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彼の過保護が止まりません。
最近、朝が少しつらい。
体が鉛みたいに重くて、起き上がるまでに時間がかかる。
なんとなく気持ち悪いような、胸の奥がずっとざわざわしているような、説明しづらい違和感。
眠気も抜けなくて、頭もぼんやりしている。
でも、仕事に行くと意外と平気だったりする。
やることがあって、そのことだけを考える余裕がないからかもしれない。
だけどふと手を止めた瞬間──
急に波のように、ぐっとこみ上げてくる気持ち悪さが襲ってきて、慌てて水を飲むこともあった。
「詩乃さん、顔色悪いよ? 体調大丈夫?」
帰ってきた湊くんに、そんなふうに言われて、私は慌てて首を振った。
「大丈夫。ちょっと疲れてるだけかも」
笑ってごまかしたけど、彼の視線はずっと心配気で、優しかった。
本当は、わかっていた。
これがいつもの疲れとは違うと。
だけど、まだ言えなかった。
なんとなく予感はしているけど、確かなことが何もない。
それに、もし違ったらって考えたら……
ぬか喜びさせるようなことは言いたくなくて。
*
夕飯の準備をしながら、ぼうっとして手元を間違える。
「えっと……これ、冷蔵庫じゃないよね」
「それ冷凍だよ」
「……だよね。ごめん、ぼーっとしてた」
苦笑いしながら言った私に、湊くんは何も言わず、そっと手を貸してくれた。
その静かな優しさが、かえって胸に刺さる。
夜になって、体の怠さはますます強くなっていた。
さっきから、ソファに座ってるだけでも、目の奥がじんわり痛む。
どうにか平気なふりをしていたけど、そろそろ限界だった。
「……ごめん、湊くん。ちょっとだけ、今日は……休んでもいい?」
驚いたように見えた彼の顔を見て、また胸がチクリとする。
言いたくないわけじゃない。でも今は、まだ――。
「全然いいよ。休んでて。
詩乃さん、本当に大丈夫?無理しないで。キツかったら明日会社休んで。」
優しい声が、やけに胸に響いた。
寝室のドアを閉めて、私はゆっくりベッドに体を横たえた。
ぼんやりと天井を見上げながら、ゆっくり深呼吸を繰り返す。
あした、ちゃんと病院に行こう。
全部、わかったら、ちゃんと湊くんに話そう。
きっと、大丈夫。
そう言い聞かせ、目を閉じた。
*
翌日。
午後にお休みをもらって、ひとりで病院に行った。
予約していた産婦人科。
受付を済ませ、待合室でじっと座っているだけなのに、胸がどきどきして落ち着かない。
「橘さん」
名前を呼ばれて立ち上がる。
湊くんの名字で呼ばれるのも、やっと少し慣れてきた。
でもまだ、どこかくすぐったくて、それでも嬉しくて。呼ばれるたびに、胸があったかくなる。
診察台に横になると、先生が穏やかな声で言った。
「妊娠、されていますね。おめでとうございます」
その一言を聞いた瞬間、胸の奥がじんわり熱くなって、 なんとも言えない気持ちが込み上げてきた。
嬉しい。びっくり。戸惑い。安堵。
全部が一度に押し寄せてきて、言葉にならない。
「ありがとうございます」とだけ、かすれた声で答えた。
診察室を出て、会計までのあいだ、待合室の隅の椅子に腰を下ろす。
手の中には、小さな封筒。中には、さっきもらったエコー写真。
そっと取り出して、光にかざす。
白黒のかすかな影。その中に、ぽつんと、ほんの小さな命の輪郭。
まだ“形”とも言えないほどちいさいのに、そこにいるだけで、胸がいっぱいになる。
――ほんとに、いるんだ。
私の中に、私たちの子が。
無意識に、お腹にそっと手を添えていた。
「……ここに、いるんだ…」
思わず、ぽつりと呟いていた。
帰り道。
なんでもない道。いつも見慣れた景色。
それなのに、今日はまるで世界が柔らかく包み込んでくれるように見えた。
*
夜。
湊くんが帰ってきた。
玄関で、私は彼を出迎えた。
「ただいまー。詩乃さん、今日早退してたけど、起きてて大丈夫?体調どう?」
帰宅後、開口1番に私の心配をする湊くん。
私は小さく笑って、そっと彼の手を取った。
「湊くん、ちょっと、こっち来てくれる?」
「うん……?」
リビングのソファに並んで座る。 彼は不思議そうな顔のまま、私を見つめていた。
私は一度、深呼吸をした。
「今日ね、病院、行ってきたの」
「え……?」
その顔に少し緊張が走ったのがわかった。 でも、私はちゃんと伝えたくて、安心させるようゆっくり告げた。
「……妊娠、してるって」
数秒の沈黙。
湊くんの目が見開かれた。
そして、何かを言おうと開いた口からは、音が出なかった。
「ほんとに……?え……?」
彼の瞳が、みるみるうちに潤んでいく。 言葉にならないまま、ゆっくりと私のお腹に視線を落とす。
「すごい……、ほんとに……? 」
かすれた声。何度も何度も同じ言葉を繰り返す。
すると、彼の目尻から、
ぽろりと涙がこぼれて、静かに頬を伝った。
「み、湊くん……?」
私が呼ぶと、彼はまるで我に返ったように私の手を握りしめた。
「……ごめん、言葉、出ない。嬉しすぎて…………」
「うん。いいよ、言わなくて」
(ちゃんと、伝わってるよ。)
私も泣きそうになって、そっと彼の手を握り返す。
「私もね、正直まだ、実感ない。でもね、ちゃんといたの。私たちの子が、ここに」
お腹にそっと手を当てながら言うと、湊くんはその手に、もう片方の手を重ねた。
「ありがとう……詩乃さん。ありがとう…」
震える声でそう言って、彼は私の額にキスを落とす。そして、気持ちを伝えるように、優しく抱きしめてくれた。
それから、何も言わず、そっとお腹に顔を寄せた湊くんの姿に、 私は思わず微笑んでしまった。
「まだ小さすぎて、見えないけど……湊くんに似てたら嬉しいな」
「え、俺は絶対、詩乃さんに似て欲しい。けど……俺たちの子どもなら、どんな子でも絶対かわいい。」
その返事に、私の目からも、自然と涙がこぼれた。
*
「おはよう、詩乃さん。……えっ、立ってて大丈夫?! ちょっと、もう、家事とかいいから。座って、座って!」
朝。
キッチンに立っていただけで、速攻で湊に連れ戻された。
「ちょっと、湊くん?私は妊婦であって、怪我人じゃないよ?」
「いや、もう詩乃さんは俺にとって、“最重要特別指定人物”ですから。なるべく無理しないでください」
「なにそれっ」
思わず笑ってしまうほどの過保護っぷり。
妊娠したと告げたあの日から、湊の“俺が全部守る”スイッチは完全にONになっていた。
「お水飲んだ? 今日の気温、昨日より2℃高いらしいから、体調管理しっかりね」
「……え、気象予報士さん?」
「あと、通勤の電車、ちょっと混むから、キツければタクシー使っていいよ。アプリ登録しておいた」
「……えっ」
「それと会社のランチ、最近脂っこいって言ってたから、今日からお弁当つくる。てか、もうつくった」
「つくったの!?」
驚いて冷蔵庫を開けると、しっかりと包まれたお弁当箱。保冷バッグも準備済み。
「昨日の夜、詩乃さんが寝てからこっそり。俺の全愛情を詰め込みました。」
「……なんだか…すごく味が濃そうだね」
「愛が濃いって言ってください」
照れもなく言ってくるから、こっちが赤くなる。
「詩乃さんには、元気で笑っててほしいんだよ。だから、できることは全部やる。……今までも、これからも」
真っ直ぐな目。優しくて、ちょっと強引で、でも全部私のためで。
「……もう、ほんと…湊くんって」
「過保護?」
「うん。でも……そういうの、すごく、嬉しい。」
「よかった。じゃあ遠慮なく、これからも溺愛させてもらいます。」
湊は私の手を握って、指先にそっとキスを落とした。
「もうね……俺の人生、詩乃さんと、赤ちゃんがすべてだから」
「……うん。わたしも」
そう答えると、胸の奥がじんと熱くなった。
どこまでも大げさで、優しすぎる人。
――でも、その“過保護”が、今の私には何より心強くて、愛しくて、
私の方が、
もう、この人なしじゃ生きていけないかもって思うのだった。
(fin.)
体が鉛みたいに重くて、起き上がるまでに時間がかかる。
なんとなく気持ち悪いような、胸の奥がずっとざわざわしているような、説明しづらい違和感。
眠気も抜けなくて、頭もぼんやりしている。
でも、仕事に行くと意外と平気だったりする。
やることがあって、そのことだけを考える余裕がないからかもしれない。
だけどふと手を止めた瞬間──
急に波のように、ぐっとこみ上げてくる気持ち悪さが襲ってきて、慌てて水を飲むこともあった。
「詩乃さん、顔色悪いよ? 体調大丈夫?」
帰ってきた湊くんに、そんなふうに言われて、私は慌てて首を振った。
「大丈夫。ちょっと疲れてるだけかも」
笑ってごまかしたけど、彼の視線はずっと心配気で、優しかった。
本当は、わかっていた。
これがいつもの疲れとは違うと。
だけど、まだ言えなかった。
なんとなく予感はしているけど、確かなことが何もない。
それに、もし違ったらって考えたら……
ぬか喜びさせるようなことは言いたくなくて。
*
夕飯の準備をしながら、ぼうっとして手元を間違える。
「えっと……これ、冷蔵庫じゃないよね」
「それ冷凍だよ」
「……だよね。ごめん、ぼーっとしてた」
苦笑いしながら言った私に、湊くんは何も言わず、そっと手を貸してくれた。
その静かな優しさが、かえって胸に刺さる。
夜になって、体の怠さはますます強くなっていた。
さっきから、ソファに座ってるだけでも、目の奥がじんわり痛む。
どうにか平気なふりをしていたけど、そろそろ限界だった。
「……ごめん、湊くん。ちょっとだけ、今日は……休んでもいい?」
驚いたように見えた彼の顔を見て、また胸がチクリとする。
言いたくないわけじゃない。でも今は、まだ――。
「全然いいよ。休んでて。
詩乃さん、本当に大丈夫?無理しないで。キツかったら明日会社休んで。」
優しい声が、やけに胸に響いた。
寝室のドアを閉めて、私はゆっくりベッドに体を横たえた。
ぼんやりと天井を見上げながら、ゆっくり深呼吸を繰り返す。
あした、ちゃんと病院に行こう。
全部、わかったら、ちゃんと湊くんに話そう。
きっと、大丈夫。
そう言い聞かせ、目を閉じた。
*
翌日。
午後にお休みをもらって、ひとりで病院に行った。
予約していた産婦人科。
受付を済ませ、待合室でじっと座っているだけなのに、胸がどきどきして落ち着かない。
「橘さん」
名前を呼ばれて立ち上がる。
湊くんの名字で呼ばれるのも、やっと少し慣れてきた。
でもまだ、どこかくすぐったくて、それでも嬉しくて。呼ばれるたびに、胸があったかくなる。
診察台に横になると、先生が穏やかな声で言った。
「妊娠、されていますね。おめでとうございます」
その一言を聞いた瞬間、胸の奥がじんわり熱くなって、 なんとも言えない気持ちが込み上げてきた。
嬉しい。びっくり。戸惑い。安堵。
全部が一度に押し寄せてきて、言葉にならない。
「ありがとうございます」とだけ、かすれた声で答えた。
診察室を出て、会計までのあいだ、待合室の隅の椅子に腰を下ろす。
手の中には、小さな封筒。中には、さっきもらったエコー写真。
そっと取り出して、光にかざす。
白黒のかすかな影。その中に、ぽつんと、ほんの小さな命の輪郭。
まだ“形”とも言えないほどちいさいのに、そこにいるだけで、胸がいっぱいになる。
――ほんとに、いるんだ。
私の中に、私たちの子が。
無意識に、お腹にそっと手を添えていた。
「……ここに、いるんだ…」
思わず、ぽつりと呟いていた。
帰り道。
なんでもない道。いつも見慣れた景色。
それなのに、今日はまるで世界が柔らかく包み込んでくれるように見えた。
*
夜。
湊くんが帰ってきた。
玄関で、私は彼を出迎えた。
「ただいまー。詩乃さん、今日早退してたけど、起きてて大丈夫?体調どう?」
帰宅後、開口1番に私の心配をする湊くん。
私は小さく笑って、そっと彼の手を取った。
「湊くん、ちょっと、こっち来てくれる?」
「うん……?」
リビングのソファに並んで座る。 彼は不思議そうな顔のまま、私を見つめていた。
私は一度、深呼吸をした。
「今日ね、病院、行ってきたの」
「え……?」
その顔に少し緊張が走ったのがわかった。 でも、私はちゃんと伝えたくて、安心させるようゆっくり告げた。
「……妊娠、してるって」
数秒の沈黙。
湊くんの目が見開かれた。
そして、何かを言おうと開いた口からは、音が出なかった。
「ほんとに……?え……?」
彼の瞳が、みるみるうちに潤んでいく。 言葉にならないまま、ゆっくりと私のお腹に視線を落とす。
「すごい……、ほんとに……? 」
かすれた声。何度も何度も同じ言葉を繰り返す。
すると、彼の目尻から、
ぽろりと涙がこぼれて、静かに頬を伝った。
「み、湊くん……?」
私が呼ぶと、彼はまるで我に返ったように私の手を握りしめた。
「……ごめん、言葉、出ない。嬉しすぎて…………」
「うん。いいよ、言わなくて」
(ちゃんと、伝わってるよ。)
私も泣きそうになって、そっと彼の手を握り返す。
「私もね、正直まだ、実感ない。でもね、ちゃんといたの。私たちの子が、ここに」
お腹にそっと手を当てながら言うと、湊くんはその手に、もう片方の手を重ねた。
「ありがとう……詩乃さん。ありがとう…」
震える声でそう言って、彼は私の額にキスを落とす。そして、気持ちを伝えるように、優しく抱きしめてくれた。
それから、何も言わず、そっとお腹に顔を寄せた湊くんの姿に、 私は思わず微笑んでしまった。
「まだ小さすぎて、見えないけど……湊くんに似てたら嬉しいな」
「え、俺は絶対、詩乃さんに似て欲しい。けど……俺たちの子どもなら、どんな子でも絶対かわいい。」
その返事に、私の目からも、自然と涙がこぼれた。
*
「おはよう、詩乃さん。……えっ、立ってて大丈夫?! ちょっと、もう、家事とかいいから。座って、座って!」
朝。
キッチンに立っていただけで、速攻で湊に連れ戻された。
「ちょっと、湊くん?私は妊婦であって、怪我人じゃないよ?」
「いや、もう詩乃さんは俺にとって、“最重要特別指定人物”ですから。なるべく無理しないでください」
「なにそれっ」
思わず笑ってしまうほどの過保護っぷり。
妊娠したと告げたあの日から、湊の“俺が全部守る”スイッチは完全にONになっていた。
「お水飲んだ? 今日の気温、昨日より2℃高いらしいから、体調管理しっかりね」
「……え、気象予報士さん?」
「あと、通勤の電車、ちょっと混むから、キツければタクシー使っていいよ。アプリ登録しておいた」
「……えっ」
「それと会社のランチ、最近脂っこいって言ってたから、今日からお弁当つくる。てか、もうつくった」
「つくったの!?」
驚いて冷蔵庫を開けると、しっかりと包まれたお弁当箱。保冷バッグも準備済み。
「昨日の夜、詩乃さんが寝てからこっそり。俺の全愛情を詰め込みました。」
「……なんだか…すごく味が濃そうだね」
「愛が濃いって言ってください」
照れもなく言ってくるから、こっちが赤くなる。
「詩乃さんには、元気で笑っててほしいんだよ。だから、できることは全部やる。……今までも、これからも」
真っ直ぐな目。優しくて、ちょっと強引で、でも全部私のためで。
「……もう、ほんと…湊くんって」
「過保護?」
「うん。でも……そういうの、すごく、嬉しい。」
「よかった。じゃあ遠慮なく、これからも溺愛させてもらいます。」
湊は私の手を握って、指先にそっとキスを落とした。
「もうね……俺の人生、詩乃さんと、赤ちゃんがすべてだから」
「……うん。わたしも」
そう答えると、胸の奥がじんと熱くなった。
どこまでも大げさで、優しすぎる人。
――でも、その“過保護”が、今の私には何より心強くて、愛しくて、
私の方が、
もう、この人なしじゃ生きていけないかもって思うのだった。
(fin.)
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