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本編
18 モヤモヤ...? side ねこくん
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僕は途中参加だからあっという間だったが、皆にとっては長かっただろうイベントは、終了の声がかかり片付けもすぐに終わった。
あとは先輩が戻っくるのを待つだけだけど、僕の中ではずっとあの光景が頭から離れなかった。
それは僕が一年生の実験を見ているとき、ふと後ろの方から女子とはっしーの笑い声が聞こえてきた。
僕は少し気になって、そちらの方に目を向けると、予想通りの人物が楽しそうに笑い声を出していた。
僕はその様子に、また心の奥がモヤっとした。
何でこんなにモヤっとするんだろう...?
普通は特に気にしないような光景なのに...
僕はこのモヤモヤを振り払うためにそこから目を逸らした。
だけど、やっぱり気になってもう一度後ろを向くと、はっしーに亮が抱きついていた。
僕にはそれが衝撃的すぎてすぐに目を逸らしたが、しばらくの間、放心状態になっていた。
え、なんで亮がはっしーに抱きついてるの?
はっしーも普通に受け入れてたし...
僕の心の中で暗い気持ちが激しく渦巻いていた。
こんな感情があったなんて初めて知った。
でも、こんなに苦しいなら知りたくなかった...
僕はこの感情に蓋をして、見て見ぬふりをすることにした。
そして、無心で作業しているといつの間にか時間は過ぎていて、イベントが終了した。
だけど、頭の隅ではさっきの光景がずっと張りついて離れなかった。
楽しいまま終われたらよかったのに...
僕は先輩を待っている間、暇だな。と思い周りを見ると、はっしーが一人壁際にしゃがんでいるのを見て身体が勝手にはっしーの方向に近づいていった。
僕はもうあの感情を知りたくないのに...
でも少しでも話したい...
自分でも矛盾していると気づいていながら、もう身体が動いてしまっているから仕方ないと思いはっしーに話しかけた。
「はっしー、お疲れ様。」
「お~お疲れ~」
「今日は大変だったね。お客さん100人越えてたし。」
「あ~それな!予想外だったわ~そんなに来ないかな~と思ってたのに...というか俺のところの実験、人が来すぎだろ!もう少し休憩があってもいいんじゃね?まぁ、子供たち喜んでくれたからいいんだけどさ~」
彼は本当に疲れた様子だったけど、少し嬉しそうな、やりきったような表情をしていた。
「あはは、本当に大変だったね。はっしーのところたまに見てたけど、いつも混んでたよね。でも大盛況だったし、結果的には大成功だったのかな...?」
「まぁ、そうだな~でも早く帰って休みたい!」
「そうだね。」
彼の心の叫び?が少し面白くて、笑ってしまった。
「あ、何で笑うんだよ~」
「いや、なんでもないよ?」
僕は微笑みながらそう答えた。
この時間がずっと続けばいいのに...
でも、やっぱりさっきのことが...
僕は結局、さっきのことが気になってしまい、はっしーに尋ねることに決めた。
少しため息をつきながらしゃがみ、声を潜めて尋ねた。
「ねぇ、はっしー」
「ん?なに?ていうか何で声小さくしてんの?」
「あ~うん、うるさくしたらダメかなって。まぁそれはいいんだけど...
さっき僕見ちゃったんだよ、亮がはっしーに抱きついてるの。ああいうのは、あんまり外でしないほうが...いいんじゃ...?」
言っててハッとなった。
僕は何を言っているんだろうか。
別に二人が何をしていようが僕には関係ないじゃないか...
それなのにこんな嫌な言い方して...最低だ...
これじゃあ、はっしーに嫌われるな...
何で僕はこんなことを言ってしまったんだと自己嫌悪に陥り、何も言葉が出てこなかった。
ただ静かに流れる沈黙に心が苦しくなった。
僕はどうしようかと少し悩み、謝ろうと彼の方を向くと彼は目を丸くさせて呆然としていた。
「あ、えっと、はっしー?」
呼び掛けると、突然時が動き出した。
「ん!?あ、何?え、というか、え?」
相当動揺しているのか、発した言葉は全然言葉になっていなかった。
むしろ、僕の方がえ?って状態なんだけど...
なんでそんなに動揺しているんだろう?
「はっしー、落ち着いて。大丈夫?」
「あぁ、うん。大丈夫、大丈夫...」
全然大丈夫そうに見えないんだけど...
「...ごめん。少し言い過ぎた。さっきのことは気にしないで。」
「え?あぁ、いや、ムリ。」
「...え!?...なんで?」
「なんでって、いや、さっきのってようはあれだろ?」
はっしーは少し頬を赤く染めながら口に笑みを浮かべてニヤニヤしていた。
あれだろ?って言われてもわからないんだけど...
「あれってなに?」
僕がそう言うと、はっしーはきょとんとした表情を浮かべた。
「え、気づいてないの?まじで?」
何度も繰り返し聞いてくるが僕にはさっぱりわからなかった。
はっしーは少しため息をつきながら話し始めた。
「あ~あの、あれだよ。ねこは俺のこと...
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「おーい!皆、待たせちゃってごめんね~話が終わったから帰ろうか~」
はっ!ってああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!
妄想が...妄想が部長のせいで途中で切れたあああぁぁぁぁぁぁ
あとちょっとでいいところだったのに...
くぅ~でもこれ以上はもう時間がないしな~
一旦中断ですね~
でもでも、実はあの抱きつき現場をねこくんが見てたらって想像すると、結構萌えるわ~
嫉妬の嵐、それを抑えられずに言ってしまって、自分は気づいてないのに当の本人であるはっしーには、恋してるって気づかれちゃうって言うやつね!
いや、ねこくんの天然は最高ですね~
はぁ~癒し。最高です。
時間の都合上はっしーパートとかできないけど、なくても充分だわ。
むしろないほうがいいかもね~あっはっは~
「おーい、帰るよ~」
「!あ、はい!」
やばいやばい、また自分の世界に入っちゃってたわ...
うん、帰ろう。
あとは先輩が戻っくるのを待つだけだけど、僕の中ではずっとあの光景が頭から離れなかった。
それは僕が一年生の実験を見ているとき、ふと後ろの方から女子とはっしーの笑い声が聞こえてきた。
僕は少し気になって、そちらの方に目を向けると、予想通りの人物が楽しそうに笑い声を出していた。
僕はその様子に、また心の奥がモヤっとした。
何でこんなにモヤっとするんだろう...?
普通は特に気にしないような光景なのに...
僕はこのモヤモヤを振り払うためにそこから目を逸らした。
だけど、やっぱり気になってもう一度後ろを向くと、はっしーに亮が抱きついていた。
僕にはそれが衝撃的すぎてすぐに目を逸らしたが、しばらくの間、放心状態になっていた。
え、なんで亮がはっしーに抱きついてるの?
はっしーも普通に受け入れてたし...
僕の心の中で暗い気持ちが激しく渦巻いていた。
こんな感情があったなんて初めて知った。
でも、こんなに苦しいなら知りたくなかった...
僕はこの感情に蓋をして、見て見ぬふりをすることにした。
そして、無心で作業しているといつの間にか時間は過ぎていて、イベントが終了した。
だけど、頭の隅ではさっきの光景がずっと張りついて離れなかった。
楽しいまま終われたらよかったのに...
僕は先輩を待っている間、暇だな。と思い周りを見ると、はっしーが一人壁際にしゃがんでいるのを見て身体が勝手にはっしーの方向に近づいていった。
僕はもうあの感情を知りたくないのに...
でも少しでも話したい...
自分でも矛盾していると気づいていながら、もう身体が動いてしまっているから仕方ないと思いはっしーに話しかけた。
「はっしー、お疲れ様。」
「お~お疲れ~」
「今日は大変だったね。お客さん100人越えてたし。」
「あ~それな!予想外だったわ~そんなに来ないかな~と思ってたのに...というか俺のところの実験、人が来すぎだろ!もう少し休憩があってもいいんじゃね?まぁ、子供たち喜んでくれたからいいんだけどさ~」
彼は本当に疲れた様子だったけど、少し嬉しそうな、やりきったような表情をしていた。
「あはは、本当に大変だったね。はっしーのところたまに見てたけど、いつも混んでたよね。でも大盛況だったし、結果的には大成功だったのかな...?」
「まぁ、そうだな~でも早く帰って休みたい!」
「そうだね。」
彼の心の叫び?が少し面白くて、笑ってしまった。
「あ、何で笑うんだよ~」
「いや、なんでもないよ?」
僕は微笑みながらそう答えた。
この時間がずっと続けばいいのに...
でも、やっぱりさっきのことが...
僕は結局、さっきのことが気になってしまい、はっしーに尋ねることに決めた。
少しため息をつきながらしゃがみ、声を潜めて尋ねた。
「ねぇ、はっしー」
「ん?なに?ていうか何で声小さくしてんの?」
「あ~うん、うるさくしたらダメかなって。まぁそれはいいんだけど...
さっき僕見ちゃったんだよ、亮がはっしーに抱きついてるの。ああいうのは、あんまり外でしないほうが...いいんじゃ...?」
言っててハッとなった。
僕は何を言っているんだろうか。
別に二人が何をしていようが僕には関係ないじゃないか...
それなのにこんな嫌な言い方して...最低だ...
これじゃあ、はっしーに嫌われるな...
何で僕はこんなことを言ってしまったんだと自己嫌悪に陥り、何も言葉が出てこなかった。
ただ静かに流れる沈黙に心が苦しくなった。
僕はどうしようかと少し悩み、謝ろうと彼の方を向くと彼は目を丸くさせて呆然としていた。
「あ、えっと、はっしー?」
呼び掛けると、突然時が動き出した。
「ん!?あ、何?え、というか、え?」
相当動揺しているのか、発した言葉は全然言葉になっていなかった。
むしろ、僕の方がえ?って状態なんだけど...
なんでそんなに動揺しているんだろう?
「はっしー、落ち着いて。大丈夫?」
「あぁ、うん。大丈夫、大丈夫...」
全然大丈夫そうに見えないんだけど...
「...ごめん。少し言い過ぎた。さっきのことは気にしないで。」
「え?あぁ、いや、ムリ。」
「...え!?...なんで?」
「なんでって、いや、さっきのってようはあれだろ?」
はっしーは少し頬を赤く染めながら口に笑みを浮かべてニヤニヤしていた。
あれだろ?って言われてもわからないんだけど...
「あれってなに?」
僕がそう言うと、はっしーはきょとんとした表情を浮かべた。
「え、気づいてないの?まじで?」
何度も繰り返し聞いてくるが僕にはさっぱりわからなかった。
はっしーは少しため息をつきながら話し始めた。
「あ~あの、あれだよ。ねこは俺のこと...
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「おーい!皆、待たせちゃってごめんね~話が終わったから帰ろうか~」
はっ!ってああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!
妄想が...妄想が部長のせいで途中で切れたあああぁぁぁぁぁぁ
あとちょっとでいいところだったのに...
くぅ~でもこれ以上はもう時間がないしな~
一旦中断ですね~
でもでも、実はあの抱きつき現場をねこくんが見てたらって想像すると、結構萌えるわ~
嫉妬の嵐、それを抑えられずに言ってしまって、自分は気づいてないのに当の本人であるはっしーには、恋してるって気づかれちゃうって言うやつね!
いや、ねこくんの天然は最高ですね~
はぁ~癒し。最高です。
時間の都合上はっしーパートとかできないけど、なくても充分だわ。
むしろないほうがいいかもね~あっはっは~
「おーい、帰るよ~」
「!あ、はい!」
やばいやばい、また自分の世界に入っちゃってたわ...
うん、帰ろう。
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