 然し実はそれは違うのです。

 私はこの怪人噺について知っている人物を探し、やっとの思いで「男」にたどり着いたのです。

 ですから私はこの男の氏素性を知らないーーいや、それは少し語弊がありますね。氏素性を知らなければ、私はこの男にたどり着けるわけはない。
 
 そうです、その指摘通りです。

 正直に言えば、私は男の名前は知ってはいましたが、然し、彼がこの店で「くーちゃん」と呼ばれるような馴染みであるとは知らない訳です。

 つまり「くーちゃん」こと、九頭竜兵くずりゅうへいと言う佐官職人と言う男を…、です。





 
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