9 / 10
9 ざわつき
しおりを挟む
大変親しみのある呼び方が、私をざわつかせてしまう…
そして同時に嫉妬を感じている自分を隠せない自身を、私はどうすべきかーー、そう思うと喉がからからに渇いてしまい、私は麦酒をコップに注ぐと、一気に喉奥に流し込みました。
くーちゃん。みーちゃん…
嫉妬は、この怪人の人脈環状輪に「私」が入っていない事への嫉妬。
あ、あ…怪人よ、何故、私奴を……輪の外の世界に置くのか…、これは「私」の嫉妬心からの声なき声。
ぐっとした腸が煮え返るようなその呼び方を今飲み干した麦酒の様に胃袋で消化する為には、私は問いかけなければなりません。
ーーそう…「それは自分」だとはっきり指差した隣の男へ。
「あの…くーちゃん、と言うのは、あなたなんですか?」
皆さんは、不意に此処で不思議に思うかもしれません。何故なら私は既に男と怪人噺をしています。ならば、共に顔見知りでは無いのか…、と。
然し実はそれは違うのです。
私はこの怪人噺について知っている人物を探し、やっとの思いで「男」にたどり着いたのです。
ですから私はこの男の氏素性を知らないーーいや、それは少し語弊がありますね。氏素性を知らなければ、私はこの男にたどり着けるわけはない。
そうです、その指摘通りです。
正直に言えば、私は男の名前は知ってはいましたが、然し、彼がこの店で「くーちゃん」と呼ばれるような馴染みであるとは知らない訳です。
つまり「くーちゃん」こと、九頭竜兵と言う佐官職人と言う男を…、です。
そして同時に嫉妬を感じている自分を隠せない自身を、私はどうすべきかーー、そう思うと喉がからからに渇いてしまい、私は麦酒をコップに注ぐと、一気に喉奥に流し込みました。
くーちゃん。みーちゃん…
嫉妬は、この怪人の人脈環状輪に「私」が入っていない事への嫉妬。
あ、あ…怪人よ、何故、私奴を……輪の外の世界に置くのか…、これは「私」の嫉妬心からの声なき声。
ぐっとした腸が煮え返るようなその呼び方を今飲み干した麦酒の様に胃袋で消化する為には、私は問いかけなければなりません。
ーーそう…「それは自分」だとはっきり指差した隣の男へ。
「あの…くーちゃん、と言うのは、あなたなんですか?」
皆さんは、不意に此処で不思議に思うかもしれません。何故なら私は既に男と怪人噺をしています。ならば、共に顔見知りでは無いのか…、と。
然し実はそれは違うのです。
私はこの怪人噺について知っている人物を探し、やっとの思いで「男」にたどり着いたのです。
ですから私はこの男の氏素性を知らないーーいや、それは少し語弊がありますね。氏素性を知らなければ、私はこの男にたどり着けるわけはない。
そうです、その指摘通りです。
正直に言えば、私は男の名前は知ってはいましたが、然し、彼がこの店で「くーちゃん」と呼ばれるような馴染みであるとは知らない訳です。
つまり「くーちゃん」こと、九頭竜兵と言う佐官職人と言う男を…、です。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる