物語好き少女とテンプレのような世界

某勇者

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第4話 ファントム

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優「この辺りは目立ちそう…」
私は側にあった木の枝で、地面にマークを書いた。
少し大きめで、丸の中に星。
優「ここを拠点にしよう。」
とりあえず、最初の目標はクリアできた。
優「それじゃあ…何か探してみようかな?」
このままだと死んでしまう、それに気づいた私は、今回初めて探索する。
必要なのは食料。
水は奇跡的に近くにあった滝が担っていた。
食料が無くても2週間は生きれるらしいけど、それほどまでに我慢するのは辛い。
私は視界が不明瞭な濃霧の中を進む。
滝の音はまだ聞こえる。
聞こえなくなったら終わり、だから注意して進まないと…
ザッ
優「…ん?」
足音がした。
その足音が聞こえた方角に顔を向けると…
目線の先に、人影があった。
だけどぼんやりしすぎてて姿形がわからない。
引いた方が良さそう。
!?
こっそり拠点に引き返し始めると、足音が迫ってきた。
追われている。
それを理解した刹那、私は全力で逃げた。
でも、相手も中々の速さで迫ってくる。
それに、私は激しい運動が苦手だから、すぐにバテてしまう。
でも、今はバテてはいけない。
バテたが最後、捕まる。
なのに….もう、体力は限界だった。
一応走り続けてはいるけど、全力と比べると明らかに遅かった。
それでも私は走って、走って…
拠点に着いたところで、ついに倒れてしまった。
動こうとしても、動けない。
探索したのはミスだった。
ごめん…キル。
そしていつのまにか…私は眠りについた。

私は、目を覚ました。
私は…どうなったの?
?「………ず、生かしたはいいものの…お前は彼女をどう思ってる?安全だと思っているか?」
…キル?
聞こえてきた声は、間違いなくキルの声だった。
でも、会話がおかしい。
内容からして、私を知らない。
それに、感の返事もない。
キ?「そうか…とりあえず彼女が起きたら、色々聞くか。ここがどこなのか、彼女はどこから来たかとかな…折角見つけた人だ、できる限り情報を絞り出したら、うまいことして協力させよう。」
怖かった。
何か怖い目に遭いそうだった。
キ?「…わかってる、何も危害は加えねぇよ。」
さっきからキルは、誰と話してるんだろう?
キ?「…なあ、感。」
感?キルと感が話しているの?
でもそれなら何で感の声が聞こえないの?
キ?「俺もそろそろ、そっちに行っていいか?」
!?
キ?「やっぱり、断るよな…でも、もう耐えられないんだ。お前と一緒に戦った最初で最後の戦い…あの時俺がもっとしっかり考えて、もっと早く行動に移していたら、お前は…生き返りはしないけど、幽霊として一緒にいられたんだ…だから辛くて、辛くて…生きる希望を失いそうになる。お前が死ぬ直前に『』と言ってきたけど、俺は耐えられなかった…耐えられる、わけがなかった。だから俺は、時々死のうとした。その度に、俺の幻影であるお前は怒ったり、殴ろうとしてくる。だから少しずつ、少しずつ生きていくんだ。でも………もう、疲れたんだ………………楽にさせてくれよ。お前が本当に、俺のことを思ってくれているなら。」
……………
優「そんなの、だめですよ。」
キ?「!?」
気づけば私は、キルに話しかけていた。
キ?「お前は…何も知らないくせに。」
優「話は全部聴きました。」
キ?「話を聞いたところで、お前にあれこれ言われるつもりはない。」
あまりまともには話をしてくれなさそう。
なら…こういうしかない。
優「…人殺し。」
キ?「…なんだと?」
優「あなたは人殺しよ。」
キ?「お前は何もわかっていない。」
キルは震えていた。
キ?「彼女を殺したのも、彼女を救う方法を奪ったのも、全部魔物たちのせいだ!それとも、判断できなかった俺を批判するつもりか?」
キルは剣を取り出し、私に刃先を向けた。
キ?「もう一度俺や彼女を侮辱してみろ…命はないと思え。」
私は動じなかった。
自分のことをしっかり伝えるって、決めたから。
キ?「うるさい、うるさい、うるさい!」
キルは、恐らくキルを止めようとした幻影の感に対しても、怒鳴っていた。
私が、教えないといけない。
彼の為に。
彼女の為に。
優「確かに感を殺したのも、救う手段を奪ったのも魔物だし、キルのせいで感を救えなかった、なんて言うつもりはない。でも今、あなたは感に、本当にとどめを刺そうとしてるの。」
キ?「何がいいたい!」
優「あなたは…感を愛しているの?」
キ?「当たり前だ…彼女に会った時から、既に彼女に引かれてた。それほどまでに、俺は彼女を愛していた。」
優「それなら…何で感との約束を破ろうとするの?」
キ?「やく…そく?」
優「『生きて。』それが、感があなたに約束させたこと…忘れたなんて、言わせない。あなたはその大切な約束を破ってまで、感に会いたいの?」
キ?「それ………は……………」
優「あなたはわかってるはずなの。本当は感との約束通りに生きないといけないって。それで生まれたのが…あなたの見ている、幻覚の感じゃない?」
キ?「…………………………」
優「お願い………感との約束を守って。」
言い切った。
私が言えることは、全て言った。
後は、キルが受け止めてくれるか。
…………………………
長い沈黙が続いた。
キルはずっと何かを考えている。
けど、遂にその口を開いた。
キ?「お前って、凄いんだな。」
優「感との約束は、守ってくれる?」
キ?「ああ、勿論だ。俺の目を覚ましてくれて、本当にありがとう。長い間、悪い夢を見てた気分だ。」
優「良かったー…もし伝わらなかったらどうしようと思ってた。」
キ?「心配をかけてすまなかった。改めて…助けてくれて、本当にありがとう。助けてもらったんだ、何か俺に協力して欲しいことがあったら、言ってくれ。全力で協力してやる。」
優「ありがとうございます!これからよろしくお願いします!」
キ?「よろしく。」


