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第一章
閑話:王子の悩み4 (マーティン視点)
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彼女の背を眺める中、カイザックはスッと笑みを消すと、呆れた様子で顔を向ける。
「ちょっと王子ー、なんなんですかあの態度?あれじゃぁ~仲良くなんてなれるはずないでしょう?」
「うぅ……ッッ、俺にもわからん。彼女……シャーロットを前にすると上手く話せないんだ」
そう弱音を吐く俺の姿に、カイザックは深いため息をつくと向かいの席へ腰かける。
「はぁ……ヘタレってことは知ってましたが、まさかここまでとは思ってませんでしたよ。よし、とりあえず練習しましょう。俺をシャーロット様だと思ってください」
はぁ!?こいつをシャーロット……、いやいやいや。
俺はあからさまに不満をあらわにすると、カイザックは楽しそうに笑って見せる。
「そんな顔しないで下さいよ~。とりあえずあの態度を続ければ、遅かれ早かれ嫌われちゃいますよ。ボソボソ……まぁもう手遅れかも……いや、とりあえずこれは置いといて。えーと、嫌われちゃってもいいんですかー?」
きっ、嫌われる!?それはダメだ。
好かれてはいないだろうが……嫌われれば恋愛結婚なんて夢のまた夢。
カイザックの言葉に俺は慌てて姿勢を正すと、真っすぐに向き合う。
今前にいるのはシャーロットだ、シャーロットなんだ。
パチパチと瞬きを繰り返し念仏のように唱えていると、カイザックが徐に空を見上げ口を開いた。
「今日はいい天気ですわね」
「ちょっ、お前いつから見てたんだ!?」
「それは置いといて。王子、俺は愛しいシャーロット様ですよー。ほら、ほら~」
カイザックは彼女の真似をしているのだろうか……気味の悪い笑みを浮かべ、再度天を見上げると、演技のようなわざとらしい仕草で、眩し気に目を細めた。
「……ッッそうだな、こんな日は剣術の特訓がしたくなるな」
そう返してみると、カイザックは信じられないと言わんばかりに大きなため息をついた。
「はぁ……何言ってんですか。彼女は生粋のご令嬢ですよ、剣なんて興味あるはずないじゃないですか。もっと女性の興味を惹かないと。えーと、例えば……流行りのものとか、宝石や花、あっ、プレゼントなんていいかもしれないですね。それに~~~~~」
どこでそんな情報を仕入れてきているのか……カイザックは流暢に女性について語り始める。
最近貴族社会で流行っているものや、巷での噂話等。
慌てて胸ポケットから紙を取り出しペンを走らせていく。
聞き逃さないよう必死で頷きながら聞いていると、突然カイザックが立ち上がった。
「あれ~、あそこにいるのは、キャサリン様じゃないですか。確かシャロット様と仲が良いはず!呼んでみましょう~。キャサリン様~~~~!!!」
カイザックは大きな声で呼びかけると、キャサリンがこちらへ振り返る。
しかしこちらへ向けられた表情は好意的なものではない。
苛立ったような訝し気な表情を浮かべこちらへ近づいてくると、どうも不機嫌な様子だ。
「キャサリン様、ひぃっ、どっ、どうしたんですか?呼び止めて怒ってます?」
「いえ、はぁ……どうしたもこうしたもないのよ。ケルを探していてね、あなたたち知らないかしら?」
ケル?ケルと言えば騎士の訓練場にいる、ケルヴィン殿のことだろうか。
確か彼女とケルヴィン殿は同級生だったはずだ。
「ケルヴィン殿なら騎士団長に会いにきていたが、どうしたんだ?」
「そんなところにいるのね。あいつまた面倒な令嬢を避けるために、私をだしに追い返したのよ。まったくッッ、あの腹黒、許さないんだから!」
そう悪態をつきながら、鬼の形相で拳を握りしめると、令嬢とは思えぬ速さで消えていった。
「いやぁ、怖い怖い。声をかけるタイミングがあれでしたね。それにしても確か、キャサリン様とケルヴィン殿は噂ではお付き合いされているとか。なら痴話げんかですね。王子もあのぐらい言えるようにならないとですねぇ。まぁ~いつになるかわからないですが」
「おぃ、どういう意味だ」
ギロリとカイザックを睨みつけてみると、怯える様子もなくニヤニヤと笑っていた。
そんな姿に苛立つが、彼の言っていることは間違っていない。
