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第三章
どうしてここに?
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馬車が屋敷へ到着すると、私はすぐに中に駆けこみ、クローゼットから荷物を引っ張り出した。
そのままカバンを背負い動きやすい服装へ着替え、階段を駆け下りると、両親がいるだろうリビングの扉を開けた。
「お父様、お母様!まだお耳に入っているかわかりませんが……私シャーロットは、本日マーティン王子に婚約破棄を言い渡されました。ダメな娘で本当にごめんなさい。これ以上迷惑を掛けたくありませんの。だから……落ち着くまで家を出ますわ」
そう開口一番に話すと、両親は何が何だかわからないといった様子で、こちらへ顔を向けた。
今から出かけるのだろう、二人は余所行きの服装で、傍には執事とメイドが佇んでいる。
「チャーリー、どうしてここに?今日は卒業式のはずじゃぁ……。それよりも……こんやく……はき?そんな、そんなこと……どうしちゃったのよ?」
「どっ、どういう事だ!?一体何があったんだ!?」
父の言葉に私は目を伏せながら、目じりを指で擦る仕草をみせる。
「……ッッ、式が閉会後に突然王子から宣言されましたの……。私との婚約は破棄し、シンシアと婚約したいとおっしゃっておりましたわ……。私は二人の幸せを望んでおります。けれどシンシアとの婚約が改めて発表されれば、私は邪魔ものになってしまいます。ですので……どうか家を出ることをお許し下さい。私は王都から離れた別荘へ向かいますわ。落ち着くまで……そこで身を隠させて頂きたいのです」
母は顔を青ざめ、体を支えるように壁に手を突くが、その場にへたり込み泣き始めた。
父はそんな母の肩へ手をのせると、落ち着かせるように背をさすり始める。
「チャーリー、話は分かった。この話が本当であれば、別荘に行く件も了承しよう。だが今はとりあえず部屋へ戻って落ち着きなさい。手配が済んだら声をかける」
父の言葉に、私はそっと顔を伏せると、そのまま部屋を飛び出した。
手配となるとそれなりに時間がかかるだろう。
真偽の確認、王へ抗議をし、婚約を戻す動きも予測される。
やっとここまで来たのよ、婚約の話をもとに戻されるわけにはいかないわ。
それに両親へ移動する手配をしてもらい、執事やメイドを連れて優雅に出発するつもりもない。
けれどあれ以上話していても、単独で別荘へ行くことを許してはもらえないだろう。
ならこのまま強硬手段にでるしかないわ。
もう私は王妃になる令嬢ではない、婚約破棄をされた出来損ないの令嬢。
家のための結婚も難しいだろうし、今更両親の言う事を聞いて、いい子ぶり必要性もどこにもないわ。
私は部屋には戻らず外へ飛び出すと、迷うことなく厩舎へと向かう。
婚約をしたあの日からの計画が完遂したのだ、ここで失敗するわけにはいかない。
準備は万端よ、やっと自由のになれたのだから。
婚約破棄された私に一切の非はない。
周りから見れば、王妃教育を完璧にこなし、王子に好かれようと足繁く通う健気な令嬢だったはず。
そんな私が王子の勝手で婚約破棄をされたのだから、ショックのあまり家を飛び出したとしても、そこまで咎められないでしょう。
あぁ、これでようやくレールから抜け出せた。
ここからの人生は、私自身が選択できる。
私は晴れ渡った空を見上げると、そこにマーティンの姿が浮かび上がった。
私の前で見せたこと無い笑顔、その隣にはシンシアの姿。
寄り添う二人が歩んでいくその先……、これでいいのよ。
それよりも快適な隠居生活を送るには、お金は必ず必要になってくる。
金目になりそうな物はカバンへ詰め込んであるわ、これぐらいなら許してくれるでしょう。
でも住居が安定すれば、街へ出て働き、いつかこのお金は返さないとね……。
私は庭を抜け、荷物を提げたまま愛馬の元へ向かうと、そこになぜかケルヴィンの姿があった。
彼は先ほどの執事姿ではなく、なぜか乗馬用の服に着替えている。
「お嬢様、どちらへ行かれるのでしょうか?私が馬を操りましょう」
ケルヴィンは手綱を握り、ナチュラルに愛馬を連れて来ると、私の前で立ち止まった。
「へぇっ、ケル!?どうして……?あっ、と……ッッ、知っているかもしれないけれど……マーティン王子から婚約破棄をされてしまったの。だから落ち着くまでここを離れようと思っているの。私は一人で大丈夫。だからあなたはここに残……」
「いえ、私はお嬢様にお仕えする執事でございます。どこへ行こうともお供致しますよ」
言い終わらないうちに、断固たる意志を感じさせられる言葉がかぶせられる。
紺色の瞳を見つめると、真っすぐに私を見つめていた。
