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第三章
怒りの瞳
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彼はどんな未来を見ているのかしら。
閉じ込められた檻の中では決してみることが出来ない世界。
私もこれから先、見られるのだろうか。
差し出された手に目を向けると、自然と笑みがこぼれ落ちる。
私の計画が成功すれば、ここへはいられなくなってしまう。
彼と共に剣の道へ進むことは不可能。
だけどその先で天文学はもちろん、剣術をしてみるのもいいかもしれないわね。
だってもう私を縛る鎖は、なくなるはずなのだから―――――。
「チャーリー、こんなところで何をやっているんだ!」
突然の声に振り返ると、逞しい腕が私の体へ巻き付いた。
そのまま引き剥がすように、引っ張られると、足がもつれバランスを崩す。
腕に支えられながらどうにか体勢を立て直すと、私はおもむろに首を上げた。
そこにはいつもと様子が違うマーティンの姿。
怒りが交じった琥珀色の瞳が映ると、体が小さく震えた。
どうしてそんなに怒っているのかしら……?
「マーティ……どっ、どうしたのっ……、少し話をしていただけよ……ッッ」
威圧感のある彼の姿に、思わず言葉を詰まらせる。
しかしマーティンは私を見ること無く、じっとナヴィーンを睨みつけたまま動かない。
まるで威嚇するようなその目に、空気がピリピリと張り詰めていった。
緊張感が漂う中、どうしてこんなことになっているのか、二人の姿を交互に見つめていると、ふとナヴィーンと視線が絡む。
グレーの瞳が優し気に細められると、彼はおもむろに口を開いた。
「シャーロット嬢、邪魔が入ったな、また今度ゆっくり話をしよう。さっきのこと考えておいてくれ」
ナヴィーンは先ほどの口調とは違い、優し気な声色でそう話す。
さっきの話……王妃を降り、一緒に高みを目指すことかしら?
へぇっ、あれは冗談ではなかったの!?
思ってもみなかった言葉にポカーンと口を開け固まっていると、ナヴィーンの視線がマーティンへ向いた。
「ふん、そうイライラするな。小さい男は嫌われるぜ。まぁその方が彼女のためかもしれないがな」
「なっ、チッ……ッッ」
舌打ちをしながら、眉間に皺をよせ苛立つマーティン。
意味が分からない言葉に首を傾げていると、捕らえる腕の力が強くなった。
ナヴィーンはまたこちらへ視線を向けると、軽く頭を下げ背を向ける。
校庭の方へ去って行くナヴィーンの背を眺めていると、視界を遮るようにマーティンが私を覗き込んだ。
「二人で……何の話をしていたんだ?」
琥珀色の瞳の奥に怒りの炎が揺れ動く。
彼は不満そうな表情でそう呟くと、琥珀色の瞳に私の姿が映し出される。
私を解放する気はないのだろう、彼はグッと私の腰を強く引き寄せると、クルリと体が反転した。
彼の顔が間近に迫り、息がかかるほどの距離に息が詰まる。
「あっ……ッッ、えーと、その……この前台無しにしてしまった試合について、謝罪をしていただけですわ」
「謝罪……?それにしては楽しそうだったじゃないか」
口をムッと結び、不機嫌な彼に戸惑っていると、体を捕らえている腕へ力が入る。
ぬいぐるみを抱きしめるようにギュッと胸へ押し付けられると、息苦しさに小さく身をよじらせた。
すると逃がさないと言わんばかりに力が入り、身動きが取れなくなっていく。
「はぁ……ッッ、マーティ、くっ、苦しいですわ……ッッ」
そう必死で彼の腕を掴むと、ハッとした様子で、飛び退きながら手を離す。
圧迫感がなくなり、深く息を吸い込み吐き出すと、私は恐る恐るに顔を上げた。
「……マーティ……?」
「あっ、いや、その悪い、あぁぁ、何やってんだ俺……ッッ。だが抱き心地が……柔らかくて、いい匂いで……あぁぁヤバイッ……何言ってんだッッ」
狼狽した様子で、わけのわからない言葉を呟いたかと思うと、ワシャワシャと頭をかいた。
目が前髪で隠れ表情が読めなくなったが、頬が微かに赤みがかっている。
大丈夫かしらと彼の顔を覗き込もうとした刹那、彼はクルリと向きを変えると、私を置いたまま、慌てた様子で逃げ去って行った。
……本当にどうしたのかしら?
小さくなっていく彼の背に首を傾げると、私はその場で佇んでいた。
閉じ込められた檻の中では決してみることが出来ない世界。
私もこれから先、見られるのだろうか。
差し出された手に目を向けると、自然と笑みがこぼれ落ちる。
私の計画が成功すれば、ここへはいられなくなってしまう。
彼と共に剣の道へ進むことは不可能。
だけどその先で天文学はもちろん、剣術をしてみるのもいいかもしれないわね。
だってもう私を縛る鎖は、なくなるはずなのだから―――――。
「チャーリー、こんなところで何をやっているんだ!」
突然の声に振り返ると、逞しい腕が私の体へ巻き付いた。
そのまま引き剥がすように、引っ張られると、足がもつれバランスを崩す。
腕に支えられながらどうにか体勢を立て直すと、私はおもむろに首を上げた。
そこにはいつもと様子が違うマーティンの姿。
怒りが交じった琥珀色の瞳が映ると、体が小さく震えた。
どうしてそんなに怒っているのかしら……?
「マーティ……どっ、どうしたのっ……、少し話をしていただけよ……ッッ」
威圧感のある彼の姿に、思わず言葉を詰まらせる。
しかしマーティンは私を見ること無く、じっとナヴィーンを睨みつけたまま動かない。
まるで威嚇するようなその目に、空気がピリピリと張り詰めていった。
緊張感が漂う中、どうしてこんなことになっているのか、二人の姿を交互に見つめていると、ふとナヴィーンと視線が絡む。
グレーの瞳が優し気に細められると、彼はおもむろに口を開いた。
「シャーロット嬢、邪魔が入ったな、また今度ゆっくり話をしよう。さっきのこと考えておいてくれ」
ナヴィーンは先ほどの口調とは違い、優し気な声色でそう話す。
さっきの話……王妃を降り、一緒に高みを目指すことかしら?
へぇっ、あれは冗談ではなかったの!?
思ってもみなかった言葉にポカーンと口を開け固まっていると、ナヴィーンの視線がマーティンへ向いた。
「ふん、そうイライラするな。小さい男は嫌われるぜ。まぁその方が彼女のためかもしれないがな」
「なっ、チッ……ッッ」
舌打ちをしながら、眉間に皺をよせ苛立つマーティン。
意味が分からない言葉に首を傾げていると、捕らえる腕の力が強くなった。
ナヴィーンはまたこちらへ視線を向けると、軽く頭を下げ背を向ける。
校庭の方へ去って行くナヴィーンの背を眺めていると、視界を遮るようにマーティンが私を覗き込んだ。
「二人で……何の話をしていたんだ?」
琥珀色の瞳の奥に怒りの炎が揺れ動く。
彼は不満そうな表情でそう呟くと、琥珀色の瞳に私の姿が映し出される。
私を解放する気はないのだろう、彼はグッと私の腰を強く引き寄せると、クルリと体が反転した。
彼の顔が間近に迫り、息がかかるほどの距離に息が詰まる。
「あっ……ッッ、えーと、その……この前台無しにしてしまった試合について、謝罪をしていただけですわ」
「謝罪……?それにしては楽しそうだったじゃないか」
口をムッと結び、不機嫌な彼に戸惑っていると、体を捕らえている腕へ力が入る。
ぬいぐるみを抱きしめるようにギュッと胸へ押し付けられると、息苦しさに小さく身をよじらせた。
すると逃がさないと言わんばかりに力が入り、身動きが取れなくなっていく。
「はぁ……ッッ、マーティ、くっ、苦しいですわ……ッッ」
そう必死で彼の腕を掴むと、ハッとした様子で、飛び退きながら手を離す。
圧迫感がなくなり、深く息を吸い込み吐き出すと、私は恐る恐るに顔を上げた。
「……マーティ……?」
「あっ、いや、その悪い、あぁぁ、何やってんだ俺……ッッ。だが抱き心地が……柔らかくて、いい匂いで……あぁぁヤバイッ……何言ってんだッッ」
狼狽した様子で、わけのわからない言葉を呟いたかと思うと、ワシャワシャと頭をかいた。
目が前髪で隠れ表情が読めなくなったが、頬が微かに赤みがかっている。
大丈夫かしらと彼の顔を覗き込もうとした刹那、彼はクルリと向きを変えると、私を置いたまま、慌てた様子で逃げ去って行った。
……本当にどうしたのかしら?
小さくなっていく彼の背に首を傾げると、私はその場で佇んでいた。
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