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エリックルート

※12証明とは

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背中から怒りのオーラが伝わってくる中、導かれるままに廊下を進んで行く。
こっちは私の部屋とは反対方向だ、どこへ行くのだろうか?
キョロキョロと辺りを見渡していると、彼は部屋の前で立ち止まると、そのまま中へと引きずり込む。
エリックは私の体を壁に押し付けると、かぶりつくように唇を奪った。

「ふぅん、んんっ……ッッ、うぅぅん、はぁ、はぁ……ッッ」

彼の舌に翻弄される中、私はエリックへとしがみつく。
カーテンが閉められ薄暗い部屋の中、クチュクチュと唾液がかき回される音が響くと、息苦しさにエリックの唇から離そうと顔を背けるが、またすぐに食べられてしまう。
どこまでも続く、荒々しい口づけに次第に脚の力が抜けていくと、彼は私の腰を支えながらも口づけを続けた。

「エリック……ッッ、はぁ、はぁ、んんんん、ふぅん、……ッッ」

エリックの唇からようやく解放されたかと思うと、彼は私を抱きしめベッドへと誘っていく。
ドンッとベッドへ押し倒されると、寂しそうに揺れる瞳が目の前に映った。

「先生……ううん、アレックス、最近あいつにばかり世話焼きすぎだよ」

あいつ……誰の事だろうか?
彼の言葉に首を傾げ頭を悩ませていると、呆れた様子でエリックはため息をついた。

「あいつだよ、転入してきたアイザック王子」

「あぁ彼か。いや、そんな事はない……だろう。だがな隣国の王子をあまり無下に出来ないというかなんというか……。それに後数日もすれば国へ帰るだろう?」

「はぁ……そうだけど。アレックスわかってるの?あいつはこの間の夜会でダンスを踊った相手だよ?」

「いや、まぁそうなんだが。彼は私があの時の令嬢だと気が付いていないだろう?」

「今はまだ気が付いていないだけ、もし気付いたら……」

エリックはボソボソと呟きながら私に覆いかぶさると、ローブを剥ぎ取り、ワイシャツのボタンへと手をかける。
あっという間に服が剥ぎ取られると、私は慌てて傍にあった布団の中へ潜り込んだ。
そんな私の様子にエリックは小さく笑うと、徐に口を開く。

「ねぇ、アレックス。僕の事アイザックよりも好き」

「あっ、そりゃ……えーと、その……ッッ」

好きとの言葉に、頬に熱が集まると、胸がドキドキと激しく高鳴る。
恥じらうように視線を逸らせると、彼は企むような笑みを浮かべて見せた。

「恥ずかしいの?なら、証明してみせて」

「証明?」

彼は可愛らしく笑うと、私を覗き込むように視線を向けた。

よくわからない言葉に首をかしげていると、彼はそっとベルトへと手をかけた。
そのままズボンを脱ぎ捨てると、大きな竿に視線が釘付けになる。

「ほら、アレックス咥えて」

咥える……ッッ!?
思いもよらぬ言葉に私は顔を真っ赤にしていると、エリックが私の口元まで竿を持ってくる。
どっ、どうすればいいんだ!?
こんな事したことないんだが……。
おどおどする中、見上げるように視線を向けると、早くしてとねだる
そんな彼の姿に私は意を決して竿をパクリと咥えると、彼が小さくうなった。

「……ッッ、気持ちいい。そのままもっと舐めて」

私は言われるままに竿に舌を添わせていくと、彼がビクビクと反応を見せる。
そんな彼の様子に、私はさらに激しく舌で竿を舐め取っていると、彼の呼吸が荒くなっていった。

クチュッ、クチュッ、クチュッ

「はぁ、はぁっ、……ッッ。アレックス気持ちぃぃ、次は握って……ねぇ」

私は布団から身を乗り出し、固くなった彼の竿に手を伸ばすと、舌を絡めながら動かした。
すると彼は私の手を重ねるように握ると、教えるように上下へ動かし始める。
私は真似るように激しく動かしてみると、竿がビクッと波打ち硬さが増していった。
ドクドクと鼓動を感じる中、そっと顔を上げてみると、荒く息を繰り返すエリックの姿が目に映る。
彼の感じる表情に、下半身がキュッと熱くなると、私は手探りながらも竿へ吸い付いた。

「……ッッ、はぁ、はぁ、……ぅッ、アレックス……ッッ」

彼の声に激しく手を動かしていると、ドクンドクンと竿が激しく波打った。
その瞬間エリックは強引に私の体を引きはがすと、そのままベッドへと縫い付ける。

「はぁ、はぁ、アレックス誰かにやってあげたことあるの?」

「えぇっ!?あっ、あるはずないだろう!?」

トロリとした青い瞳に見つめられる中、彼は何かを耐えるように顔を歪めると、胸元へ顔を埋める。

「エリック、あの……ちゃんと出来ていなかったか?ごめん……」

そう呟くと、エリックは強く私を抱きしめた。

「違う、気持ちよすぎておかしくなりそうだった」

彼の言葉に頬に熱が集まると、私はギュッと抱きしめ返した。

「次は、アレックスのばん。無茶苦茶に気持ちよくしてあげるね」

とんでもない言葉に目を丸くする中、エリックは優しくキスを落とすと、そのまま朝まで抱きつぶされただった。


*******おまけ*******

翌朝の教室で……。

「そういえば、アイザック王子は女嫌いだと噂を聞いたことがあるけれど、アレックス先生は大丈夫なんだな?」

「えっ、そうなのか?まぁ~あの姿なら女に見えないもんな。俺もずっと男だと思っていたし」

「俺もだよ、ってか先生のドレス姿めちゃめちゃ綺麗だったよなぁ。また着てくれねぇかなぁ」

教室内で生徒達がガヤガヤと煩い中、登校してきたアイザックは、信じられないとの様子で生徒の肩を掴んだ。

「お前、今の話は本当なのか?アレックス先生が女だって?」

凄みを利かせた声色に肩を掴まれた生徒は震えあがると、コクコクと首を何度も縦に振った。
怖がる生徒の隣から、一緒に会話をしていた別の生徒がアイザックの前に出ると、ボソボソと口を開く。

「私たちも最初は男性だと思っていたのですが、先日の卒業式に先生が女性の姿で現れた事で判明したのです」

その言葉にアイザックは眉を寄せると、生徒を強く睨みつける。
向けられた威圧感に、ひぃと小さく悲鳴を上げると、急ぎ足で教室から出て行った。

「先生が女?まさか……女ならすぐに気が付くはずだ。そういえばあの顔……」

アイザックは何か気が付いた様子で顔を上げると、予鈴と共に教室へやってきたアレックスをじっと見つめていた。
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