冗談や社交辞令ではなく、本気だと力強い瞳が告げている。
手にはいつの間に用意したのだろうか……大きなカバンを下げられていた。
そのままカバンを背負い動きやすい服装へ着替え、階段を駆け下りると、両親がいるだろうリビングの扉を開けた。
「お父様、お母様!まだお耳に入っているかわかりませんが……私シャーロットは、本日マーティン王子に婚約破棄を言い渡されました。ダメな娘で本当にごめんなさい。これ以上迷惑を掛けたくありませんの。だから……落ち着くまで家を出ますわ」
そう開口一番に話すと、両親は何が何だかわからないといった様子で、こちらへ顔を向けた。
今から出かけるのだろう、二人は余所行きの服装で、傍には執事とメイドが佇んでいる。
「チャーリー、どうしてここに?今日は卒業式のはずじゃぁ……。それよりも……こんやく……はき?そんな、そんなこと……どうしちゃったのよ?」
「どっ、どういう事だ!?一体何があったんだ!?」
父の言葉に私は目を伏せながら、目じりを指で擦る仕草をみせる。
「……ッッ、式が閉会後に突然王子から宣言されましたの……。私との婚約は破棄し、シンシアと婚約したいとおっしゃっておりましたわ……。私は二人の幸せを望んでおります。けれどシンシアとの婚約が改めて発表されれば、私は邪魔ものになってしまいます。ですので……どうか家を出ることをお許し下さい。私は王都から離れた別荘へ向かいますわ。落ち着くまで……そこで身を隠させて頂きたいのです」
母は顔を青ざめ、体を支えるように壁に手を突くが、その場にへたり込み泣き始めた。
父はそんな母の肩へ手をのせると、落ち着かせるように背をさすり始める。
「チャーリー、話は分かった。この話が本当であれば、別荘に行く件も了承しよう。だが今はとりあえず部屋へ戻って落ち着きなさい。手配が済んだら声をかける」
父の言葉に、私はそっと顔を伏せると、そのまま部屋を飛び出した。
手配となるとそれなりに時間がかかるだろう。
真偽の確認、王へ抗議をし、婚約を戻す動きも予測される。
やっとここまで来たのよ、婚約の話をもとに戻されるわけにはいかないわ。
それに両親へ移動する手配をしてもらい、執事やメイドを連れて優雅に出発するつもりもない。
けれどあれ以上話していても、単独で別荘へ行くことを許してはもらえないだろう。
ならこのまま強硬手段にでるしかないわ。
もう私は王妃になる令嬢ではない、婚約破棄をされた出来損ないの令嬢。
家のための結婚も難しいだろうし、今更両親の言う事を聞いて、いい子ぶり必要性もどこにもないわ。
私は部屋には戻らず外へ飛び出すと、迷うことなく厩舎へと向かう。
婚約をしたあの日からの計画が完遂したのだ、ここで失敗するわけにはいかない。
準備は万端よ、やっと自由のになれたのだから。
婚約破棄された私に一切の非はない。
周りから見れば、王妃教育を完璧にこなし、王子に好かれようと足繁く通う健気な令嬢だったはず。
そんな私が王子の勝手で婚約破棄をされたのだから、ショックのあまり家を飛び出したとしても、そこまで咎められないでしょう。
あぁ、これでようやくレールから抜け出せた。
ここからの人生は、私自身が選択できる。
私は晴れ渡った空を見上げると、そこにマーティンの姿が浮かび上がった。
私の前で見せたこと無い笑顔、その隣にはシンシアの姿。
寄り添う二人が歩んでいくその先……、これでいいのよ。
それよりも快適な隠居生活を送るには、お金は必ず必要になってくる。
金目になりそうな物はカバンへ詰め込んであるわ、これぐらいなら許してくれるでしょう。
でも住居が安定すれば、街へ出て働き、いつかこのお金は返さないとね……。
私は庭を抜け、荷物を提げたまま愛馬の元へ向かうと、そこになぜかケルヴィンの姿があった。
彼は先ほどの執事姿ではなく、なぜか乗馬用の服に着替えている。
「お嬢様、どちらへ行かれるのでしょうか?私が馬を操りましょう」
ケルヴィンは手綱を握り、ナチュラルに愛馬を連れて来ると、私の前で立ち止まった。
「へぇっ、ケル!?どうして……?あっ、と……ッッ、知っているかもしれないけれど……マーティン王子から婚約破棄をされてしまったの。だから落ち着くまでここを離れようと思っているの。私は一人で大丈夫。だからあなたはここに残……」
「いえ、私はお嬢様にお仕えする執事でございます。どこへ行こうともお供致しますよ」
言い終わらないうちに、断固たる意志を感じさせられる言葉がかぶせられる。
紺色の瞳を見つめると、真っすぐに私を見つめていた。
冗談や社交辞令ではなく、本気だと力強い瞳が告げている。
手にはいつの間に用意したのだろうか……大きなカバンを下げられていた。
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