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肥沃な土地が広がるオルグラントにとって、雨は恵みである。
広い畑が広がっているのだから水撒きだけでも重労働であり、十分に水をやれないことだってあるのだから、雨が降ると言うのはありがたいことである。
それだけではなく、使える水の確保と言う意味でも雨が降ることを望むことだってあるほどである。
しかし、レッドはそんな雨がどうしても陰鬱な気持ちにさせていた。
「いつまでそうやって、外を眺めているんですか?」
リベルテが軽く湯気の昇るコップをテーブルの上に置き、そちらに座るようにと促してくる。
「……すまない。どうしても思い出して、な」
雨の日にはどうしても、尊敬する冒険者の先輩であったマークのことが思い起こされるのだ。
普段は明るく陽気な人柄で近くに居るだけで気持ちが軽くさせてくれる人だけど、人であったり物であったり、何かを守る時にはとても真剣で、それが冒険者になったばかりのレッドにとって格好良く、目指したい目標になっていた。
レッドが今も王都での仕事にこだわっているのは、王都から離れたくないと言う我が侭ではなく、王都で越えたい存在があるからである。
しかし、そんな目標であったマークは、こんな雨の日に亡くなってしまった。
守るべき人を守ろうと体を張り、守りたい人と共に命を落としたのだが、マークはこれから幸せを掴もうとしていた間際で、マークが亡くなってしまったあの日から、レッドは雨が降るとどうしても、悪い印象が浮かんできてしまうのだ。
城ではアンリを排除する話があがっていようで、実際に動いているような跡もあるらしい。
冷たいかもしれないが、ただアンリが排除されるだけならば、レッドはそこまで気にするつもりはなかった。
このオルグラントでも、亡くなる人と言うのは少ないわけではない。
病気で亡くなる人も、飢えで亡くなる人も、モンスターに襲われて亡くなる人も存在する。
それが災いを引き起こすことの多い『神の玩具』となれば、王都で普通に暮らしている人たちに比べれば向ける気持ちなど無い。
だから、レッドは実際に事が動いても騒ぎにならない内に終わって、人伝に彼女が亡くなったことを聞くことになるくらいだと思っていた。
しかし、今はタカヒロが城勤めになっている。
タカヒロは面倒くさがりであり、渦中の人物を助けに動くようなことは考えられないし、何よりリベルテの家にはマイが残っている。
レッドは、タカヒロがマイを置いて、彼女とどこかに逃げるとは考えていない。
いないのだが、タカヒロもまた『神の玩具』なのである。
どこかでこの世界に生きている自分たちと、考えることが違うことがあるのではないかとも思ってしまうのだ。
「マイはどうしてる?」
「部屋でフクフクの毛づくろいと、薬の調合をしていると思いますよ」
外は雨が降っている。
嬉しい雨であるが、雨の中を外出するのは多くの人はごめんである。
そのため、家で過ごすのがほとんどになり、この雨でフクフクは湿気で羽が少し反ったりしてしまっているフクフクを、マイがせっせと笑顔で手入れをしているらしい。
笑顔で作業している理由として、最近のマイは普段の薬の調合の他に、フクフクのような飼育できるモンスター用の薬を作ろうとしているそうで、フクフクの羽の手入れに使えないか実際に使って試せるからのようだった。
フクフクの羽の手入れと言うと、人で言うところの美容品に当たるのだが、もちろんそちらもマイが手作りしているものがある。
髪に使う物と顔に使う物と、そして手用の物とあるらしく、リベルテがあれこれと感想を伝えながら使い、その都度マイが改良しているらしい。
マイがこだわって作っているので、かなり効能が良いらしく、時折、リベルテが満面の笑みを浮かべながら鏡を見ている姿を目にしてしまうことがあるくらいだった。
それくらいの効能の物は市場には無いそうで、タカヒロがこれでかなり稼げるね、と口にして、リベルテも売りに出されたら買います、と意気込んでいるので、相当な品物になりそうである。
