ライトブルーメモリー

某勇者

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A03.

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ふう…やっと、今日が終わる。
今日はびっくりしたな…
まさか洸が人魚だとは思わなかったよ。
まあ何が起きても素直に受け入れるけどさ…
相当つらかったんだろうな。
いつばれてもおかしくない。
ばれたら一巻の終わり。
多分、自分ひとりじゃ耐えきれないと思う。
だから、信頼してる俺に話したんだ。
俺なら誰にも言わずに、
つらさを受け止めてくれる。
そう思ってくれたんだ。
なら、その期待に応えてあげないとな。
……「守らなきゃ」か………
一体、誰に向けた言葉なんだろうな?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺は明日の用意をしながら、
今日の作戦を振り返った。
無事に成功して、黒2人を処分できた。
うまくいった…そう、成功したんだ。
なのに………これはなんだ?
なんでこんなにも不安感がある?
俺はふと、悠斗の写真を見た。
すると突然、とてつもない恐怖に襲われた。
まるで、そこに幽霊がいるような感じだ。
俺がこれほどまでに恐怖を味わうとは…
何か嫌な予感がする。
突然電話が鳴り響く。
相手は…veilか。
「おう、どうした?」
「感じた?」
「……お前もか?」
「うん。とてつもない恐怖だった。」
「ああ、まるで幽霊を見たような感じだ。」
「…幽霊…」
「おいおい、あくまでたとえ話だぜ?」
「わかってる。けど…そう言われたらそうとしか思えなくなってしまって…」
「ったく、しっかりしろよ?」
「ごめん…Deimosはだいじょうぶなの?」
「大丈夫なわけないだろ。」
「そうなの?」
「何か、とてつもないことが起きる気がする…」
「僕も。」
「んじゃ、そろそろ切るぞ。もう遅い。」
「わかった。」
俺は電話を切り、眠りについた。
…寝るその瞬間まで、恐怖をぬぐえないまま。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…本当に、よかった。
話して大丈夫なのかとても怖かったけど、
話せてよかった。
……でも、明日からが怖い。
なんとなく距離をとられるかもしれない。
ちょっと対応しづらくなるかもしれない。
そして何より…あの2人にまたぼこぼこにされるかもしれない。
悠斗の作戦がうまくいけばいいけど…大丈夫かな…?
私にできるのは………祈ることくらい…
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