7 / 23
垂涎三尺②
しおりを挟むかくかくしかじかなことがあり、私は今大人たちに質問をされているのです。
質問というか尋問ですが………
とりあえずは状況理解ということで、事件の大まかな説明を執事長の方から受けました。
◇ ◇ ◇
-劇録!!執事長は語る!!-
あれは雨が降るある晩のことでした。
執事室にいた私はいつもと同じ様に仕事をしていました。
それは夜の11時を少し回ったぐらいだったでしょうか?
外からコツンコツンと何かが窓に当たる音が聞こえてきたのです。
恥ずかしながら私は少しホラーな物が不得手でして………
10分くらいたった後に勇気をだして、窓から外を覗いたのです。
すると、そこにはなんと私がお仕えする主の大切な大切な子供たちがいたのです。
私は慌ててその子供たちを保護しました。
可哀想なことに傘もささずに外にいたようで、子供たちはずぶ濡れでした。
子供たちの身体を清潔にしていると、いつの間にか子供たちは夢の中。
目が覚めた子供たちに主が何をしていて、何にあったのかと聞いても最初の方は何も話しませんでした。
ようやく聞き出せたのは、子供たちが何者かに攫われて連れ出される寸前に魔法を扱う子供が、魔法を駆使して盗賊を抹殺したということでした。
少々、突飛な話ではありましたがその日は雨だったために外に出ていた者がおらず目撃者がいなかったのです。
なので、私達は子供たちの話を信じるほかありませんでした。
◇ ◇ ◇
そして今に至ると。
「多分、その子供は妖精だったのよ!!
妖精さんが助けてくださったのだわ!!」
「………お嬢様、みっともないです。」
いいじゃないですか、少しくらい!!
ふざけて現実逃避をしてみても何も変わらないことぐらい分かっているのです。
分かっててもやるのが人間なのです。
だから、キリ。
そんな目で私を見つめるのはやめなさい。
絶対、私のことバカにしてるでしょう!!
私はこの事件に見覚えがありました。
キリと深夜の魔法練習をしているときのことです。
突然、遠くの森の方から叫び声が聞こえてきたのです。
遠くすぎて、私には聞こえませんでしたが。
「クレア、ごめん、ちょっと行ってくる!!」
なんて、物凄く焦ったキリが飛び出そうとするから慌てちゃいましたよ。
事情を説明してもらって、急いで森に向かうと、子供が二人盗賊達に襲われていました。
私は咄嗟にさっきまで練習していたオリジナルの魔法を使って盗賊を気絶させ、子供を保護しようとしたのです。
しかし、何故か私の戦闘姿を見た子供は一目散に走って逃げて行ってしまったのです。
ただ、私は盗賊達の身に纏っていたものを全部溶かし、死なない程度の火傷にしただけなのです。
なぜ、逃げたのでしょう?
因みに練習していたオリジナルの魔法は火属性魔法【メルト】と言って、その名の通り万物を溶かす魔法なのです。
調節も出来ますよ!!
そのことを父様に話すと顔を引きつらせながら
「そりゃ、怖いな……」
と言っていたのです。
はて?何が怖いのでしょうか?
そんなこんなでこの問題は解決!!
誤解は無事解けました。
やっと友達が出来る!!と思いましたが、さっきまで物凄く私を警戒していたのに、話しかけてくるでしょうか?
私だったら絶対話しかけないのです!!
断言できます!!
だとすると、これは私から話しかけるのが礼儀というものでしょう。
しかし、何て声をかけましょう?
キリに相談して………無理ですね、はい。
結局私は何も行動をおこせませんでした。
すると、なんと向こうから話しかけてくれたのです。
「初めまして。私はスフィア=ルールと申します。
先程は失礼な態度をとってしまい誠に申し訳ありませんでした。
先日は助けていただいてありがとうございました。」
「私が紛らわしいことをしたのが原因でおこったようなものなのです。
お気になさらず。
お隣どうしなのです。
気楽にいきましょう、気楽に。」
そうして、この事件は幕を下ろし、私には晴れて友達が出来たのです!!
その後、何回かお互いの家を行き来している内に、スフィアとは親友と呼べる程仲良くなりました。
双子の兄のクリスともそれなりに仲良くなりました。
でも、何かが胸に引っかかっているのです。
そう前世の『記憶』が何かを伝えようとしているのです。
クリスと私の間にあるものは、『友情』ではないと。
では、何だというのでしょう?
多分、その結論が出るのは、もっとずっと先のことなのでしょう。
今は分からなくても幸せなのです。
今はまだ………
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる