愛情探偵の報告書

雪月 瑠璃

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行き過ぎた愛は嫉妬を生む 第1話

scene7 2日目の調査開始

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 次の日、昨日の夕食に劣らないほど豪華な朝食を頂いたあと、車を出してもらい、調査へ出発した。出かけるまでに車を普通の車にするか、リムジンにするか……ということがあったが、調査には関係ないので割愛する。
 そんなわけで、何だかんだあって黒塗りのリムジンを出してもらって屋敷を出た。運転席に座るのは大川さんなのだが、実はとても心配している。僕を探してダクトに迷い込んでしまうような人にハンドルを任せたくなかったのだが、「主様のそばを離れるわけにはいきません」とやや強引に運転席に座ってしまったのだ。結局、別の人にしてほしいとも言えず、今に至る。
    本当に大丈夫なのだろうか。途中で事故を起こして警察のお世話になるとか、絶対に嫌だ。
 だが、そんな不安は徐々に薄まっていった。大川さんは赤信号では停まり、発進時はちゃんと左右を確認して、道路標識に則って運転をした。
つい、「感心しました、大川さんが運転できるなんて」などという失礼なことを言ってしまった。
「お褒めいただき大変光栄でございます。余談ではございますが、車の他にもトラックやトラクター、ダンプカー、バイク、飛行機、船、水上バイクなど、水陸、大きさ問わずほとんどの乗り物を操縦することができます」
 昨日の『ダクトの中に迷い込んでしまった』発言はなんだったんだ。めちゃくちゃ出来る人じゃないか。
 とにかく、安全運転ができる人らしい。何でも運転できるとなると、僕の仕事もはかどりそうだ。残念なことに、僕は運転免許を持っていない。自転車は乗れるが持っていないため、移動手段はバスか電車か徒歩だ。
 閑話休題。
 屋敷を出発して初めての信号で止まったとき、僕は目的地を告げた。
「『喫茶ヤエ』というところに行ってもらえますか? 待ち合わせがあるんです」
「お仕事にはまだ行かれないのですか?」
「お仕事ですよ。情報屋に会いに行くんです」
「情報屋ですか。映画とかテレビにしかいない存在だと思っておりましたが、実在するのですね」
猫田狼夜ねこたろうやっていう男なんですけどね、映画のイメージが崩れるかもしれません」
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