そもそもの素材集めと調合自体が気を遣うらしく、大量に作って売り出そうと言う気はまだマイに無いので何事も無いが、売りに出そうとしたらレッドはなんとしても止める気でいる。
リベルテもかなり入れ込んでいる効能であるから、売りに出されれば本当に荒稼ぎしそうだと、レッドは警戒しているのだ。
この世界では過去に世界中のお金と言えるくらい集めた商会だ存在した。
売りになる商品の見つけ方、売り方と言った手腕からあまりにも異質であり、その商会の創始者は『神の玩具』と考えられている。
その商人は稼ぐと言うことに集中しすぎていたため、悲惨な最期を迎えていた。
この世界ではお金がどう造られ、どれくらい存在しているのか、考えたことなど無かったのだろうとレッドは考えている。
お金は金や銀や銅を鉱山から掘って鋳造して造られているそうなのだから、採れる量、造られる量は決まっているし、いつまでも変わらずに造り続けられるものでは無いはずなのだ。
それが一手に集約され、ほとんどの人の手元から無くなってしまうとなれば、人々は何かを手に入れるのに買うのではなく、交換するしかなくなってしまい、それが平民だけではなく、貴族や王であっても同じことになってしまう。
それでは国が立ち行くはずが無い。
国が国であることを保つためには、一手に財を集めている商会に狙いを向けることになるのは誰であってもすぐたどり着く考えとなる。
その商会に媚びても、その商人の気持ち次第でいくらでも覆されることになるのだから、奪い取ることを選択する。
そしてそれが多くの国が同じ結論になれば……。
レッドは、リベルテが入れてくれたコップに手を添える。
白湯が入ったコップからじんわりと熱が手に広がってくる。
日中はまだまだ暑いことの多い季節であるが、雨が降ると気温は下がる。
この季節に合わせた服は生地が薄めであるため、レッドの体は少し冷えていたようで、白湯の温かさにありがたさを感じながら、レッドはゆっくりと口をつける。
「大丈夫ですよ」
「何がだ?」
リベルテがふいにレッドに向けて言った言葉の意味がわからなく、レッドはすぐに聞き返してしまった。
「あの人の排除はまだ動かないはずですよ。豊穣祭がありますから。今の時期に動いてしまうと豊穣祭に影響が出てしまいます。城の火種を排除したはずなのに、王都で暮らす人たちや祭りを目当てに来る人たちの不満を作り出してしまうかもしれないとあれば、普通であれば時期を見計らいます」
あれこれと命令を出す者にとって、命令する相手の不満を溜め過ぎるのは愚かである。
その溜まった不満が、命令を下したものに暴力となって返ってきてしまうかもしれないのだから、自分の身を守るにも、利益を守るにもそんな悪手はしてはいけない。
特に国を担っている者たちにとって、平民たちの不満を溜める過ぎるのは大きな問題に繋がりやすいのでしっかりと対応しなければいけないのだ。
平民たちの不満であれば兵をもってねじ伏せるのは簡単かもしれないが、それで平民を排除してしまうと国の人口が減ることになり、国の生産力だとか戦力をただ下げるだけになる。
周囲に他の国が存在しなければ一顧だにしないで排除に動いてしまうかもしれないが、オルグラントは周囲に他の国があり、敵対している国なのだから自分たちの国の力を徒に落とすことは出来ないのである。
それに豊穣祭は、この国が出来て以来、ずっと続けられてきた人々の楽しみとなっている祭りであるため、開催させないことになれば、多くの人たちから不満を買ってしまうことになり、その不満はいつか国への協力心を落とし、敵国への利にしかならなくなってしまう。
名誉を重んじる貴族たちにとって、長く続いた国を滅ぼした者たちとして名を残すのは、受け入れられない汚点でしかないのだ。
「そうだな……。まだ大丈夫そうか」
リベルテに指摘されて、レッドは大きく息を吐いた。
「今まで聞いてきませんでしたが、レッドは彼女に助かってほしいのですか?」
リベルテの問いかけに、レッドのコップに添えた手に力が入る。
「……それがよくわからん」
どうでも良いと言い切るのは簡単だった。つい先ほどまではそう考えてもいたのだ。
しかし、タカヒロたちと一緒に過ごしてきたことで、タカヒロたちは仲間だと、この王都で生きる人間だと思うようになっている。
そうなると、仲間の知り合いである彼女には、助かって欲しいとも思えてくるのだ。
しかし、アンリは『神の玩具』である。
そしてアンリは、この国で生きている人たちを、一人の人間として見ていない。
これまで、王都で騒動であったり、騒乱を引き起こしてきた他の『神の玩具』たちと変わらない。
自分の考えだけを信じきっていて、それに沿わない者は敵としか考えられていないのではないかと、レッドはずっと感じてきていた。
そのことを思えば、アンリは助からない方がこの国にとって良いことにも思えている。
だが、アンリはタカヒロの知り合いであり、タカヒロが彼女を助けようと動かないとは断言出来ない。
レッドはコップを両手で握る。
タカヒロがそんな動きをした時、タカヒロを止められるのか、最悪、斬ることが出来るのか、レッドは真剣に思い悩む。
その悩みは目に見て分かってしまうようで、リベルテがレッドと同じような痛ましげな表情を見せていた。
レッドは自身のせいでリベルテを暗くしてしまったことを反省して、気持ちを変えるようにまた外に目を向ける。
外はまだ雨が降り続けているが、この雨の中を動き回っている人たちの姿が視界に映る。
「今年もいろいろと食べられるように、稼いで置かないとだな……」
豊穣祭までは何事も起きないはず、と言うリベルテの言葉に救いを求めるように、レッドは口にする。
「そうですね。またマッフルの新作があると良いのですけど」
レッドとリベルテは、お互いに不安を押し隠すようにして、少し苦い笑みを見せあう。
遠くで雷の音が聞こえた気がしていた。
それから数日して、レッドたちはアンリが行方をくらましたと言うことを、タカヒロから告げられるのだった。
広い畑が広がっているのだから水撒きだけでも重労働であり、十分に水をやれないことだってあるのだから、雨が降ると言うのはありがたいことである。
それだけではなく、使える水の確保と言う意味でも雨が降ることを望むことだってあるほどである。
しかし、レッドはそんな雨がどうしても陰鬱な気持ちにさせていた。
「いつまでそうやって、外を眺めているんですか?」
リベルテが軽く湯気の昇るコップをテーブルの上に置き、そちらに座るようにと促してくる。
「……すまない。どうしても思い出して、な」
雨の日にはどうしても、尊敬する冒険者の先輩であったマークのことが思い起こされるのだ。
普段は明るく陽気な人柄で近くに居るだけで気持ちが軽くさせてくれる人だけど、人であったり物であったり、何かを守る時にはとても真剣で、それが冒険者になったばかりのレッドにとって格好良く、目指したい目標になっていた。
レッドが今も王都での仕事にこだわっているのは、王都から離れたくないと言う我が侭ではなく、王都で越えたい存在があるからである。
しかし、そんな目標であったマークは、こんな雨の日に亡くなってしまった。
守るべき人を守ろうと体を張り、守りたい人と共に命を落としたのだが、マークはこれから幸せを掴もうとしていた間際で、マークが亡くなってしまったあの日から、レッドは雨が降るとどうしても、悪い印象が浮かんできてしまうのだ。
城ではアンリを排除する話があがっていようで、実際に動いているような跡もあるらしい。
冷たいかもしれないが、ただアンリが排除されるだけならば、レッドはそこまで気にするつもりはなかった。
このオルグラントでも、亡くなる人と言うのは少ないわけではない。
病気で亡くなる人も、飢えで亡くなる人も、モンスターに襲われて亡くなる人も存在する。