その後私とLKは、色々情報共有をしたり、ここで生き延びていく上で必要なものを整えた。
あ、LKっていうのは、Lost Killの略なの。
私が知っているキルとは違って、彼は感を救うことができなかった世界線のキルらしい。
話を戻して、私はLKに今までのことを話したの。
LK「なるほど、事情は聞かせてもらった。それなら俺たちに任せとけ。」
優「ありがとう。…そういえば、感とはどう?」
LK「俺が生きると決めてくれて、とても嬉しそうだぜ…でもそういえば、何で感は消えてないんだ?お前の仮説だと、俺に生きる選択をさせる為の存在だろ?」
優「うーん…わからない。」
LK「ま、そうか…でも、別にいいか。これまでは一緒、これからも一緒だ。」
優「そうですね。感もキルといれて、とても嬉しそうだし。」
LK「だな………おい待て、お前今なんて言った?」
優「え?確か…『感もキルといれて、とても嬉しそう』だったと思う。」
LK「…なあ、お前気付いてないのか?」
優「え、何!?」
失礼なことを言った覚えがない。
一体なんだろう?
LK「感は俺の目にだけ映る幻影のはずなのに、何でお前に見えてるんだよ?」
優「…あ、確かに!」
LK「全く、お前は来た原因といい、今のといい、色々不思議だな。」
優「私はなんなんだろう?」
LK「あいにく、俺にもサッパリだ。」
優「….とりあえず、よろしくね、感。」
私が感に手を振ると、感は少し戸惑いながらも、笑顔で手を振りかえしてくれた。
LK「次に食料だけど、こっちに大量のストックがある。2人分なら数ヶ月は持つだろ。」
優「そんなに沢山…」
LK「何が起こるかわからんからな、警戒しまくって損はない。」
優「それはそうだね。」
LK「最後に拠点。まあ見てもらった通り、ログハウスに焚き火だ。これがあれば、人が暮らしてるってわかるだろ。」
優「一瞬で作り上げた時はびっくりした…」
LK「まあ初見はインパクトあるだろうな。」
優「これで全部?」
LK「あ、最後に1つ。」
そういうと、LKが何かを投げ渡してきた。
これは…スマホ?
LK「『ポイントセンサー』登録したものとの距離と方角を示してくれる便利ものだ。俺たちは機械なしで使えるけど、お前はそうはいかないだろ?」
優「どれだけ準備万端なの?」
LK「よく言われるのは、『0.01%の可能性すら危惧して準備するサバイバーの鑑』だな。」
優「凄いね…」
LK「呆れた?」
優「いや、尊敬してる!」
LK「なら良かった。」
ちなみにこれは本当に尊敬してる。
色んな可能性を考慮できるって凄いからね。
LK「さてと…やっとひと段落ついたし………今日は晩飯食って寝るか。」
優「そうだね…『幻影と虚無の勇者』と一緒なら、とても安心できる。」
LK「『幻影と虚無の勇者』?それって俺か?」
優「うん。私のところのキル達と区別つけたいから。」
LK「なるほど?それじゃそっちの2つ名は?」
優「うーん…『奇跡と勇気の勇者』かな?」
LK「へぇ…会ってみたいな。」
優「会えるよ。いつか、必ず。」

~Multiverse Hero~
彼女の幻影と共に生きる キル
「これからも宜しくな、感」
『(o^^o)』
感を失ったタイムライン。
旅の途中で感を失ったキルは、
感情を失った。そして、
その直後から感の幻影が見えるように。
仲間も彼の状況を理解してくれている。
時々会いに行ってもいいかと聞くが、
もちろん、毎回断られている。
そうして彼は少しずつ生きている。
別名
「幻影と虚無の勇者」

奇跡を噛み締めて生きる キル&感
『○○○○○○○○○○○?』
「○○○、○○○○○○○○○○○○○。」
オリジナルのキルと感。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○。
別名
「奇跡と勇気の勇者」












あとがき
書きたい部分詰め込んだら3852文字。
差が激しすぎるなこれは。
でも一応自信ありです。
Multiverse Heroのオリジナルの説明は
本文に出てきたら載せる予定。
とりあえず疲れた、お疲れ自分。
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