このままじゃ遅かれ早かれ……彼女に嫌われてしまうだろう。
婚約者になれたことだって奇跡に近いのに、何とか彼女との距離を詰めていかなければ……。
「ちょっと王子ー、なんなんですかあの態度?あれじゃぁ~仲良くなんてなれるはずないでしょう?」
「うぅ……ッッ、俺にもわからん。彼女……シャーロットを前にすると上手く話せないんだ」
そう弱音を吐く俺の姿に、カイザックは深いため息をつくと向かいの席へ腰かける。
「はぁ……ヘタレってことは知ってましたが、まさかここまでとは思ってませんでしたよ。よし、とりあえず練習しましょう。俺をシャーロット様だと思ってください」
はぁ!?こいつをシャーロット……、いやいやいや。
俺はあからさまに不満をあらわにすると、カイザックは楽しそうに笑って見せる。
「そんな顔しないで下さいよ~。とりあえずあの態度を続ければ、遅かれ早かれ嫌われちゃいますよ。ボソボソ……まぁもう手遅れかも……いや、とりあえずこれは置いといて。えーと、嫌われちゃってもいいんですかー?」
きっ、嫌われる!?それはダメだ。
好かれてはいないだろうが……嫌われれば恋愛結婚なんて夢のまた夢。
カイザックの言葉に俺は慌てて姿勢を正すと、真っすぐに向き合う。
今前にいるのはシャーロットだ、シャーロットなんだ。
パチパチと瞬きを繰り返し念仏のように唱えていると、カイザックが徐に空を見上げ口を開いた。
「今日はいい天気ですわね」
「ちょっ、お前いつから見てたんだ!?」
「それは置いといて。王子、俺は愛しいシャーロット様ですよー。ほら、ほら~」
カイザックは彼女の真似をしているのだろうか……気味の悪い笑みを浮かべ、再度天を見上げると、演技のようなわざとらしい仕草で、眩し気に目を細めた。
「……ッッそうだな、こんな日は剣術の特訓がしたくなるな」
そう返してみると、カイザックは信じられないと言わんばかりに大きなため息をついた。
「はぁ……何言ってんですか。彼女は生粋のご令嬢ですよ、剣なんて興味あるはずないじゃないですか。もっと女性の興味を惹かないと。えーと、例えば……流行りのものとか、宝石や花、あっ、プレゼントなんていいかもしれないですね。それに~~~~~」
どこでそんな情報を仕入れてきているのか……カイザックは流暢に女性について語り始める。
最近貴族社会で流行っているものや、巷での噂話等。
慌てて胸ポケットから紙を取り出しペンを走らせていく。
聞き逃さないよう必死で頷きながら聞いていると、突然カイザックが立ち上がった。
「あれ~、あそこにいるのは、キャサリン様じゃないですか。確かシャロット様と仲が良いはず!呼んでみましょう~。キャサリン様~~~~!!!」
カイザックは大きな声で呼びかけると、キャサリンがこちらへ振り返る。
しかしこちらへ向けられた表情は好意的なものではない。
苛立ったような訝し気な表情を浮かべこちらへ近づいてくると、どうも不機嫌な様子だ。
「キャサリン様、ひぃっ、どっ、どうしたんですか?呼び止めて怒ってます?」
「いえ、はぁ……どうしたもこうしたもないのよ。ケルを探していてね、あなたたち知らないかしら?」
ケル?ケルと言えば騎士の訓練場にいる、ケルヴィン殿のことだろうか。
確か彼女とケルヴィン殿は同級生だったはずだ。
「ケルヴィン殿なら騎士団長に会いにきていたが、どうしたんだ?」
「そんなところにいるのね。あいつまた面倒な令嬢を避けるために、私をだしに追い返したのよ。まったくッッ、あの腹黒、許さないんだから!」
そう悪態をつきながら、鬼の形相で拳を握りしめると、令嬢とは思えぬ速さで消えていった。
「いやぁ、怖い怖い。声をかけるタイミングがあれでしたね。それにしても確か、キャサリン様とケルヴィン殿は噂ではお付き合いされているとか。なら痴話げんかですね。王子もあのぐらい言えるようにならないとですねぇ。まぁ~いつになるかわからないですが」
「おぃ、どういう意味だ」
ギロリとカイザックを睨みつけてみると、怯える様子もなくニヤニヤと笑っていた。
そんな姿に苛立つが、彼の言っていることは間違っていない。
このままじゃ遅かれ早かれ……彼女に嫌われてしまうだろう。
婚約者になれたことだって奇跡に近いのに、何とか彼女との距離を詰めていかなければ……。
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