ツンデレ王子とヤンデレ執事 (旧 安息を求めた婚約破棄(連載版))

あみにあ

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第三章

閑話:大好きなお姉様4

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お姉様との関係はぎくしゃくしたまま、私は16歳となり学園へ入学した。
そして初めて話したお姉様の婚約者であるマーティン王子。
巷では理想のカップルだ、なんて言われているけど、本当にそうなのかな。
でもその答えがすぐにわかった。
お姉様は王子様を好きじゃない……理想のカップルは上辺だけだってことが。
だけど嫌いでもなさそう、それに彼の趣味にあわせて足繁に城へ通っていた事実も知っている。

うーん、好きでもないのに、なんでだろう……?
いつものお姉様なら距離をとって、適当に愛想笑いしてそれで終わり。
寄り添うなんてありえない、なのに今回はちょっと違う。
気になるなぁ~。
まぁ考えてもわからないなら、様子を見るしかないよね。

それよりも気に食わないのは、あの執事が私より早くにここにいる事実。
最近走り回ってると思ったら、学園の隣にある騎士学校の講師をしているなんて……ビックリするよね。
どんだけお姉様のことが好きなのよ。
あぁ~でもよかったかなぁ~、お姉様に婚約者がいてくれて。
王子がどんな人かまだわからないけど、あの腹黒よりマシでしょう。

ケルヴィンは家でもお姉様をずっと見ていて、ストーカーばりに気持ち悪い。
それに気が付いていないお姉様もお姉様だけど。
てかあれだけ自分のことを把握されていて、なんとも思わないのかな。
まぁ……他人に興味のないお姉様なら当然か。
でも彼だけが、お姉様の表情を和らげるのも事実。
だけどどんなに想っても、報われないあいつを見ていると、少しいい気分になるよね。
だから奪うのをやめてあげたんだからね。
……別にあの事をばらされたくないとかじゃないんだから!

まぁ、とりあえずあいつを学園から追い出せないし、今はマーティン王子を観察しておこうかな。
将来私のお義兄様になる人だしね。

そして今日もブラブラと上級生の校舎へとやってくると、どうやら次の授業は移動のようで教室にお姉様の姿はない。
仕方がないと思い踵を返すと、視線の先に王子の姿が目に映った。
あれ、何してるんだろう?

「こんにちは、お義兄様~!」

何だかコソコソと隠れている王子へ声をかけると、彼は肩を大きく跳ねさせ、驚いた様子でこちらへ振り返る。
あまりの驚きように彼が見ていた窓を覗き視線の先をたどってみると、そこにはお姉様の姿。
令嬢たちに囲まれいつもの笑みを浮かべていた。

いつ見てもあの乾いた笑顔、誰も何とも思わないのかなぁ。
その姿に一抹の寂しさを感じる。
幼い時は苛立ちが先に出ていたが、こうやってお姉様との関係が悪化し話が出来なくなり、寂しいと感じるようになっていた。
けれど今更元に戻る方法何てわからない。
だってお姉様は本音でぶつかってくれないもの。

「義兄……ッッ、ビックリした、チャーリーの妹か。こんなところで、どうしたんだ?校舎が違うだろう?」

王子は表情を整えると、柔らかな笑みを浮かべ、こちらへ顔を向ける。

「う~ん、お姉様に会いに来たんだけど……それよりも何してたんですか~?」

とぼけた顔で尋ねてみると、王子は挙動不審に後退った。

「えっ、いや、あぁ、ちょっとな……」

何とも歯切れの悪い返事に首を傾げてみせると、窓の外にお姉様の姿がない。
王子はハッとした表情を見せると、慌てて窓の外を覗き込んだ。

「もしかしてお姉様を見ていたんですか?婚約者なんですから、近くにいったらいいじゃないですかー?」

「へぇっ、まぁ、そうなんだが……あんまりベタベタすると嫌がられるかもしれないだろう。だからだな……、いや、恥ずかしいところを見られてしまったな……」

王子は照れながら笑うと、その笑みからお姉様を好きな気持ちが伝わってくる。
ふ~ん、クラスで話をしているときにはわからなかったけれど、王子はちゃんとお姉様のことが好きなんだ。
王子の瞳はあのいけ好かない執事と同じ。
だけどこの王子……あの執事と違って、お姉様のことをちゃんと見れてない、そう感じた。
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