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第1話 学園の魔法使い候補生
scene4 ターゲットの捜索
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現場はいつも分からない。残念ながら、戦隊ものであるような「〇〇地区に怪人出現!」みたいなことはない。そんなものがあったら、ターゲットの調査なんて必要ない。行動パターンを念入りに調べ、出現率が高いところを割り出してターゲットの出現場所を推測する。
というわけで、さっそく校舎を練り歩く。ここは高等部棟一階。職員室や下駄箱がある。比較的生徒が集まりやすい場所だが、今はほんの数人しかいない。帰っているのならどうしようもないが、ターゲットがまだ残っているのなら人が少ない放課後は見つけやすい。見逃すということがまずない。それに、残っている生徒は部活をしていることが多いから、大人数がまとまってくれている。これはヴァンパイアを始末するうえで大変助かる。
ヴァンパイアを始末するという行為は、なるべく人がいない方がいい。目撃者のトラウマに残りやすいからだ。始末といっても火の始末みたいに簡単ではなく、少なからず戦闘を行う。ヴァンパイアの方はいつも命懸けだ。何せ、人間の血を吸った罰として僕らに殺されるのだから、彼らは死なないために必死なのだ。僕たちも血を吸われて死んでしまうかもしれないから、どちらも命懸けの戦闘をする。まさに、死闘だ。目の前でそんなことをしていたら、間違いなく心の奥深くに傷を刻むだろう――結果、誰かが死ぬのだから。
『高等部棟にはいないみたい』
耳に着けたイアホンから聞こえたのは、美絵里ちゃんの声だった。彼女はラボで校内中に設置された防犯カメラのライブ映像を見て、ターゲットのヴァンパイアを探している。僕は実際に歩き、美絵里ちゃんは映像から探索しているというわけだ。探索時間を短縮できるうえに、発見から時間を置かずに始末を開始できる。
美絵里ちゃんの声は続く。
『体育館と多目的ホールにはいないみたい。あ、図書館もいない。初等部棟にも幼等部棟にもいないなあ』
「じゃあ、中学部棟だね」
『データじゃ、今日のこの時間は図書館にいるはずなんだけどね。ほら、かなでちゃんって本の虫じゃない』
「ターゲットをなれなれしく呼ぶなって、この前赤嶺先輩に言われたばかりだろう。呼び名は『ターゲット』に統一しなきゃ」
『堅いなあ、クロムは。かなでちゃんはあたしの三十番目くらいに仲のいいお友達だよ。いい子だし、人望も厚いんだよ。この前なんて落としたプリント拾ってくれて、そしたら首に嚙みつかれそうになって……』
今日のターゲット、普通に噛みつくな。というか、三十番目の友達って。それほど仲良くないじゃないか。
『まあ、そんなことどうでもいんだけどね。もう処刑されるんだし』
美絵里ちゃんはそんな残酷なことをさらりと言って、通信を切った。
彼女にはこんなこともあるが、決して悪い子ではない。仕事とプライベートがしっかりと分けている、素直で立派ないい子だと思ってほしい。
何分もおかずに、再びイアホンから声がした。
『発見した! 中学部棟三階、二年二組教室前!』
「了解!」
僕は聞き終えるよりも早く、ダッシュ禁止の廊下を全力で走って、下駄箱を抜け、中学部棟に向かった。
というわけで、さっそく校舎を練り歩く。ここは高等部棟一階。職員室や下駄箱がある。比較的生徒が集まりやすい場所だが、今はほんの数人しかいない。帰っているのならどうしようもないが、ターゲットがまだ残っているのなら人が少ない放課後は見つけやすい。見逃すということがまずない。それに、残っている生徒は部活をしていることが多いから、大人数がまとまってくれている。これはヴァンパイアを始末するうえで大変助かる。
ヴァンパイアを始末するという行為は、なるべく人がいない方がいい。目撃者のトラウマに残りやすいからだ。始末といっても火の始末みたいに簡単ではなく、少なからず戦闘を行う。ヴァンパイアの方はいつも命懸けだ。何せ、人間の血を吸った罰として僕らに殺されるのだから、彼らは死なないために必死なのだ。僕たちも血を吸われて死んでしまうかもしれないから、どちらも命懸けの戦闘をする。まさに、死闘だ。目の前でそんなことをしていたら、間違いなく心の奥深くに傷を刻むだろう――結果、誰かが死ぬのだから。
『高等部棟にはいないみたい』
耳に着けたイアホンから聞こえたのは、美絵里ちゃんの声だった。彼女はラボで校内中に設置された防犯カメラのライブ映像を見て、ターゲットのヴァンパイアを探している。僕は実際に歩き、美絵里ちゃんは映像から探索しているというわけだ。探索時間を短縮できるうえに、発見から時間を置かずに始末を開始できる。
美絵里ちゃんの声は続く。
『体育館と多目的ホールにはいないみたい。あ、図書館もいない。初等部棟にも幼等部棟にもいないなあ』
「じゃあ、中学部棟だね」
『データじゃ、今日のこの時間は図書館にいるはずなんだけどね。ほら、かなでちゃんって本の虫じゃない』
「ターゲットをなれなれしく呼ぶなって、この前赤嶺先輩に言われたばかりだろう。呼び名は『ターゲット』に統一しなきゃ」
『堅いなあ、クロムは。かなでちゃんはあたしの三十番目くらいに仲のいいお友達だよ。いい子だし、人望も厚いんだよ。この前なんて落としたプリント拾ってくれて、そしたら首に嚙みつかれそうになって……』
今日のターゲット、普通に噛みつくな。というか、三十番目の友達って。それほど仲良くないじゃないか。
『まあ、そんなことどうでもいんだけどね。もう処刑されるんだし』
美絵里ちゃんはそんな残酷なことをさらりと言って、通信を切った。
彼女にはこんなこともあるが、決して悪い子ではない。仕事とプライベートがしっかりと分けている、素直で立派ないい子だと思ってほしい。
何分もおかずに、再びイアホンから声がした。
『発見した! 中学部棟三階、二年二組教室前!』
「了解!」
僕は聞き終えるよりも早く、ダッシュ禁止の廊下を全力で走って、下駄箱を抜け、中学部棟に向かった。
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