それが災いを引き起こすことの多い『神の玩具』となれば、王都で普通に暮らしている人たちに比べれば向ける気持ちなど無い。
だから、レッドは実際に事が動いても騒ぎにならない内に終わって、人伝に彼女が亡くなったことを聞くことになるくらいだと思っていた。
しかし、今はタカヒロが城勤めになっている。
タカヒロは面倒くさがりであり、渦中の人物を助けに動くようなことは考えられないし、何よりリベルテの家にはマイが残っている。
レッドは、タカヒロがマイを置いて、彼女とどこかに逃げるとは考えていない。
いないのだが、タカヒロもまた『神の玩具』なのである。
どこかでこの世界に生きている自分たちと、考えることが違うことがあるのではないかとも思ってしまうのだ。
「マイはどうしてる?」
「部屋でフクフクの毛づくろいと、薬の調合をしていると思いますよ」
外は雨が降っている。
嬉しい雨であるが、雨の中を外出するのは多くの人はごめんである。
そのため、家で過ごすのがほとんどになり、この雨でフクフクは湿気で羽が少し反ったりしてしまっているフクフクを、マイがせっせと笑顔で手入れをしているらしい。
笑顔で作業している理由として、最近のマイは普段の薬の調合の他に、フクフクのような飼育できるモンスター用の薬を作ろうとしているそうで、フクフクの羽の手入れに使えないか実際に使って試せるからのようだった。
フクフクの羽の手入れと言うと、人で言うところの美容品に当たるのだが、もちろんそちらもマイが手作りしているものがある。
髪に使う物と顔に使う物と、そして手用の物とあるらしく、リベルテがあれこれと感想を伝えながら使い、その都度マイが改良しているらしい。
マイがこだわって作っているので、かなり効能が良いらしく、時折、リベルテが満面の笑みを浮かべながら鏡を見ている姿を目にしてしまうことがあるくらいだった。
それくらいの効能の物は市場には無いそうで、タカヒロがこれでかなり稼げるね、と口にして、リベルテも売りに出されたら買います、と意気込んでいるので、相当な品物になりそうである。
そもそもの素材集めと調合自体が気を遣うらしく、大量に作って売り出そうと言う気はまだマイに無いので何事も無いが、売りに出そうとしたらレッドはなんとしても止める気でいる。
リベルテもかなり入れ込んでいる効能であるから、売りに出されれば本当に荒稼ぎしそうだと、レッドは警戒しているのだ。
この世界では過去に世界中のお金と言えるくらい集めた商会だ存在した。
売りになる商品の見つけ方、売り方と言った手腕からあまりにも異質であり、その商会の創始者は『神の玩具』と考えられている。
その商人は稼ぐと言うことに集中しすぎていたため、悲惨な最期を迎えていた。
この世界ではお金がどう造られ、どれくらい存在しているのか、考えたことなど無かったのだろうとレッドは考えている。
お金は金や銀や銅を鉱山から掘って鋳造して造られているそうなのだから、採れる量、造られる量は決まっているし、いつまでも変わらずに造り続けられるものでは無いはずなのだ。
それが一手に集約され、ほとんどの人の手元から無くなってしまうとなれば、人々は何かを手に入れるのに買うのではなく、交換するしかなくなってしまい、それが平民だけではなく、貴族や王であっても同じことになってしまう。
それでは国が立ち行くはずが無い。
国が国であることを保つためには、一手に財を集めている商会に狙いを向けることになるのは誰であってもすぐたどり着く考えとなる。
その商会に媚びても、その商人の気持ち次第でいくらでも覆されることになるのだから、奪い取ることを選択する。
そしてそれが多くの国が同じ結論になれば……。
レッドは、リベルテが入れてくれたコップに手を添える。
白湯が入ったコップからじんわりと熱が手に広がってくる。
日中はまだまだ暑いことの多い季節であるが、雨が降ると気温は下がる。
この季節に合わせた服は生地が薄めであるため、レッドの体は少し冷えていたようで、白湯の温かさにありがたさを感じながら、レッドはゆっくりと口をつける。
「大丈夫ですよ」
「何がだ?」
リベルテがふいにレッドに向けて言った言葉の意味がわからなく、レッドはすぐに聞き返してしまった。
「あの人の排除はまだ動かないはずですよ。豊穣祭がありますから。今の時期に動いてしまうと豊穣祭に影響が出てしまいます。城の火種を排除したはずなのに、王都で暮らす人たちや祭りを目当てに来る人たちの不満を作り出してしまうかもしれないとあれば、普通であれば時期を見計らいます」
あれこれと命令を出す者にとって、命令する相手の不満を溜め過ぎるのは愚かである。
その溜まった不満が、命令を下したものに暴力となって返ってきてしまうかもしれないのだから、自分の身を守るにも、利益を守るにもそんな悪手はしてはいけない。
特に国を担っている者たちにとって、平民たちの不満を溜める過ぎるのは大きな問題に繋がりやすいのでしっかりと対応しなければいけないのだ。
平民たちの不満であれば兵をもってねじ伏せるのは簡単かもしれないが、それで平民を排除してしまうと国の人口が減ることになり、国の生産力だとか戦力をただ下げるだけになる。
周囲に他の国が存在しなければ一顧だにしないで排除に動いてしまうかもしれないが、オルグラントは周囲に他の国があり、敵対している国なのだから自分たちの国の力を徒に落とすことは出来ないのである。
それに豊穣祭は、この国が出来て以来、ずっと続けられてきた人々の楽しみとなっている祭りであるため、開催させないことになれば、多くの人たちから不満を買ってしまうことになり、その不満はいつか国への協力心を落とし、敵国への利にしかならなくなってしまう。
名誉を重んじる貴族たちにとって、長く続いた国を滅ぼした者たちとして名を残すのは、受け入れられない汚点でしかないのだ。
「そうだな……。まだ大丈夫そうか」
リベルテに指摘されて、レッドは大きく息を吐いた。
「今まで聞いてきませんでしたが、レッドは彼女に助かってほしいのですか?」
リベルテの問いかけに、レッドのコップに添えた手に力が入る。
「……それがよくわからん」
どうでも良いと言い切るのは簡単だった。つい先ほどまではそう考えてもいたのだ。
しかし、タカヒロたちと一緒に過ごしてきたことで、タカヒロたちは仲間だと、この王都で生きる人間だと思うようになっている。
そうなると、仲間の知り合いである彼女には、助かって欲しいとも思えてくるのだ。
しかし、アンリは『神の玩具』である。
そしてアンリは、この国で生きている人たちを、一人の人間として見ていない。
これまで、王都で騒動であったり、騒乱を引き起こしてきた他の『神の玩具』たちと変わらない。
自分の考えだけを信じきっていて、それに沿わない者は敵としか考えられていないのではないかと、レッドはずっと感じてきていた。
そのことを思えば、アンリは助からない方がこの国にとって良いことにも思えている。
だが、アンリはタカヒロの知り合いであり、タカヒロが彼女を助けようと動かないとは断言出来ない。
レッドはコップを両手で握る。
タカヒロがそんな動きをした時、タカヒロを止められるのか、最悪、斬ることが出来るのか、レッドは真剣に思い悩む。
その悩みは目に見て分かってしまうようで、リベルテがレッドと同じような痛ましげな表情を見せていた。
レッドは自身のせいでリベルテを暗くしてしまったことを反省して、気持ちを変えるようにまた外に目を向ける。
外はまだ雨が降り続けているが、この雨の中を動き回っている人たちの姿が視界に映る。
「今年もいろいろと食べられるように、稼いで置かないとだな……」
豊穣祭までは何事も起きないはず、と言うリベルテの言葉に救いを求めるように、レッドは口にする。
「そうですね。またマッフルの新作があると良いのですけど」
レッドとリベルテは、お互いに不安を押し隠すようにして、少し苦い笑みを見せあう。
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